失踪しないと言っておきながらのこの始末。
まじですんません!
ナルトの書〜一巻
俺はいろいろと罪深かった。
九尾をその身に宿していることで、存在自体が罪深いとされた。
里の人間には石を投げられ、俺は困った。
最初の二年、それは0〜1歳の時。俺は自我があった。
俺は転生していたことに気づいてしまった。
最初は右も左もわからず、何をしていいかわからない状態が続いていた。でもそれはすぐに解消された。
なぜなら、俺ができる人間であるからだ。
完璧主義、所謂潔癖。だがその潔癖のおかげで俺は集中して物事に励むことができた。
最初に出会った人物はイルカ先生。
当時はまた同じように迫害、差別を行う一教師などと思っていた。しかし、それは誤解だったのだ。
イルカ先生はいつも俺のことを気にしていた。俺以外の里の人間には知らされている、化け狐なのにもかかわらずに。
イルカ先生はいつもいつも優しかった。一楽のラーメン。それはイルカ先生に忍者学校の帰りに教わった。
汗水垂らした後は、うまいもんを食べて休む!それに限るんだそうだ。
俺は先生にいろんなものをもらった。だから、信じてみようと始めて思えた。
次はうちはくんと春野。
俺とうちはくんは忍者学校の体術訓練の際、対立の印を結び戦闘を行った時から始まる。
俺は落ちこぼれのふりをしなければならないので、勤めて落ちこぼれになろうとした。
しかし、そこで邪魔する奴があらわれる。
なんか知らないどこぞの忍者学校生の一人が、うちはくんの前に俺と勝負をしろと言ってきたのだ。
イルカ先生はその男子生徒を止めたのだが、その注意を無視してこう言い放つ。
「本気でかかってこい!じゃないと後悔するぜ?」
周りが湧き上がり、ギャラリーのボルテージが上がる。
所詮、有象無象の塊の中の一人。そうでない人間も中にはいるが、片手で収まるぐらいだ。
仕方ない、丁度いい機会なので、実力の差を見せつけることにする。
しかし、あくまでも偶然を装いの話だが。
俺が左拳を打ったと思ったら、転んだ風を見せかけ右拳で股間をえぐるように打つ。これで万事解決だ。
その男子生徒は股間を抑え、間抜け面を晒しながら保健室へ運ばれた。
これで俺は晴れて、うちはくんに負けることができる。
だが、うちはくんは見抜いていた。俺がわざとやったことを。
だが、春野は知っていた。俺がわざとそう動いたことを。
一部の人間だけはわかっていた。最初の左拳をフェイクにする時点で、もうただの落ちこぼれではないことぐらい。
春野は特にそうだ。あいつは体術に特化した医療忍術使いだ。勿論、チャクラコントロールは綱手の部下のシズネを超え、百豪の術を使えるようになっている。恐ろしく感の強い女だと、知識として知られていた。
俺は4回目の忍者学校卒業認定を受けようとしていた。俺はもう一回残るつもりだった。
そうして、簡単にミスることに成功。
イルカ先生には悪いことをした。でも仕方のないこと。俺は常に監視されている。
常に見られているので、蕁麻疹ができているが気にはしない。あのストーカー野郎どもを巻くために、家の近くではない木の上に登る。
その時接触したのがミズキである。上忍ミズキ。彼の黒い噂は後を絶えない。火影の金を横領、斡旋や白眼の入手、売買などが挙げられる。
そのミズキが接触してきた理由は、俺に禁術の書を持って来させる理由だった。俺はそれにわざとハマってやった。俺自身も知りたい禁術があったからだ。
そして俺は自分で封印術を解き、禁術の書を手に入れることに成功。
まんまとミズキの罠に乗ってしまった、と見せかける。事実、あいつの素顔は知ってるし、嘘つきの匂いもする。
これもひとえに九喇嘛のおかげと言える。
そして、ミズキの前にいこうと木の上に潜伏していたら、なんときたのは予想外のイルカ先生だった。
もう来ないと思っていた。
俺は見限られたと思っていた。
「ナルト、さぁ帰るぞ!お前は頭下げなきゃならんことが沢山あるからなっ!」
と、満面の笑みを浮かべ、こっちに向かってくる。
やめてくれ、俺みたいな罪人にそんな顔を向けないでくれ。
俺は貴方にそんな顔を向けられるような人間じゃない。
違うんだ。
でも、先生には結果を見て欲しい。俺の完璧な修行の成果を。
「せんせー、見ててくれ。これが俺の影分身」
ボンと音を立てて、現れたのは俺のしっかりした影分身。元から影分身は使えた。でも多重化は測れなかった。だからミズキの手に乗ったと言っても過言ではない。
「あぁ!あぁ!合格だ!お前はこの里の下忍だ!」
イルカ先生から合格をもらい、俺は晴れて下忍になった。
これで全て解決、とは絶対にはいかないようで、タイミングを見計らっているかのようにミズキが現れる。
「おいおい、イルカ。そいつは危険だぜ?なんたって、あの忌むべき野郎が腹ん中に入ってんだからな」
「どういうつもりだっ!?ミズキ、お前がナルトに禁書を奪わせたことはもうわかっている……。お前の負けだよ!」
「言葉のキャッチボールができないのかねぇ、お前は。今は勝ち負けなんてのは関係ない。ナルトの持っている禁書だ」
そうミズキがイルカ先生に言うと、こちらをギラリと見る。
「さぁ、ナルト!そちらの禁書をよこせ!お前がそれを渡しさえすればここは丸く収まる!……どうだ、それを渡さないか?」
そう言い放つミズキの目は卑しく、下賤の者ではないかと勘繰るほどのものである。
勿論、そんな提案に乗るつもりはない。こいつを利用したせいで、イルカ先生に迷惑をかけるのはあまりにもしのびない。
「黙れ。お前は俺がブチのめす。その汚ねぇ口を塞いで、とっとと尻尾巻いて逃げるんなら見逃すけどよ?」
「何をおっしゃる狐さん!そーんな馬鹿なことできるわけねぇだろぉがよぉぉおお!」
俺の罵倒に近い台詞で、すぐに手が出るミズキ。懐に入って、どうやらアッパーブローを決めるつもりらしいが、それは無駄だ。
奴の手から繰り出されるアッパーブローには、溜め時間が必要だ。さっきイルカ先生と言い合いしていた時、軽く体術の打ち合いをしていた時、明らかに作ったスキでなく、自然にできるスキを見せていた。それがその溜め時間というわけである。
繰り出され、俺の腹にアッパーブローが決まるが、それは影分身。これを見抜けないとは、あいつの負けは確実に近づいた。
「俺は、俺を慕ってくれる人を馬鹿にする奴を許すことはできない。俺がどんなに化け狐だ、木ノ葉を崩したただの化物と言われようと何ともねぇ。でもな、イルカ先生はてめぇのせいで傷ついた。イルカ先生に手を出した!お前はここで終わりなんだよ!!
"多重影分身の術"!!」
印を結んだ瞬間、百もの俺が現れる。今はまだ、このぐらいの数でいい。これ以上増やしたら、俺のチャクラ量の多さがバレてしまう。今は人よりもチャクラの量がちょっとだけ多いとしておきたいのだ。
「クソがアァァァアアア!」
それでもなお抵抗を続けようとするが、一人の俺に抵抗した時点で左アッパーを顎に入れられ脳震盪を起こし、ふらふらになったところを分身体百人にボコボコにぶん殴られた。
ほぼ無抵抗の人間を殴るのは容易なことで、すぐに制圧は完了した。
そこにイルカ先生が近づいてくる。何かを手に持っているみたいだ。今にも喋りだそうとしている。
そして、一分、いや何十分にも感じられた時間にふと、イルカ先生の言葉が吹き込まれる。
「ナルト、目ぇつぶってろ。お前は今日から…………………………………………………………
下忍だ!」
「おう!」
言われた瞬間に、俺は滅多に見せない笑顔をを咲かした。
2018/04/24 編集