第1話 まずは奈良をめざそうか
10月のある日、私は思いついた。
「そうだ、旅に出よう」
その思いつきは唐突だった。
名古屋に住む私は10月中の休みの多くを実質取れていなかった。カレンダーや手帳には土曜日にも日曜日にもびっしりと予定が埋まっていた。(主にカルデア関係の)
私はその失った休日たちをそのままにはしておきたくなかった。せめて他の日、他の月でいいから好きなことを思いっきりしたい。そんなことを思っていた。
カレンダーをめくっていくと、ちょうど11月のあたまに3連休があった。幸いにも予定は何もない。そこで思い切って旅に出てみることにした。
行き先は奈良、大阪、伊勢の3つ。この中から1つを選ぶという選択肢はなかった。全部行こう。
私は
このお金があれば一体どれくらい聖晶石が買えるのだろうか?そんなことをついつい考えてしまう。
この他に、大阪から名古屋までの特急券を買った。
私は旅に行くために
11月3日。ついにその日はやってきた。地獄のような1ヶ月(主にイベント)を終えた先にあったのは、夢のような3日間だ。
朝6時には近鉄名古屋駅に居た。乗る列車は6時10分発の急行
朝食は
ホームに行くと、既に3番線に列車が入線していた。4両編成で赤と白に塗られた列車の車内は、休日出勤のサラリーマンや部活の学生たちで賑わっていた。
私は前から3両目に乗り、7人掛けのロングシートに腰をおろした。
しばらくするとドアが閉まり、列車はガタゴトと動きだした。
急行は
列車は名古屋市内をどんどん進んでいく。住宅街を通り抜け、
名古屋市を出ると再び民家が多くなる。列車の速度も落ちてくる。列車は最初の停車駅、蟹江に着いた。
蟹江のまちは観光するにも、定住するにも何もない。駅前にはしーんとした空気が1日中流れているイメージだ。都会やカルデアというような賑やかな場所で過ごすことに慣れてしまうと、蟹江は地味だ。
列車は次の駅に向けて走り出す。
途中通過する
列車は速度を上げてぐんぐん進む。
弥富は金魚のまちとして全国的に名の知れた町だ。車窓からは見えないが、至るところに金魚のいけすがある。逆に言えば、地元民には申し訳ないがそれ以外何もない。愛知県とはそういうものである。
弥富を発車した辺りから、私は急激な睡魔に襲われた。うと…、うと…、としていると途中から記憶がなくなり、目が覚めたのは伊勢中川駅に着く直前だった。
ドアが開くと、近くの階段を下り別のホームに向かう。次に乗るのは普通
ホームには2両編成の短い列車がとまっていた。ちょうど朝ラッシュの時間帯なのだが、車内は空席が目立つほど空いていた。
私は1番前の運転席の背後にあたる席に腰をおろした。
運転士がいない先頭車からは複雑な線路配置が見えた。
時間になると列車は静かに動き出し、伊勢中川を後にした。
ここから先は名古屋線とは違う風景が広がる。
まず、民家が少なくなる。車窓から見えるのは山、林、畑。日本を代表する原風景だ。鹿専用の踏切も存在する。名古屋ではありえない。
流れていく景色を眺めていると、ふとマシュや皆のことが私の頭の中で浮かぶ。今頃どうしているのだろう?
きっとマシュたちも同じようなことを考えているのだろう。
30分ぐらいすると、
青山町のホームに降り立つと、都会とは違う新鮮な空気が感じられる。ここまで名古屋から2時間。少し肌寒い気もするが、10分しか滞在しないので何の問題もない。
自分が乗ってきた普通列車はもう発車していて、いなかった。そこに入れ替わるかのようにホームに入線してきたのが急行
6両編成の列車はゆっくりと停車した。ドアが開き車内に入ると、まず見慣れない広告が目に入る。関西方面の広告だ。マンションや老人ホームの広告は、地名が
他にもたくさんあるが挙げるとキリがないので、気になる読者のみんなはぜひ自分の目で確かめてみてね。
大阪上本町行きの急行は定刻の8時10分に発車した。乗客がほとんどいない車内にはガタンゴトンという音だけが響いている。
列車は忍者の里•伊賀を過ぎ、どんどん奈良に向かっていく。名張を過ぎ、しばらくして
乗り換えてから約50分。名古屋からは約3時間。最初の目的地である
皆さんはじめまして。魂魄(こんぱく)せんむといいます。
読んでくださった読者のみなさま、この度は目を通していただき本当にありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
前書きにも書きましたが、この作品は自分の実体験をもとに書いております。この作品に登場する場所や主人公が乗っていた列車には自分も乗ってきました。実際、電車内で書いたところもあります。なので、2次創作と言うより、ノンフィクションと言ったほうがいいですかね?でも、原作があるんだから2次創作だよね、うん。
まあ、細かいことはどうでもいいんだよ。
次話以降もなるべく早く、折角読んでくださった読者のみなさまに忘れられないうちに投稿したいと思います。
では、また。