グッドスピード!!   作:夢落ち ポカ

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投稿再開したので、ヒロアカも投稿します。

ちょっとばかり主人公の過去に触れ、そして胸くそ悪い、残酷描写もあるので嫌な方はブラウザバックか閉じたりして対応お願いします。

ではでは、どうぞ。


第018話 再会、本選

雄英体育祭の喧騒が会場の至る所で響き渡っている頃、その喧騒をよそにアクトはある人物との邂逅を果たしていた。

フレイムヒーロー・エンデヴァー。

ヒーローランキング2位、事件解決数史上最多記録など輝かしい功績を打ち立ててきた実力派ヒーローの1人だ。

応接室でずっと待っていたのか、エンデヴァーはやっと来たアクトに口を開く。

「・・・久しぶりだな、()()()

アメリカでは随分と活躍していると聞いた、流石だな」

「さぁな、久闊を叙する仲でもない俺たちにそんな世間話はいいだろう?」

厳めしい面持ちでアクトを見下ろすエンデヴァーはアクトをヒーロー名でなく名前で呼びかけたが、アクトはそっけない態度でエンデヴァーを見上げていた。

「そうだな・・・お前にとって俺は()()()()だ、探るような物言いでは尚更か」

その言葉にアクトはエンデヴァーを睨み付ける。

かつてあった事件で、アクトは両親を失っていた。

エンデヴァーがアクトの両親を殺した、という訳ではない。

エンデヴァーが事件に関わっていたのはアクトの両親が現在のヒーロー社会において表沙汰に出来ないほどの大悪党(ヴィラン)と結託して関わり、その末にエンデヴァーが終止符を打ったからだ。

本来であればアクトは『ヴィランの息子』として扱われていただろうが、緘口令を敷かれ『ヴィランに立ち向かって殉職した子供』として真逆の立場として扱われた。

真相は更に複雑で、ヴィランの息子でなくアクト自身も()()()()()としてヒーローと敵対していたのだ。

幼かったアクトにとって、両親が施していた()()()調()()によって両親を害そうとするものはたとえヒーローであろうと憎むべき『ヴィラン』だった。

結果、両親が()()()されるまで抵抗を続けた幼かった頃のアクトは発現して僅か数年しか鍛えていなかった個性―――非人道的な訓練で年に見合わない戦闘能力を有していたが―――でヒーロー側に多大な被害を齎したのである。

少なくともエンデヴァーがアクトに対して罪悪感を覚える必要性など、全く以てないのだ。

むしろ、アクトがエンデヴァーとその家族に対して謝罪しなければならない立場にあるといってもいい。

アクトの両親が起こした事件の全容を発表すれば、エンデヴァーの家族が現在の状況に陥らずに済んだのかもしれないのだから、むしろ恨まれても仕方ないといえよう。

「・・・勘違いするな、あれはアンタが気に病むようなことではない。

両親(あの2人)は・・・許されない一線を越えた、飛び越えてしまった。

選り優れた個体を生み出す為の人間を生み出そうとしてヴィランに与して数え切れないほどの命を使い捨てにして俺という存在を生み出した。

人権だの倫理だのをかなぐり捨てて出来上がった産物だ、それはもう出来はいいはずだな」

差し詰めガチャだ。

当たりが出るまで出し続ける、回し続ける。

そうして屍の上に出来上がったのがアクトという最終作にして最高傑作。

「―――そんなことを続けるのであれば、いずれはヒーローに逮捕され然るべき裁きを受けることが当然だったのだ。

まぁ、裁きを受ける前に結託していたヴィランに口封じされた所為でうやむやになったが。

それでも・・・・・・アンタは()()()()救ってくれた。

使い潰される兄妹を見続ける悪夢を、いつか姉弟たちみたいに()()されるかもしれない絶望を終わらせてくれたアンタに感謝こそすれ、恨むことなんてない。

それが全てだ」

事件解決後のアクトの消息もエンデヴァーは知っている筈で、疫病神でしかないアクトを両親の親族は頑として受け入れるものは誰1人としていなかった。

孤児院へ預けられるも人間関係の構築など生まれて初めての試みに成功することもなく、当時試験的なアメリカへの交換留学がありシビュラシステムという『人生を最大限支援して幸福へ導いてくれる』なんて、己が何者かも分からない存在にとっては渡りに船だった。

結果的にその交換留学はアクト達のみの1回で終わった。

日本へ渡ったアメリカ人のサイコパスが残念な結果になってしまい、帰国後の収容所送りを恐れた留学生が行方不明―――逃亡ともいう―――という最悪な事態が起き中止になったためだ。

交換留学という外交努力はアメリカとの関係を改善をさせることもなく、アクトの帰国についても当初は帰国指示が出ていた。

しかし、本人の強い希望とアメリカからの留学延長の要望が上がり、アクトの留学は継続されその後は飛び級を経て最年少でヒーロー資格―――アメリカでは異能使用許可証という―――

アメリカにいても時折あの時の悪夢に魘される日がある。

悪夢などを見ればたとえ覚えておらずともサイコパスに異常が出る筈だがアクトのサイコパスは平常だったが、それでも気の滅入る夢を見せられて調子が出る事はない。

決まってそういう日は心が次第に荒んでいき、事件が起きると八つ当たりのように潜在犯を見つけては拘束、抵抗する際は苛烈になっていき最悪ドミネーターは対象を排除していった。

「―――それよりも、アンタの用事は息子のことだろう?

何だったか・・・最高傑作、だったか?

かつてアンタが言っていた子供が焦凍(あいつ)のことだろう?

その割に性能の5割もパフォーマンスが発揮されていない所為で不様を現在進行形で全国ネットに曝しているがな」

それで話は終わりだと、暗い話はたくさんだと言わんばかりに気の滅入る話を打ち切ったアクトは本題だろう話題を上げた。

揶揄するようにエンデヴァーを見やるが、憮然とした表情で彼はため息をつく。

あの事件を詳細に思い出したくないのだろう、彼にとってもあの事件は苦々しすぎて胸やけの止まらなかった案件だったからだ。

「・・・お前と対抗すればトッププロだろうとそうなるだろう。

『6年前』の時点で当時()()していたヒーローの殆どを戦闘不能に追いやっていたのだぞ。

あれからアメリカでシビュラシステムに最適な個性訓練を施されて・・・今の焦凍では歯が立たんだろう。

俺でもお前を止められないかもしれないな」

6年前、アクトの両親が()()()()()()()()()()()()()()は世間ではそう発表され、週刊誌でも一時期取沙汰されていた。

ランキング入りしていたヒーローが揃って殉職したという事件は当時各新聞社の記者がその真相を血眼になって探っていたものだが、緘口令と共に流布された誤情報に喰いついたマスコミは信憑性の高い情報(公式発表)を鵜呑みにして記事を掻き立てた。

「俺はノンストップヒーローだからな、俺の速さは誰にも止められないのだ」

自信有り気に胸を反らすアクトに、エンデヴァーは苦々しそうな表情で口を開いた。

「・・・焦凍は、ああまで俺を憎んだのは、妻の事があったからだ」

息子に煮え湯を浴びせ、その後心を病んだ母を父であるエンデヴァーは精神病院へ入院させた。

まるで臭い物に蓋をするようなやり方に()()()()()()()焦凍はエンデヴァーにありったけの憎悪を込めた瞳を向けたのを昨日のように思い出した彼の瞳はヒーローにあるまじき脆弱さを孕んでいた。

「聞いている、お前の所為で母さんは心が壊れたんだ・・・とかなんとか?

実に()()()()()()子供の見方だな、世相に振り回されて現実が見えていない。

いや、子供だからこそ信じてしまったんだろうな。

お前の教育も息子の将来を考えてこその指導だったのに・・・まぁ、世間の記事を真に受けるのであれば大分指導に熱が入っていたと書いていたな」

アクトの受けた洗脳教育、調教と違い厳しくも愛情もあったエンデヴァーの指導は焦凍にとってはエンデヴァーは辛く当たる父親でしかなかった。

「嫌味か・・・いや、そういわれても仕方ないな。

俺も妻のこともあり、それとほぼ同時にお前との出会いが重なって、焦凍へどう接すればいいのか分からなくなってしまった」

そこには輝かしい経歴を持つヒーローはなく、ただ家族との接し方を悩む父親の姿があった。

熱の入っていた指導もアクトとの一件で逆効果であると気付いたが頑なになった焦凍は取りつくしまもなく家族の輪は歪んでいってしまった。

ヒーロー活動の合間に妻の見舞いに行こうとしても、その時に限って焦凍と遭遇し『お前なんかに母さんは会わせない!!』と面会の機会を失った上更に焦凍から罵声を浴びせられるという悪循環。

アクトはこの場にはいない焦凍に若干の()()を抱き胸のあたりがチリチリと妬けるような想いを抱いた。

己では一生手に入れられることはない家族からの愛情を向けられた焦凍に。

一方で、家族との関係に長年悩んでいる父親の不器用さに呆れもしていたが。

「・・・話せばいいだろう、腰を据えて。

アンタたち夫婦はアンタの一目惚れから始まり猛アタックの末()()()()になって結婚してお前たち姉弟が生まれたと。

指導に熱が入っていたのは受け継いだ個性によって日常生活さえも儘ならない不自由を送らせない為にしていたことなのだと。

()()を既に経験しているからこそ、そんな思いをしてほしくないからだと。

妻が心を病んだのは謂れのないバッシングに耐え切れなくなってお前に手を上げてしまったのだと・・・

俺の事を理由にしても構わん」

謂れのないバッシングは緘口令がなければ本来アクトの両親が受ける筈だったものだ。

しかし、箝口令が敷かれてしまい、世間でのアクトの両親が受けた評価は『個性婚という倫理観の欠如は見られる行動はあったがヒーローランキングトップ10入りするくらい人々を救い、最後は殉職した()()()ヒーロー』という全体的に見れば高評価なのだ。

逆にエンデヴァーの現在の評価としてもちろん『ヒーローランキング2位、事件解決数史上最多記録など輝かしい功績を打ち立ててきた実力派ヒーロー』だが、それに加えて『自分はオールマイトを超えられないから個性婚という倫理観に欠ける行動をとりオールマイトを超える為の子供を何人も作って超えさせようとしている』という前半は兎も角としてアクトの両親が本来背負う筈の罪科をエンデヴァーが何の因果か背負ってしまったのだ。

世間が下した評価として、これほど理不尽な巡り合わせというのも早々ないものではないだろうか。

マスコミに叩かれて轟家を今も続く負の連鎖に追い込んだのだ、これは正当なものだとアクトは語った。

むやみやたらに言いふらす性格でもなし、事の真実を伝えこれまでエンデヴァー憎しで送ってきた人生をアクト憎しに矛先をずらしても一向に構わなかった。

どうせ任務が終わればアクトはアメリカへ帰る。

日本へ永住する訳でもないのだ、多少の恨みを請け負ったところでなんとでもないのだ。

「―――それは出来んっ!!」

だが、エンデヴァーがアクトの提案を受ける事はしなかった。

「話はするが、それでもお前を理由にする事はしない。

お前とて()()()だ。

血が繋がった両親だといっても()()は親とは言わん。

アレは生物学上の親であって、家族という社会一般の言う『絆』のない関係を家族とは言わん!!

人でなしの種から生まれたというだけで、お前がその罪を背負う必要は一切ないのだ!!」

熱い男だと冷めた目でアクトは見るがそれは鬱陶しがった訳ではない。

思わず目を反らしてしまった、それが羞恥からくるものなのか、あまりにも真っすぐな言葉に既に汚れ切ってしまった罪悪感からくるのか分からない。

だが、その思いを無碍にするほど人間性を捨ててはいなかった。

「・・・言ったからには、早々に話をすることだな。

信じなかったら昔の写真でも見せてやれ、特に()()()でもしている写真でも見せれば少しは信憑性も増すだろう」

揶揄う様にアクトはエンデヴァーに事態解決への第一歩として、夫婦の馴れ初めを教え世間で伝えられている『個性婚』というイメージの払拭と誤解を解くための証拠を焦凍にじっくりと腰を据えて話し合うように勧めたのだった。

「なっ!?

こ、このっ、俺の半分も生きていないガキがナマ言って・・・!!」

普段は個性で顔の下半分を燃やしている炎がブワッと燃え上がった。

揶揄い耐性の低いエンデヴァーにアクトは目の前の()()への恩返しとして、轟家への関係改善を任務とは別に課題とすることとした。

とはいえ、勝手にアクトがしようとしていることだ。

態々エンデヴァー本人に宣言する事もせず、その内心をおくびにも見せないアクトはにやにやと笑っていた。

「クハハハハハ!!

これもシビュラシステムから教わった『円滑に進める会話術』サマサマだな!!」

「ロクでもないシステムだっ!!

貴様アメリカで一体何を学んでいた!?」

それから2人は休憩時間が終わるまで会話を続けた。

久々の日本での生活やアメリカ時代の生活との違いを語り、ヒーロー活動についての差分を分析し合う。

再会して僅かな時間の内にアクトにとっても、エンデヴァーにとっても実りある時間がそこには流れていた。

 

***

 

アクトがエンデヴァーとの対話を終え会場に戻ってみると、予選敗退者たちの為のレクリエーションも終わっていた。

そしてアクトの知らないうちに抽選も終わっており、本戦のトーナメント表が液晶に映っていたのである。

これもアクトに対しての特別ルール、抽選をせずに運営側が選んだ相手との対戦のようで他の生徒たちへの配慮も兼ねた行為なのだろうが、液晶に映った対戦相手の()()()()を見て思わず笑ってしまう。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「・・・・・・クハハハハッ!!

3対1、しかも名前もイニシャルだけとか運営め、楽しませてくれるじゃないか」

「うっわ、雄英自由過ぎでしょこれ、アクトもご愁傷様」

「なに構わん、これくらいハードルが高い方が超え甲斐が…いや、砕き甲斐がある!!」

「待って、何で言い直したの、しかも不穏な方に!?」

「目の前の壁は砕いて進むのが修羅の道なのだ!!」

エンデヴァーと談笑していた等とは言わず適当に返したのだが、それを真に受けてしまった響香は、

「さっきまで戦闘系のコミックスでも読んでたの!?」

とアクトの置かれた状況に同情したものの当の本人が全く意に介しておらず、むしろその状況を茶化しながらも楽しんでさえいる見て取ったのか、これがプロヒーローの余裕なのかと驚嘆していた。

アクトの初戦の相手はイニシャルで『M&S&E』とのみ記載されており、その隣にはシードで『P&B&H』とある。

人数だけは3人だということは分かるが、イニシャルだけでは対戦相手の絞り込みに手間取り、試合開始まで間に合わない可能性が非常に高い。

情報の無い3人との戦闘。

『M&S&E』と戦った後、次は『P&B&H』とも戦わないといけないのだ。

特別枠の対戦相手を計6人も相手取らなければならないという自由過ぎるルールに観客のヒーローの一部が訝しんでいたが、当のアクトが不満と受け取っていないのであればと抗議の声は挙げなかった。

仮に抗議の声を上げたとして、アクトが『邪魔をするな』と逆に抗議側を怒鳴りつけていただろうが。

アクトとしてはこの日の為に雄英高校が依頼したプロヒーローか、それとも教師が相手取るのかと予測するが、前者の場合対戦相手の絞り込みは不可能で、後者であればある程度は絞り込めるだろう。

このイニシャルがヒーローネームで記載されていれば、初戦の相手は―――、

「―――アクト、アクト!!」

「ん、どうした響香?

・・・そういえば何故チアの服装をしている、体操着はどうした?

その格好で本戦に出るというのは・・・お前の家族が大爆笑必至だろうな」

「こ、これは峰田と上鳴に騙されて・・・」

「ほう、詳しく?」

アクトは響香から峰田と上鳴に騙された1年A組の女子が着ていることにようやく気付いた。

恥ずかしいのか、響香はアクトと視線を逸らしたままそっぽを向いているがイヤホンジャックがゆらゆらと揺れ、明るめで凝った作りをしたコスチュームを着て両手にボンボンを持ったまま腕を組んでいる仕草など実に似合っていていると感想を述べた。

更に茹蛸の様に真っ赤になる響香を見て楽しんでいたのだが、話を聞いていく内に雲行きが怪しくなっていく。

全員分のチアコスを本戦に進んでいる八百万が個性を使って生み出したことを聞いてアクトは目を吊り上げる。

先程までの楽しい気分が台無しになるくらいに、アクトの不快指数は上がってた。

「・・・電気、峰田、ちょっと来いお前たち!!」

急に声を上げたアクトに2人は恐る恐るやってきた。

「ど、どうしたんだよアクト!?

なんでそんな怒ってるわけ!?」

「な、何だよ加減!!

お前だってさっきまで耳郎のチアコス見て鼻の下伸ばしたじゃねぇか!!

そんなお前が怒ったって、説得力ねぇぞ!!」

上鳴はどうしてアクトが目を吊り上げて怒っているのか分かっておらず戸惑っているが、峰田に至っては嫉妬も交じってか逆ギレしていた。

「そうだな、響香が可愛らしい服装をしているのは大変結構だ、あとで写真を撮ってスマホに送ってやる」

「あ、アクト、話が脱線してるから!!

っていうか撮るな、絶対に撮るな!!」

「加減さんいいんです、わたくしが騙されたのが悪いんです。

これくらいなんともないので・・・」

アクトが自分の為に怒ってくれている事に気付いてやってきた八百万が申し訳なさそうな表情をしていたが、ことはそう簡単なことではない。

「ほらっ、八百万もいいって言ってるからいいじゃん!!」

「てか加減いまさらっと写真撮るって言ってるし、お前だって良い思いしてんじゃねえか!!」

被害者(八百万)からの弁護に息を吹き返してきた2人にアクトがぴしゃりと言い放つ。

「響香と八百万は少し黙っていろ、バカが付け上がるだろうが。

響香から経緯を聞いて正直呆れたぞ?

八百万の個性を服を作るのに何人分か使わせて、いざ本選で常闇と満足に戦えなかったらどうする責任を取る気だ!!」

「そ、それは・・・」

「だ、だって・・・」

予選時は何でもありとプレゼントマイクは言ってはいたが、既に本選にまできて体力的にも精神的にもきつい状態の筈の八百万を2人が『相澤教師からの伝言』という普段の八百万であればウソと分かるだろう戯言を信じてクラスメイトのチアコスを作らされたのだ。

休憩時間中に個性を回復させる為の食事を摂っていたのに、本選前に使用してしまったのである。

騙し打ちした上に足を引っ張ったといわれても仕方ないだろう。

予選落ちした峰田はさておいて、上鳴は八百万と違うブロックとはいえ足を引っ張ったと取られても仕方ない状況だ。

『どうせアクトが優勝するだろうから構わないだろう』と投げやりになって欲望に走ったという最悪な想像をしたが、欲望に走ったものの、足を引っ張るといった悪意はなかったようだったがそれはそれで問題である。

「俺はともかくとして、お前たちはこの高校生活において3回の体育祭の実績で将来の足掛かりにして行かないといけないのだろう?

それをチアコス姿の響香たちが見たいからと騙しやすい八百万を使って補給していたにも拘らず個性を行使させるだと?

自分の欲望を優先して競争相手の足を引っ張るとは・・・ヒーローを目指す者として恥ずべき行いだろうが!!」

アクトにこれでもかと雷を落とされてようやく事の重大さに気付いたのか、2人揃って八百万の前に立って頭を下げた。

「や、八百万悪かった、ごめんなさい!!」

「お、オイラが悪かったよ、本選前なのに個性使わせちまってごめんなさい!!」

「・・・謝罪は受け取りましたわ。

まだ時間がありますし、補給すれば本選には間に合うので大丈夫です。

加減さんも、わたくしの為にありがとうございました」

良くも悪くも素直な2人の謝罪に八百万も謝罪を受け取ると購買へと走っていった。

アクトは2人へ謝罪と合わせてお詫びも必要だろうと八百万を追いかけるように伝えると、上鳴と峰田は走っていったのだった。

状況を見守っていたクラスメイト達はようやくお説教が終わると本選開始までゆっくりと過ごしていった。

「・・・すまない加減くん、本来であれば委員長である俺が2人を叱責しなければならなかったのに!!

八百万君へのフォローもせずこんなことに・・・本当にすまない、そしてありがとう!!」

飯田がアクトに感謝を述べていたが、アクトは飯田も先程クラスと合流したばかりで状況を把握していなかったのだから謝罪は必要ないと伝えるも納得しない飯田にアクトも長話をすることでもないので適当に流すのだった。

そして、時間は流れていき―――、

『セメントスの準備はOKなようで、色々あったがこれが最後だ!!

やっぱこれだろっ、ガチンコ勝負!!』

本選開始の宣言がされる。

これまで培ってきた心・技・体、それに加え知識や知恵を総動員して挑む最後の種目である。

1回戦はアクト対『M&S&E』。

『1回戦っ、アメリカからやってきた現役プロヒーロー!!

速い、強い、怖い、そして速過ぎる!!

アメリカのシビュラシステムが生み出したシビュラの申し子、ノンストップヒーロー、グッドスピード!!』

「クハハハハハ、楽しませてもらおうか!!」

ステージに立ったアクトはプレゼントマイクの口上を聞きながら対戦相手を待った。

程無くしてフードを被った3人がゆっくりとステージに向かって歩き出す。

全身をすっぽりと被っている為、男女どちらなのか分からないがアクトの表情が崩れる事はない。

『対するは特別ルールで相手は3人、フードを被って登場だ!!

ギリギリまで情報は伏せさせてもらうぜ!!

ヒーローなら事前の情報がなくとも臨機応変に熟してこそ!!

この3人の連携をどうやって崩すのか見物だぜ!!

当然だが殺傷能力の高い攻撃はもちろんだがアウトだから、お互いに注意しろよな!!』

ここまでくるとアクトが完全に不利なのだが、運営側の容赦の無い対応に観客もドン引きしている。

観客側にいるヒーローたちも、アクトが相手をするのが日本の現役ヒーローなのだろうと推測していたが、それが3人もいてしかも連携してアクトと対するとなると思うとアクトに同情の念を禁じえなかった。

審判はミッドナイトではなくハウンドドッグが唸りながら離れた場で立っており、彼が務めるようだ。

「グルルルル、それでは、試合・・・開始ぃっ!!

ウォオオオオオオンッ!!」

第一回戦、開始。

 

 

 




主人公の強さの秘密が明かされたかなぁ?
ガチャは悪い文明!!
てかこの口封じしたヴィランについて、読者の方々がどんな感想をしてくれるのかちょっと楽しみにしている作者です。
そして原作と違うのはエンデヴァーの扱い。
作者はエンデヴァーがお気に入りなので主人公と過去から絡んでるようにして扱いをハードに、そして幸せになってほしいのに主人公にそれとなくフォローされながら焦凍くんとの関係改善を目指して頂こうと目論んでる次第です♪
あと、トーナメント表作るのちょっと楽しかった。
青山君と耳郎ちゃんが入れ替わって、主人公が多めに戦うという仕様にしました。
頑張れ主人公、プルスウルトラだ!!

ではでは、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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