勇者王ガオガイガーR第5章(第6話)を投稿します。
拙い文章ですが、お楽しみいただければ幸いです。
今回も若干ではありますがPixiv掲載版から修正を行っております。
大まかな流れは変わりありません。
2018/10/06
次回予告を修正しました。話の流れに変更はありません。
♪ザン!♪(GGGのマーク)
「いくぜっ!」
Gクラステクターに身を包み、ウィルブレードを手にした唯斗が、その声と共に真正面から突撃する。
ゾンダーソルジャーのブレードによる攻撃を、驚異的な動体視力と反応速度を活かした見切りで次々と回避し―
「でやぁ!」
ウィルブレードで次々と斬り捨てていく。瞬く間に3体のゾンダーソルジャーがスクラップへと姿を変える。
「The enemy seems not to have the reproduction ability[敵は再生能力を持っていないようです]」
「そのようだ、このまま一気に蹴散らす!」
「It consented[了解しました]」
そう言うが早いか、再度突撃を行ない、更に2体を斬り捨てる唯斗。すると、残ったゾンダーソルジャーは戦術を変更してきた。それぞれがバラバラに距離を取り、マシンガンを発砲してきたのだ。
「ちぃっ! アームバックラー展開!」
咄嗟に、左腕に装備されている防御用装備『アームバックラー』を起動する唯斗。瞬時にシャッターが展開して、形成された円形の盾で頭と胸を庇いながら、弾丸を回避していく。
「This shield can withstand the direct hit of heavy machinery cannon[このシールドは、重機関砲の直撃にも耐える事が出来ます]」
「要するに、この位の攻撃じゃ傷1つつかないって事か。だが、こっちの射程外から攻撃されたんじゃ、どうしようも…」
「It is in case of the attack method[攻撃する方法ならあります]」
「え?」
「Call me 『Viper form』[唱えてください『バイパーフォーム』と]」
「わかった、ウィルブレード! バイパーフォーム!!」
「System change[システムチェンジ]」
次の瞬間、ウィルブレードはその姿を変えた。刀身が7つに分かれ、そのそれぞれが鋼線で繋がれた状態。俗に『蛇腹剣』と呼ばれる姿へと!
「なるほど、これならリーチは倍以上に伸びる!」
そう言った唯斗が、ウィルブレードを鞭の様に振るうと、刀身は一番近くにいたゾンダーソルジャーに巻きつき、次の瞬間その体をズタズタに切り裂いた。
「うわぁ、凶悪」
「You're too kind[恐れ入ります]」
そんな会話を交わしながら、ゾンダーソルジャーとの戦闘を続ける唯斗。敵の数は確実に減り続けていた。
-EPISODE-05
【着装(後編)】(タイトルコール)
唯斗がゾンダーソルジャーの群れと戦闘を続けていたその頃、バトラスは護達に追いついて…いなかった。突如出現した3人の戦士達によって、完璧に足止めされていたのである。
その3人とは凱、J、そしてルナ。正樹が口にした『最強のメンバー』である。
「ラディアントリッパー!!」
Jは叫びと共にその必殺剣を振るい、バトラスに迫る。
「おのれ!!」
Jを迎撃すべくその豪腕を振るうバトラス。しかし―
「遅い遅い! 遅すぎる!!」
その攻撃は決して遅くはなかった。しかし、J自慢の超高速移動の前では牽制にすらならない。
「でやぁ!!」
剣光一閃!! 切断されたバトラスの左腕が、血ならぬオイルの尾を引いて宙に飛ぶ。
「ギャァァァァァ!!」
苦悶の叫びをあげるバトラス。そこへ追い討ちをかけるように、ルナが手にした大型ハンドガンを構える。
「ファイア!」
大型ハンドガンから連射された光弾が、容赦なくバトラスに襲い掛かり、無数の傷を刻み付けた。声こそ出さないが、バトラスの顔が苦痛に歪む。
「これはオマケよ!!」
追い討ちをかけるようにルナは、ロングコートに仕込んでいたクナイを3本抜き、一気に投げつけた。クナイは見事なコントロールで、全てバトラスの胸部に突き刺さる。
「フ、フン! こんなちゃちな物が効くとでも…」
虚勢を張るバトラス。たしかにクナイが刺さった事によるダメージは、先程までの攻撃に比べれは微々たる物だった。しかし!
「ぐわぁ!!」
突然クナイが爆発し、再び苦悶の叫びをあげるバトラス。そう、あれは只のクナイではなく高性能のクナイ型爆弾だったのだ。
「あら、ごめんなさい。痛かったかしら?」
爆発により深く抉れた胸を抑えるバトラスに、無慈悲極まりない台詞をぶつけるルナ。
「か、下等生物がぁ!!」
ルナの台詞により再び逆上したバトラスに対し、今度は凱が迫る。だが、凱は他の2人と大きく異なる事が1つだけあった。
凱の体は黄金に輝く特殊装甲。Gクラステクターに包まれていたのである。
「調子に、乗るなぁ!!」
雄叫びと共にバトラスは切り落とされた左腕と、抉れた胸を一瞬で再生すると凱に向けて突撃した。
「くらえ!!」
声と共に豪腕を振り下ろすバトラス。巨大なハンマーにも例えられるような拳が、凱の顔面に迫る。
「死ねぇ!!」
バトラスの拳が炸裂する寸前、凱の右腕が動いた。流れるような動きでその豪腕を受け流すと、その勢いを利用した胴回し回転蹴りをバトラスの顔面に叩きこみ―
「ぐほっ!!」
体勢を整えるが早いか、再度間合いを詰め―
「はぁっ!!」
正拳突きを5発連続でバトラスの胸部に叩き込んだ。
凱の驚異的な身体能力をGクラステクターによって増幅した今の状態で放たれるパンチ、その衝撃は30t以上にもなる。それを5発連続で喰らったのだ。如何に新種といえども、ただで済む筈がない。
事実、バトラスの胸には拳の痕が5つ、深々と刻み付けられ、体内を構成する生体マシンもそれを保護する骨格ごと粉砕されていた。
「あ、が、ぐぁ…」
声にならない声を搾り出しながら、体内の再生を開始するバトラス。だが、それを黙って見ている凱ではない。無造作に右手でバトラスの頭部を掴むと、一気に地面に叩きつけ―
「ぐはっ!!」
間髪入れずにバトラスの腹へ、渾身のサッカーボールキックを見舞った。
「ぐへぁ!」
口から吐瀉物代わりのオイルを吐きながら、宙を舞うバトラス。数秒後、何かが潰れるような音と共に頭から地面へと落下し、そのまま動かなくなる。
十数秒の間、沈黙が周囲を支配した。
「動きませんね」
「死んだか」
「いや、まだだ!」
凱のその言葉どおり、ヨロヨロと起きあがるバトラス。
「こ、このくらいの事で…お、俺を倒したつもりか!!」
精一杯の虚勢を張るが、その足元はふらつき、ダメージが大きい事をはっきりと示していた。
「おとなしく、寝てなさい!!」
ルナが残っていたクナイ型爆弾全てを抜き、一気に投げつける。そして、バトラスの全身に突き刺さった瞬間、それらは一斉に爆発した。
「ギャァァァァァァァ!!」
今までで最大級の叫び声をあげ苦しむバトラス。爆発により胸を大きく抉られ、更に左腕、右脇腹、そして顔面の右半分を吹き飛ばされたのだ。そのダメージは想像を絶する。
「お、おの…れ」
吹き飛んだ体を再生させながら、弱々しいうめき声をあげるバトラス。誰が見ても彼の敗北は決定的と思われた。
「かくなるうえは…」
次の瞬間、バトラスは背中の羽根を羽ばたかせ、逃亡を図る。
「お、覚えていろ!」
捨て台詞を吐きながら空中へ飛び上がり、加速しようとした次の瞬間!!
「フッ、遅いと言っただろう!!」
バトラスの飛行速度をはるかに上回るスピードでJが立ち塞がった!!
「な…」
「落ちろ!!」
Jの強烈なキックをまともにくらい、地上へと落下するバトラス。それを睨みながらJが叫んだ。
「とどめだ! 凱!!」
「まかせろ! ウィル! マチェット!!」
叫びと共に凱の左腰に備え付けられた鞘から大型の
「はぁぁぁぁぁっ!!」
マチェットを構え、バトラスに向かって凱が走る。
「こ、こうなれば、貴様だけでも!」
半狂乱状態のバトラスも右腕を振り上げ突進した。しかし、その動きは精彩を欠き、盲目的な突進に過ぎなかった。
「死ねぇ!!」
振り絞るような叫び、大気の悲鳴と共に豪腕が振り下ろされ、凱の頭部を粉微塵に打ち砕こうとした。寸前、凱の右手のマチェットが煌く。
大気が裂けた。圧倒的なスピードで振り上げられたマチェットは真空の刃を伴い、バトラスの右腕を一瞬で切り裂いた。
「はぁっ!!」
次の瞬間、凱はすれ違いざまにバトラスの胴を―
「でやぁっ!」
更にターンして頭部を一気に切り裂いた。
「そんな、馬鹿―」
バトラスの呻き声はそこで止まった。凱のマチェットによって、バトラスの体は頭部から真っ二つに、腰から上下にそれぞれ両断されたのである。4分割されたバトラスは、地響きを立てながら地面に倒れ、直後大爆発を起こした。
「やりましたね! 凱隊長」
「流石だな、凱」
勝利に沸く凱達。だが、その喜びは長くは続かなかった。
「バトラス、ゲームオーバー」
何処からともなく響く冷たい呟き。
「ッ! 何者だ!!」
全神経を集中して周囲を見回す凱達。その声の主はすぐに見つかった。
「女?」
「私は機界33新種、ローゼス」
その声の主は、あのクルーザーにいた美女、ローゼスであった。
「プログラム再構成、無差別破壊モードに移行」
そう言って左腕を天に掲げるローゼス。次の瞬間、空間が切り裂かれ、そこから今倒したバトラスを巨大化したようなロボット。そして新種核が出現した。
「あれは、新種核だと!!」
凱達の驚きをよそに新種核は残骸と化したバトラスの元へと向かい、バトラスの残骸を吸収した!!
「エビル、フュージョン」
ローゼスの声が冷たく響き渡り、バトラスの残骸を吸収した新種核は、巨大ロボットへ飛び、そのままロボットと一体化した。
「破壊と混沌の使者よ。この地に災厄をもたらしたまえ…」
そう言いながらローゼスは空間に溶け込み、そして消えた。
「待て! くそっ!!」
「奴の事は後回しだ。まずはあのデカブツを何とかするぞ。凱!!」
「わかってる! 来いっ! ブレイブガオーッ!!」
「召還! ネオJアーク!!」
2人の声に答え、眠っていた2機が目を覚ます。ブレイブガオーは海中の射出口から、ネオJアークはエクセルベースから分離してそれぞれの主の元へと飛び立った。
凱とJ、2人の勇者がそれぞれの愛機を呼ぶ少し前、唯斗はゾンダーソルジャーとの戦いに終止符を打とうとしていた。
「うおりゃぁ!」
気合と共に振るわれるウィルブレードは、正面にいたゾンダーソルジャーの腰に打ち込まれ、一瞬の内に両断する。
「あと、1体!」
「ゾォンダァァァ!」
最後の1体となったゾンダーソルジャーは、狂ったように左腕のマシンガンを乱射するが、唯斗のアクロバティックな動きの前には、牽制にもならない。そして―
「これでラスト!」
放たれた突きに頭部を粉砕され、ゾンダーソルジャーは永遠にその動きを止めた。
「ふうっ、任務完了!」
『ご苦労さん、唯斗君。凱達のほうも無事に…終りそうにないねぇ』
「どういう意味ですか!? 正樹―」
唯斗はそれ以上の言葉を出す事ができなかった。巨大ロボット化したバトラスが視界に入ったからだ。
「こういう事か…」
『唯斗君!』
「は、はい!」
『今、エクセルベースから、ブレイブガオーとネオJアークが発進した! 唯斗君も―』
「わかりました!!」
正樹の声を遮る形でそう言うと、唯斗はGコマンダーを取り出し、天空に掲げて叫んだ。
「リュシフェルガオー! スクランブル!!」
唯斗の声とGコマンダーのシグナルに答え、リュシフェルガオーも目を覚まし、緊急発進した。
それと同じ頃、護も巨大ロボット化したバトラスの出現を目撃していた。
「僕も行かなくちゃ、華ちゃん、その子をお願い」
「護君、気をつけてね」
「大丈夫だよ。僕は1人じゃないから」
そう言いながら華の頬にそっと口づけする護。それとほぼ同時にギャレオンが飛来する。
「じゃあ、いってきます」
華の頬からそっと唇を離し、微笑みながらそう言うと、護はギャレオンの元へ走りだした。
「フュージョン!!」
護と一体化し、変形を開始するVギャレオン。
「V! ガイ! ガー!!」
飛び立つVガイガーを見ながら、顔を真っ赤にした華は呟いた。
「いってらっしゃい…護君」
「燃えろ! 燃えろ!!」
巨大化したバトラスは、目から破壊光線を放ち、街を火の海に変えていく。そこへブレイブガオー、ネオJアーク、Vガイガー、リュシフェルガオーがほぼ同時に到着した。
「それ以上の街を破壊、許しはしない! フュージョン!!」
雄叫びと共に凱の左腕、『Gの紋章』が輝き、ブレイブガオーが人型に変形する。そして、目に緑の光を宿しその体は変形を完了した。
「ガイガァーッ! EX!!」
「俺も続くぜ! フュージョンッ!!」
唯斗の声に続いてリュシフェルガオーも瞬時に人型へと変形し、その両目に緑の光を灯す。
「ネオ! ガイ! ガーッ!!」
唯斗に続き、今度はJが叫ぶ。
「フュージョン! ネオJバード、プラグアウトッ!!」
声と同時にネオJアークからネオJバードが分離し―
「スタンドアップ!!」
瞬時に人型へと変形する。
「ネオ! ジェイダー!!」
次の瞬間、ネオジェイダーが変形を完了したのを見計らったかのように凱、護、そして唯斗が叫んだ。
「EX!」
「ネクスト!」
「ネオ!」
「「「ガオーマシン!!」」」
3人の声に答え、エクセルベースから全10機のガオーマシンが出撃した。
「長官! ガイガーEX、Vガイガー、ネオガイガーから要請シグナルです!」
「うむっ! ファイナル! ネクスト! ネオファイナルフュージョン、承認ッ!!」
「了解! ファイナルフュージョン!」
「NEXTFUSION!」
「ネオファイナルフュージョン…」
「「「プログラムドラーイブッ!!」」」
大河の承認とほとんど同時に、命とスワンの拳、そしてグラナートの手にしたハンマーが、それぞれのセーフティーカバーを叩き割る。
「ファイナル!」
「ネクスト!」
「ネオ! ファイナル!」
「「「フュージョォォォォォン!!」」」
ガイガーEXが、Vガイガーが、そしてネオガイガーがそれぞれ発した電磁竜巻の中に、それぞれのガオーマシンが突入した。同時に、各々のマシンが変形を始め、合体が開始される。そして、電磁竜巻を吹き飛ばし、3体の鋼の巨人が名乗りをあげた。
「ブレイブ! ガオ! ガイ! ガァァァァッ!!」
「ネクスト! ガオ! ガイ! ガァァァァッ!!」
「ガオ! ガイ! ガァァァァッ!! アァァァァルッ!!」
今ここに3体の勇者王が降臨した!!
「うん、プログラムドライブの分担、上手くいっているようだね」
モニターに写る3体の勇者王の勇姿を眺めながら、1人呟く正樹。
ネオキングジェイダーとネクストガオガイガー、そしてガオガイガーRの参戦によって、GGGの戦力は大幅に増強された。
しかし、それは合体時に行われるプログラムドライブの回数が3倍になる事も意味しており、今までのように命1人の入力作業では、迅速な対応が不可能となっていた。
それを解消する為に、正樹はプログラムドライブの分担を提案。命、スワン、そしてグラナートの3人でプログラムドライブを分担する事で、迅速な対応を可能にしたのだった。
ちなみに、ネクストガオガイガーはスワンが、ガオガイガーRはグラナートが担当し、ブレイブガオガイガーは今までどおり、命が担当する。
その頃、凱達は次なる動きを見せていた。
座標系をブレイブガオガイガーと同調させた蒼龍王のリボルバーミラーカタパルトから、ディバイディングドライバーが射出され―
「うぉぉぉっ!」
ブレイブガオガイガーも、スラスターの出力を全開にして急上昇。
「座標軸、固定! ツールコネクト!!」
ディバイディングドライバーを装備したブレイブガオガイガーは、体を反転させ、今度は地表に向かって急降下した。
「ディバイディング! ドライバー!!」
瞬く間に直径数km、高さ数百mの巨大な戦闘フィールドが形成される。
地割れに巻き込まれる形で落ちていくバトラス。ディバイディングドライバーを分離しつつ降り立ったブレイブガオガイガーに続いて、ネクストガオガイガー、ガオガイガーR、ネオジェイダーが戦闘フィールドへ飛びこんだ。
全員が戦闘フィールドに降り立ったのを見て、ブレイブガオガイガーはバトラスへ視線を向け叫んだ。
「かかってこい! 新種!!」
その声に答えるように、バトラスが猛スピードで襲いかかる。
「さっきはよくもやってくれたなぁ…100倍にして返してやるぜ!!」
声と同時に、両腕に装備された鋭い鉤爪を展開し、物凄い勢いで振り下ろすバトラス。
「プロテクトウォール!」
ウォールリングを装備した左腕を突き出し、ブレイブガオガイガーはプロテクトウォールをフルパワーで展開した。強固な防御フィールドに阻まれ、バトラスの攻撃は届かない。
更にブレイブガオガイガーは勢いを緩めることなく、そのままバトラスとの間合いを詰め―
「喰らえ!」
声と同時に高速回転させた右腕を、バトラスの顔めがけて叩きこんだ。
「ぐはっ!」
口から苦悶の叫びを、顔面から異音を発しながら、バトラスはもんどりうった。
地上を転がりながらも3回転目に跳ね起きる。オイルが血のように噴き出してバトラスの顔を赤黒く染めていた。
「くそっ、こうなったら!」
そう言うとバトラスは両手を天に掲げ、エネルギーを集中し始めた。
「出でよ! ゾンダーレギオン!」
バトラスがそう叫んだ次の瞬間、上空にESウインドウが出現し、そこからゾンダーレギオンが飛来した。その数約30体。
「お前達、やってしまえ!!」
バトラスの声に応えるように、ゾンダーレギオン達はブレイブガオガイガー達に向けて怪光線を一斉発射した。
「「プロテクトシェード!」」
同時に左腕を前に突き出し、プロテクトシェードを展開するブレイブガオガイガーとガオガイガーR。2体の勇者王の展開する強固な結界は、敵の攻撃を完璧に防ぎ、弾き飛ばした。
防がれ、弾き飛ばされた光線は、地面に激突し大量の土煙を巻き起こした。それによりほんの数秒だが、ブレイブガオガイガー達の視界が塞がれる。
その一瞬の隙を突き、背中の翼を展開し空中へと舞い上がるバトラス。
「お前達! そいつらのお相手をしてさしあげろ!!」
そう言うとバトラスはディバイディングフィールドを抜け、ビジネスエリアの方角へ飛び去った。
「逃がすか!!」
追いかけようとブレイブガオガイガーが飛び上がった瞬間!!
「ゾォンダァァァ!!」
叫びとともに凄まじいスピードで1体のゾンダーレギオンが突進してきた。不意を突かれた為、反応が遅れるブレイブガオガイガー。だが―
「ゾ、ンダァ…」
ゾンダーレギオンはブレイブガオガイガーへは辿り着けなかった。何故なら、その速度を上回るスピードでガオガイガーRが立ち塞がり、ドリルニーで迎撃したからである。
高速回転するドリルによって、顔面を無残に抉られるゾンダーレギオン。
「雑魚は、引っ込んでな!」
そう言いながらガオガイガーRは、頭部を失ったゾンダーレギオンを掴み、前方の群れに向けて投げつけた。超高速の凶器が激突し、数体のゾンダーレギオンが吹き飛ばされる。
「助かったぜ! 唯斗君!」
「凱さん! 護君! Jさん! 早く奴を追ってください! ここは俺が引き受けます!」
「唯斗君…」
「早く!」
「…わかった! 頼んだぜ!!」
そう言うとブレイブガオガイガー達は、バトラスを追う為に飛び去った。
「ゾォンダァァァァァ!!」
それを迎撃する為に、近くにいたゾンダーレギオンが怪光線を放とうとするが―
「ブロウクン! マグナム!!」
ガオガイガーRが放ったブロウクンマグナムに全て薙ぎ払われる。
「言っただろう。お前等の相手は俺だぁ!」
唯斗の言葉にゾンダーレギオンはガオガイガーRに向け、一斉に襲いかかった。
「いくぜ!!」
ガオガイガーRは鮮やかに攻撃をかわし、拳を放ち、蹴りを見舞った。瞬く間に数体のゾンダーレギオンがスクラップに変えられる。
「どうした! もう終わりか!!」
声高にゾンダーレギオンを挑発するガオガイガーR。完璧にこの状況を楽しんでいる。
その言葉に応えたかどうかはわからないが、残ったゾンダーレギオンは一箇所に集結したかと思うとその形を崩し、一つに纏まり始めた。
そして次の瞬間、それは1体の巨大なゾンダーレギオンに変化した。
「ゾォォォンダァァァァァー!!」
ガオガイガーRの3倍以上の巨体となり、邪悪な咆哮を響かせる合体ゾンダーレギオン。
「嘘だろぉ…」
そんな唯斗の呟きとほぼ同時に、合体ゾンダーレギオンの全身から鋼鉄の触手が生え、一斉にガオガイガーRへ襲いかかる。
「ちぃっ!」
間一髪でかわすガオガイガーR。放たれた触手は地面に突き刺さり、次々と穴を開けていく。
「ゾォォォンダァァァー!!」
放った触手を体内に戻したゾンダーレギオンが、また触手を放出しようと動いた。
「させるかぁ!!」
だが、それより早くフルパワーでジャンプしたガオガイガーRが―
「たぁぁぁっ!!」
620tの全重量を乗せた拳を顔めがけて叩きこんだ。しかし―
「ゾォォォンダァァァー!!」
「なに!」
その瞬間、唯斗は驚愕に目を見開いた。紫色に輝くバリアは、ガオガイガーRの渾身の一撃を、まったく寄せ付けなかったのだ。続けて唯斗は、ドリルニーを見舞う。だが、通常のゾンダーバリアなら、やすやすと貫くドリルが、バリアに阻まれて空転する。
「ぬぅぅぅっ!」
無理矢理ドリルをバリアの内側に捻じ込もうと、ガオガイガーRは背面のスラスターを全力で噴射するが、合体ゾンダーレギオンのバリアはびくともしない。
「合体ゾンダーレギオン、損傷率0%! まったくの無傷デス!」
「バリアの強度が、ゾンダーレギオンのものとは比べ物にならんぐらい上がっとる! 生半可な攻撃では、こいつは貫けんぞ!」
「…なら、これはどうだ!」
バリアを展開したまま、身じろぎ一つしない合体ゾンダーレギオンから、ガオガイガーRは大きく間合いをとった。そして右腕を突き上げ、唯斗が叫ぶ。
「ブロウクン! マグナァァァムッ!!」
次の瞬間、ガオガイガーRが突き出した右腕が、爆音とともに撃ち出された。
高速回転で威力を高めた必殺の拳が、唸りを上げて合体ゾンダーレギオンに迫る。だが。
「ゾォォォンダァァァー!!」
強固なバリアは、ブロウクンマグナムの侵入を、1cmたりとも許すことはなかった。数秒の後、攻撃継続限界に達したブロウクンマグナムが、弾き返されるように宙に舞う。
「マジかよ…」
右腕を再接続したガオガイガーRは、再び合体ゾンダーレギオンに向かって構えを取る。長期戦になるかもしれない。唯斗の脳裏をそんな想いがよぎった。
「ゾォォォンダァァァー!!」
再度、全身から鋼鉄の触手を放とうと身構える合体ゾンダーレギオン。その時―
「ファイア!」
声と共に放たれた光弾が、次々と合体ゾンダーレギオンのバリアに着弾した。
「今のは?」
そう言いながら、光弾が飛んできた方向に目をやる唯斗。そこには―。
「The hit is confirmed.However,damage is not admitted in the target[命中を確認。しかし、目標に損傷は認められず]」
「そのようね、厄介なバリアだわ」
「I think so[同感です]」
そこにはあの大型ハンドガンを手にGストライカーに跨るルナの姿があった。
「ルナさん!」
「援護するわ! 長瀬君」
「お願いします! っと!」
次の瞬間、ガオガイガーRとルナに無数の触手が襲いかかった。ガオガイガーRはホバー移動で、ルナもGストライカーを駆って触手を避けながら、通信をかわす。
『長瀬君、奴のバリアは合体した事で格段に防御力を上げているわ』
「はい、ブロウクンマグナムでも駄目でした。だから今度はファントムを―」
『駄目、きっとファントムでも弾かれるわ』
「じゃ、じゃあ…」
『大丈夫、ファントム以上の貫通力を持つ攻撃がRにはあるわ』
「ファントム以上の!?」
『そう、奴のバリアに楔を打ち込んでやりなさい!!』
「楔…そうか!!」
ルナの言葉によって何かに気付いた唯斗は動きを止め、右腕を腰に構えた。
「ファントムリング!!」
叫びと同時にガオガイガーRの胸部が展開し、エネルギーリングが飛び出す。
「ブロウクン! ファントォームッ!!」
ファントムリングを撃ち抜く形で、ガオガイガーRが右腕を射出した。
光輝く黄金の流星となった右腕は、一直線に合体ゾンダーレギオンに向かっていく。それと同時にガオガイガーRも走り出す。
「プラス!」
走りながらガオガイガーRは、もう一つの鉄拳を撃ちだした。それはまるで引き寄せられる様にして右腕と一体化する。
「ブロウクン! バースト!!」
2つの鉄拳が合わさる事で生み出された圧倒的なまでの拳圧は、一瞬でバリアを粉砕し、合体ゾンダーレギオンを殴り倒した。だが、ガオガイガーRの猛攻は止まらない。
「一気に決めるぜ!」
両腕を接続したガオガイガーRは、倒れている合体ゾンダーレギオンの右足を両手で掴み、そして吼えた。
「うぉぉぉぉぉぉっ!!」
次の瞬間、ガオガイガーRは100mを越す巨体をジャイアントスウィングの要領で振り回し、一気に投げ飛ばした。灰色の巨人がクルクルと宙を舞う。
「とどめだ! 雷帝! 招来!!」
叫びと同時にガオガイガーRの右前腕部は高速で回転し、やがて青白い稲妻を纏っていく。
「サンダー! ウィィィィィップ!!」
次の瞬間、ガオガイガーRの右腕から稲妻の鞭が放たれ、直撃を受けた合体ゾンダーレギオンは数秒の後、爆発した。
「よっしゃ!!」
『お見事、流石ね』
「ありがとうございます。じゃあ、凱さん達を追いかけます!」
『私もすぐに追いかけるわ。頑張ってね』
『Mr.Nagase who prays for fortune of war[御武運をお祈りします。Mr.長瀬]』
「はい! えーっと…」
『ウィルブラスター、私の大切な相棒よ』
『Nice to meet you[お会いできて光栄です]』
「ああ、よろしく! それじゃあ、ルナさん。また後で!」
そう言うと、凱達のもとへ跳び立つガオガイガーR。それを見たルナも―
「私達も急ぐわよ、ウィルブラスター」
「Roger[了解]」
移動を開始した。
その頃、凱達はビジネスエリアでバトラス、そしてバトラスが呼び出した数十体のゾンダーレギオンと対峙していた。
「正樹、非難状況は?」
『ご安心を。今のビジネスエリアには、民間人は1人もいないよ』
「そうか。2人とも、聞いたな」
「うん」
「手加減は無用、という事だな」
「そう言う事!」
「なにをゴチャゴチャ言ってやがる! お前達、奴等を地獄へ送ってやれ!!」
「ゾォンダァァァー!!」
バトラスの声に応えるように、ゾンダーレギオンが一斉に吼えた。
「フン、行くぞ! プラズマ・ウイング!!」
ネオジェイダーの背面から、赤く輝く孔雀の羽のような翼が広がる。そして右腕を構えると、ジェイダーはゾンダーレギオンに向かって突進した。
まっすぐ突っ込んでくるネオジェイダーを迎え撃つように、1体のゾンダーレギオンが先行し、目から怪光線を放つ。怪光線はネオジェイダーめがけて一直線に襲いかかる。
だが、その時すでに、ネオジェイダーはゾンダーレギオンの視界から姿を消していた。
「遅い! メガ! プラズマソード!!」
超高速移動で右側面に回りこんだネオジェイダーの右腕から、赤い刃が迸る。次の瞬間、ゾンダーレギオンは胴体を両断され、爆発した。それが合図となったように、残りのゾンダーレギオン全てが一斉に襲いかかった。
約3分後。そこにいたゾンダーレギオンは、全てがスクラップに変えられ、地面に積まれていた。この3人にとっては準備運動程度の感覚である。それでも3分かかったのは数が少々多かったからである。
バトラスはあたり一面にスクラップと化した手下がばら撒かれる光景に、数分前まで抱いていた『数の優勢』という思いを早々と打ち砕かれた。彼は喘ぎ、慌てて両手を上げる。
「だ、だだ、第3陣! 出でよ! ゾン―」
再びゾンダーレギオンを召還しようとした寸前、バトラスは上空に強烈な気配を感じた。そして見た。こちらに向けて飛んできたガオガイガーRが自分に向け何かを放とうとしているのを…。
「ブロウクン! マグナァァァムッ!!」
射出された右腕は一直線にバトラスに向い、その顔面に直撃した。バトラスはゾンダーレギオンを召還する事にエネルギーと意識を集中していた為、避ける事もバリアで防ぐ事も出来なかった。
「反則だぁ…」
ブロウクンマグナムをまともに喰らい、顔面を抉られながら後方へ吹っ飛んだバトラスはそう呟いた。まさか、増援を呼ぶ最中に攻撃される事など夢にも思わなかった。ふらつきながらも立ち上がったバトラスは、ガオガイガーRを睨みつけ、こう言った。
「なんと卑怯な奴だ…貴様、それでも勇者か!!」
「やかましい! テメエみたいな悪党に、卑怯だ何だと言われる筋合いはねえ!!」
バトラスのエゴイスティックな抗議を唯斗は笑い飛ばした。唯斗から見てみれば街を破壊し、沢山の人々を傷つけた虐殺者が何を言うかという感じである。
「殺してやるぞ…」
「あー…悪いんだが、もう少し気の効いた台詞を吐いてくれ。在り来りすぎていちいち覚えていられないんでね」
「だ、黙れ! い、言わせておけばぁっ!」
バトラスは吼えた。憤怒と憎悪は限界をこえ、理性は蒸発し、激情だけが煮えたぎった。体からエネルギーが溢れ出し、爆発寸前となる。そして両手を振りあげ、左右の掌底を同時に凱達に向ける。
突然、バトラスは立ちすくんだ。両手を振りあげたまま動かなくなったのだ。爆発にそなえて身構えたJや唯斗が不審の表情になる。
数秒後、バトラスは突然動き出した。全身に不気味なオーラを纏いながらゆっくりと近づいてくる。
「ブロウクンマグナム!!」
咄嗟に身構えたブレイブガオガイガーがブロウクンマグナムを放った。だが!
「無駄だ!!」
バトラスはそう言い放つと、目に見えない何かを口から放射した。それは空間を揺るがしながら一直線にブロウクンマグナムに向かっていく。
次の瞬間、凱達は信じられない光景を目にした。バトラスを直撃し、容赦なく吹き飛ばす筈だったブロウクンマグナムが、バトラスが放った何かにぶつかった瞬間、真っ二つに切り裂かれ、爆発したのだ。
「ブロウクンマグナムが!?」
「嘘だろぉ…」
「今度はおまえらの番だ!!」
そう言うとバトラスは再び口から何かを放射した。その何かは一直線にブレイブガオガイガーに迫る。
「ちぃっ!」
これに当たったらまずい。右腕を失った事で十二分にその事を理解しているブレイブガオガイガーは、スラスターを全開にしてその攻撃を緊急回避しようとした。
だが、目に見えない攻撃を回避する事はそう簡単ではない。右の肩と翼を豆腐のように切り裂かれ、ブレイブガオガイガーは背面から炎を吹いて地に倒れ伏す。
「ぐあああっ!」
「凱!!」
「凱兄ちゃん!!」
倒れたブレイブガオガイガーに駆け寄るネオジェイダーとネクストガオガイガー。ガオガイガーRも駆け寄ろうとした瞬間、唯斗は悪寒に首筋を撫でられた。
「くぅっ!」
反射的に後ろを向いてプロテクトシェードを展開する。次の瞬間、目に見えない『何か』が湾曲空間に激突した。
「危なかった…」
振り向くのがあと一瞬でも遅かったら、自分が切り裂かれていたかも知れない。そう考えると背筋に寒気が走る唯斗。
そんな光景に邪悪な笑みを浮かべるバトラス。
「ヒャーハッハッハッ! どうした! さっきまでの威勢は! まあ、俺様の切り札であるソニックビームを、お前ら如きが見切れる訳も無いがなぁ!!」
そう言いながらもバトラスは、無差別に何か=ソニックビームを放射し続ける。それによって周囲のビルも次々に切り裂かれ、崩れ落ちていく。
「くそっ、調子に乗って好き勝手やりやがって!」
思わず悪態をつく唯斗。回避が困難である以上防御に徹するしかない。ガオガイガーRがプロテクトシェードを展開して防ぎ続けてはいるが、今や形勢は完全に逆転していた。正樹からの通信が飛びこんできたのはそんな時だ。
『凱、聞こえるか?』
「正樹か?」
『ああ、敵もとんでもない隠し球を持ってやがったね』
「あれは一体何なんだ? ソニックビームとか言ってるが」
『まあ、簡単に言えば超指向性の原子分解攻撃。ZX-12、肋骨原種が有していた能力の応用版だね。あれに当たったら最後、
「それで、何か対策は?」
全力でプロテクトシェードを展開しながら、正樹に訊ねる唯斗。
『対策はただ1つ。元を潰すしかない』
「元を潰す?」
『そう、ソニックビームを避けるのが難しいなら、発生源を潰せば良い』
「なるほど、それでその発生源は何処なんですか?」
『ちょっと待ってくれ。そっちにスキャン映像を送る』
そんな正樹の言葉から数秒後、4人のコクピットに映像が送られた。
「喉か!」
『そう、奴らの体の造りは人間とよく似ている。ソニックビームも奴の声を変化させたもの。よって、奴の喉を潰せばソニックビームは撃てなくなる。だけど、問題は…』
「誰が潰すか…だな?」
『そう、奴の喉を潰すって事は、奴に近づかなくちゃいけない。それはすなわち…』
「ソニックビームに身を晒さなければならない」
『そう言う事…』
「…私が行こう」
数秒の沈黙の後、Jが名乗りをあげた。
「私のスピードならば、奴のソニックビームも回避できる」
「いや、俺が行きます」
今度は唯斗が名乗りをあげた。
「唯斗さん…」
「何を言っている。お前は私ほど速くは動けないだろう。ソニックビームの直撃を受けるぞ」
「大丈夫です。スピードが遅くてもソニックビームを何とかする方法を思いつきました。それに、Jさんはここで待っていた方が良いと思うんです」
「どういう意味だ?」
「奴の性格を考えたら、最後にとる行動は恐らく…」
「そうか!」
「なるほどな」
「…そう言う事か」
唯斗の言葉に、それぞれ納得したような声を出す3人。
「その為に、私はここにいた方が良いという訳か?」
「ええ、確証はありませんけど…」
数秒の沈黙の後、再び口を開くJ。
「わかった、やってみろ」
「はい!」
「唯斗さん…」
「護君、防御を頼む!!」
「は、はい!」
護の声の直後、ネクストガオガイガーの肩が展開し、フィールド発生器が姿を見せる。
「プロテクトフィールド展開っ!!」
次の瞬間、広範囲の空間湾曲バリアがネクストガオガイガーを中心に展開される。それを見たガオガイガーRは、プロテクトシェードを解除すると―
「おい! 蝙蝠野郎! テメエの攻撃なんか、全然怖かねえんだよ!!」
と、声高に挑発した。
「なんだと…」
「嘘だと思うんなら、俺目掛けて撃ってみるんだな。ただし、一発で仕留めろよ!」
そう言うとガオガイガーRは、真正面からバトラスに向かって行く。
「唯斗さん!」
「馬鹿が、真正面から来るとは…そこまで死にたいなら、望みどおりにしてやる!!」
そう言うとバトラスはガオガイガーRに狙いを定め、ソニックビームを放とうとした。その時―
「うぉりゃぁ!!」
ガオガイガーRがバトラス目掛けて何かを投げつけた。いつの間に拾っていたのであろうか、それは砂利状になったアスファルトや、切り裂かれて倒壊したビルの破片といった街の残骸だ。
猛スピードで投げつけられた残骸は、無数の凶器となりバトラスの顔面、特に目を強襲。
「ぐぁっ!」
一瞬だが、バトラスから光を奪い去った。そして、バトラスが視力を回復したその時には―
「よう」
ガオガイガーRはバトラスの懐に飛び込んでいた。
「し、しまった!」
慌ててソニックビームを放とうとするバトラスだったが、ガオガイガーRがそれを許す訳が無い。
前腕部を高速回転させる事で威力を高めた右ボディを、容赦なくバトラスのボディに喰らわせ―
「ぐほぉ…」
『く』の字に体を折り曲げたバトラスの頭を両手でしっかりと掴むと、そこへドリルニーを叩き込んだ!
高速回転するドリルによって、原形を留めない程無残に抉られていくバトラスの頭部。
「あ、が、ごぁ…」
すぐさま再生を開始するバトラスの言葉はそこで途絶えた。ガオガイガーRが右腕でバトラスの首を締めあげにかかったのだ。
数秒後『グシャッ』『ボキィッ』という音が周囲に響く。バトラスの喉が握り潰され、更に首を圧し折られたのだ。これで暫くの間ソニックビームを放つ事はできない。
ガオガイガーRは声も出ず、手足をかき回すだけのバトラスを無造作に投げ捨てた。受身も取れずに地面に叩きつけられるバトラス。
「っしゃぁ!」
「す、すごい…」
「あの時、唯斗はソニックビームを『避ける』とも『防ぐ』とも言わなかったが、まさかあんな方法を取るとはな」
「撃たれた後で避けるのが難しいなら、撃たせなければ良い…発想の転換、流石だよ」
咆哮をあげる唯斗に三者三様の感想を抱く凱達。そして―
「さて、これから奴の取る行動は…」
唯斗の呟きとほぼ同時にバトラスは立ち上がった。口を開き何かを言おうとするが、喉がまだ再生できていない為か、声にならない。
次の瞬間、バトラスは逃げ出した。ブレイブガオガイガー達に背を向けて宙に浮き上がり、加速しようとした瞬間。
「ッ!!」
強烈な気配がバトラスを突き刺した。思わず振り返ったバトラスの目に映った者…それは光の翼を持つ天空の勇者ネオジェイダーだった。
「唯斗の言ったとおりだったな。最後の武器であるソニックビームを封じられれば、貴様は逃げ出す。だが、逃がしはしない!!」
そう言うとネオジェイダーは両腕を振るい、必殺の剣を出現させた。
「ダブル! メガプラズマソード!!」
ネオジェイダー必殺の剣がバトラスの翼を容赦なく切り裂いた。
声にならない叫びをあげながらバトラスは宙を泳いだ。泳ぎながら落下していく。その光景を見ながら唯斗が叫んだ。
「今です! 凱さん!!」
「任せろ!!」
叫びと同時に凱はGSNEXT-RIDEの出力を限界ギリギリまで上げると両腕を腰に構えた。
「貫け! ブレイブ! ハァァァット!!」
叫びと共にブレイブガオガイガーの胸から緑色の矢が飛び出す。この瞬間、すでに勝敗は決していた。
「うん、GGG…予想以上の力を持ってる。久しぶりに本気で楽しめるな」
暗い室内でドラグスがソファーに座り、1人壁に映し出された映像を無邪気に見つめていた。壁に映し出された映像。それは先程の闘いであった。
そこへ空間を切り裂きローゼスが現れた。ローゼスはドラグスに恭しく一礼すると口を開いた。
「ドラグス様。バトラスが倒されました」
「知ってるよ。ここで見てたから」
「これで、ザイノス様の持ち駒は6つとなりました」
「6つか。このペースだと案外早く終るかもね」
「はい」
そう言うとドラグスとローゼスは互いに微笑みを交わした。
君達に最新情報を公開しよう!!
Gアイランドシティを駆け抜ける黒き風!
その圧倒的な速さは、GGGを苦しめる!
だが、我等が勇者達に限界は無い。
今こそ白き風となり、邪悪を討て!!
そして今明かされる唯斗の秘密とは?
勇者王ガオガイガーR -EPISODE06-
『疾走』
次回もこのURLにネオ・ファイナルフュージョン承認!!
これが勝利の鍵だ!!
『Gチェイサー』
勇者王ガオガイガーR用語辞典
第6回『グラナートのハンマー』
ガオガイガーRのファイナルフュージョン実行時に、グラナートが使用する金槌。
両方が槌状になった所謂両口玄能と呼ばれるタイプ。重量は約270g。
正樹自らが素材を厳選し、グラナートの手にピッタリ合うサイズで製作した。
普段は、グラナートが座っているデスクの横に置かれた棚の最上段に収められている。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
誤字・脱字の報告、ツッコミ、感想などお寄せいただければ幸いです。