…て言ってるけど、私は本当に終わるのか怪しいところでして(ここの作者だし)
つーか私またここなんですね? ついに本編復帰は出来なかったんですね私?! まあ予想してましたし時雨ちゃんたちの為と思えば。
それでは、どうなるか分かりませんが、まずはイベントの後日談を見て参りましょう!
では…どうぞ!
「…で、朝潮ったらうるさいんだから。泣くなって言ってるのにぎゃんぎゃん泣いて…帰投しただけでよ? 信じられる?」
「………」
「…? 時雨、聞いてる?」
満潮が言うと、時雨はハッとした様子で隣にいる彼女を見る。
「あ、ごめん。聞いてなかったよ」
「何それ? …まあいいけど、どうせこの前のこと思い出してたんでしょ?」
「うん…あはは、やっぱり分かっちゃうんだね?」
「アンタ意外と顔に出やすいのよ。私でも分かるなんて」
「そうだねぇ…満潮はコミュニケーション取るって感じじゃないし」
「はいはい! あーそうね? どうせコミュ障よ!」
「そこまで言ってないよ…改二になってからは大分違うよ?」
「言ってるじゃない! フンッもう知らない!」
悪態を突き合い、笑いながら二人は同じ廊下を歩いていた。
二段階に及ぶレイテ沖海戦、その第一段階を見事成功させた時雨と満潮たち。
あれから約一週間…新たな仲間を迎え、次の作戦が泣いても笑っても最後となる…そんなある日。
突然、彼女たちの前に走りながらやってくる小さなモノたちが
「…? 雪風、初霜、どうしたの?」
「み、満潮さん! 大変です! 「あの人」またいなくなっちゃいました!!」
「さっきから探しているんだけど、見当たらなくて…着任したばかりだし、道に迷って困ってたらどうしようって」
「せっかく大和さんに顔合わせさせようって、皆で言っていたのですが…満潮さん! 何か知りませんか?!」
「…はあ、知るわけないでしょ? 全く…こっちは見なかったわよ」
「そ、そうですか! ありがとうございます!」
「雪風ちゃん、次はあっちを探そう!」
「うん! 行こう、初霜ちゃん!!」
そう言うと、雪風たちは来た道を戻り探し人を捜索するのだった…
「何なの…なんで私に言うのよ?」
「いや、満潮が彼女にお世話焼いているからじゃないかな?」
「いや、アイツ見てらんないっていうか…ん?」
二人が話していると、後ろから足音が近づいてくる。
「…まさか」
振り返る。すると案の定満潮が思っていた通りであった。
「…あら、時雨さん、みっちーさん。おはようございます♪」
彼女たちのすぐ後ろの廊下から姿を現したのは、秋月型防空駆逐艦、その三番艦の「涼月」。
駆逐艦とは名ばかりと、艶やかな大人の雰囲気を醸し出す彼女。今作戦の最終海域の報酬艦として先行して宿毛泊地に着任した。
「…はあ」
眉間に皺を寄せため息を吐く満潮。少し付き合えばわかるが、彼女は大人びてはいるが「天然の気(け)」がある。つまり行動が読めない。
この間なんか、ご近所の皆さんにもご挨拶を。って近隣の住民に挨拶回りしようとしたのよ?! こっちが恥ずかしいわ! …と満潮は思った。
艦娘は一応「秘匿兵器」であるため、挨拶などのコミュニケーションはご法度のようだ。…尤もその考え自体艦娘によるようで、宿毛泊地でもその辺の禁則事項は特にない。
「やあ涼月。今日はどこ行ってたの?」
「んふふ♪」
返答の代わりに手下げたビニール袋を見せる涼月。
「ああ買い物か…中身は?」
「はい、お野菜の種を…かぼちゃにお芋。それから…トマト! 今から収穫が楽しみです♪」
「…ってアンタ、まさかここに畑作るつもり!?」
「はい、提督からも許可を頂いています。みっちーさんもどうですか? 畑でお野菜作り?」
「いやいやいや…」
頭を抱える満潮。…そういえばコイツ「生存艦」だっけ? 榛名や北上もこんな感じだし、正直やりにくい…そんな気持ちを吐き出すのを抑え、彼女は思うのだった。
「ってかアンタ「みっちー」はやめてって言ってるでしょ!」
「まあ、そうなのてすか? おかしいですね?」
「え、どういう意味?」
「いえ、提督や江風さんが「みっちーって呼んだら彼女が喜ぶよ」って言っていたから…」
「あんの馬鹿ども!! ###」
馬鹿二人を殴りに行こうとする満潮を優しく宥める時雨。
「まあまあ、落ち着きなよ?」
「ぬう…」
「すみません…でもみっちーさんは可愛いから、私はこの呼び方、好きですよ♪」
「アンタの好き嫌いじゃ……はあ、もういいわ。これ以上は」
「ふふ…あ、そうだ。涼月、ちょっといい?」
「はい?」
時雨は涼月に、雪風たちが捜していることを伝える。
「まあ、そうなのですか?」
「アンタたち「坊ノ岬」の仲間でしょ? 早く行ってあげたら?」
「はあ…あ、私少し用事が」
「…?」
少し焦る様子の涼月に訝しむ時雨。満潮はそれの原因を言い当てた。
「…アンタ、会いたくないのね?」
「え?! いえその…はい」
申し訳なさそうに俯きながら、指をいじくる涼月。
「え、意外だな…僕たちの「西村艦隊」みたいなものでしょ? 何で会いたくないなんて…」
「いえ、会いたくないは嘘ですが…その、どういう顔をして会えばいいのか、分からなくて…;」
「何? また史実がどうのとか言うわけ? そんなの気にしなきゃ良いのに」
「で、ですか? でもやっぱり…」
悩みに悩んでいる涼月に、満潮はため息をついて
「…はぁ、いいわ。私が一緒に行ったげるから、それでいい?」
「まあ! 良いのですか? 嬉しいです、ふふっ」
「ったく、面倒くさいわね?」
「みっちーさんは、配属されたての私に優しくしてくれて…本当に感謝しています。何故そこまでしてくれるのですか?」
「………」
- モシ生マレ変ワッタラ、私ト…ト……ダ…ニ
「…さあ、何でかしらね?」
「…?」
「…ああ、ほら行くわよ!」
満潮は涼月の手を引いて大和たちに会いに行こうとする。
「あ、満潮!」
「ん?」
時雨は朗らかに笑いながら
「じゃあ…またね?」
「…ええ、また会いましょう?」
満潮は満足げに微笑むと、涼月と一緒にその場を立ち去る。
何だか満潮を取られたみたいでいやだなぁ。と思いながらも微笑する時雨。
「…提督のところでも行こうかな? うん」
朝陽に照らされて、彼女の笑顔がより美しく見える。
その顔、その瞳には絶望の色はほとんど残されていなかった。
それでも、彼女は忘れないであろう…良いことも、悪いことも。
自分たちが「悪」であるという事実も
それでも、運命は変えられるということも
そして…突きつけられた絶望に、仲間を守るため果敢に立ち向かった「最高の相棒」がいることも…
「ふふっ…あ」
ふと、廊下の窓から空を見上げる。
「虹だ…!」
目を輝かせ、晴れ間に浮かぶ絶景を喜ぶ時雨。
「今日は良いことある…かな? ふふっ」
時雨は微笑みを湛えたその顔で、提督の元へ急いだ。
その様は、雨が止んだ後に見える、七色に輝く虹のように鮮やかな色をしていた…
皆様「宿毛泊地提督の航海日誌 秋イベ編」楽しんで頂けたでしょうか? 作者です。
これにて宿毛泊地のイベント編は一区切りとさせていただきます。
思えばこの一年、この様な作品を続けられてきたのは、閲覧して下さった皆様のお陰であると、私は思っております…本当に感謝しています。
イベント編はこれにて終了。ありがとうございます。
…と言いたいのですが。
未だ後編も楽しみにして下さっている方々もいるであろう、と思いますので…もう少しだけ、続けさせてもらってよろしいでしょうか?
「「「えっー!?」」」
提督「ほらな! 言ったやろ終わる終わる詐欺やって!」
吹雪「いやいいんですけど…どうするんですか? 終わらせるって言ったのに?」
いえ、「2017年のイベント編は」一区切りさせるつもりですよ?
照月「うそつきー! 大人はズルっ子だーー!!」
すみません、返すと言葉もなく…
磯風「」ドヤァ
…君は何がしたいの?
提督「ははっ、まあえいか! ほんなら皆ぁ、良かったらまた見ていってな?」
吹雪「い、いいのかなぁ…?」
はは、大丈夫ですよ? 「どうなるか」分からないので
吹雪「……えっ」
提督「おい、今なんt」
それでは皆様、これからも宿毛泊地をよろしくお願いします!
提督「うおーい! 人の話聞けヤァー!?」
…では最後に、宿毛泊地完結編(仮)の予告をご覧下さい。どうぞ。
・・・・・
西海を護る拠点の一つ「宿毛湾泊地(宿毛泊地)」
彼らにとっての戦いの一年を綴った物語は終わった。
「狂楽の双星」
「憤怒の雪姫」
「嘆きの女王」
「喜悦の隠者」
その全てを越えて、艦娘たちはこれからも戦い続ける…
- だが、忘れてはならない。
過去を振り返るべきは…越えるべきは艦娘だけであっては「ならない」。
これは、「蛇足」。
誰の為でもない。
自分を取り戻す「人」の物語…
「宿毛泊地提督の航海日誌 完結編」
2018年 1月 公開予定
※「完結編」の名称を変更する場合があります。ご了承ください。