特務警察署の日々   作:宇垣秀康

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お久しぶりです。
車に引かれ、リハビリも終わり一段落しました。
久しぶりなのでがんばります。

今回から別の話になります。正直前回までと中心人物は変わりますが、宜しくお願いします。


case 2-1 池袋に集まるは有象無象

ーピピー、ピピー……ー

 

「はーい!お兄さーん、ちょっとこっち来てもらえるかなー?」「君、高校生だよね?こんな時間に何してるのー?」「酔っぱらいが喧嘩ー?よぅし!どこだ!」

「…なーんで俺たちがこんなこと…」「いいからアスマ!手伝ってよー!」「そうよー愚痴いっててもしょうがないわよ!」

残暑残る東京、池袋で取り締まりをしている集団がいる。

特務署の交通課の辻本、小早川と新しく墨東署から配属された中嶋、特車から篠原、泉、熊耳である。

なぜ彼らが池袋で取り締まりなぞしているのか、それはあの東京のヤクザと大阪のヤクザとの抗争による銃撃事件である。

しかも、建設中のビル内で銃撃音だけでなく、爆発音まで鳴っていた為、大事になり本庁、近辺所轄が出払っていたのだ。その為、交通整理を特務に投げたのであった。

特務の中でも刑事課では伊達刑事が中心となって、とある男の取り調べ加わっていた。

その為交通課だけでなく、特車も駆り出されたのであったが、篠原は納得していなかった。

「全く…なーぜ俺がこんな……ブツブツ」

「アスマー?まだグチグチいってるのー?」

「乃明!なぜ俺…いや!俺たちがこんな事せないかんのだ!?レイバーが出たわけでもない!何かレイバーでないとダメな事件があるわけでもない!しかも肝心なレイバーは持ってくるな!なんて特車がやる仕事か!?」

泉に声を荒げながら不満を言う篠原だが、泉はあまり気にしていないようだ。

「うーん……確かにアルフォンスを連れてこれないのは不満だけど、これも大事な仕事でしょ?愚痴ってないで働く働く!」

「そうよ篠原くん。頑張りましょう。」

泉だけでなく、上司である熊耳にも声をかけられ、渋々仕事に戻る篠原であった。

 

それから数時間彼らは交通違反、喧嘩、事故など様々な処理に追われた。そして一段落したのは深夜であった。

そしてご飯を食べながら談笑…もとい情報交換をしていた。

 

「あー!もう疲れたー!」辻本が愚痴っている。

「夏実!でも確かに多いわね…喧嘩がこんなに多いとは思わなかったわ…」

「俺も白バイ仲間から聞いてはいたけどこんなに多いとは思ってなかったぜ…」

「しかし、黄色い布巻いてるの多いわね…泉さんも見たでしょ?」

「あー!私も見た見た!あ、でも池袋で有名なのって[青]じゃなかった?」

「昔はなー…なんでも昔[赤]と抗争だか喧嘩だかしてたんだが、[赤]の裏切り者がヤクザと繋がってたらしくてな?そいつ突き止めて統一してから[赤]のリーダーがいなくなって自然に色なんてなくなったらしいぞ?」

「へぇー…詳しいねアスマ…」

「いや、この前両さんが吉岡とかいう池袋の刑事と話しててな?そん時気になって聞いてみたんだ…しかし、その後、別の[青]が出て来て、お前やら熊耳さんが見た[黄色]に潰されたんだと。吉岡とかっていう刑事さんが言ってたのは昔のカラーギャングより若いからタチが悪いだと。」

「「「「へぇー」」」」

篠原の話に感心する一同であった。それにより気分をよくした篠原であった。

「あ、そういえば聞いた?バイクの話。」

突然辻本が話を変える。

「んー?なんの話辻本さん?」

熊耳は知らないらしいが、他の面子は何やら心当たりがあるようだ。

「あー?黒いバイクの話?なら聞いたよ?スッゴいスピードで走るんでしょ?」泉は今日聞いた噂話を思い出す。

「あー、俺の白バイ仲間が追ってる奴か…何でも無灯火で停止指示も無視するらしいな」中嶋は特務署に近々配属になると噂の仲間の言っていたことを思い出す。

「私も聞いたわ!どんなカスタムしてるのかしら!気になるわー白バイとのチェイス中でも急旋回したらしいし!」小早川は噂の思いだし、バイクの性能に胸を踊らせる。

 

「な、何だかすごいのがいるのね…」と驚愕する熊耳であった。

そんな熊耳に辻本と篠原がにやにやと笑いながら話しかける。

「いやいやー?本当に凄いのは別なんですよー…熊耳さぁん?」

「そうそう…フッフッフッ」

と、何やら嫌な雰囲気になったが休憩所の電気を消し、顔の下からライトをつけ話し出す辻本。

 

「その黒いバイク…黒バイクって呼ばれてるらしいんですがね?運転してるのは体つきから女でフルフェイスのヘルメットを被ってるらしいですがね…そのヘルメットを外したことがないらしいんですよ…」

ゴクリと息を飲む音だけが聴こえる…篠原が続ける

「そんなある日チンピラが歩いてると目の前にその女が乗ってるバイクが停まってたらしいんですよ…んでふざけて乗ってみたら…聞こえたんですよ…馬の鳴き声が…」

名誉のために言わないが、ある二人はこの時点で耳を押さえたり震え出している。もう二人は興味を持ったようだ。今度は辻本が話を続ける。

「怖いなー怖いなー…どこから聞こえたんだろう…と思っていたらヘルメットの女が戻ってきましてね?慌てたのはチンピラ達です…勝手に乗っていたしね?そんで、慌てた仲間が持ってた鉄パイプでヘルメットをおもいっきり…殴り付けた!」

腕を振り下ろしながら説明する辻本…

「そうすると…ヘルメットが、いとも容易く落ちたんですよ…そう無かったんです…その女には……首が!」

「「「キャーーーー!」」」「ギャーーーー!」

と、篠原と辻本がタイミングを合わせ、ライトを消すと共に悲鳴が聞こえた。

四人とも怖かったようだ。

その反応を見て篠原、辻本はハイタッチをし、他の四人は怖がって動けないようだった。

 

「なぁに怖がってんだ乃明!こんなの都市伝説だぞ嘘に決まってるだろw」

と、からかう篠原であったが泉が静かに睨み付けてくるのを見て熊耳さんが怖いもの苦手だということを思いだしフォローを始めていた。

 

「はっはっはー!大丈夫よ美幸!何かあっても相手がバイクなら中嶋君が助けてくれるわよ!ねー?中嶋君?」

「お、おお?おおう!」

こちらは怖がりの小早川を大丈夫だと抱きしめようとしている中嶋に後押ししようとしていた。

 

少しして熊耳も小早川も落ち着き、篠原は泉に怒られ、中嶋は辻本に意気地無しと言われているなか、休憩所から出てきた面々が配置を確認しようとしていたとき、近くの大通りからサイレンの音が聞こえてきた。

ファンファンファンファン…

 

そして目の前を横切る黒いバイク…

「あ、あれって…」

「 ……うーん 」バタンっ!と熊耳と小早川が倒れ慌てているとサイレンを鳴らした白バイが横切ろうとした。

 

「葛原!?」中嶋が驚いて声を張る。

「 ! 中嶋ぁ!手ぇ貸せぇ!」

 

と、大声でスピードも落とさず黒バイクを追う白バイが支援を求めた。

それを聞いた中嶋は支えていた小早川を辻本に預け、自身の白バイに乗った。

「ちょっ!中嶋君!」

「悪い辻本!アイツが俺の白バイ仲間なんだ!」

「えっ!ならあれが!?」

「そうだ!噂の黒バイクだよ!」

 

そう言うと中嶋はサイレンを鳴らし、別の白バイに追い付くためスピードをあげるのだった。

 




お久しぶりです。
自身の怪我と諸々が重なり更新が停まってしまっていました。申し訳ございません。
また、少しずつ戻していこうと思います。

まぁ、舞台が池袋となったため、主体となる2作品は…勘のいい方々は分かると思います。
片方はもう片方に触れていましたが、普通に両立出来る気がしたんですよね…
あとはパトレイバーも逮捕しちゃうぞもホラー回ありましたし…普通に…

では、今回のマイナー警察関係者ですね
吉岡…IWGPで出てくる少年課の刑事。意外なところではこち亀小説版の両さんが同期だと言っている。

こんな感じですかね…ホントにすみません

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