12月の誕生石をモチーフにしています。
若干直しています。
街で見つけた小さな石。
女性の守り石だという。
青く美しい光を放っていたそれは彼女の瞳の様だと思った。
何かに惹かれる様に私はそれを手に入れていた。
戦場に出る彼女へ贈るなら御守りとして相応しいとも思った。
小さなレースの袋に入ったそれを私は胸にしまった。
その夜、帰宅したのは既に日付も変わっていた。部屋の明かりはついたままで、彼女がまだ起きていることがわかった。
「お帰りなさい。エーリッヒ」
と迎えてくれたのだが、こんな時間まで起きているなんて全く仕方ない。
だから背が伸びないのだとは口には出さず、
「ああ、ただいま。」と返事をした。
彼女はいつもの様にベットの上で本を読んでいた。
軍服を脱ぎ、寝巻きに着替える。
ベッドの彼女の横に入ると、
しまっておいたあの石を手渡した。
「ブルージルコン…。綺麗ですね。」
手に取り、明かりに透かしていたそれはやはりとても美しかった。
「ありがとうございます。」
彼女はとても喜んでいた。
危険から女性を守る守り石。
全てが彼女にふさわしい。
「これは深い意味もあるのでしょうか?」
えっ!なんだそれは⁉︎
「冗談です」
慌てる私を見て、彼女は笑っていたが、意外と本気の目であったので冷や汗をかきそうであった。
別の意味もあったのか……………。
(後で調べておこう)
彼女の博識さに時折私は驚かされる。
解かれていた髪はふわふわとその肩にかかっていた。
「ターニャ」
そう、彼女の名を呼びながら髪に触れ、
肌に触れ、キスをした。
「こんなもの贈られたのでしたら、
責任を取っていただかないとですね」
クスクスと小さく笑っている。
やはりあまり冗談ではないらしい。
手にあった石を枕元に置き、私の眼鏡をその手ででそっと外す。眼鏡は石の横に置いた様だ。
私は側にいる彼女しか見えなくなった。
「エーリッヒ」と名前を呼ばれ、その小さな手が私の頰に触れる。
彼女からのキスを受けた。
「どう責任を取ればよいのだ。」
「エーリッヒは真面目ですね。」
私の言葉にそう言われ、やはり笑っている。今日の彼女はよく笑う。
贈り物のせいだろうか。それで喜ぶなどやはり小さくても女性なのだな。
年相応の顔を彼女はなかなか見せてくれないので私も自然と顔が綻んでしまった。
いつもの様に何度もキスをした。
「いつかで良いですよ。まだ私には早いですから。」
「そうか。」分からずそう答えてしまったが大丈夫であっただろうか。
まあいい。私はターニャ以外に、もう誰かを愛する事は無いだろうから。
求める彼女に私は答える。
私の求めに彼女も答えてくれる。
私は彼女との平和な未来を思っていた。
ブルージルコンの意味です。
女性の厄除けやペストなどの病気避け。
出産のお守りです。