学園黙示録 自由な殺戮者   作:kokusou

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Sixth mission

 

「宮本。シャワーは使えるから、使いたかったら使えよ」

「本当!? じゃあ、遠慮なく使わせてもらうわよ」

「何か悪いな。俺たちまで上がらせてもらって」

「いいさ。どうせこの仮住まいも今回で最後だ」

 

 あの後、10分ほど移動して俺の住んでいるアパートに着いた。幸いアパート内に<奴ら>の姿はなく、これまで一度も発砲せずに此処に着けたのは、ある意味奇跡といっていいだろう。

 とりあえず俺は、部屋の中をあらかた点検した後、宮本を風呂に入らせ、小室にジュースを渡して、部屋の中に隠してある武器一式を全て取り出して、リビングに全て広げた。

 

「こ、これ、全部隠してたのか?」

「まぁな。何があるかわからねぇし」

 

 今俺と小室の目の前にあるのは、SIG SG550(アサルトライフル)とS&W M37(リボルバー)、RPG26(ロケットランチャー)、後は赤、緑、黄色の信号弾と時計型時限爆弾、長刀が1本と学校で使っていたものと同じサバイバルナイフ5本、警棒1本が並べられている。

小室は少し怯えながら見ていたが、俺はリボルバーと予備弾5発を小室に差し出した。

 

「持っとけ。バット1本じゃ、危ないからな」

「あ、ああ」

「撃ち方は?」

「大丈夫……撃つとき意外は引き金に指を掛けちゃいけないんだよな?」

「銃鉄(ハンマー)を起こさない限りは撃てないが、まぁ、一般人には用心過ぎるぐらいが丁度いいさ」

 

 ビクビクしながらリボルバーを受け取る小室に苦笑して、机の上に置いてあるノートパソコンを起動する。1つUSBを取り出してその中を開き、幸いネット回線は生きていた為、ネットで床主市の渋滞情報と警察のHPをチェックする。深い溜息を吐いて小室に顔を向ける。

 

「小室。この後御別橋に行け」

「? ここからなら大橋の方が近いはずだけど…」

「これ、見てみろ」

 

 手持ち無沙汰の様子の小室にコツコツと指でパソコンに意識を向けさせると、立ち上がってディスプレイを覗き込む。小室の目が限界まで開かれるのに、さほど時間はかからなかった。ディスプレイには御別川を越える橋全てに渋滞のマークが表示され、警察のHPでは検問実地が表示されている。

 俺はUSBを表示しているウィンドウに切り替えると、御別川周辺の地図と道路上に赤く点滅している画面が表示された。

 

「これは?」

「オレ達が乗ってきたバスの現在地。正確には俺のパソコンの位置だが、とりあえず御別橋の手前で止まっているから、東署より前に合流できるはずだ」

「本当か!? よかった」

 

 俺が伝えた情報にホッと安堵した表情をする小室。対照的に俺はというと、少し険しい表情をしながら小室を見つめる。俺の視線に気づいた小室が訝しげな表情で何だ? と問いかけてくる。

 

「……小室。バスの時も言ったと思うが、ここからは一端別行動をすることになる」

「え? この部屋に来るためにバスに降りたんじゃなかったのか?」

「それもあるが、ここら一帯に仕掛けを設置しようとも考えてるんだ」

「仕掛け?」

「まぁ、それについては後になったらわかることだ」

 

 ここから別行動すると伝えると、また訝しげな表情をする小室だったが、すぐに二カッと表情を変えた。

 

「一端って言うことは、別に俺たちを見捨てるわけじゃないんだろ? それに綾部は強いから心配してないよ」

「……そっか。まぁ、そっちも気をつけてな。俺は<奴ら>化したお前らを見たくはないし」

「うっ。怖いこと言うなよ」

 

 体がぶるっと震えた小室を、くっくっと笑いながら励ますようにポンポンと肩を叩く。俺はパソコンを閉じて、押入れから出した旅行カバンにパソコンを入れ、武器を整理しながら旅行カバンに詰めていく。

 

「あ…小室。下のガソリンスタンドで給油して行けよ。金はやるから」

「え? いや、さすがにそこまでは…」

「いいよ。どうせこの状況だ。金の価値はほとんどないし、品物も金なんか払わずに持っていける。まぁ、下のガソリンスタンドはセルフ式だがな」

「まぁ……そうだな。んじゃ、ありがたく貰っていくよ」

「ああ、ありがたく貰っていけ」

 

 机の引き出しから小室に3万ほど渡すと、廊下の方から人が歩く音がして振り返ると、制服を着込んだ宮本がスッキリした表情でリビングに入ってきた。

 

「はぁ~、生き返ったわ。ありがとう、綾部君」 

「気にするな。それより、小室から今後の行動を聞いておいた方がいい。俺とは別行動になるからな」

「え?」

「麗。あのな―――」

 

 俺の発言に訳がわからないというような表情をすると、小室が今後の行動を踏まえて俺が別行動することを伝える。宮本は何か考えるそぶりを見せたが、やがて溜息を吐くと真剣な表情で俺に視線を定める。

 

「絶対私たちと合流しなさいよ」

「当たり前だ。お前らも噛まれないようにな」

 

 全ての準備が終わって、残った警棒を宮本に投げる。あわててキャッチした宮本がキッと軽く睨んできたが、素知らぬ顔で視線をかわす。長刀をツールベルトの背中側で固定し、旅行カバンを背負い込んで玄関に向かう。小室と宮本もそれに続き、三人が玄関に集まり少し狭く感じる。

 

「さて、確認だ。小室と宮本は毒島先輩たちと合流すること。俺はここら一帯に仕掛けをした後、お前らに合流する。位置に関してはパソコンで確認できるから、バスが見当たらなかったら俺に連絡しろ」

「わかった」

「ええ」

「じゃあ、行くぞ」

 

 俺は玄関を開け、外に出る。三人で警戒しながらアパートを降りて、小室と宮本が乗ってきたバイクと俺が駐車していたサイドカー付きの大型バイクの給油を済ませてお互いに別々の道を走りはじめた。お互い生きて会えることを信じながら。

 

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