あれから…約1か月!!
いやはや、仕事で忙しくて…大変申し訳ない。
いえ、仕事以外にもFGOとか陰陽師とかいろいろやってまして…ハハッ、FGOは家賃まで行かずにオルタゲットできてほんとよかった!!
仕事が立て込んでゲームやってゲームやって・・・息抜きの執筆にそろそろ比重を傾けたい昨今でございます。
あ、あと感想欄にあった質問で
熱エネルギー≒気体分子の運動エネルギーですので、熱エネルギーをゼロにするとマイナス273℃(絶対零度)なると思うのですが……。
-追記-
それと、様々なエネルギーをゼロにするとありましたが、位置エネルギーは加減速関係ないので、ゼロにはできないんですか?
というご質問についてこの場でご返答を。
ヒロアカワールドは物理法則がぶっ飛んでますので、基本ざっくり設定です。
何が言いたいかというと…主人公の個性は物理法則に完全にケンカ売っているスペックでストお答えさせていただきます。
一言でいうとご都合主義、近々タグに入れる予定です。
それでは、長々と説明してしまいましたね。
それでは第12話、どうぞ。
ヴィランたちが消え、アクトは周囲を警戒しながら切島と爆豪の2人に近寄った。
「お前たち、ケガはないか?」
「えっと、加減?
何がどうなって?」
「―――おい、眼帯野郎。
さっきの
切島はいまいち実感していないが爆豪は気付いたのだろう、苛立ちを籠めた目でアクトを睨んでいた。
「いちいち言わんとわからんか?
お前が常日頃言っている事を俺が実際にしてみせた、ただそれだけのことだ」
ほとほと睨まれる日だと肩を竦ませたアクトは呆れ交じりに応えると、オールマイトの元へと向かっていく。
「―――っ!!
おいてめぇ!?」
相手にされていないのに腹が立ったのか、爆豪はアクトに掴みかかろうとするが、その手は届かなかった。
「―――おっと、俺らのご主人様に手を出しちゃいけねえぜ?」
爆豪の前にどこから現れたのか、大量の砂が壁となって現れたのである。
とっさに個性を使って爆破するが、弾けたところから砂の壁は修復されていく。
「おいおい、いくらクラスメイトだからって躊躇なく個性を使うとは中々イカレてるじゃねえの。
せんざい…じゃなくて、ヴィランと紙一重なガキが雄英にいるとは驚きだねぇ、シビュラシステムみたくサイコパス診断しねえの?」
「ハウンド2、日本じゃシビュラシステムの運用を認可していないからどれだけ精神が澱んでいようと最低限の社会性を持っていれば義務教育は受けられるのよ。
あと監視官を守ったのはよくやったわ。
私がやったら彼が蒸発していたものね」
軽口を叩き合う男女の声が砂の壁の向こうから聞こえてきて、蚊帳の外と感じたのか、爆轟は余計にいら立って個性を発動した。
「ハブにしてんじゃねえよっ、てかお前ら誰だ!?」
態度の悪い爆豪に対し、ハウンド2と呼ばれていた女性は仕方ないとばかりに挨拶をした。
「貴方のクラスメイト、加減アクト特別監査官の部下、ハウンド2―――リンジー・フローレンスよ。
こっちのチャラいのはハウンド4」
つんとした表情を崩さずハウンド2―――リンジーは冷めた態度で最低限の自己紹介をした。
「紹介雑だぞおい」
「自己紹介くらい自分でしなさいよ」
「はいはいっと…どーも、アクトちゃんの部下で執行官してますヴァーリ・ホワイトでーす。
趣味は料理だけど、お前には食わさねえからな!!」
「誰が食うかよっ!?」
あからさまな敵意を見せるのは、ハウンド4と呼ばれた青年ヴァーリだ。
爆豪のアクトへの態度が気に入らなかったのか、聞きもしないのに特技の料理を食べさせないと宣言していた。
律儀にも爆豪は返答しているあたり、妙な礼儀正しさとチンピラ具合である。
デクたちは死柄木たちが撤退したことに驚いたが、その後にやってきた2人組―――リンジーとヴァーリに対しての警戒を怠らなかった。
日本のヒーローが着ているようなコスチュームでない、ラフなスーツ姿の2人はどこからどう見てもヒーローには見えなかったからだ。
「あ、あの…あなたたちは?」
「俺たちはアクトちゃんの部下のヴァーリってもんだ。
こっちの性格ツンツンしてそうなのはリンジー」
「さっきの意趣返し?」
「そうだけど?」
意を決して、デクは2人に声をかけるとヴァーリは爆豪の対応をしながら答えていた。
リンジーがじろりと睨むが、気にした様子はない。
「無視すんなやこら!!」
「お、おい爆豪?
こいつらヴィランじゃねえみてぇだし、そんな気ぃ立てなくてもいいんじゃねえか?」
切島が爆豪を宥めているが爆豪の怒りが鎮火する様子はない。
「援軍が遅くなって悪かったな、今頃俺たちの同僚とか
「私たちは個性の相性的にいち早く乗り込んできたから、後続ももうすぐ来ると思うわ」
その言葉が聞けてほっとしたのか、デクは安堵して深いため息をつくと、ヴァーリに声を掛けた。
「か、加減君の部下って…もしかして、あなたたちもヒーローなんですか?
ひ、ヒーローネームとか聞いても?
砂を操る個性…凄い、周囲への警戒も同時にしているあたり、かなり汎用性のある個性だ。かっちゃんの攻撃も防げているあたり、防御性能にもかなりの性能を発揮できているどちらかというと支援型の.個性になるのかな拘束するのにもかなり有用だブツブツブツブツブツ…」
「緑谷ちゃん、空気読んでほしいわ」
「うーわー、緑谷のやつ指折れてるのにぶれねえな」
蛙吹と峰田は緑谷の様子に呆れていた。
ついさっきまでこの場では命の取り合いが行われていた筈なのに、危機が去ったと思えばすぐに自分の思いを優先している。
ヒーローの卵としてまだまだ未熟な証拠だが、この事件という試練を乗り越えたデクにとってはご褒美だった。
「なんか面倒そうなやつだな、あと俺ヒーローじゃなくて執行官…っつってもわかんねぇか。
日本で言うと警察、ポリスメンだぜ。
個性は…まぁ見ての通り砂を操る個性だな、詳しくは守秘義務っつうことで」
「け、警察?
けど、警察は個性を使えないはずじゃ…」
日本においての警察は個性を全面的に使用禁止にしている為、使う事が出来ないことを知っていたデクとしてはヴァーリが当たり前のように個性を使用していることに驚いていた。
「アメリカじゃこれが普通なんだけどねぇ…いちいちヒーロー呼ばねえと警察とか何のためにあるかわからねえじゃん?
まぁ、単純に俺たちの国にはシビュラがあったから、ヒーロー云々のその辺りは融通が利いているってのもあるけどな。
あと、日本で活動するに当たって俺たちは限定的にだけど個性の使用許可は貰ってるから犯罪じゃねえから。
ま、アクトちゃん…俺たちの上司は未成年ってことで突っぱねられたから
厳密にはヴァーリの言う警察はデクたちのいる日本の警察組織とは機構が著しく異なっていることを説明しないあたり、ヴァーリのデクに対する印象は間違っていなかった。
「さりげなく同盟国の批判しない」
「文化の違いを教授してんじゃねえか」
「そのボロボロになっている男の人見せて、簡易的にでも手当てするわ」
「無視すんなよ!!」
「てめぇもしてるだろうがクソ砂野郎!!」
爆豪が声を上げているが、あえて全員がスルーしていた。
リンジーが相澤―――イレイザーヘッドへ応急処置を施していくとアクトとオールマイトの話が終わったのか、デクたちの下へとやってきた。
だが、オールマイトの表情は険しく、アクトは飄々として何やら先程の会話で何かあったのか解るほどの空気の悪さだった。
「緑谷少年、蛙吹少女に峰田少年も、無事でよかった!!
爆豪少年も切島少年も、よく頑張ってここまで戻って来れたね!!」
「オールマイト、ケガは大丈夫ですか!?」
「ああ、さっきのヴィランはなかなか強かったが、何とかなった。
…加減少年の情報のおかげだな、本当に感謝している。
協力者の君たちにも感謝を」
「気にすることはないオールマイト、情報の共有とヴィランの
クラスメイト達も無事に生還した、我々の勝利だよ」
誰にとっての勝利かをあえて言わず、試練に打ち勝った全員の勝利だとアクトはいけしゃあしゃあとのたまった。
これが一体誰が原因でこの雄英高校で起きた事件なのかを知っての上での発言だとオールマイトは気付くと尚の事眉間にシワが寄っていた。
「では、私は戻るとしよう!!
後続の応援が来るまで警戒は怠らないように、さらばだ!!」
そう言い残すと、オールマイトは飛び立っていった。
残されたアクトたちはやって来た後続のヒーローたちが来るまで中央に固まって待つことにした。
数分後、ヒーローと警察が続々とやってきてクラスメイトの救助、及びヴィランたちの逮捕が始まった。
1年A組にとっての長い1日が、ようやく終わろうとしていた。
***
生徒たちの救助、及び雄英高校へ侵入したヴィランたちの逮捕が終わると、急遽高校は全体放送で臨時の休校を告げ、生徒たちを下校させた。
事情をよく知らない生徒たちは首をかしげながら下校していくが、残っていた生徒もいた。
「…それで、俺をこの場に呼んだのはどういう訳か、説明を貰えるかな、根津校長?」
会議室に呼ばれたアクトは、部下を連れてまるで査問会の如く待ち構えていた雄英側、警察関係者たちから発せられる圧迫感に対し気にした様子もなく、飄々としていた。
だが、この場にオールマイトがいないという状況に違和感を覚えたアクトは平和の象徴が一体どこで何をしているのかなど興味はない。
大方、
「言わなくても分かっているんじゃないかい?
いや、聡明な君ならそんな面倒なやり取りは必要ないと思っていたのだけど、勘違いだったかな?」
そんなアクトに対して、校長の根津は今回の一件についての詳細な釈明を求めていた。
のらりくらりとかわそうとしているアクトに嫌味すれすれの言葉を告げるあたり、気が立っているのかいつもの朗らかさはどこかへ行ってしまっていた。
もっとも、姿がネズミ姿の根津の憤りが伝わってきたのはこの発言からだったが。
「・・・それもそうか。
では情報のすり合わせと行こうか。
もちろん、機密に関わることは当然だが開示できないのは了承してもらう」
「構わないよ!!
相澤君から聞いている事を知っているという前提で話を進めよう、一問一答形式でいいかな?」
「答えられるものは答えよう、こちらとしても情報は欲しいからな」
そこから、アクトたちとの情報の共有が始まった。
とはいっても、最初の質問がヴィラン―――脳無の殺害の理由を詰問してきたあたり、アクトに対しての印象はすこぶる悪かった。
「こちらとしては最善の対処をしたに過ぎんな。
確かに、イレイザーヘッドからのオーダーは生かしたままの捕獲だったが、それは緊急性が無かったから承諾したからだ。
戦闘中、ヴィランが突然生徒に襲い掛かったという事態でなければオーダーは守る予定だった」
「だが、君は火器を使用してヴィランの命を奪った。
そのことについての釈明はないのかな?」
その質問をしたのは警察側の塚内という刑事だった。
「ないな、ヴィランの戦闘能力は生徒たちを殺害しうる一撃を持っていた。
出遅れてしまった以上、素早く対処するにはこのドミネーターでヴィランを処理するのが最も確実で、生徒たち守る行為だったと確信している。
加えていうならドミネーターでヴィランを丸ごと消滅させたこともあり、生徒たちがショッキングな映像を見なくて済んだというのは精神衛生上むしろ良いことだと思うがな」
「だがあれは過剰防衛だろう!?
オールマイトから聞いたが、分子破壊砲だなんて通常火器より遥かに危険な火器を一個人が持つものではない!!」
「何故刑事である貴方がヴィランを気にかけるのか分からんな。
いや、これも文化の違いというものなのか…」
「いやいや、アクトちゃん故郷
「ヴァーリ、黙って」
「ヴァーリ、静かにしていろ」
「なんかみんなして俺に対して対応きつくねえ?」
「二度目は無いぞヴァーリ、黙っていろ。
部下が失礼したな、それで、そちらの要求を聞こうか?」
「ドミネーターの没収…はしない。
だが、今後一切の使用禁止は約束して欲しい。
了承してくれるなら後日文書にしてそちらに送ろう」
ドミネーターの機能として火器としての性能を危険視している警察側は譲歩として使用禁止を提案した。
サイコパス判断という異国の判断基準で国内ヴィランの殺害という前例を作られた以上、今後一切そのような捜査をされる訳にはいかなかった警察としては、当然の要求だった。
「見返りは?」
アクトとしてはドミネーター使用出来なくなる事について特に反対する気はなかった。
アクトにとって、使わないという
シビュラシステムはどう
警察関係者の彼らは外国の
塚内はこめかみに血管を浮き上がらせるも激高したりはせず、やはり求めてきた見返りについてこう返答した。
「警察情報の共有に、一部機密情報の提供。
そして、ヒーロー公安委員会からは加減君…グッドスピード、君の限定条件下での
これでどうだろうか?」
塚内としてはこれ以上の譲歩はしたくなかった。
手札が多い訳ではない、アメリカ側へ出せる手札が限られる中で今すべてを出し切ってしまい、
「至れり尽くせりで結構なことだ。
よほど日本での活動をそちらに合わせろという認識で構わないか?」
「君たちから見れば合理的ではないのだろうが、郷には郷を・・・返答を聞こうか?」
一度シビュラシステムに判断を仰うべき状況だとアクトは考えるが、事前の指令には『現場指揮官の判断に一任する』という心強い一言があったのを思い出す。
だが、これは今後の捜査活動の身体にも関わってくる重要事項でもある、この場で仰ぐべき上司に相談もなく承諾しても良い問題ではない。
「・・・一度持ち帰らせてもらおうか。
悪くない条件だと理解しているが、こちらもやはり宮仕えでな」
「わかった、では今回提案して文書を渡しておこう。
では次だが・・・」
この質疑応答は陽が落ちても続き、終わったのが20時までの長丁場となった。
小休止も挟まずこれだけの時間を過ごしたアクトは正門まで歩いていく。
「にしても、アクトちゃん悪者にされてたねぇ。
ていうか、アクトちゃんあの
「それは仕方ないわ、違法捜査をしたのは監視官なんだもの。
これで批難しないとなれば方々からのバッシングは確実に起こるわ。
個人的にもヴィランとはいえ人を殺した監視官へ敵愾心を向けるなというのは難しいわよ」
ヴァーリとリンジーが先程までの話を思い出しながらアクトの護衛をしていた。
周囲への警戒は怠っていない、1日に2度の襲撃があるとは思っていない彼らだったが、何か起これば今度こそアクトの身を守ろうとしていた2人としてはやる気が有り余るほどぎらついていた。
「―――お迎えにあがりました、こちらへ。
ギーノさんは先に帰って消毒と殺虫剤をする予定なので、今日は外食をする様にとの事でした」
雷銅がリムジンを正門に付けていた。
外交官ナンバーの付いたリムジンとあって、近付く者は誰もいなかったが、気になるのかちらちらと見ている者はいた。
この頃には既にマスコミも殆どが帰っていたが、一部の報道関係者は出待ちをしていたのか、正門からアクト達に気付くとリポーターが近付いてきていた。
「帰るぞ、時間も遅いから今日の所はコンビニで弁当を買って帰るか」
「監視官の執事としては余り健康的でない食事は摂って頂きたくないのですが?」
アメリカにいた頃は高級レストラン(なお、原料は全てハイパークオーツ小麦in安全な化学調味料)での食事が主だったが、久々の日本ではアメリカにはなかったコンビニ―――アメリカにコンビニはあるが24時間ではない―――での食生活を気に入っていたアクトは何かと理由を付けては住居の近くにあるコンビニを渡り歩いていた。
「まあいいじゃないのよ
「久々の故郷なんですから、少しくらい羽を伸ばしてもいいと思うんですけど?」
その度に同伴しているヴァーリとリンジーもコンビニの魔力にやられていて、基本的にアクトの意見や行動に無条件で従う姿勢が更に加速していた。
「イエスしか言わない駄犬は黙ってなさい、これはドクターセルティからも再三言われていたことです。
あんな保存料だの添加物山盛りの食材を食べるだなんて・・・ぼっちゃんのサイコパスが濁ったらどうするんですか!?」
「坊ちゃん言うな、あと都市伝説を信じるんじゃない。
それに、アメリカにいた頃だってヴァーリの作った料理を時々食べてたが、数値に変動など無かったぞ」
興奮した雷銅がアクトを坊ちゃん呼びしている所で更にガソリンを投下したアクトにヴァーリの頬が引き攣った。
アクトが食べていたのはシビュラシステム開始以前の現在のアメリカでは食べられない本物のハンバーガーやピザ、フライドチキン、マカロニチーズなど高カロリーなものばかりだ。
およそ一日分のカロリー等度外視した料理を面白半分でヴァーリはアクトに振る舞っていた。
「アクトちゃん今このタイミングで言うのはちょおおっと拙くない?」
「・・・・・・ヴァーリ、帰ったら覚悟してなさい?」
雷銅はヴァーリがアクトにしている事を察したのか、ヴァーリ限定で不穏な笑顔を向けていた。
「ほら飛び火したぁ!!」
「雷銅さんそれは後にしましょう、マスコミが来ますからこの場から退避しないと」
この場合、自業自得としか言い様がなかったが、リンジーの一言で一時中断(終了とはアクト以外は思っていなかった)となったのだった。
「きみ、雄英高校の生徒さん?
今日起きたヴィラン襲撃の・・・」
「飛ばせ雷銅」
「イエス、マイロード!!」
擦れ違いでリポーターからの声掛けをかわしたアクト達は夜の東京へと向かっていく。
結局、雷銅はアクトのコンビニ推しを退けることが出来ず―――駄犬と呼ばれた2人は次と目で見ていた―――コンビニの添加物盛り盛り弁当を食べることとなったのだった。
そしてその夜、外交官ナンバーの付いたリムジンがコンビニに駐車していると小さな噂が立った。
***
―――東京、某所。
雄英高校を襲撃した主犯―――ヴィラン連合、死柄木と黒霧は逃亡に成功していた。
どこかのバーなのか、昔ながらのカウンターや壁にはダーツボードが掛けられ、奥にはミュージックボックスという前世期の骨董品があったりと古臭さが目立つ部屋だった。
死柄木は今頃になって体の痛みが疼きだしたのか、腕組みをして必死に痛みを抑え込もうとしていた。
「完敗だ・・・脳無もやられた・・・手下どもは瞬殺だ・・・子供も強かった」
そしてなによりも、死柄木にとって重要な事は―――、
「平和の象徴は、健在だった!」
ノンストップヒーロー、
生徒たちを守った立ち回りも何度も見た映像と遜色ないほどの力強さと気迫だった。
「話が違うぞ先生・・・・・・」
死柄木の声には若干の弱さが篭っていた。
『―――違わないよ』
テレビ越しの声の主が、見通しが甘かったと反省すべき点を挙げた。
テレビ越しからはもう1人の老人の声も聞こえてきて、相手を舐めてかかっていた事に反省していた。
『ところで、ワシと先生の共作・・・脳無は?
回収してないのかい?』
老人が気になったのか、黒霧に声を掛けた。
「1体は吹き飛ばされ、1体は完全に消滅してしまっていました。
吹き飛ばされた脳無にしても正確な位置座標を把握できなければワープといえど探せないのです。
何より、そのような時間は盗れなかった」
『そうかい・・・せっかくオールマイト並みのパワーしたのに・・・まぁ・・・仕方ないか、残念』
「パワー・・・・・・そうだ」
死柄木は痛みを我慢している中ふと思い出したのか、ある少年を思い出していた。
「1人・・・オールマイト並みのパワーを持つ子供がいたな・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・へぇ』
「それに・・・それに、あの黒マント、マッドスピード!!
あいつの邪魔が無ければオールマイトを殺せたかもしれない・・・アメリカから来た虐殺者が!!」
死柄木がデクやアクトに毒を吐いている中、『先生』と呼ばれた人物は興味深かったのか、その少年の事を気に留めておくのだった。
『それにしても・・・グッドスピードか。
まさか
弔、悔やんでも仕方ない!
今回の襲撃は決して無駄ではなかった筈だ。
精鋭を集めよう・・・じっくり時間をかけて!!』
テレビ越しの『先生』は死柄木へ語りかける。
優しく、力強く、導くように、謳うように。
「我々は自由に動けない!
だから君のような”シンボル”が必要なんだ。
死柄木弔!!
次こそ君という恐怖を世に知らしめろ!」
死柄木の眼に炎が灯る。
怒り、憎しみ、恨みを燃料に、混沌とした感情がぐるぐると瞳に渦巻いていた。
読んでいただき、ありがとうございました。
次のお話も、もう少し早く投稿できたらなーと思っていますので、またよろしくお願いします。