6/24現在の時点で今話も入れて4話まで完成しております。
定期的に投稿しますが、最新話が間に合わない場合がまた来るかもしれませんがその時はご容赦ください(ハードル下げました)
では、本編をどうぞ。
一通りの仕掛けを終えると、あたりはすっかり暗くなり、その暗い道をサイドカー付きのバイクで走行していた。
夕方ごろに小室達から、合流の連絡が届き、安堵するもすぐに作業に集中していた。
一応抜け目がないかを頭の中で整理しながら走行していると、ようやく橋が見えてきた。渋滞がひどい為、反対車線を走行していたのが功を奏したようだ。警官と市民の怒声と車や重機の騒音で周りは<奴ら>が集まり始めていた。
それを横目に、俺は橋の隅にバイクを止めて、近くにいた警官に声をかける。
「すみません。ここの現責任者に会わせてもらえますか?」
「なんだね!? 今は君のような学生を相手にしている場合じゃ―――!!」
「これでも―――ですか?」
「っ!? し、失礼いたしました。こちらです」
警官なら誰でもわかる自衛隊員の免許書のようなものを見せると、警官の顔が変わり、すぐに現責任者の所へ案内してもらった。
案内された場所には、パトカーに設置された無線に怒鳴りつけている初老の警官がいた。無線機を投げつけると、こちらの存在に気付き、俺と隣の警官を睨み付ける。
「何をしているここは一般人は立ち入り禁止だぞ!」
「警備課長。この少年は自衛隊員の者のようです」
「何!?」
一応敬礼と共に、隣の警官にも見せた免許書を警備課長に渡した。警備課長と呼ばれた人は、訝しんだ眼で俺を見たが、免許書が本物とわかると俺と同じように敬礼をしてきた。
「失礼いたしました。私は―――」
「警察の横暴を許すな―!!」
「「「許すなーー!!!!!!」」」
警備課長が名乗る寸前に、一際大きな音を発している集団が警備課長の声を遮った。しばらく黙ってそれを聞いていたが、あまりにも荒唐無稽な内容だった為、すぐに目的を果たすことにした。
とりあえず、まずはこの騒音をどうにかしようと、警備課長に声をかけた。
「自己紹介はなしにしましょう。一先ず手短に話しますが、あの
「お、音を止めるだと? そんなことをして本当に―――」
「2時間―――それだけあれば、この御別川から藤美学園の中間付近で<目標>を閉じ込められます。それだけの準備をしてあなたと向かい合っています」
「―――了解した。我々はどうすれば」
警備課長の了解を確認し、第一関門のクリアを自身に告げる。
それから、手短に警備課長に警察側への支持を全て送ると、次は市民側の一番騒がしい集団の方へ向かっていった。
「? ねぇ、あの子撮って」
「ん? ほぅ……まぁ丁度いいか」
近くにいた取材陣だろうか、一人の女性リポーターが俺の方にカメラを向けるように指示を出していた。まぁ、こんな重装備をしている高校生をマスコミが見逃すはずがないが今は好都合だった。
俺は集団のリーダー格の男に、歩み寄り声をかける。
「なぁ、あんた。ここではなく別の場所で騒いだらどうだ?」
「あぁ? うるせぇ小僧! 政府はこの殺戮兵器を隠ぺいする為に―――」
「バカには現状を理解させた方が早いか」
一言交わした瞬間に俺は理解した。この男とはまともに会話はできないと。だから俺は、ツールベルトから手榴弾のピンを抜いて集まり始めている<奴ら>に向かって投げ捨てた。
―――ッカ!!!! ドガーン!!!!!
瞬間、辺り一面に広がる爆音と爆風。集団はその光景を唖然として見つめていた。そして、一般市民全員に威嚇するような双眸で睨み付ける。
「今から大声や騒音を出したところから銃殺を繰り返す!! 死にたくなければ音を出さずに警官の指示に従って黙ってろ!!!」
「「「……」」」
その沈黙は了解したからなのか恐怖で声が出ないのか、はたまた未だに今の状況が理解できていないのか。理由はおそらくいくらでもあるだろうが、とにかく今の俺にはこれ以上ないほどの好都合だった。
俺は先ほどまで準備していた仕掛けのスイッチを、ポケットから取り出して押した。
――――――ドガガガーーー!!!!!
爆発物が連続して爆発する音がこの辺りまで響いてきた。続けざまの爆発音で小さな悲鳴を上げる者がいたが、幸い爆発音の方が大きかった。<奴ら>はほとんどが方向転換して爆発音がした方向―――藤美学園に向かって歩み始めた。
その光景に皆一様に驚いており、これもまたここら一体の人間が音を出さない要因の一つとなった。
周辺が静かになったのをいい事に、俺は警備課長の所に戻った。その警備課長も唖然としたままだったが、俺の顔を見るなり物凄い剣幕で詰め寄ってきた。
「君は一体何を―――!?」
「騒がないでください。とりあえず、俺が手助けできるのはここまでです。
この爆発音は今から2時間後まで、30分置きに続いていきます。2時間経過すれば
それでは、自分はこれで失礼します」
「なっ!? お、おい!!」
そこまで言うと俺は警備課長の制止も聞かずに、バイクに乗り込んだ。バイクの音で少々<奴ら>が橋の方へ方向転換してきたが、俺はそのまま学園方向の道に向かって走行していった。
俺がいなくなった後の橋からは大声が聞こえたが、俺にはもう関係のないことだと切り捨てた。
そうやって、学園方向の道を使って小室達の反応がする場所へとバイクを走らせていった。