勇者王ガオガイガーR第1章を投稿します。
拙い文章ですが、お楽しみいただければ幸いです。
なお、若干ではありますがPixiv掲載版から修正を行っております。
大まかな流れは変わりありません。
2018/10/06
次回予告を修正しました。話の流れに変更はありません。
-EPISODE-01~緑と赤そして青(前編)~
♪ザン!♪(GGGのマーク)
「機動部隊、最終点検作業終了!」
「EXガオーマシン、最終チェック終了!」
ハンガーの各所から聞こえてくる作業終了報告を聞きながら、牛山は凱が操る新たな機体『ブレイブガオー』の調整に余念がなかった。
ギャレオンが旅立った後、新たな勇者王の核として開発されたこの機体は、化け物じみた性能を持つ反面、複雑な構造を有する部分が多く、整備にいつも手がかかるのである。
「月村博士も、もう少し整備の事を考えて開発してくれたら…」
「牛山部長! 全作業終了しました!!」
突然の背後からの声に悲鳴をあげかける牛山。だが、それを何とか堪え振り返ると-
「あ、ああ…ご苦労様。三沢主任」
ひきつった笑顔を整備部主任の
「どうしたんですか? 顔、ひきつってますよ」
「い、いや…何でもないんだ」
誤魔化すようにそう言ってハッチを閉じると、スパナを工具箱に放りこみ、顔についたオイルを拭く牛山。
「整備部として、やれる事は全てやりました。あとは…勇者達の勝利を祈るだけです」
「必ず勝つよ、GGGの勇者達は」
三沢の言葉にそう答える牛山の顔に不安はなかった。
-EPISODE-01
【緑と赤そして青(前編)】(タイトルコール)
それから10分後、ビッグオーダールームでは作戦会議が開始されていた。
「まず、敵戦力の確認をしておきたいと思います。グラナート、頼む」
「はい」
正樹の言葉と共に1人の少女が立ち上がった。年は14歳ほど、朱色の髪が印象的な美少女である。
少女の名はグラナート=カーディフ=月村。名前からも解るとおり、正樹の娘であり、メインオーダールームオペレーターの1人である。
彼女と正樹、そしてこの場にはいないルネ=カーディフ=獅子王。この3人の間にはある物語が秘められているが、それはまた別の話。
「まず、ゾンダーキャッスルに関してです」
淡々としたグラナートの声が、ビッグオーダールームに響き渡る。
「全長7200m、最大幅2300m、最大高1650m。外見こそ中世ヨーロッパの古城を模していますが、その実態は恒星間航行機能を有した大型宇宙戦闘空母と考えられます。攻撃力、防御力に関しては―」
ここでグラナートは一旦言葉を切り、手元の装置を操作した。モニターの画面が切り替わり、先程火星宙域で繰り広げられた機界城と戦闘衛星との戦闘が映し出される。
「ご覧のとおりです。これまでに取得したデータからの推測ですが…攻撃力、防御力共に5年前、エジプト及びメキシコに出現した合体原種と同等、もしくはそれ以上であると考えられます」
「更に、敵は人型機動兵器『ゾンダーレギオン』を多数有しています。これはEI-18が使用していたマイクロマシン同様、ゾンダーキャッスルの中枢部が制御しているものと、我々は推測しています」
「ゾンダーレギオンの能力自体は、ZX-05出現時に大量発生したゾンダーロボと同等程度と推測されますが、数が多く、大兵力による殲滅戦を仕掛けてくるものと推測されます。正直言って、現戦力でまともにぶつかった場合…かなりの苦戦が予測されます」
補足を加える形で正樹、紫苑の発言が続く。ここでマイクが何かを思い出したように口を開いた。
「Oh! 雷牙博士、ゾンダーレギオンはゾンダーロボとEntirelyだったら、マイクのディスクXでまとめてやっつけられるもんね!」
ナイスアイデアと言わんばかりのマイクの声に対し、雷牙は苦笑いを浮かべながら―
「マイク、忘れたのか。ディスクXの在庫はオービットベースやGGGアメリカどころか世界中探しても1枚も無いことを。ガザートスとの戦いで使い切って以来、再プレスは行えておらんのだぞ」
と、ツッコミを入れた。
「Oops! そうだったもんね…」
「今から再プレスをかけようにも時間がなさすぎる。今になってもガザートスに悩まされるとは、どこまでも傍迷惑な奴じゃよ」
一瞬芽生えかけた希望の芽があっさりと潰え、ビッグオーダールームが沈黙に支配されかける中、凱が口を開いた。
「正樹…何か、策はあるのか?」
凱の言葉に正樹は暫し考え込み、ゆっくりと口を開く。
「策とも言えないような博打なら…1つ。勇者王で、ゾンダーキャッスルの動力部を…叩く」
正樹の作戦。その大筋はこうだ。
まず、フランスの対特殊犯罪組織シャッセールから派遣された光竜と闇竜を加えたGGGの全戦力でゾンダーキャッスルと正面からぶつかり、乱戦に持ち込む事で敵の注意を引きつける。
そして、タイミングを見計らって凱を単独で突撃させ、一点集中でゾンダーキャッスルの動力部を破壊する。上手くいけば、ゾンダーキャッスルを停止させる事が出来る。
言葉にすれば簡単だが、あまりに大胆で危険な賭けでもあった。しかし、今のGGGの戦力を考えるとこれが一番確実でもあった。
そして、この作戦は承認された。
「凱!」
作戦会議が終了し、それぞれが出撃準備に向かう中、正樹は凱を呼び止めた。
「どうした? 正樹」
「…悪いね、あんな作戦モドキしか用意できなくて…」
「気にするな。今の戦力を考えれば、あの作戦が一番確実なのは皆解ってる」
「まあ、グダグダ言っても仕方がないんだけどさ…『GNプロジェクト』の発動が承認されていれば…もう少しマシな策もあったんだろうけど…」
「ガザートスの爪跡が予想以上に大きかったんだ。仕方がないさ」
2年前、地球に襲来した知的生命体『ガザートス』は、全世界に大きな被害をもたらした。
その復興に多額の資金を費やした結果、GGGを始めとする防衛機関の予算などがその皺寄せを受ける事となり、ガザートス撃破直後から提唱されたGGGの組織再編成や勇者ロボの強化など、外宇宙からの脅威に対する備えがズルズルと後回しにされてきたのだ。
「あの戦いで中破したブレイブを修復できて、若干改良できたのがせめてもの幸運か…」
「…大丈夫だ! 俺達に今出来る事を精一杯やれば、必ず勝利を掴む事が出来る!」
「…そうだな。よし! 俺も今出来る事をやる! この戦い、絶対に勝とうぜ! 凱!」
「ああ!」
それから1時間後、GGGは機動部隊と4隻の機動艦艇、通称『聖獣艦隊』を月軌道上に出撃させた。
『聖獣艦隊』それは、高速汎用射出母艦"
「ゾンダーキャッスルを確認! 艦隊との距離、10000!」
「機動部隊、スタンバイ完了! いつでも発進できます!」
「朱雀王。全砲門発射準備完了!」
「ボルフォッグより入電、白虎王攻撃準備完了」
「玄武王。指定ポイントにて待機」
旗艦である蒼龍王のブリッジに牛山たちの声が響く。そして暫しの沈黙の後、大河の声が轟いた。
「GGG! 出撃!!」
その声に続くように氷竜達が、蒼龍王のリボルバーミラーカタパルトから次々と射出される。そして、カタパルトからはブレイブガオーが飛び立とうとしていた。
「ブレイブガオー、ALLチェック…グリーン! 発進準備完了!!」
「ブレイブガオー、発艦許可」
凱の声に命が答え、次の瞬間―
「ブラストオフ!!」
ブレイブガオーが宇宙へ飛び立った。目にも止まらないほどの物凄いスピードで、ゾンダーキャッスルへ突き進んでいく。
その様子はすぐに機界城の目に入った。機界城の中枢であるパスダーは小さく呟く。
「人間どもめ…悪あがきを……」
そして、機界城から無数のゾンダーレギオンが射出される。その数は軽く100体は越えていた。
それを見た凱が、間髪入れずに叫ぶ。
「行くぞ! フュージョン!」
雄叫びと共に凱の左腕、『Gの紋章』が輝き、ブレイブガオーが変形を開始する。そして、目に緑の光を宿しその体は変形を完了した。
「ガイ! ガァーッ!
月村正樹が作り出した『ガイガー以上のガイガー』それがガイガーEXである。
「機動部隊、配置完了!」
「敵集団、射程内に入りました!」
準備は全て整った。大河の声が再度響く。
「攻撃開始!!」
次の瞬間、聖獣艦隊の全火力が一斉に火を吹いた。
その圧倒的な火線は、射線上にいたゾンダーレギオンのバリアを突破し、次々と撃破していく。
「ゾンダーレギオン、4割の殲滅を確認!」
「機動部隊、攻撃開始!」
そこへ機動部隊が一気に突撃した。瞬く間に大乱戦となる。
「GFシステム起動!」
凱の声が響くと共に、ガイガーEXの四肢が緑の光を纏う。
「うぉぉぉっ!!」
そのままスラスターを全開にして、前方のゾンダーレギオンへと突進。放たれる怪光線を類稀な機動性で回避しつつ、肉薄すると―
「はぁっ!」
緑の光を纏った右拳を叩き込んだ。その拳はバリアを突破し、ゾンダーレギオンの頭部を打ち砕く。
「たぁっ!」
そのままの勢いで後ろ回し蹴りを放ち、今度はその胴体を蹴り砕いた。直後、爆発するゾンダーレギオン。
GFシステム。正式名称G-Forcefieldシステム。
四肢にGパワーの力場を纏い、格闘攻撃力を飛躍的に上昇させるガイガーEXの特殊装備である。
「お前達1体たりとも、地球へは近づけさせん!」
最大出力でゾンダーレギオンの集団へ突撃するガイガーEX。瞬く間に多くのゾンダーレギオンが物言わぬスクラップへと変わっていった。
ガイガーEXがゾンダーレギオンを次々と倒していく中、機動部隊も激戦を繰り広げていた。
「ウルテクビーム、全斉射!」
超竜神の両腕と両腰に装備された火器から、高出力のビームが連射される。その火線はバリアを一瞬の拮抗の後突破。ゾンダーレギオンを次々と蜂の巣にしていく。
そんな中、辛くも火線を潜り抜けた数体のゾンダーレギオンが超竜神へと突進し、ブレード攻撃を仕掛ける。
「遅い! ラダートンファー!」
しかし、超竜神は焦ることなく、ブレードをラダートンファーで一気に受け止め―
「クレーントンファー!!」
右手に持ったクレーントンファーを渾身の力で見舞った。強烈な打撃を受け、吹き飛ばされるゾンダーレギオン達。
「唸れ疾風! 轟け雷光!
撃龍神の両腕から放たれた黄色と緑の2匹の龍は、唸りをあげながらまったく同時に宇宙を突き進む。
当然、バリアを展開して防御を固めるゾンダーレギオン達だが、その頼みのバリアも一瞬攻撃を防いだだけで打ち砕かれ、次々と体を貫かれていく。
声にならない断末魔をあげ、次々と爆発、四散するゾンダーレギオン。その爆発により敵側の視界が隠れた瞬間、今度はマイクが叫ぶ。
「ディスクM! セットオン!」
マイクの胸部が開き、サウンドディスクが装填される。
「ギラギラーンVV! yeah!!」
キーボードとギターの2連装ギターが奏でるメロディに乗せて放たれたマイクロウェーブが、ゾンダーレギオン達の自由を次々と奪っていく。
「輝け閃光! 貫け暗黒! 光と闇の舞い!!」
「マーグキャノン!」
そこへ天竜神、そして蒼龍王に陣取っていたゴルディータンクが同時攻撃を仕掛けた。大量のミサイルとメーザー、そしてビームが自由を奪われたゾンダーレギオン達に容赦なく襲いかかり、次々と撃破していく。
「人間どもめ…悪あがきを……」
手持ちの駒であるゾンダーレギオン達が次々と撃破されていく光景に、パスダーは苦々しく呟いた。
「だが、戦術を改める必要はあるようだ…」
それでも機械特有の冷静さで思考を切り替え、ゾンダーレギオン達に新たな指示を下すパスダー。
直後、ゾンダーレギオンは指示に従い、怪光線を主体にした遠距離戦に攻撃を切り替えてきた。
「ちぃっ!」
次々と放たれる怪光線を、スラスター全開で回避する機動部隊。攻守が完全に逆転した形になったその時、無数の飛行物体が、機動部隊を庇う様に飛来した。
飛行物体に怪光線が直撃した瞬間、怪光線は鏡に反射するように次々と撥ね返され、ゾンダーレギオン達に襲いかかる。
「少々変則的ですが、F・FミラーSにはこう言った運用法もあるのです」
スクリーンに映るその光景を見ながら、不敵に呟くボルフォッグ。
そのままボルフォッグはF・FミラーSを操作し、再び1枚の巨大なミラーを造りだすと―
「ハイパーリフレクタービーム、発射!」
白虎王最強の攻撃を繰り出した。放たれたビームはミラーに反射され、ゾンダーレギオンの群れへと向かっていく。自身の怪光線を撥ね返され、体勢の崩れたゾンダーレギオンにもはや逃れる術はなかった。
閃光に包まれ、次々と爆発していくゾンダーレギオン。
「ゾンダーレギオン第1陣の殲滅を確認!」
「ゾンダーキャッスルより、第2陣の射出を確認! 機動部隊との接触まで70!」
「今がチャンス、頼むぜ! 凱!!」
「任せろ! EX! ガオーマシン!!」
正樹の声に答えるように凱が叫ぶと、蒼龍王のカタパルトからステルス爆撃機、ロケット式戦闘機、ドリル戦車が射出された。ガイガーEX用のガオーマシン『EXガオーマシン』である。
EXガオーマシンの発進と同時に、蒼龍王のブリッジに赤い光が灯る。それは透明のカバーに覆われた赤いボタンだ。
それが明滅するたびに、カバーに真っ赤な『DANGER』の文字が浮かび上がる。
「長官! ガイガーEXからファイナルフュージョン要請シグナルです!」
「よし! ファイナルフュージョン、承認!!」
「了解! ファイナルフュージョン、プログラムドラーイブッ!!」
間髪入れず、命がカバーを叩き割る。走り出したプログラムに従い、合体が開始される。
「ファイナル! フュージョォォォン!!」
ガイガーEXが作り出した電磁竜巻を突き破って、3機のEXガオーマシンがガイガーEXの元に集結した。
同時に、各々のマシンが変形を始め、合体が開始される。
ドリルガオーEXとライナーガオーEXは、2つに分割してそれぞれ両脚と両肩に、ステルスガオーEXは両腕と背面部そして頭部に。そして、電磁竜巻を吹き飛ばし、黒い鋼の巨人が名乗りをあげた。
全ての人々が待ち望んだ新たな勇者王、その名は。
「ブレイブ! ガオ! ガイ! ガァァァァッ!!」
「ガトリングドライバー射出!!」
ブレイブガオガイガーの合体完了と同時に、蒼龍王のミラーカタパルトからガトリングドライバーが射出される。
「座標軸…固定! ツールコネクト!!」
数秒後、ガトリングドライバーを装備したブレイブガオガイガーが、その先端をゾンダーキャッスルへ向け叫んだ。
「ガトリング! ドライバー!!」
その声と共にブレイブガオガイガーの左腕から放たれた空間湾曲エネルギーが、多数のゾンダーレギオンを巻き込みつつ展開して行く。
そして、ゾンダーキャッスルに空間湾曲エネルギーが激突し、ブレイブガオガイガーからゾンダーキャッスルへ一直線の道が完成した。
「いくぞぉ!!」
湾曲空間の中心を通り、ゾンダーキャッスルへと突撃するブレイブガオガイガー。湾曲空間に巻き込まれなかったゾンダーレギオンが、すぐさま迎撃体制をとるが―
「やらせるかぁ!」
超竜神達の一斉攻撃がそれを阻む。その間にブレイブガオガイガーは、ゾンダーキャッスルへの接近に成功した。
「ファントムリング!!」
凱の叫びと同時に胸部のシャッターが展開し、内部からエネルギーリングが飛び出す。
ブレイブガオガイガーの標準装備『ファントムリング』。これはスターガオガイガーが装備していた物と異なり、エネルギー粒子で構成されているため、5年前のようにリングを破壊される事はない。
「ブロウクン! ファントォームッ!!」
ファントムリングを撃ち抜く形で、ブレイブガオガイガーが右前腕を射出した。光輝く黄金の流星となった右前腕は、一直線にゾンダーキャッスルに向かっていき、そのバリアと接触する。
目も眩むばかりの閃光が、ゾンダーキャッスルのバリア表面で炸裂し、そして―
「貫けぇ!」
凱の咆哮と共にブロウクンファントムはバリアを突破した。そのままゾンダーキャッスルの外壁を突き破り、風穴を開ける。
「ぐぎゃぁぁぁっ!!」
苦悶の声を上げるパスダー。更に風穴を開けられた部分から爆発が起き、ゾンダーキャッスルの巨体が揺らぐ。
その隙に右腕を再接続したブレイブガオガイガーは、自身のセンサーをフル稼働してゾンダーキャッスルを探査する。直後、高いエネルギー反応を示す部分を発見した。
「そこが動力部か!」
『凱! ブレイブの新必殺技で一気に決めちまえ!!』
「ああ!
その瞬間、ブレイブガオガイガーのエネルギーレベルが一気に跳ねあがる。
GSNEXT-RIDE。それは弾丸Xに搭載されていたGSブースターを改良、小型化して追加した新型のGS-RIDEである。
弾丸X使用時の反省から、GSブースターには改良が施され、稼働レベルがある程度調整できるようになっていた。
稼動レベルはレベル1から10の10段階に分けられているが、レベル10で一定時間以上稼動させると弾丸X使用時と同じ運命が待っている。すなわち、エネルギー枯渇による死だ。
「天地…轟鳴!」
GSNEXT-RIDEの出力を限界ギリギリまで上げたブレイブガオガイガーは、両腕を一度顔の前で交差させ、腰に構えた。直後、その胸にGパワーの光が集まり始める。
「ブレイブガオガイガーの胸部に、通常の10倍以上の超高密度Gパワーを感知! 更にエネルギー値は上昇中!!」
「なんだと!? 月村君、凱はなにを……」
「出ますよ、勇者王の新たなる必殺技が…」
「必殺技!?」
周囲の疑問をよそに正樹は勝利を確信した顔で、蒼龍王のモニターを見つめていた。
「見せてくれよ…凱」
「喰らえ! ブレイブ! ハァァァット!!」
叫びと共にブレイブガオガイガーの胸から放たれる緑の矢。それは一直線にゾンダーキャッスルへ向かい、バリアへと直撃する。
次の瞬間、緑の矢はバリアを突破。外壁を貫き、動力炉を吹き飛ばし、ゾンダーキャッスルに新たな風穴を開けた。
「ば、馬鹿なっ!」
その言葉が、パスダー最後の言葉となった。動力炉を失った事でエネルギー供給を絶たれ、機能を停止するパスダー。
パスダーの機能停止により、ゾンダーレギオンも電池の切れた人形のように動かなくなる。
その光景に蒼龍王のブリッジも一気に沸き立つ。
「やった!!」
「『ブレイブハート』か…凄まじい威力だな」
「Gパワーを集中させる事で生み出した光の矢を撃ちだす……あれで貫けぬ物はまず無いじゃろう」
「まあ、細かい事は凱達が帰還してからにしましょう」
「……帰還はもう少し延びそうですよ」
紫苑の言葉に全員の視線がスクリーンに向かう。そこには―
「ゾンダーキャッスルが…再生を始めてる!?」
僅かずつだが、再生を進めているゾンダーキャッスルと、それに攻撃を仕掛ける勇者達の姿が映し出されていた。
「動力炉は間違いなく吹き飛ばした…なのに何故…」
そこまで呟き、正樹はひとつの可能性を思い立った。すぐさまキーボードを操作し、ゾンダーキャッスルを再度スキャンする。すると微弱なエネルギー反応が数箇所見つかった。
「サブシステム…メインのエネルギー反応で、サブシステムの反応が隠蔽されていたんだ…くそっ、俺とした事が…」
サブシステムの存在を見抜けなかった自分に言いようのない悔しさを感じる正樹。
「悔やむのは後からでもできる。今は自分の成すべき事に集中するんじゃ、正樹君!」
そんな正樹を叱咤する雷牙。世界十大頭脳の地位を譲渡したとはいえ、まだまだ若い正樹達を教え、導いていく。雷牙はそう心に決めていた。
「…はい!」
そんな雷牙の言葉に、正樹はすぐに思考を切り替える。そしてキーボードを再び操作し、凱達への情報伝達を再開した。
「おのれ…人間ども!!」
メイン動力炉を失った事で半狂乱と化したのか、ロクに照準もつけないまま全身のビーム砲を乱射する機界城。サブ動力炉のみの状態では本来の威力に遠く及ばないとはいえ、圧倒的な数の火線が機動部隊へ降り注ぐ。
パスダーからの指示が途絶え、周囲に漂うゾンダーレギオンが次々とビームに貫かれていく中、機動部隊は辛くも火線を掻い潜っていくが、回避するのが精一杯で反撃する事が出来ない。
「このままでは、ゾンダーキャッスルのメイン動力炉が再生してしまう…」
ビームを避け続ける凱の表情にも焦りの色が見え始める。その時―
『援護するぞ! GGGの勇者達!!』
聞き覚えのある声が通信で飛び込んでくるのと同時に、突如出現した数十発のミサイルがゾンダーキャッスルに襲い掛かった。
「空間転移型ミサイル!? まさか!」
攻撃の放たれたであろう方向へ視線を走らせる凱。直後、視界に飛び込んできた2つの機体に思わず声を上げた。
「やはり、アレはジェイアーク! それに…ギャレオン!!」
君達に最新情報を公開しよう!!
激闘の最中、地球へ帰還したギャレオンとJアーク。
だが、ゾンダーキャッスルとの激闘は、単なる序章に過ぎない。
強大な力を持つ新たな敵が、機動部隊を追い詰めていく。
果たして我らがGGGは、この戦いに勝利する事が出来るのか!?
勇者王ガオガイガーR -EPISODE02-
『緑と赤そして青(後編)』
次回もこのURLにネオ・ファイナルフュージョン承認!!
これが勝利の鍵だ!!
『ネクストガオガイガー&ネオキングジェイダー』
勇者王ガオガイガーR用語辞典
第2回『新生世界十大頭脳』
ガザートス事件の終焉直後、獅子王雷牙博士ら『世界十大頭脳』から、その称号を受け継いだ10人の若き天才科学者達を人々は賞賛を込めてこう呼ぶ。
現時点では、GGGに所属している月村正樹及び藤宮紫苑の2名が確認されている。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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