状況はよく分からんが、理解した。
何を言ってるのか分からないと思うが、そこは想像力で理解しろ。
要は目の前の女神とやら名乗る青い髪の女の子は俺が死んだことを伝えてきた。
しかも死因が俺のネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲の奥の尿が昨晩食べたパフェの糖分と超反応を起こして大暴発したらしい。ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲の中で!
聞くだけで痛い話だが、幸い痛みは無く成仏しちまったわけだ。そして今変な空間でふんどしも綺麗さっぱり消えた状態で椅子に座っているわけだ。
「私、長くこの仕事やってるけど、こんな珍しい死に方したのはあなたが初めてよ。しかも真っ裸で現れるとか!プークスクス!」
(なにこの小娘!すごい失礼なんですけど!ちょっとグーで殴ってやりたいんですけどぉ!)
とにかく一旦落ち着いて状況をおさらいする。
「つまり、あんたは女神で、俺のメガトン級ギャラクティカ砲が暴発したので死んじまって、そしてここに来たと、裸で」
「え、あ……うん。そんなところね。そのメガトン級なんとかはよくわからないけど……裸で……」
そしてしばらくの沈黙。銀時はうつむいてプルプル震えている。
さすがの駄女神もこれには同情した。やはり未練があったのだろうと推測する。
「……まるか」
「え?」
「こんなことがあってたまるかよォォォォオオ!!」
銀時はいきなり立ち上がり奇声をあげる。
「おい新八、神楽!俺がこんなちゃちいドッキリにはまるとでも思ったか!?姿現せこのヤロー!」
そして周辺を探し回る。
「ちょっと待っ……」
「何なのこれ?お前らおれがこんなんで引っかかってるところどっかで隠し撮りしてんだろ!?そして後で『ドッキリ成功』の看板持ってきて俺のアホ面撮るつもりだろ。いい度胸だ、銀さんはそんなんじゃひっかからねーぞー!」
「ねぇ……」
「おい、この女神とやら名乗る仕掛け人の女の子がかわいそうになってきただろうが!なんなの、女神って!?俺無宗教だからね!そしてこの痛い青い髪何なの!?
「ゴッドブロォォォォォオオ!!」
「ひでぶっ!?」
銀時は華麗に鼻血を撒き散らしながら空中三回転を披露して地面に落ちる。
「痛え!これマジで痛えよ!何なの!?殺す気!?てかもしかしてこの仕掛け人お妙さん!?お妙さんなの?一体いくら払ったらこんな顔と体型に変わるの!?」
「お妙さんって誰よ!?私は整形なんてしてないわよ!あと安心して。貴方はもう死んでいるからもう死なないわよ」
「やべーよ。北斗神拳伝承者だよ。あと3秒でおれ『ちにゃあ〜』とか『あべし』とか言って死んじゃうよ、これ!」
「ゴッドブロォォォォォ!」
***
二人は一旦落ち着いて元の場所に戻る。銀時の顔は元に戻ってないが。
今だ死んだことに納得してないが、取り敢えずそういうことにしておく。そうしないとホントに命の危険を感じたから。
「そんな残念な死に方をした坂田銀時さん。私はアクア。一応あなたの年齢はギリギリ若いことになってるので2つの選択肢があります」
(なんかさりげなくまた失礼なこと言ってるよ、この娘。そりゃ女神たがら年齢はないかもしれないけどさ、俺はこう見えてもいい年こいた大人だよ!ドゥユーアンダスタンッ!?)
しかし敢えてここは大人の対応として黙って聞いておくことにした。
「一つは人間として生まれ変わり、新たな人生を歩むか。それとも天国的な所でお爺さんみたいな暮らしをするか」
「天国的な所?そんなとこあんの?もう糖分とジャンプあればそこでいいや」
「ちょ、もうちょっと人の話聞こうよ!てか貴方の生きがいそれだけなの!?」
「いいんだよ。大人の男は黙って甘々スイーツ」
「天国っては素敵な場所じゃないのよ。そもそも存在ないんだから食べ物もないし必要もない。えっちいこともできないし、ジャンプもないし。貴方が生きていた時よりも無職らしい生活になるわ!」
「異議あり!俺は無職じゃねーぞ。万屋っていう何でも屋さんやってるぜ!」
「世間一般では無職らしいけど……」
そう言うとどこからもなくテレビが現れてニュースが始まる。
『……坂田銀時、無職は謎の爆発により……』
「ハイエーッ!!」
爽快なキックと共にテレビがアクアの後方遥か遠くへ飛んで行く。
「うん、きっとあれは異世界だ。それともパラレルワールドか。あちらは金さんだよ。坂田金時。絶対、
「ちょっと何を言ってるのかわかんないんだけど……まあいいわ。糖分が欲しいんでしょ。じゃあ異世界行くしかないわ」
「でも銀さんいやだよ。また赤ん坊から生まれて親に尻叩かれて、寺子屋行って、落ちこぼれて、グレて、いつの間にか攘夷戦争で光線銃相手に刀で挑むとか。そして平和な世界になったら何?万屋?笑えてくるぜ。もう面倒くせーよ」
「あ、ちょっともうついていけないわ……でも安心して、一応転生先特別特典で持ってるもの、年齢、身体能力や記憶などはそのままで、さらに一つだけ好きなもの持っていけるから」
「好きな……もの?」
「どうやら興味あるみたいね。悪い話じゃないわよ。あなた、ゲームとか好き?」
ゲーム。
元の世界での様々な
ゲーム買うために変なゲームやらされたり。
気づいたら自分の
新八のために変な恋愛ゲームやらされたかと思ったらいつの間にかバイオハザードみたいになってたり。
「いや、ゲームとかめんどくせーよ!ロクなことなかったし!」
「あんた一体どんなゲームしていたのよ!?ゲームじゃないから!ゲームみたいな世界だから!」
「なんだ、そうなのか。ドラクエとかFFみたいなもんか」
「そう、それ!あくまでもゲームみたいな世界だから。もう難しいこと考えないでさっさと選んで行こ!ちょっと異世界の魔王倒すだけだから」
そして超能力や神器やらのカタログが渡される。
「なんかうまいこと誘導されてんじゃねーの。これ何?新手の詐欺?それとも霊感商法?俺死んでるし」
「失礼ね!私は女神よ。そんなケチなことしないわよ!」
「そっかあ。どーしよかな……」
(正直魔王とかどうでもいいんだけどな。どうせなら村人Aとして過ごすのもありだし……)
「このカタログじゃなくてもいいの?」
「もちろん。なんでもいいわよ、私ができる範囲で」
どんなそんなもんだと思った。神の力、とか言っても無理そうだもんな。
「じゃあストパーかなー」
「え?ストパーて、ストレートパーマ!?」
「わりいか?ストパーは俺の生前からの夢だったんだよ」
「あんた女神の力使って何しようとしてんの!?そんなの美容院行けばいいよね!?ひょっとして馬鹿にしてるの?私のこと馬鹿にしてる!?」
「だってねぇ、お前ができることというからそうしたんだよ。それにな、金持ちになろうとなんざ思わねえ。金もってたらどうなる?税金やら詐欺やら、あー大人の世界って怖い。だから金持ちに転生しようと思わねえ」
「でももうちょっと考えようよ……」
「しょうがねえな」
どうせなら前世でできなかったことをすればいい。前世でできなかったこととは……
「よし決めた!」
「なになに?」
「糖分を作れる能力だぁぁあ!!」
「え?」
***
気がつけば、銀時は森の中で横になっていた。どうやら異世界に転生したらしい。
「ったく、なんだあの
そしてあたりを見渡す。薄暗い森で特に木々以外にない。
「ここからじゃわかんねーけど異世界なのかねえ。ここでもしドッキリ成功とかきたら新八と神楽はぶっ殺してやる」
そして自分の姿を見る。
それそれは立派な服……ではなくていつも通りのジョイスティックが腰には帯刀していた。お気に入りの洞爺湖もない。
つまり何もないのだ。ジョイスティック以外。
「ざっけんなぁぁぁぁああ、チクショォォォォオオオ!!!」
勇者もとい、変態銀時の新しい世界の第一歩だった。
時系列的にはカズマが来る少し前です。