特務警察署の日々   作:宇垣秀康

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すみません、本編進めます
短編は起きていたら3時ごろとなる予定です。


case.1-4 亀と龍と

~公園~

 

「全く警部殿まで…勘弁してくれよ…たくっ…」

「すみませんねぇ…どうも面白そうで…」

「そうよ!私達に内緒でこんな美少女と!」

「二階堂!そもそもお前が!…」

「ごーめーんーなーさーいー!」

頭を抱えた伊達と笑いながら謝罪している杉下、伊達に襟首を捕まれ謝罪している二階堂…

そして少し離れたところにそれを見ながら苦笑いしている桐生と遥と話をしている警の署員たち。

 

「すみません。皆さんにはご迷惑お掛けしました。」

「ごめんなさい。でもおじちゃん悪いことしてないから!」

と頭を下げている桐生とそれをかばう遥。署員たちは既に喧嘩したような話を聞いた気がするが、伊達が既に連絡したようなのでそれについては特に聞かない。

そこで神戸が敵愾心を見せないように笑顔で話を聞こうとする。

 

「しかし、こんなところで天下の東城会の元会長に会うとは…それも、こんなかわいい女の子を連れてるなんて…」

「…昔のことだ。俺ぁ…堅気になったんだ。この子は…俺の娘だ…」

と、少し眼を鋭くし、遥の頭を優しく撫でる。

「なるほど…その名を轟かせた《堂島の龍》も娘には勝てない…ってことですか…」

「すこし失礼ですよ神戸君?…桐生さんは現在孤児院を経営されている立派な方です。

すみません。私の部下が失礼を働き…遥ちゃんもすみませんね?」

と、桐生に負けず訝しげに神戸が桐生を見ていると、杉下が申し訳なさそうに桐生に寄ってきて謝ったのだった。

それを見て、神戸も

「失礼しました。」

と頭を下げ、ばつが悪そうにそっぽを向く。

それを見た署員たちは、それに付け神戸をからかいだす。

 

「そや!お嬢さんもおっさんも気にすんなや。

ん、この神戸って男は少し失礼でしてな?何かあるたびちくちくちくちくと…女の腐ったような奴なんですわ。なあ、青島?」

「言い過ぎっすよ矢部さん。でもあれで結構運転荒いのが怖いんすけどね…」

「えー!あれくらい普通だと思うんだけど?青島くんも一平ちゃんくらい鍛えなきゃ!」

「ちょっと夏実!趣旨変わってるわよ!御免なさいね遥ちゃん。桐生さんも失礼しました。」

「全くこいつらは…済まなかったな。儂らはお前を逮捕する気は今んとこ全くないんだ…こいつらが伊達しんとそこのお嬢ちゃんの関係を邪推してな…」

「あーっ!両さんずるーい!自分だけ助かろうとしてるー!」

「うるさい頼子!」

と、わいわいやってる陸動課を、遠くから見ている特車はと言うと…

 

 

ービルの屋上ー

「隊長。あの人東城会って言いましたよね。」

「どうした篠原?何かあったの?」

「いえ、あの天下の東城会の辞めたとしても元会長さんが子供連れて二人であちこち出て歩いても問題ないんでしょうか?下手したらうちの親父より格が上のお人ですよ?」

「あぁ、そうね。あの人自分の組全部相手取って勝てるくらい強いらしいから。」

篠原の問いに双眼鏡から目も離さず後藤は答える。

それに驚く一同。

一人のみ込めていない泉は篠原に耳打ちをする。

「ねーねーアスマ!東城会って何?」

「なに!お前…警察官なら知ってるだろ、特別指定暴力団体 東城会!」

「んー…知らないよ!分かりやすく教えてよ!」

と少し大きな声になってきたころ、近くにいた熊耳が泉の疑問に答える。

「あのね泉巡査?東城会っていうのは関東全域をシマにしているヤクザよ。以前官僚がヤクザ屋と結託して政治資金の裏金を作ってたのは知ってる?」

「あ、はい。あのビルの屋上で爆発したときのやつですよね?」

「あー…あの時、現場近くに素手で破壊されたレイバーがあるとか言われて出動しましたねー。奴さん壊れてない仲間まで出て来て、太田さんも暴れてひどい目に遭いましたよね。」

「やかましいぞ進士!明らかに違法な武装をしたレイバーだったんだ!銃を撃って何が悪かったんだ!」

「でも、あの時、太田さんが発砲する前に爆発が起こって犯人達もレイバーも怯んで、無傷で捕らえられてよかったですね。」

と、特車の男達が脱線し始めた所を熊耳、クランシーが咳払いで 空気を引き締める。

「その官僚と繋がってたヤクザ屋って言うのが、東城会よ。」

「なるほど…私にはあんまり関係のない人たちみたいだ。」と明るく答える泉にクランシーが、

「あら?そんなことないわよ?」

と、少し含みを持った言い方をする。後藤も頷き、意見に賛同している。

「え?なんで!私達別にそんな付き合いが…」

「きっさまー!篠原!お前まさか親の会社が!」

「ばっ!太田!言っていいことと言っちゃいけないことがあるぞ!確かに親父は金ばかり考えてる阿呆だが!ヤクザと繋がってなんかない!香貫花も!誰だよ繋がりがあるのって!」

と、勘違いした太田に詰め寄られている篠原が憤慨しクランシーに問い詰めると、あっさりと

「野明よ」

と答える。

その場が静かになると、泉は周りを見渡し、自分を指す。

「私?」

その言葉をきっかけに、同僚達に

情けない だの

何したんだ だの

いくらほど借りてるの だの

質問責めにされてる頃、

後藤と、クランシーはそれを面白そうに聞きながら、桐生を見ていた。

 

「どうするのあれ?いつ教えるの?」

「もう少ししたら野明が怒るでしょうし、そこで教えますよ。…私達も本人に会いに行きますか?」

「あのね、おじさんあんな龍みたいな人と会ったら漏らしちゃうって。今日食事に行くし、面倒には参加しないの!」

と、後藤は一人そそくさと現場を立ち去り、しばらくすると、

案の定泉が切れ、なぜ関係するのかクランシーに問い詰める。

「昔、あなたが操作を教えていたジャパニーズマフィアの親玉が東城会なのよ。」

と、言われ、また現場が凍る。

そう、過去にレイバー隊のイメージアップの為、レイバー操作の安全講習を行っていた特車二課はその講習に来ていたヤクザの親分にレイバー操作を教えたことがあるのだ。律儀な親分はお礼を送ってきたり、事件現場で活躍し、賞状ももらったことに快感を覚えて、特車二課の現場に現れ活躍しようとしていたことがあった。

最終的には、別の組との抗争が起きてしまい、持っていたレイバーコレクションは特車に取り上げられたのだが…経緯が経緯な為、上層部が調査した結果、特車二課に沢山の矢のような抗議文が来たのだった。

後藤は皆に知られないところで謝罪や、責任をとりに奔放したのは内緒だったのだ。

 

それらの話をしていたクランシーと、当時まだ、特車にいなかった熊耳から有難いお説教を聞き、

この場の特車の仕事は終わり、先ほど後藤から伝えられた緊急配備のために署へと戻るのであった。




昔、イメージアップのために特車二課が行ったレイバー安全講習に来ていたヤクザ屋が東城会参加という話です

遅くなりすみません。
短編を近いうちにあげます
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