これはゾンビですか?~いいえ、彼は黒の剣士です。 作:西じゃない東(斎藤 隆)
無論あの後、ボウリングも行かないまま数日が過ぎ去った。
そして、先輩・・・『明日菜』先輩とはひと悶着も二悶着もあったのだがまあそれは別の話。
午後七時今俺は病院の前にいる。そう、京子ちゃんが入院している所だ。
ずっと考えていたんだ・・・
なぜ、京子ちゃんがユーのことを犯人と言ったのか?なぜ、病院の近くにあのクジラのメガロが現れたのか?ただの偶然かもしれないが、京子ちゃんが怪しいのは事実なのである。
そして、俺は京子ちゃんの病室を訪ねたのだが・・・
「この病院にはそのような人は入院されておりませんよ」
「・・・本当ですか?」
「はい、過去のデータも確認しましたがそのような人は存在しませんでした」
「そうですか、ありがとうございます」
俺は病院からでて帰路に着く。
場所自体はあっているはずだ。ならなぜ・・・
そうして、帰路についていた俺だがふと何かが脳裏をよぎった。
京子はあそこにいた。それは間違いない。
ならなぜいなかったことになっているのか。あれは記憶から完全に消えている感じだった、忘れているかのような。
記憶を消す。ということは記憶を操るということだ。
それに該当するのは・・・魔装少女だ。アユムも記憶を操作していたじゃないか、そして京子はユーが犯人と言った。
それはユーについての情報が知りたかったからじゃないのか?
ここまで考えたら、なぜユーの情報を知りたかったかもおのずと分かる。
たぶん目的はユーのあの不思議な力だろう。
あの力を手に入れたいがタメの行動。そう考えたら納得できる事は多い。
ならなぜ京子ちゃんは今消えた?
もしかしたら、
その時、俺に最悪の考えが浮かぶ。
もしかしたら準備が完了したからじゃないのか?
準備が完了したから、行動するには邪魔な肩書きを捨てたとしたら・・・・?
なら今まさに京子ちゃんは計画を実行に移しているんじゃないか?
だとしたら・・・
そして、誰もいないところまで移動し完全装備になり、索的スキルを使い京子ちゃんを探す。
誰かの家の屋根を蹴りはねるように移動する。
京子ちゃんはあの墓場にいるようである。そこまであと少し・・・・・
―――――――――見えた。
しかし、そこにいたのはボロボロになったアユム達とほとんど傷を負わずにコスプレのようなふわふわした服を着ている京子ちゃん。
そして、いままさに宙から落ちようとしているユーだった。
くそっ!間に合え!
俺は全速力で走り、宙でユーに手を伸ばす。
はたしてそれは・・・・
ユーに届いて抱きかかえるようにし、体を丸めて勢いを殺しながら着地する。
「あなたは?」
京子ちゃんは・・・いや、こいつは敵なのだから・・・京子は単純に目の前にいる人物が分からないというかんじで言葉を投げかけてきた。
「桐ヶ谷和人だ」
「和人!」
アユムが俺に向かって言う。
「アユム、ユーをあずかってくれ」
「和人、俺は・・・」
「話は後にしよう。すぐに決着をつけるから」
そして、俺は京子に体を向ける。
「すぐに決着をつける?あなた、私のことをなめてるんですか?」
「なめてるわけじゃない。どうやら俺の仲間をさんざん痛めつけてくれたみたいだな」
「はい、ユーさんの力がほしかったので」
「そうか、・・・あんたは俺の仲間を殺そうとしたんだ。それ相応の覚悟はしているんだろうな」
俺は、俺にしてはめずらしく
怒っていた。
俺はキッと京子をにらみつけた。しかし、京子は最初に見たときと同じで小悪魔的な微笑を浮かべている。魔力の総量は見えているはずだ、俺以上の魔力を持っているのか・・・それとも―――
何か隠し玉でも持っているのだろうか?
「どうしたんです?かかってこないんですか?」
「そっちこそな」
とりあえず、相手の挑発を避けてなおも思考を続ける。
アユムやハルナはともかくセラまで倒れているということは相手はセラ以上の速さをもっているか、もしくは速さを武器に戦うものへの対処法を心得ているのかのどちらかだろう。
そんな相手に必殺の一撃であるソードスキルをぶち当てるのは至難の技だ。ソードスキルのブーストはクリスとの修行(なぜか、あいつはバカみたいに強いのだ)でも成功確立はまだ三十%程度・・・実践で使うにはまだまだ危うすぎる。
こうなったら、ピュアファイターの能力構成(ビルド)を脳筋の能力構成を無視するしかないか。
そして俺は息を吸い、その酸素が自分の体の中に満ちていく様をイメージしていく。
実践での焦燥感、過度な緊張感が収まっていく。
それらが収まると京子の姿がはっきりと見える。息を吸う様子も体の微細な動きが見て取れる。
まあ、それらが見えるのは相手の行動が読めるというかっこいいものではなく、脳の思考クロック数が多くなり処理能力が高まり時間が引き延ばされて見えるだけなのだが・・・
それにしても、相手は二刀流か・・・自分の力に見合う武器があるやつはいいな。
自分のもう一つの剣はどこにいったんだろうか?
まあいい。
相手はこちらの出を見ている。
―――見せてやる。俺の新戦術を!―――
俺は下の石畳が砕けるほどの強さで地面を蹴り、走るというよりも飛ぶようにして相手に向かっていきながら、ソードスキルを発動させる。
《レイジスパイク》片手剣の基本技の1つで、突進と共に片手の剣で突きを放つ技だ。威力自体は高くはないが、突進距離は《ソニックリープ》よりもこちらの方が長い。
元々の突進の速度に、高い敏捷度によってブーストをしなくても速いソードスキルの威力が合わさる。
しかし、その技自体は交差された剣によって火花を散らしていなされる。
そして、京子は硬直時間を見逃さずにかなりの速さでの攻撃を放つ。
それは俺の肩を狙っている。その攻撃は、あたれば俺の肩を砕き当分の間は剣が握れなくなるほどのダメージを俺に与える事だろう。
しかし、
「ケフヨ、ゼカ」
短く唱えたその言葉によって引き起こされた現象、それは突風だった。
だが、それは京子に対しての攻撃などではなく、対象は―――
俺だ。
「なッ!」
京子のこえからは明らかな驚きが見える。しかし、それは文字で《驚愕》と書くほどでもない、短く、そして、体の動きにも少しの支障をきたす事のないものだった。
しかしこれは元々距離を稼ぐものであり、相手に隙を作る技ではないので別にかまわない。
俺は術後の硬直時間を吹き飛ばされる間に済ませ、両足で着地する。
そして、瞬間的に攻撃に転じる。
ソードスキルの帯びていない只の一撃。
それを京子は簡単に弾く―――
前に、剣を手放す。
「ッ!」
今度は、ちゃんとした驚愕だ。そして、弾き飛ばされた剣を無視し相手に向かって体術スキル《エンブレイザー》を心臓に向かって打つ。零距離で相手にイエローに輝いた腕で貫き手を繰り出すその技は京子の心臓に向かって一直線に向かい、
貫いた。
「あっ・・・」
京子の体から力が抜け、抜き手が京子の体から抜ける。
気持ち悪い異様な感覚と、人を、生き物を殺したということに気分が悪くなる。
俺は自分の手についた血を見つめる。
―――血・・・か・・・―――
その血から前世のことを思い出しそうになる。
しかし、その血を見ていたことが結果的にいい方向へと転んだ。
その血が蒸発しだしたのだ。
「な・・・!」
そして、倒れていた京子が生力に満ちていく。
「ふふふ、あははははは!」
高らかに、あるいは狂ったように嗤う京子に向かって俺は動揺を隠す事なんかできるわけがなかった。
今のはアユムの不死身なんかとは全くちがう。まるで生き返ったようじゃないか・・・・・
「あははははは!―――気になりますか?私がなんでまだ死んでいないのか」
「ああ、教えて欲しいな。なんで生き返ったのかと、魔力の総量も全部元に戻っているのか」
「それはですね、生態の宝珠というもののおかげですよ」
「生態の宝珠?」
「はい、一度死んだものを生き返らせてくれる優れもののアーティファクトです。―――まあヘルサイズさんとアユムさんのおかげであと六回程度でしょうけどね」
「残り人数みたいなものか・・・、いやなんでもない」
「こんどはこっちも本気を出しますよ」
いっそう赤色の目を強く瞬かせたと思うと、京子の周りに竜巻が出来上がる。
「その赤色の目と生態の宝珠は誰にもらったんだ?」
「あれ~?私そんなこと言いましたっけ?」
「いや、その目が明らかな偽者だったからな」
「よく分かりましたね、これはある人が吸血忍者の能力を使う為にくれたものですよ。なぜ分かったんですか?」
「いや、その目のことはたぶん一番見慣れてるからな」
「???」
「分からなくてもいいよ。どうせ誰もわからないんだからな」
そういった後また強襲をかける。
そのあとのことを言うと、あんなにかっこよく色々のたまったのにも関わらず申し訳ない限りなのだが、一方的に京子のペースだった。
竜巻のせいで京子には近づけずに傷が増えるのみだった。
「はあ、はあ、はあ・・・くそっ」
思わず悪態をついてしまうほどに手も足もでない。
このときほどアユムがうらやましく思ったことはないな。
そう苦笑したところでこちらに向けてはしってくる影が見えた。
さっきも話に出たアユムだもう変身はしているようで魔装少女の姿で京子に向かって突進していく。
「待て!アユム!」
「うおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」
俺の制止も聞かずに京子に向かって突進していく。
竜巻でずたずたになってもかまいもせずに京子に向かってチェーンソウをふるう。
その攻撃は見事にあたるが一度だけだ。
アユムはその後すぐに竜巻によって切り刻まれる。
「・・・・・!!!!!!!!!!」
声を上げる暇もなくいくつモノぱーツにわかレたあユムを目にシタとき、オレのなかのナニかが何度もケイケンしたあの音とともにぶちリとちぎれた。
・・・
●
「うっ・・・」
いつの間にか元の体に体に違和感を覚える前に、目の前にいた人物に気づく。
「かず・・・と!」
目の前にいた和人の姿をみて声を荒げる。
なぜなら、和人は自分の片腕を『持っていたのだ』。
そこからは血があとからあとから流れ出てくる。
「おい!大丈夫なの・・・」
そこまで言って俺はやっと気づいた(いつものことだが鈍いな、俺は)。
和人の目が吸血忍者とは比べようもないほどに赤く、赤く染まっていた事に。
そして、和人はその手を元々つながっていたところに引っ付けた。
それは明らかに引っ付ける程度のことしかしていなかったはずなのに、完全につながっているようだ。
よく見ればコートもいつもと違い、黒色が増し、白のラインが引かれている。
そして、和人は京子に向かって歩いていく。
「大丈夫だから、親友のオレを信じろよ」
あの時と同じニュアンスの言葉のはずなのにあの時よりも危機感は大きかった。
●
俺は、歩いていた。
京子に向かって隙だらけの状態で。
「どうしたんですか~?もうあきらめたんですか!」
そういって、刀のほうでオレの足をぶった切る。
しかし、この後その笑い顔は驚愕の顔に変わる事だろう。
予想通り、
「なんで、なんできったはずなのにまだ足があるんですか!」
猛攻は続くがそれでもオレの体には傷一つ残らない。
「無駄だよ。おれの超回復能力には勝てないよ」
「超・・・回復能力!?」
そう、真祖の吸血鬼の如く、さながらあのキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード、鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼の全盛期のように、
「オレは吸血鬼だったからね、まさか、この体でも残っているとは思わなかったなあ。この小説を読んだ方々はさぞ驚いている事だろう」
「小説?」
おっと、メタ発言はたいがいに・・・
「二重人格見たいな感じだよこれは、このときはあの技は使えないけどな」
そう言ってるあいだにも元の人格(といっても本当はちがうんだけれどなあ)の意識が薄れて、コートとズボン、剣が薄れてきている。
まあ、こんなものはいらない。あってもなくても早々変わらない!
そして、相手に向かって詰め寄る。竜巻などもう関係なしに相手の体を具体的に言うと腹を殴りつける。すると、そこは縛散する。
「この、化物オオ!」
「知ってるよ」
相手が放つ劫火を無視し、また殴りつける。
残り四回。
「ああああああああ!」
三
「くそおおおおおお」
二
「うあああああ」
一
最後の一撃を転がっている京子のすぐ横にぶち落とすと、地面にヒビをいれて京子も気を失ったようだ。
それを見届けると、速く俺のかラだを返せトでモいうように視界がブラックアウトシタ。
最初に書いてるでしょ、キリトではないって。
どちらかというと坂本のほうだね、それも裏坂本。アクセス数減るのを覚悟してのこの話です。
キリトそのものだと面白くないと思ってのこの結果です。
これは七、八につながるからお気をつけてね!
さーってと大先生対キリト書くかー。ソードスキルを次は生かさないと・・・
ps物語シリーズネタが多いのはご容赦を