第1章の1話目が出来ました。
導入的な話としています。最初ですから。
作中の季節が夏前と少し羨ましいですね。
雪も根付いた昨今、滑らぬよう気をつける日々。
歩道もそんなんなので、たたでさえない素早さは
冬にはかなり減少し鈍間と化します笑
風邪気味な私は今日もマスクを着用して
仕事を頑張っています。
読んでくださる方々も、
体調に気をつけてくださいね。
それでは、後程。
学園長と話をしてから2週間が経ち、もう6月に入った頃。
言葉の通り、あいつが特に何かしてくることはなく、僕は色んな部活動に顔を出している。
交流する内に名前も覚えられ、非常勤の様な扱いで拒まれることはない。
空いてる時間は街でアルバイトをしている。申請用紙を提出し許可を得たから問題はない。
懐も少し温かくなり、生活に潤いが出始め、今日も優希との接し方を考えている。
「天城くん。難しい顔してどうしたの?」
隣で昼食を共にしている星河さんに問われた。
学園の校庭でのんびりしていたら、いつの間にかやって来てて、また驚かされた。
星河さんが作ってくれたおにぎりを食べながら、僕は答えた。
「ここ最近、部活の助っ人をしてバイトして勉強してさ。神様関係除けば、普通の高校生活送れてるなって感じちゃってね」モグモグ
「そこ以外、特殊な所はないわね。平和なのは良いことじゃないの?」オイシイ?
「それはそうだけど、このままじゃ結局何にも変わらないしさ」オイシイヨ
「神様が元はこの学園に通う生徒って教えてもらった時は信じがたかったけれど……」コレモドウ?
「でも、図書室にあった過去の卒業アルバムに神様の姿は確かにあったんだよ」イタダキマス
学園の卒業生だと聞く前に、優希から話してもらえたから知っていたけど、念のため調べてみることにした。
B組の図書委員をしている本町和人くんに聞いてみたら、OBの卒業アルバムがあったとのこと。
閲覧するのに制限はなく生徒であれば、誰でも手に取れる代物だ。
その1冊の中に、優希は確かに閉じ込められていた。
名前も"華凰優希"と表記されていた。つまり、最初から彼女は本名を名乗っていたことになる。
というよりも、それしか名前が無いんだから当たり前かな。
「星河さんは図書室に行かないの?」
「天城さんも来たよねうちの部室に。あれだけの本があればわたしは満足です」
「そう。おにぎり、ごちそうさまでした」スクッ
「もう行くんですか?」
「今日は助っ人無しだからバイトに行ってくる。外は神様と関係無いから存分に力を振るえるし」
「バイト……何の?」
「イベントの設営と撤去を手伝ったり、たまに運営スタッフとして参加してるよ……近々祭りがあるみたいなんだ」
「そうなんですか? 知らなかった……」
「じゃあまた明日ね、星河さん」
「……月夜と呼んでくださいって言ってるのに」
街の中心にある大きな公園がある。樋浦が丘公園と言うらしい。
7月の初めに盆踊りを開催するが、これは8月にやる本番に向けた前座のようなものだ。
夏は野球する前に近所の公園に集まり、ラジオ体操していたのが懐かしい。
その祭りの準備に僕は参加している。意外にも時給は悪くない。
配線コードを持って走ったり、テントの設営を手伝ったり、神原学園にいては出来ないことができて気分がいい。
徐々に完成へ向かう風景に、優希も連れていけないかと思ってしまった。
にしても、陽射しが強くて汗が止まらない。首に巻いたタオルも汗を吸いすぎて気持ち悪い。
「あれ? 大地くん?」
名前を呼ばれ、辺りを見回した。
「あ、白幡さん……と本町くん?」
2人は制服姿で、ここまで来たのかな。
「お疲れ様、天城くん。委員の仕事で来たら、君の姿を見かけたらさ」
「バイトだよ。部活の助っ人もないし、勉強をするより身体を動かしたかったんだ」
「見かけに寄らずアウトドアな」
「見かけも何も、元野球少年だからね。基本、外で遊ぶのが好きだよ」
「運動系やらないの?」
「やれないしやりたくない。というか、2人とも僕の体育での醜態を見ているだろ?」
「「あっ……」」
2人して地雷を踏んでしまったとばかりに青ざめてしまった。
自己紹介で、野球をやってたことを言っていたため、ものすごく期待をさせてしまったのだが、アレのお陰でクラスの注目は直ぐに解かれた。
「そんな申し訳無さそうにしないで。その分、外ではこうして力を発揮出来てるんだからさ」
隠すつもりもないので、淡々とそう告げる。
白幡さんは勘づいたのか、そういうことなんだと小さく呟いた。聞こえてしまったけど。
対して本町くんはそれがどうした?とばかりに首を傾げて僕を見ている。
そこに違和感を覚えてしまったことを僕は無視した。
「2人は祭りに来るの? 前座のような祭りだから華やかさに欠けるけど、休日を過ごすには良いと思うよ」
「大地くん、何か勘違いしてない?」
「してないしてない。ただ手伝いをしているから宣伝してるだけだって」
「まあ暇であればね。丁度誘おっと思ってる人がいるし」
意外な反応が帰ってきた。
「是非とも来てほしいな。当日は運が良ければやぐら太鼓叩かせてもらえるかもしれないよ?」
「太鼓か。幼い頃に叩かせてもらったことはあるな。流石にブランクあるし選ばれないよう影に徹しておこう」
「そんな大層なものじゃないでしょ。でも叩いてみたいね……」
白幡さんはチラチラ僕を見ている。
何の意図があるのかわからないけど、僕のその日について教えることにした。
「祭りの当日は出店の手伝いがあるから僕が参加するのは難しいけど」
「…………」シュン
「客が来なくて暇そうにしてたら大丈夫だから、その時は声を掛けてくれると嬉しいな」
「…………」パァァ
「天城さ、わざとかその言動は?」
「わざと? ただ僕は2人に向けて言っただけだよ。祭りを1人で、というのは寂しいだろ?」
オーイ、ダイチィ! コッチタノムワ!!
「呼ばれちゃったみたいだから、仕事に戻るよ」
「いやこっちこそ。仕事中に話し込んじゃって悪かったな」
「お仕事、頑張ってね」
「うん、頑張ってくるよ。じゃあね」タタタッ
仕事を終えて寮へ帰ってきたが、やはり疲れるのが早い。
最中は問題なく作業に集中出来たし、重たい物を持つのも苦でなかった。
学園の門でいじけていた優希の元へ駆け寄り、門を通った瞬間だった。
ゲームで例えるなら、強制的に基礎体力値が減少したような感じ。
本来下がり様のない値が下がり、体力が空っぽの状態となり倒れ込んだ。
実体化してくれた優希が部屋まで運んでくれた。
経験値は積んでるのに、ステータスが上がらないとか納得がいかないよ。
いつの間に、パソコンを使い込んだのか。
今日は優希が検索で見つけた料理としてカレーを作ってくれた。
ご飯の炊きたては無理なので、共同キッチンに備わってるレンジで温めたそれに盛る。
カレーなんていつ以来だろうか。
優希特製のカレーは実家のものよりも甘く、僕好みの味付けで美味しかった。
こうした1日が繰り返されて現在に至る。
気付けばもう6月なんだな。
今はこれでいい。何かと頭を回転させては疲れ果てて、大切なものを見失いやすい。
そう言い聞かせて、僕は眠りにつく。
変わらなければならないその瞬間まで、この気持ちのままでいさせてほしいな。
第1章も1話目でした。
気のせいか少年が出てるの少ないような。
天城くんのクラスメイト、新しく出てきましたね。
第1章のゴールも何となく構想があり、
主要となる人あるいは神様も決めてます。
ただ1話毎に終わったら
番外談話を書こうと考えています。
書けたら投稿されていると思いますので
読んでいただけると幸いです。