勇者王ガオガイガーR   作:SS_TAKERU

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お待たせいたしました。
勇者王ガオガイガーR第8章(第9話)を投稿します。
拙い文章ですが、お楽しみいただければ幸いです。

今回もPixiv掲載版から若干の修正を行っております。
大まかな流れは変わりありません。

2018/10/06

次回予告の修正を行いました。話の流れに変更はありません。


-EPISODE-08 ~飛翔~

♪ザン!♪(GGGのマーク)

 

 『ウィルスナイパー』。それは月村正樹博士が、ルネ=カーディフ=獅子王隊員の為に開発した必殺武器の総称である。

 現在判明しているのは、大口径リボルバーとブレード、更に高出力スタンガンを組み合わせた複合兵器『ウィルスナイパー01』と、上下2連の銃口から異なる2種類の弾丸を発射可能にした複合拳銃『ウィルスナイパー02』。

 月村正樹博士が開発した『ウィルスナイパー』は全部で5つ。残る3つは未だ秘密のベールに包まれている。

残る3つが明らかになる時、再び『獅子の女王』が勝利の鍵となるのは間違いないであろう。

 

 

-EPISODE-08

 

【飛翔】(タイトルコール)

 

 

 ドグォン!

 ドグォン!

 

 エクセルベースの地下第三層にある射撃練習場で続けざまに響く銃声と、撃墜されるターゲットドローン。

ZN-04バダスとの戦いの後入院していたルネが4日ぶりに復帰し、射撃訓練を行っているのだ。

「次!」

ルネの声と同時に射出される新たなターゲットドローン。

ダン!

 ダダダン!

 

それら全てをルネの新たな愛銃『ウィルスナイパー02』から放たれる5.2mm×28弾が素早く撃ち撃ち抜いていく。そして―

「ターゲットの全機撃墜を確認。訓練終了です。お疲れ様でした」

訓練評価を行っていたグラナートの声で、訓練は終了した。

「ラナ、評価はどう?」

「命中率は100%。しかし、ドローン7機に対して明らかな撃ち過ぎ(オーバーキル)が認められます。その点を差し引いて…S(マイナス)ですね」

「厳しいね。少しくらいオマケはない?」

「ありません。こういう事はキチンとしないと意味ありませんから…」

 

 

 ルネとグラナートがそんなやり取りをしていた頃、総合重層補修艦“玄武王”の整備ブロックでは―

「なるほどね…うん、事情はわかったよ」

「何とか…ならないでしょうか?」

 2日前に来日したポルコートが、正樹となにやら密談を交わしていた。

「結論から言うと…君の望みを叶える事は難しいかな。如何せん予算が足りなさ過ぎる」

「そう…ですか」

「期待に応えられなくてすまないね…でも、100%は無理でも、50%なら叶える方法があるよ」

 そう言ってニヤッと不敵な笑みを浮かべる正樹。この男がこんな笑みを見せるのは、必ず何かとんでもない事を考えている時である。

 

 

「ねぇ、ザイノス…蒸し返すみたいで悪いけど、バダスの件で少しいいかな?」

 それから2日後。アジトとしている大型クルーザーで、ビリヤードに熱中していたドラグスが不意に発した一言は、周囲の空気を完全に凍りつかせていた。

「あ、あの…愚か者が、ど、どうかしたか?」

 ドラグスの穏やかな口調の裏に隠された物を鋭敏に感じ取り、慎重に言葉を紡ぐザイノス。なお、スティングスとウルフェスは、ただ黙って2人を見つめている。

「うん、愚か者本人は、僕が直々に粛清した訳だけど…あれは君の配下だよね?」

「あ、ああ…」

「上司としての監督不行き届きで、君にも責任を取ってもらおうかな…」

「せ、責任を…」

「そう、例えば…ゲームの権利を剥奪するとか…ね」

「ド、ドラグス!」

 ドラグスの言葉に、文字通り顔面蒼白となるザイノス。ゲームの権利剥奪、それは機界33新種にとって最大級の屈辱を意味する。困惑や焦りで全身が震えだすザイノス。次の瞬間―

「いやだな…冗談に決まっているじゃないか」

 満面の笑みと共にそう言い放つドラグス。 

「じょ、冗談…」

「そう、冗談。バダスがあんな愚行に走るなんて、君も想像できなかっただろうし…君の責任を問うつもりはないよ」

「そ、そうか…ドラグス、性質の悪い冗談はやめてくれ」

 そう言うと、冷や汗を手で拭いながら退室するザイノス。その背中からは心底安堵した様子が感じ取れる。

「さっきのザイノスの顔、見せ物としてはなかなかでしたわ。でも、本当に権利が剥奪されていれば、私の出番が早まったのに…」

「大丈夫だよ。今のままで行けば、ザイノスが手持ちの駒を全て失うのは…そう先の事じゃない」

「その時は、お前に出番が回ってくるわけだ」

「そうですわね。あぁ、その時が楽しみですわ」

 心底待ち遠しそうに呟くスティングス。一日も早いザイノスの敗北を彼女は願わずにいられなかった。

 

 

「…ヴェスパス」 

 クルーザーの甲板で、1人海を見ながら呟くザイノス。すると―

「お呼びですか? ザイノス様」

 ラッパー風の服装に身を包んだドレッドヘアの青年が、文字通り音もなく現れ、ザイノスの背後に跪いた。 

「次のゲーム、お前に出てもらう」

 ザイノスの言葉を、跪いたまま無言で聞いているヴェスパスという名の男。

「これ以上の敗北は許されん…必ず、ゲームをクリアするのだ」

「お任せを…我が魔弾の前に敵はありません」

軽薄そうな笑みを浮かべたまま姿を消すヴェスパス。再び、新種の殺人ゲームが始まろうとしていた。

 

新種の新たな殺人ゲームが始まろうとしていたその頃、エクセルベース・メインオーダールームでは―

「―と、言うわけで2週間後、ここで新生世界十大頭脳全員が一堂に会しての、地球防衛技術会議が開かれる事になった」

 大河がスタッフに伝達事項を伝えていた。

「いよいよか…なんだかんだで10人全員揃うのも久しぶりだねぇ。たまに会う時も必ず1人か2人抜けてるし…なぁ、紫苑?」

「そうですね…」

 正樹の問いかけに対し、書類に目を通しながら答える紫苑。

「ちなみに、10人全員が揃うのは2年半ぶりです。あと、前回の議題は『GNプロジェクト』でしたね」

 そのような状態でもキッチリと補足を加えるところは流石である。

「だが、この機会を新種が見逃す筈がない…何らかの手を打ってくる可能性は、十分にあるな…」

「十分どころか、100%打ってくるんじゃないの? 俺が新種なら迷わずそうするね」

「だからこそ、警備がしやすいここが、会議場に選ばれたんですよ。ここなら、大概の事態は対処できます」

「もし、この10人の内1人でも失われるような事態になれば、人類にとって計り知れない打撃となる。諸君らも最善を尽くしてほしい!」

部屋中に響く大河の声に、その場にいた誰もがしっかりと頷くのだった。

 

 

 高度3000mの高空、普通なら存在する物の無い筈の空間に、その男=ヴェスパスはいた。   

 眼下に広がる夜の繁華街。人々が一時の快楽にその身を委ねている光景を、軽薄そうな笑みを浮かべたまま見つめているが、その視線は氷のように冷え切っている。

「さぁ、狩りの…開始だ」

 次の瞬間、ヴェスパスは蜂と人間を掛け合わせたような異形の怪物へと姿を変え、その右腕を突き出した。

「まずは10匹…」

 そう呟き、自らの右腕から細長い針のような物を超高速で撃ち出すヴェスパス。数瞬の間をおき、1人…また1人とその針に撃ち抜かれていく。

「見たか、ローゼス。俺の腕前を」

 自らが撃ち出した『針』が全て命中した事を確認したヴェスパスは、パニックと化した繁華街の一角を見つめながら、虚空に呼びかけた。すると、何もないはずの虚空から薔薇の花弁を撒き散らし―

「……見事な物だな」

 ヴェスパスの行った無差別殺人をまるで採点するかのような台詞と共にローゼスが現れた。 

「あぁ、この星で最初にゲームをクリアするのは俺だ!」

 ローゼスの言葉にヴェスパスはそう答えると、背中の4枚の羽を羽ばたかせ飛び去った。それを見届けたローゼスも―

「GGG………最大の障害をクリアできればの話だがな…」

 と呟き、再び虚空へと消え去った。

 

 

「「遅くなりました!」」

 声と共にメインオーダールームに駆け込む護と唯斗。既に主だったメンバーは集合しており、早速会議が開始される。

「今日の夜8時から9時、わずか1時間の間に計6ヶ所…60人もの市民が、新種によると思われる無差別攻撃によって殺害された。これ以上の被害は、なんとしてでも防がなくてはならない!!」

 大河の言葉に続くように正樹が口を開く。

「皆、まずはこれを見てくれ」

 そう言うと正樹はキーボードを操作し、メインスクリーンの画像を切り替えた。そこに映っていた物は―

「針…ですか?」

「そう、太さ6mm、長さ5cmの超特大版だけどね…」

「なんて大きさだ…針というよりも釘、いや弾丸だな…」

 凱の呟きは、その場にいる全員の思いでもあった。

「これが今回の事件の凶器だ。被害者は全員、脳天から大腿部に抜けるような形で、頭の真上からこれで貫かれた」

「真上から、こんな物喰らったら…即死ですよ」

「目撃者の話を集計した所、最初に風を切る音と共に、空からこれが撃ち込まれたそうだ…」 

「風を切る音と共に空から撃ち込まれた…高空からの遠距離狙撃…しかも弾丸は超音速か…」 

「その証言を元に、周辺を徹底的に調べた結果…上空3000mでこんな物が見つかった」

 正樹の声とともに、再度切り替わる画面。全員の視線が画面に集中する。

「宇宙開発公団の気象衛星からの映像だ。偶然、Gアイランドシティ上空を通過していたおかげで撮影できた」

「…コイツが犯人か」

「ああ、この映像をギリギリまで拡大して、3Dスキャンしたのが…これだ」

 画像が三度切り替わり、あのヴァスパスの姿が映し出される。

「………今度は蜂か…」

「蜘蛛、蝙蝠、豹に蝗と来て、今度は蜂…新種は地球の生物をモチーフにでもしてるんですか?」

「さぁ、その辺に関しては目下調査だ…今はこの蜂野郎に好き勝手させない事が先決だよ」

「しかし、敵が空にいる以上、有効な手段はあるのか?」

「あ、Jさんなら空を飛べるし、なんとかできるんじゃ?」

「だが、J1人に行かせる訳にもいかない…」

「それに、敵は超音速の飛び道具持ち…いくら高速で飛行できるJさんでも、超音速の攻撃を何時までも回避する事は難しいだろう?」

「そうだ! ルナさん、ウィルブラスターのバスターフォームで撃ち落とすっていうのは?」

「ウィルブラスター、やれそう?」

「I am sorry.It is outside the effective range[申し訳ありません。有効射程外です]」

ウィルブラスターの言葉の後、沈黙に支配されるメインオーダールーム。

「正樹、何か手はないのか?」

「………あるよ。唯斗君と同じような方法だがね」

「撃ち落とすって事ですか? でも、ウィルブラスターでも届かないんじゃ…」

「もっと射程の長い攻撃を使えば良いって事だよ…こんな事もあろうかと、そう! こんな事もあろうかと!」

若干興奮気味にキーボードを操作し、スクリーンの映像を切り替える正樹。そこには―

「アストンマーチンに…ポルコートのAIユニット!?」

1台のアストンマーチン・DBSV12とポルコートのAIユニットが映し出されていた。

「正樹、どういう事なんだ?」

「ポルコートの強い希望だ。獅子の女王(リオン・レーヌ)が乗る車として相応しい力が欲しい…とね」

「ポルコート、アンタ…」

「変形機構を取り戻せれば、それが一番だったんだが…予算の都合で不可能だったからね。代わりに新しい車体を用意したわけだ。特殊装備満載のね」

「月村君、ポルコートは出撃できるのかね?」

「ええ、AIユニットを搭載して、最終調整を行えばすぐにでも…」

大河の問いに不敵な笑みと共に答える正樹。その顔は自信に満ち溢れていた。

 

 

 エクセルベースで新種対策会議が行われていた頃、あるビルの屋上には―

「ヴェスパスの奴、なかなか頑張っているじゃないか」

「今のところは順調だ。このペースでいけば余裕を持ってクリアできるだろう」

 ローゼスと3人の見慣れない男の姿があった。 

「『己の針を使って、1ヶ所につき10の獲物を撃ち殺す。これを繰り返し、制限時間内に120の獲物を仕留める』これが今回ヴェスパスが自らに課したルール」

「現時点で仕留めた獲物は60…残り半分の獲物は明日、日中に行うそうだ。人間どもに更なる恐怖を与えるためにな」

「ほぅ、なかなか面白い趣向だな」

「だが、GGGが動き始めているようだぞ…奴らの事だ、相応の対策を取ってくるだろうな」 

「フン、そのくらいの事はヴェスパスだって承知の上だ。まあ、お手並み拝見といこうじゃないか…」

 目下に広がるGアイランドシティの街並みを見ながら、口々に呟く男達。その様子は文字通り『ゲームの観客』そのものであった。

 

 

 翌日、凱達は機界新種殲滅の為、Gアイランドシティに集結していた。

『正樹、俺達は準備完了だ』

「OK、ルネの方もあと数分で準備が完了する」

 凱からの通信に画面を睨み、キーボードを叩きながら答える正樹。その顔は真剣そのものだ。

「さぁて、レーダー起動。最大範囲で索敵開始!」

 Gキャリアーに搭載されているレーダーを起動し、周囲の索敵を開始する。

「紫苑とラナの分析が正しければ、敵は北東から来る筈だ」

 そう呟きながら、昨晩の紫苑達とのやり取りを思い出す正樹。

 

 

「正樹さん、敵の行動パターンの分析が出来ました」

「見せてくれ………あぁ、星形多角形の一筆書きか」

「はい、敵は最初に無差別殺人を行った地点を起点に、一筆書きで星形多角形を描くように進み、新たな無差別殺人を行っています」

「この条件を基に、敵が次に無差別殺人を行う場所を割り出しました…ここです」

「よし、敵の現れる場所が解れば、いくらでも手は打てる…あとは、敵がいつ現れるか…だな」

「恐らく、夜の間は出てこないでしょうね…」 

「…その根拠は?」

「これまでに出現した新種の性格です。自分達の力に自惚れ、人間の力を軽視している。そんな連中が最後まで夜の闇に紛れて行動するとは、到底思えません」

「なるほどね。という事は、敵は日中に来る…か」

 

 

「紫苑の予想通り、敵はあれから来なかった…日は大分高くなった。さぁ、いつ出てくる…」

「「新種だ!!」」

 正樹の思考を打ち切ったのは、共にGキャリアーに乗り込んでいた護と戒道の叫びだった。

「来たか!」

 そう言いながら、レーダーに視線を走らせた正樹は、そこに映し出された情報を確認した瞬間、マイクを掴み叫んだ。

「北東から、高度3000m、時速520kmで接近する物体を確認! 敵さんのお出ましだぁ!!」

 

「来たか…皆、作戦開始だ!!」

 そう言うが早いか、近くに停車していたGチェイサーに飛び乗り、エンジンを起動させる凱。

 Jも自慢の高速移動で道路に飛び出し、唯斗、仁、そしてルナもそれぞれのマシンに跨る。

『皆! 敵が放つ針を―』

「10発避けろ、でしょ? 今までの行動から考えて、敵は一度に10発までしか針を撃たない。いや、撃てない」

「故に、我々が囮となり、敵の針を全弾撃ちつくさせる。そして―」

「針を撃ち尽くした時に生まれる隙をルネが突く! だろ?」

『そう言う事!!』

 通信機越しに威勢良く響く正樹の声。凱達はその声に答えるように、Gチェイサー、Gストライカーのエンジンを目一杯吹かし、道路に飛び出した。 

 

 その頃、ヴェスパスも地上の様子に気がつき―

「来たか、今日最初の獲物は貴様らだ!」

 そう吼えると地上に狙いをつけ― 

「死ねぇ!!」

 罪も無い人々を一瞬で死に追いやったあの針を射出した。

 

『唯斗君! 右後方!』 

「ちぃっ!」 

 通信機から響く正樹の声に反応し、咄嗟にハンドルを切る唯斗。数瞬後、ヴェスパスの放った針が地面に着弾した。ドン!という音と共にアスファルトにめり込む針。穴の深さは軽く50cmは超えている。

「なんて威力だよ…」

 つい数秒前まで自分がいた場所に開いた穴を見つめながら、呆然と呟く唯斗。こんな物が直撃したら、いかにGクラステクターに護られている自分達でも、ただではすまない。

「唯斗君、動きを止めるな! 狙い撃ちされるぞ!!」

「はい!!」

 凱の言葉に慌ててGチェイサーを走らせる唯斗。凱の言うとおり、止まっていたら格好の的である。

「残り9発…意地でも避けきってやる!」

 

 

 その頃、ルネは―

「正樹、配置についたよ」

 凱達のいる地点から、1km程離れた場所で準備を整えていた。

『わかった、凱達が頑張ってるから、もう少しそこで待機していてくれ』

「了解」

 正樹との通信を終えたルネは、後ろを向き―

「ポルコート…今回の作戦、アンタが鍵なんだからね」

 新しい車体に生まれ変わったポルコートを見つめながら呟いた。

「わかっているよ、ルネ。あんな薄汚い害虫は、サッサと地獄へ落ちてもらわないと…30mmリヴォルヴァーカノン、展開」

 ポルコートの声と共に後部トランクが開き、内部に収納されていた30mmリヴォルバーカノンが展開され、発射体勢を整える。

API(徹甲焼夷弾)装填、仰角7度修正…目標、ロックオン…」

「頼んだよ、ポルコート…」

 

 

「遅い遅い! 遅すぎる!!」

 自慢の高速移動で、針をかわすJ。

「方向とタイミングさえ判れば!」

「かわせない攻撃じゃない!」

「針は、あと5発!」

「意地でも避けきってやる!」

 各々のバイクを手足のように操り、縦横無尽に地を駆ける凱達。

 正樹の的確な指示も手伝い、ウェスパスの針は1発、また1発と減っていった。

 

「何故だ…」

 一方、ヴェスパスの顔には焦りの色が浮かんでいた

 これまで幾多の星で、数え切れないほどの命を奪い続けていた。この地球でも多くの命を奪い去った。だが―

「何故だ…何故、こいつらは…こうも簡単に俺の針を避けられる!」

 今まで、百発百中を誇ってきた自分の針が悉く回避されている。しかも、今放てる針はあと1発しか残っていない。

「何故だ、何故だ、何故だぁ!!」

 その事実を受け入れることが出来ず、混乱に襲われるヴェスパス。だが―

「…ん?」

 視線に『それ』を捉えた時、ヴェスパスの顔は邪悪な笑みに歪んだ。 

「そうか、あれか…」 

 ヴェスパスはそう呟くと、凱達を無視し、『それ』めがけて飛翔した。

 

「逃げる気か! てめぇ!!」

 自分達と反対方向に飛び去ったウェスパスに気がつき、悪態をつく唯斗。

 だが、凱は―

「あの方向…まさか!」

 ヴェスパスの進行方向から何かに気づいたのか、通信機に向かって有らん限りの声を振り絞る。

「正樹! 奴の狙いはGキャリアーだ!!」

 

「奴の狙いがここ!?」

 スピーカーから響く凱の声に驚きの声を上げる護。戒道も声こそ出さないものの、警戒の表情を浮かべている。

 しかし、正樹は凱の声にも顔色1つ変えず―

「…あと、7秒ってところかね」

 と、ウェスパスの接近を冷静に分析していた。

 

 一方、Gキャリアーの上空まで飛来したヴェスパスは、ゆっくりと狙いをつけると―

「これで、終わりだ」

 狂気の笑みに顔を歪ませると―  

「死ねぇっ!!」

 最後の1発を発射した。その時!

「甘いよ、ピンポイントプロテクトシェード、展開!!」

 正樹の言葉と共に、針の着弾予測地点に防御空間が張り巡らされ、針を完全に防御する。

 

 ピンポイントプロテクトシェード。

 車体の一部分にプロテクトシェードを展開し、攻撃を防御するGキャリアーの特殊装備である。

 

「なっ…」

 予想外の展開にそう言ったきり、言葉を失うヴェスパス。周囲への警戒も忘れ、思わず棒立ちになってしまう。

 そして、それを見逃す正樹ではない。素早くマイクを掴み、叫ぶ。

「ルネ! 今だぁ!!」

 次の瞬間、風を切る音と共に背後から飛来した弾丸がヴェスパスの右肩に命中し燃焼、右腕全体を炎に包んだ。ヴェスパスが痛みを表現する間も無く、今度は胸に2発弾丸が命中する。

「あ…が…」

 自分に何が起こったのか、それすら認識できないまま地表に落下していくヴェスパス。その全身が炎に包まれながら地面に叩きつけられ、数瞬後爆発した。すると―

「ヴェスパス…ゲームオーバー」

 それをまるで待っていたかのように、Gキャリアーの周囲に響く冷たい呟き。そして―

「………プログラム再構成…破壊モードに移行」

 左腕を天に掲げ、姿を現すローゼス。

 次の瞬間、空間が切り裂かれそこからヴェスパスを巨大化したようなロボット。そして新種核が出現した。

 

 

「まずいね…」

 巨大化したヴェスパスをスクリーン越しに見ながらそう呟く正樹、その顔には冷や汗が浮かんでいる。

「距離は300mってところか…全速後た、いや、180度方向転換! 全速でここから離脱だ!」

 正樹の声と共に道路をUターンし、最高速度で走り出すGキャリアー。だが、ヴェスパスがそれを見逃す筈もなく―

「逃がすか!」

 咆哮と共に右腕を突き出し、針の発射体勢に入る。だが、それは放たれる事はなかった。なぜなら―

「Gブラスター!」

 そんな声と共に、連続でヴェスパスの足元に着弾する弾丸。ガイガーEX達が駆けつけたのだ。

「プラズマブーメラン!!」

 間髪入れずにネオジェイダーが攻撃を放つ。プラズマをJパワーで収束し、形成されたブーメランは高速で回転しながらウェスパスに迫り、その右脇腹を切り裂いた!

「ぐはぁ!」

 攻撃はまだ終わらない。

「GFシステム起動!」

 今度はガイガーEXが四肢に緑の光を纏い、ヴェスパスの懐に飛び込むと―

「はぁぁぁぁぁっ! はぁっ!!」

 ボディに左右の連打を、顔面に胴回し回転蹴りを叩き込んだ!

「ぎゃあぁっ!」

 顔と腹に強烈な打撃を受け、吹き飛ぶヴェスパス。数十m先のビルに突っ込み、動かなくなる。

「いやはや、良いタイミングで現れてくれる…」

 安堵の表情を浮かべながら、スクリーンを見つめる正樹。3体の勇者の勇姿に、正樹は勝利を確信していた。

 

「さぁて…覚悟してもらおうか!!」

 抜刀したガイガースラッシャーを右肩に担いだ体勢で、ヴェスパスを睨みつけるネオガイガー。その圧倒的とも言える迫力は、その場面だけを見ればどちらが悪党かわからないほどだ。 

「チェックメイト!」

 そう言うが早いか、ヴェスパスに迫るネオガイガー。問答無用でガイガースラッシャーを振り下ろす!

 

 ガキィ!

 

 アスファルトを砕き、深々とめり込む刀身。寸前でヴェスパスは上空に退避したのだ。

「現れよ! ゾンダーレギオン!」

 次の瞬間、上空のESウインドウから出現するゾンダーレギオン。その数約50体。

「やってしまえ!!」  

 ヴェスパスの号令の元、一斉に襲い掛かるゾンダーレギオン。だが― 

「プラズマブーメラン!!」

 ネオジェイダーが気合と共に放ったプラズマブーメランが、目の前の5、6体を一気に薙ぎ払い―

「はぁぁぁっ!!」

 両腕に装備された鉤爪『ガイガーファング』を展開したガイガーEXが、向かってくるゾンダーレギオンを次々と殴り飛ばす。そして―

「でぇぇぇいっ!!!」

 気合と共にゾンダーレギオンを斬り捨てるネオガイガー。50体のネオゾンダーロボは瞬く間に物言わぬスクラップへと変わり、道路に山積みとなっていく。 

「悪いんだけどさぁ…俺達倒したかったら、桁2つくらい増やしてこいよ!!」

 地面に倒れたゾンダーレギオンの頭を容赦なく踏み潰し、啖呵を切るネオガイガー。その迫力にヴェスパスは―

「ゾ、ゾンダーレギオン!!」 

 慌てて、ゾンダーレギオンの増援、約200体を呼び出し、その全てを一斉に嗾けると―

「後は任せたぞ!」

 自分は一目散に逃走した。すぐに追いかけようとするガイガーEX達だが、ゾンダーレギオン達が立ち塞がる。その時!

「反中間子砲!!」

 ネオジェイダーの両足から放たれた幾筋もの光線が、一気にゾンダーレギオンを吹き飛ばす。

「よし、凱! 唯斗! お前達は奴を追え!」

「J!?」

「こいつらは所詮烏合の衆! 私1人で十分だ!」

 そう言うが早いか、両腕からメガプラズマソードを展開し、ゾンダーレギオンに切りかかるネオジェイダー。瞬時に5体のゾンダーレギオンが斬り捨てられる。

「わかった…唯斗君。奴を追うぞ!」

「はい!」

 唯斗の声と同時に2体は飛び立った。ヴェスパスを追う為に…。

 

 

「とりあえずは、ここまで来れば大丈夫かな…」

 戦闘区域から離脱したGキャリアーの中で、正樹は安堵の溜息をついた。それとほぼ同時にVギャレオンが飛来する。

「じゃあ、行ってきます!」

「頑張れよ!」

「はい!」

 正樹のサムズアップに答え、ギャレオンの元へ走りだす護。

「フュージョン!!」

 直後、護と一体化し、変形を開始するVギャレオン。

「V! ガイ! ガー!!」

 変形完了と同時にVガイガーは飛び立った。ネオガイガー達と合流するために。

 

 

 その頃、ガイガーEXとネオガイガーは湾岸地帯の上空でヴェスパスに追いついていた。

「おのれ、勇者ども!」

 高速で飛行しながら、ネオガイガーへ右腕を向け、針を発射するヴェスパス。

「おっと!」

 だが、高い機動性を誇るネオガイガーはそれを回避すると―

「おらおらおらぁ!」

 両腕をヴェスパスに向けグレネードを連射した。4発のグレネードが次々とヴェスパスに着弾し、その体を炎で彩る。

「はぁぁぁっ!」

 同時に、ガイガーEXがウルテクドライブを最大出力にして、一気に高空へ舞い上がり― 

「はぁっ!」

 落下の勢いをプラスして威力を増した蹴りをヴェスパスの顔面に叩き込んだ!

「ぐはぁ!!」 

 口から生えた牙や鼻を無残に砕かれ、地表へ落下していくヴェスパス。

「凱兄ちゃん! 唯斗さん!」

 そこへVガイガーが戦列に加わった。3体は右手を掲げ―

「EX!」

「ネクスト!」

「ネオ!」

「「「ガオーマシン!!」」」

 更なる姿に変わる為、ガオーマシンを召還した。

 

 

「長官! ガイガーEX、Vガイガー、ネオガイガーから要請シグナルです!」

「うむっ! ファイナル! ネクスト! ネオファイナルフュージョン、承認ッ!!」

「了解! ファイナルフュージョン!」

「NEXTFUSION!」

「ネオファイナルフュージョン…」

「「「プログラムドラーイブッ!!」」」

 大河の承認とほとんど同時に、命とスワンの拳、そしてグラナートの手にしたハンマーが、それぞれのセーフティーカバーを叩き割る。

 

 

「ファイナル!」

「ネクスト!」

「ネオ! ファイナル!」

「「「フュージョォォォォォン!!」」」

 ガイガーEX、Vガイガー、そしてネオガイガーがそれぞれ発した電磁竜巻に全10機のガオーマシンが突入する。その時!!

「合体などさせるかぁ!!」

 倒れていたヴェスパスが起き上がり、左腕から小型の針を弾幕のように連射した。それによりライナーガオーEX、ネオステルスガオー、ネオライナーガオーが撃墜されてしまう。

「「しまった!!」」

 

 

「ファイナルフュージョンが…」

「妨害された…」

 予想だにしない事態に騒然となるメインオーダールーム。だが、そんな中でも大河は冷静だった。

「攻撃を受けたガオーマシンの被害状況は!」

 的確に指示を下し、今最も必要な情報を問う。しかし、その答えは決して良いものではなかった。

「ライナーガオーEX、ネオステルスガオー共に損傷率25%オーバー! ネオライナーガオーの損傷率は…30%を超えてます!」

「いかん! そんな状態では、とても再合体などできん! 合体の衝撃でバラバラになってしまうぞ!!」

「くっ、ネオジェイダーは!」   

「現在、ゾンダーレギオンの大群と交戦中! 膠着状態で、暫くは身動きが取れません!!」

 決して良いとはいえない戦況に、顔を歪ませる大河。

 

 

 一方、正樹は―

「合体妨害とは…タブーを犯すな!!」

 スクリーン越しに繰り広げられる光景に思わず声を荒げていた。だが、すぐに落ち着きを取り戻し、マイクを掴む。

「凱! 唯斗君! ガオーマシンのダメージはかなりのものだ。残念だが、そのままで戦ってくれ!」

 

 

「だ、そうです」

 通信機から響く正樹の声に、思わず凱の方を向いてしまう唯斗。

「仕方ない…いくぞ! 唯斗君!!」

「は、はい!!」

 その瞬間、ガイガーEXとネオガイガーはウルテクドライブの出力を上げ、宙に舞った。そして、攻撃を受けていない残りのガオーマシンを呼ぶ。

「ステルスガオー! ドリルガオー!」

 ガイガーEXは背面にステルスガオー、両腕にドリルガオーを装着し、『ガイガーEX・ステルスガオー・ドリルガオー同時装着モード』に―

「来い! ネオステルスガオー!!」

 ネオガイガーは、背面にネオステルスガオーを装着し、『ネオガイガー・ステルスガオー装着モード』になると―

「でやぁぁぁっ!」

 まず、ガイガーEXが両腕に装備したドリルを構え、ヴェスパスに突撃した。超高速回転する2本のドリルがヴェスパスに迫る。

「馬鹿め、そんな物が通じるか!」

 だが、通常のゾンダーバリアなら、やすやすと貫くドリルが、バリアに阻まれて空転する。

「ぬううううッ…!」

 バリアを貫こうとスラスターの出力を最大にするが、バリアはびくともしない。その時― 

「凱兄ちゃん! 離れて!!」

 声と共にネクストガオガイガーが、背面部に装備された反中間子砲を連射した。

「無駄だ!」

 その全てはバリアに防がれてしまったものの、疲弊させるには十分だった。 

「くらえぇっ!」

 間髪いれずネオガイガーが、最高速でヴェスパスの懐に飛び込み―

「はぁぁぁっ!」

 加速の勢いで威力を増したガイガースラッシャーを叩き込んだ!

「ぬぉぉぉぉっ!」

 強烈な斬撃に疲弊したバリアを一気に突破され、海面に落下していくヴェスパス。巨大な水柱が上がり、波紋が現れる。

「やったか…」

 警戒しながら、強烈な斬撃を受けたが沈んだ海面を見つめる3体。だが、次の瞬間―

「無駄だ! 無駄だ!!」

 海面から姿を現したヴェスパスからは、殆どダメージが感じられなかった。

「くそっ、ウェイトの差がありすぎるか…」

「貴様らの力など、所詮はその程度! 俺の切り札で、とっととあの世へいけ!!」

 その言葉と共に全身に力を込めるヴェスパス。すると、その全身からワゴン車サイズの巨大雀蜂が十数匹飛び出し、ヴェスパスの周囲を飛び始める。

「いけ! 我が僕どもよ!」

 主の声に従い、勇者達へ向けて突撃する巨大雀蜂。

「ちぃっ!」

 すぐさま頭部の『17.5mmCIWS』で弾幕を張るネオガイガー。ガイガーEXもそれに続く。

 しかし、数匹が撃墜されたものの、殆どの巨大雀蜂は弾幕を掻い潜り、ガイガーEXとネオガイガーを包囲すると、一斉に針を発射した。

 全方位からの一斉攻撃。高い機動性を誇るガイガーEX達といえども回避することは出来ず、全身に針の嵐を受けてしまう。

「「うわぁぁぁぁぁっ!」」

 大きなダメージを受け、海面へ落下していくガイガーEXとネオガイガー。

「凱兄ちゃん! 唯斗さん!」

「次は貴様だ!」 

 そう言いながら、ゆっくりと両腕をネクストガオガイガーに向けるヴェスパス。巨大雀蜂もネクストガオガイガーを取り囲む。

「くっ…」

「死ね…ラティオ!!」 

 だが、ヴェスパスの針が放たれる事はなかった。地上から放たれた攻撃が、巨大雀蜂を次々と撃ち落とし始めたのだ。

「な、何だと!」

 思いもよらぬ事態に、慌てて地上へ視線を走らせるヴェスパス。そこには―

「私達がいるって事、忘れてもらっちゃ困るね!」

 ルネを乗せたポルコート、そしてGストライカーを駆るルナの姿が!

「おのれ! ふざけた事を!!」

 怒りの形相で、生き残った巨大雀蜂全てを地上へ差し向けるヴェスパス。

「こいつらはこっちで引き受ける!」

「護君は、新種をお願い!」

そう言い残し、それぞれのマシンを発進させる2人。市街地を舞台に高速バトルが始まった。

 

 

5匹の巨大雀蜂から次々と放たれる針を、滑るような動きで回避し続けるポルコート。

「残っていた蜂は9匹。敵は戦力を大体半分に分けたようだね」

「もう少し多く来ると思ったんだけどね。コイツらをさっさと片付けて、あいつの援護に向かうよ!」

「おやおや、随分と彼女の事を気にかけてるんだね」

「そりゃあ、あいつは…って、無駄口叩いてないでさっさと攻撃!」

「了解!」

その声と共に車体を180度回転させるポルコート。同時にボンネットの両端から2丁のショットガンが迫り出す。

「これを受けていただく!」

次の瞬間、連続で火を噴くショットガン。無数の散弾が先頭を飛んでいた巨大雀蜂の頭部へ浴びせられ、その動きを乱し、鈍らせる。それにより後方を飛んでいた他の雀蜂の動きも乱れていく。

「もらった!」

 好機到来。ポルコートは、ルーフ内に収納されていた5連装ロケットランチャーを展開し―  

「墜ちろ!」

30mmリヴォルバーカノンと共に発射した。30mmAPI(徹甲焼夷)弾と小型ロケット弾が次々と巨大雀蜂を撃墜していく。

「敵機全ての撃墜を確認。さぁ、彼女の援護に行こうか」

「あぁ、急ぐよ!」

 残骸と化した巨大雀蜂を尻目に走り出すポルコート。最高速度であいつ=ルナの援護に向かったのだが…。

 

「これで終わりよ、ファイア!」 

 ポルコートが現場に到着した時には、ルナは既に最後の巨大雀蜂を撃墜していた。

「もう片付けちまってたみたいだね…心配して損したよ」  

「そんな事ありません。来てくれて嬉しいです」

「Thank you coming for relief[救援に来てくださり、感謝します]」

「……フン、お喋りは後だ。戦いはまだ終わってないんだからね」

 ルナとウィルブラスターからの感謝の言葉にそっけなく答え、ポルコートに乗り込むルネ。

「すまないね。ルネは素直じゃないから…お礼を言われて照れてるんだよ」

 すかさず、ポルコートがフォローを入れるが―

 

 ガンッ!

 

「バカ! 余計な事言うな!」

 返ってきたのはルネの蹴りだった…。

 

 

その頃、ネクストガオガイガーは海上を舞台に、ヴェスパスと壮絶な射撃戦を繰り広げていた。

「落ちろぉ!」

ヴェスパスの左腕から矢継ぎ早に放たれる針を―

「反中間子砲!」

背面部から放たれる反中間子ビームで全て撃墜するネクストガオガイガー。

「マイクロミサイル、発射!」

そのまま、両脚のミサイルポッドから無数のマイクロミサイルを放つ。複雑な軌道を描き、ヴェスパスへ襲いかかるマイクロミサイル。

「そんな物!」  

だが、ヴェスパスは両目から破壊光線を放ち、マイクロミサイルを一気になぎ払う。戦いは互いに決め手を見出せないまま、膠着状態に陥っていた。そんな中―

「…俺の勝ちだ」

突然、ヴェスパスがそう呟き、力を込め始めた。

「エネルギーの充填は完了した! 今一度我が切り札を使う時が来たのだ!」

「くっ…」

「さぁ、地獄へ行けぇ!」

完全に勝利を確信し、狂気の笑みを浮かべるヴェスパス。その時!

「俺達を忘れちゃいませんか…ってぇの!」

そんな声と共に2つの影が海上へ飛び出した。ガイガーEXとネオガイガーだ。

「うぉぉぉぉぉっ!」

直後、咆哮と共に全てのスラスターを全開にして、ヴェスパスにぶつかるネオガイガー。そのまま両手に持ったGブラスターの銃口をヴェスパスの腹に押し付け―

「この距離ならバリアは意味ないな! 全弾持ってけぇ!」

零距離射撃で2丁のGブラスター、そして両腕のグレネードランチャーを一斉発射した!

「げぼぁ!」

腹に幾つも風穴を開けられ、口から吐瀉物代わりのオイルを吐きながら悶絶するヴェスパス。更にネオガイガーが攻撃している間に高空へ舞い上がったガイガーEXが―

「はぁっ!」

 落下の勢いをプラスして威力を増した蹴りをヴェスパスの顔面に叩き込んだ!

「ぐはぁ!!」 

 口から生えた牙や鼻を無残に砕かれ、地表へ落下していくヴェスパス。

「っしゃぁ! さっきのダメージ、利子つけて返させてもらったぜ!」

無様に墜落していくヴェスパスを見ながら、咆哮をあげるネオガイガー。

「凱兄ちゃん! 唯斗さん!」

「見事な演技だったぜ、護!」

「ホントホント、ハリウッド俳優も真っ青」

「ど、どういうことだ…」

己の耳を疑いつつも、腹部と顔面に負った傷を再生させていくヴェスパス。

「お前にやられたままってのが癪に障ったんでな。やられたフリして、隙を窺ってたのさ」

「な…」

「護にも協力してもらってな」

「な、な…ふ、ふざけるなぁ!」

 怒声をあげながら、ネクストガオガイガー達へ突進するヴェスパス。その表情は怒りに満ち溢れ、もはや正常な判断が出来ているとは言い難い。当然、その突進はあっさりと回避され―

「「でやぁぁぁぁぁっ!!」」

 逆にガイガーEXとネオガイガーのダブルキックを背中にくらってしまう。

「護、とどめは任せた!」

「あの野郎をボッコボコにしてくれ!」

「はい! ドリルクラッシャー、セットアップ!」

 その声と共に両手首を反転させ、収納されていたドリルを装備するネクストガオガイガー。ゆっくりと構えを取り―

「ダブル!ブロウクンスパイラル!」

 両腕を射出した。ドリルによって威力を増した2つの鉄拳が、一直線にヴェスパスへと迫る。

「なめるぁっ!」

 迫り来る鉄拳を撃ち落そうと、狂ったように針を放つヴェスパス。だが、その針も接触した途端全てが砕け散り―

「ツインメーザーキャノン!」

 逆に両前腕部の砲塔から放たれるメーザーに全身を焼かれていく。一瞬の間を置いてヴェスパスの腹部に激突する2つの鉄拳。高速回転する2つのドリルが容赦無く腹部を抉り、貫通する。

「うぎゃぁぁぁぁぁっ!!」

 腹に2つの大穴を開けられ、最大級の悲鳴をあげるヴェスパス。その隙に両前腕部を再接続したネクストガオガイガーは―

「反中間子砲! ツインメーザーキャノン! マイクロミサイルポッド! パルスレーザー!」

 全身に装備された火器を次々と起動。

「ロックオン完了! フル!ブラァァァストッ!」

 ロックオン完了と同時に一斉発射した! 無数の火線がヴェスパスに襲いかかる。

 数秒後、断末魔さえ残せぬまま、新種核だけを残し爆発するヴェスパス。

 

 

「ZN-05の消滅を確認!」

「ネオジェイダーから入電。全ゾンダーレギオンの殲滅、完了したそうです」

「戒道君が、新種核の浄解に入りました!」

「一時はどうなるかと思ったが…とりあえずは一安心か」

 命達の報告を聞きながら、椅子に座り呟く大河。その言葉にメインオーダールームにいた誰もが頷いた直後、異常を告げるサイレンがけたたましく鳴り響く。

「何事だ!」

「Gアイランドシティ郊外に空間異常を感知!」

 命の声と共にスクリーンに現場の光景が映し出される。

「なんじゃ、あの黒い穴は!」

「ESウインドウか?」

「いえ、それとはまったく異なる物のようです。強いて言うなら…空間の裂け目?」

 猛烈なスピードでキーボードを操作しながら、大河の問いを否定する紫苑。

 

 

 異常事態は凱達も察知していた。

「正樹! あの黒い穴は一体?」

『わからん! 如何せん判断材料が少なすぎる…現段階では、紫苑の言うとおり空間の裂け目としか言いようがない』

「空間の裂け目…まさか、何か出てくるとか?」

「唯斗君、不吉な予想はやめてくれ」

「…すいません」

 そんな会話を交わしながら、視線の先にある黒い穴を見つめる凱達。

 

 

 これが新たな戦いと出会いの始まりとなる事を、この時はまだ誰も知らずにいた…。

 

 

 

君達に最新情報を公開しよう!!

 

突如発生した時空の裂け目をきっかけに始まる新たな戦い。

そして、新たな仲間との出会いと別れ。

これは、本来決して交わる筈のない2つの世界が交わる事で生まれた『if』の物語。

今、限界を超えた極限バトルの幕が開ける。

 

 

勇者王ガオガイガーR公式外伝 

 

ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~AnotherStory

 

-EPISODE8.2-

 

『異世界からの迷い人』

 

次回もこのURLにネオ・ファイナルフュージョン承認!!

 

 

これが勝利の鍵だ!!

 

『タイムふろしき』

 

 

 

勇者王ガオガイガーR用語辞典

 

第9回『シークレットエレベーター』

 

エクセルベースとGアイランドシティを繋ぐ為、シティ各所に合計8基設置されたシークレットエレベーター。

外見は普通の電話ボックスであり、10桁の秘密コードを入力する事でシークレットエレベーターとしての機能を発揮する。

なお、平時は通常の公衆電話として使用可能。




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