はいふり~天才な私の物語〜   作:風早 海月

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今回は短いです。




14、無駄になっちゃった…?

葉月ほのか。その道に携わる者ならばその名前を知らぬ者はいない。

 

天才。鬼才。奇才。

 

その力はこの世界を狂わせた。いいようにも悪いようにも。

 

ミサイルシステム。CIC指揮の有用性。艦隊指揮の情報リンク。

 

他にもたくさんのものを作ってきた。

 

その集大成が彼女の中学生最後の年に作られた。

 

 

重巡 青葉。青葉型重巡洋艦。

 

元々、艦体に対しての耐衝撃性能が不足していたにもかかわらず、彼女は主砲3基をそのままに、VLSを68セル分散配置した。他にも対艦ミサイル投射装置なども取り付けられている。もはやハリネズミだ。その分、損傷に対してのダメコンが難しくなっている。タフネスが資本の重巡が繊細な船になってしまった。その艦は既に彼女以外には扱えないものとなっていた。重巡の安定した性能に対して青葉はピーキーな仕様にし過ぎてしまったのだ。

 

 

だが、彼女の中学3年の最後の夏。青葉の公試試験の真っ最中。

彼女のこれまでの名声を崩壊させるには十分な上層部の決定がなされてしまったのだ。

 

『対空迎撃は基本的に対空速射砲を優先して開発せよ。対空迎撃ミサイルは費用対効果が悪い。』

 

もともと、熟練の水雷員を必要とする手動プログラム制御の迎撃ミサイルはどうしても命中率と費用そして安定性を考えると対空砲に劣ると言わざるを得ない。SSMも大きな砲弾を多数撃ち込んだ方が攻撃回数も命中率も高い。そして、小型艦船ならわざわざSSMを使うよりも酸素魚雷の方が攻撃力が高いと言わざるを得ない。

 

よって、彼女の1番の開発だったミサイルは対地大型ミサイルを除いて全て撤去されてしまったのだった。

 

誘導装置がまだないこの世界にはミサイルや誘導魚雷は早すぎたのだ。アスロックや単魚雷対潜攻撃も命中率が低すぎると言われていた。

 

さらに、高速化した艦船も燃費が悪すぎて、半分以上は従来の缶に戻されてしまった。

 

そうして、今改装中の青葉もまた、缶以外は全て戻されてしまった。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

だが、残った開発品もあった。それを知ったのは11月になってからだった。

 

それは、対空電探。それも、砲弾すら感知する電探である。

 

結局、CICは撤去され、ミサイルは開発中止、超高圧缶は半分以上が撤去・開発中止。

 

ほのかに残されたのは、結局ダメだったのかという評価、電探、そして海戦での天才的な閃き。ただそれだけであった。

 

士官候補生としては断然トップの実力を持っていても、世間の評価はそんなもの。ほのかはかつての事故はほのかのせいでないのにそれもつつかれ、今回の件でつつかれ。もはや精神的に壊れかけていた。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

2月。浪江中学の三年生はほのかも含めて全員が横須賀女子海洋学校に願書を提出して試験を受けた。

 

試験結果は上位5名だけ公表される。知り合いだけで言うと、

 

筆記

1位、葉月ほのか

2位、知名もえか

3位、今井彩

5位、彩木真梨

 

航海科実技

1位、葉月ほのか

2位、岬明乃

3位、知名もえか

 

砲雷科実技

1位、宗谷ましろ

 

主計科実技

1位、彩木真梨

3位、今井彩

5位、丸山日菜

 

機関科実技

1位、浅井楓

3位、望月梓

 

と、殆どのもと三隈乗員が上位を占めた。

 

だが、この上位に食い込む士官候補生以外の生徒がいた。

 

航海科実技

4位、知床鈴

 

砲雷科実技

3位、立石志摩

5位、西崎芽依

 

主計科実技

2位、藤田優衣

4位、納沙幸子

 

機関科実技

2位、杉本珊瑚

4位、柳原麻侖

 

となっている。

 

 

大いに喜んだ。ほのかもその頃になるとバッシングも殆どなくなり、精神的にも落ち着きを取り戻していた。

 

 

そう。これからが本番だと言わんばかりに。

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