では、『学園黙示録 自由な殺戮者』どうぞお楽しみください。
「ふー……」
憎たらしいほど澄み渡った青空を睨めつけながら、教鞭をふるう教師の言葉を聞き流す。ふと周りを見回すと、空席を一席見つけた。恐らく小室のサボりだろうと結論付ける。少々暑く感じて、閉めていた窓を開けて……俺は――――――綾部 恭二(あやべ きょうじ)は戦慄した。
「……先生。すいません、トイレに行っても構いませんか?」
「ん? ああ、構わんぞ」
「失礼します」
教室内の生徒の視線を無視して俺は教室を出ると、宣言通りトイレへと直行する。
男子トイレに入り、個室の中へと入りこむと同時に、俺は右ポケットに常備している『無線機』を取り出し、スイッチを入れる。しかし―――
『ザザ――――――――――』
「チッ!」
無線機から発っせられたノイズに舌打ちし、無線機のスイッチを切る。
(窓の外から臭った仄かな血の臭い…ここまで漂ってくるということは尋常ではない量の血だろう……そして、本部に繋がらない無線機…恐らく、この市周辺の電波が安定していない。
ということは、異常事態起きているのは間違いないだろう。学園内に隠している物を粗方引っ張り出すか…後の事は探しながら考えるか)
行動目的を決めた俺は、男子トイレから出ようとして個室のカギに手をかける―――――――が
『ザザ―――全校生徒・職員に連絡します‼ 現在、校内で暴力事件が発生中です。生徒は職員の指示に従って直ちに非難してください‼
繰り返します。現在、校内で暴力事件が発生中―――――ザッ‼ ガキン‼ ぎゃあああああああああああああ』
「まずいッ……早く最上階の情報処理室に行かないと」
生徒たちのパニックで人波に飲まれる前に最上階の情報処理室に向かうため、俺は男子トイレを飛び出して階段へと向かう。幸い男子トイレは、階段のすぐ横に設計されていた為、すぐに階上へと上がれた。その最中にも放送室にいた教師は叫び声や命乞いをしていた。俺が最上階に着いた瞬間。
「「「「「わあああああああああああああああああああああああああああ」」」」」
階下から生徒たちと教師たちの叫び声を耳にしながら、俺は静かにゆっくりと情報処理室へと向かっていく。十数歩歩いた後、情報処理室の前に付いたが、鍵が閉まっていた。ため息を吐きながら、左ポケットに常時している、ピッキングツールを取り出して、鍵の施錠に取り掛かる。
「避難訓練はやはり……無意味のようだな」
そんな無意味な思考にかられながら、情報処理室の施錠を解いた。
―――このとき俺は気付いていなかった。こんな状況だというのに、自分の表情が酷く楽しそうに映っていたことに―――
Prologue end