前書きの使い方がわからないため、
初投稿では何も書かずに投稿してしまいました。
挨拶もこんにちわではなく、初めましてですよね?
最初はオリジナル作品ではなく、
二次創作を考えていましたが、
原作のキャラを掴みきれて無いので、
投稿まではまだ遠いかもしれません。
書き溜めているわけではありませんので
更新頻度は少ないと思ってください。
拙いと思いますが、この作品が私の始めの一歩です。
温かく見守っていただけたら有難いです。
「そういえば、貴方の名前は?」
「天城大地。僕には不釣り合いな名前だよ」
「親から貰ったものを悪く言うのは感心しませんね」
結局彼女に頼る他に手段は無く、古い校舎を出て先程の分岐点まで戻ることになった。
神様という確証は無いけど、生徒手帳の校則にはっきり書いてあるし、あとはここの生徒にでも出会えば何か分かるかもしれないな。
「別に悪く言ったんじゃなくて、名前負けしてるって話だよ」
「名前負け……ですか。まあ生物は皆、生前に名前など持ってませんし。名前なんて完全に後付けな設定です」
「君が神様だとしても、その発言は如何なものだろう……そういえば君の名前は?」
「はい?」
「はい?じゃなくてね。僕は名乗ったんだから、君も名乗るのが常識だろう」
「ああ、そうでしたね。私は華凰優希と名乗ってますよ」
「…………え。神様って和名なの?」
「だって日本ですから。その名前の方が違和感ありませんし」
「何でもいいけど、他の人に知られることまずないはずだよね?」
僕にしか見えないのなら、そんな心配不要なはずだ。
「普通にしていれば、の話なんですけどね」
「含みのある回答だな」
「貴方に取り憑いてるので、その気になれば憑依出来ます」
「!? ……それは僕を乗っ取るということ……?」
突然過ぎて、初めて慌ててしまった。
そんな僕の様子に、華凰は控え目に微笑んだ。
「貴方も慌てるんですね。中々笑ったり驚いたりしないものでしたから」
「ポーカーフェイスだねとはよく言われるよ」
元からではないが、あの試合以前からそう言われることが多くなった。
中にはどうしたんだ? いつもの元気はどこいった? などと気にかける人もいた。
いつものって何だよ。365日元気一杯でいられるわけないだろうが。
「どうやら気に障ったみたいですね」
「勝手に思考を……というより、そういうことも出来るのか」
「思考というより、貴方の感情が私にも伝わりますので、それで察しました」
「君に嘘を吐くのは難易度が高そうだね」
「神様を騙すなんて愚行はお勧めしません。それに私達は一心同体です。少しずつでも、私は貴方に信頼してもらえるよう努めます」
「…………そうか」
「ですから、その手始めに教室まで案内しませんとね」
そう話し込んでいる間に、分かれ道へ戻ってきた。
あの校舎へ向かうときよりも、時間が掛かったような気がする。
「普通に真っ直ぐ進んでいれば良かったんですけどね」
「ここに来たのは編入試験以来だから忘れてたんだ」
「ただの方向音痴なのでは? 貴方の記憶を辿ると迷子になって泣きじゃくって」
「人の過去を掘り起こさないで。……なんか相手にするの疲れてきたな」
幽霊でやれる範囲越えてないか? まあ憑依されたら今度は僕が記憶を覗いてやるが。
「ちなみに華凰は何歳なの? 見た目は僕の同級生とあんま変わんないよね」
華凰は少し思案する。
「天城くんよりかは年上ですね。容姿は10代後半から変わってないので、そう見られても不思議ではありません」
10代後半から変わらないのは凄いな。でも、質問の回答になってないよなこれ。
……にしても、やっぱりモテモテだったんだろう。神様って言い張るとこを除けば、素直に可愛いと思うし……。
「可愛いだなんてそんな……」
「だから勝手に思考や記憶を覗かないで! プライバシーの侵害で訴えるぞ!」
とりあえず、華凰の言う通りに真っ直ぐの道を進む。
その先に見つけた校舎は
外観は真新しく、生徒がいることも窓から確認できた。
最初からここにいた訳じゃないから、色々と0から始まるわけだ。
華凰は……カテゴリーしづらい存在なのでカウントはしない。
とにかく適当に歩いて他の人に華凰が見えるのかどうか調べないと。
「いい加減認めてくれてもいいのに」
「うるさい。さっさと職員室行って遅刻したことへの謝罪。教室へ行くのはそれからだよ」
……歩き回ったにしても、妙に疲れてるな。野球から離れて1クール置いたら流石に基礎体力も減るもんだな。
「……第一印象悪すぎ」
「まあまあ。落ち着きなさい」
神様というか幽霊であることが確定とか。
全生徒がそういう人間だったからいいけど、弄られキャラのレッテル貼られたのは完全に終わった。
「1匹狼を気取るつもりが、まさか群れを作ることになるとは思いませんでしたね……ふふっ」
「十中八九君のせいじゃないか。前の学校では寡黙で押し通してたのにさ。今後のこと全く考えてないぞ」
廊下で1人ガックリ肩を落とす。もうそのまま取れてしまえばいいよ……。
「天城くんがいけないんですよ。私の言うこと全部に反応して」
「悪乗りが過ぎるだろ! 顔を赤くなって、緊張しちゃってかわいいって言われちゃっただろ!」
まあまあと落とした肩に華凰はそっと手を乗せた。
「貴方は今のままじゃいけません」
急に凛とした表情を見せた華凰の雰囲気が一変し、無意識に身体が強張った。
「神様としての忠告、というのは建前で。やはり私は貴方をただ見てるだけではいられないようです」
強張った身体が、意図も容易く華凰と向き合う。
また藍色の瞳に逢う。
純度高く綺麗なその瞳を見つめる権利は僕にはない。
見えない何かから逃げ去るように目を泳がせるも、彼女は逃がす気がないようで。
「仲間や家族、それまでの環境を捨てて、ここへやって来たのでしょう? 貴方には大切なものを守るということを学んでいただきます」
「その大切なものをゴミみたいに、簡単に捨てた。信頼も一瞬にして無に帰したから。だから誰も僕を知らない遠くへ……逃げてしまいたかった」
逃げる以外の選択肢が僕には見えなかった。
可能性が崖っぷちで生きていたのなら、僕はそれを躊躇いなく突き飛ばしてしまったんだろう。
「神原学園に来た目的なんてない。ただ平穏な学園生活を送って、普通に卒業して、その後は…………」
「まだ決められないんですよね。自分の夢が壊れてしまい、未来像を描けなくなったから」
華凰が僕の両手を包んでくれた。
触れてる感覚は無くても、見えてるだけで…………なんか…………。
「大丈夫です。私が天城くんの可能性を示します。貴方にはまだ見えてない選択肢を、これから卒業まで、たくさん見せてあげます」
「……野球以外何が出来るんだかわかんない人間だぞ。そう簡単に代わりの夢が出来ると思わないでよ」
「私は難易度の高い方が燃えるタイプですので、ご心配なく」
根拠の無い自信はどっから来るんだか。それでも彼女の言葉に重みを感じた。
「……じゃあ寮に向かうとするか」
「授業はどうするんですか?」
雰囲気が出逢った時に戻ってる……どっちが素なんだろう。
「編入初日は、お世話になる教室へ挨拶するだけ。後の時間は寮の整理に充てるんだとさ」
「私も一緒に住むことになりますしね。やっと環境の良い部屋で寝られます♪」
やっぱり付いてくるんだ……。
「寝る前に神様……の定義とか君が何における神様なのか、頭の引き出しに仕舞わないといけない情報もあるしさ、行くよ」
まあ、あんな場所に居たんだし、大体は想像がついているけどね。
「じゃあ友好の証に手を繋ぎましょうか?」
「左手が空気を纏ったようにしか思えないけどさ……」
出逢ったばかりで、こんなにも話し込むなんて思わなかった。
線引きを忘れないように……そう注意しながら、彼女に本音を溢す。
「手を繋いだみたいに温かく感じるね。これから2年間よろしく、優希」
序章の2話目でした。
登場人物が未だに2人なのは寂しいですね。
次回も2人だけになりますが。
1週間後を目安に書ききれるよう、
仕事の合間の一筆は欠かさずに……。