早速主人公の魔改造に取り掛かります。
どんな剣技を覚えさせようか…。
でも、とりあえずFate時空に突入。
Fate知らない人でも楽しめる(といいなぁ…。)
「さて、これからどうするかね。」
黒鉄家の家の門を出てから呟く。
自分の剣を鍛え上げることを決めたまではいいんだが、そのことに気を取られすぎて、今の季節のことを忘れていた。
「こんな寒さで生き延びられる気がしねえ…。」
そう。今は冬なのだ。
しかも、猛烈な吹雪がやってきている。
さて、どうする。このままだと体が冷えて凍傷になって天国にゴールインする未来しか見えない。
「ま、剣を振ってれば体も温まるか。」
そう言って固有霊装、隕鉄を取り出す。
若干脳筋な思考の気がしないでもないが、剣を振ってれば体は温まって少なくとも死にはしないだろう。
多分。
「二万九千五十、二万九千五十一、二万九千五十二、二万九千五十三…。」
その後、剣を振り続けて一日が経った頃には、吹雪はほとんど止んでいた。
だが、体を温めることに気を取られすぎて、もう一つの問題に目が行っていなかった。
「腹減ったぁ…。」
そう。食糧問題だ。
考えてみれば当然の帰結だろう。
吹雪の中、体を温めるためだけに一日中剣を振っていたのだ。それで腹が減らないほうがどうかしている。
しかも、剣を全身で振り続けていたせいで、筋肉痛も酷い。
「あ…。ゃべ…。」
そうとだけ呟いて俺の意識は闇の中に引きずり込まれていく。
吹雪などなかったかのように、夏のような日差しが自分に照りつけていることが不思議だった。
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「ん…。」
どことなく温かい空気と爽やかな風、それに僅かに香る草の匂いらしきもので意識が浮上していく。
「知らない天井だ………。」
人生で一度は言ってみたいセリフ二位の言葉を呟いてから俺はゆっくり体を起こす。
「」
思わず絶句してしまった。
俺の目の前には、あり得ない光景が広がっていたからだ。
今時珍しい、完全に手作りらしき木製の部屋。
壁に立てかけられている、これまた今時珍しい本物の日本刀。
今時珍しい、というか中国の内陸部でも見られないような古臭い釜戸。
江戸時代か!と突っ込みたくなるような部屋の中にいることも驚いたが、それ以上に俺を驚かせる物があった。
「さ…、佐々木小次郎…、いや、NOUMIN…、だと…?」
そう。俺が寝かされている布団の横で、紺の羽織を羽織った長髪の青髪のイケメンが壁に寄りかかって寝ていたのである。
この男を見た時、俺の頭の中に一人の男の名前が浮かんだ。
佐々木小次郎。Fate/stay nightに登場するサーヴァントで、クラスは確かアサシン。そして、神業とさえ言えるであろう完璧な剣技で有名な侍である。
佐々木小次郎は、山の中でただただ毎日剣を振り続けていただけでなぜか平行世界から斬撃を呼び込むことができるようになった、いわば俺の憧れの剣士(二次元)の中の一人である。
だが、なんでそんな人物がこの世界にいるのか。
もしかして、佐々木小次郎とは実在の人物だったのか!?
俺がそんな事を考えている間に、目の前の佐々木小次郎(仮)がゆっくりと目を開けた。
「おお、起きたか、少年よ。」
なんだこの人。ボイスまで佐々木小次郎だよ。
もしかして、本物の佐々木小次郎なんじゃね?
「起きていきなりすまないが、お主が今どんな環境にいるのか説明してもらえぬか?」
「はい、それはいいんですけど、その前に一つ聞きたいことが…。」
「ああ、良いとも。言ってみるが良い。」
佐々木小次郎(仮)の言葉を聞いてテンションを上げながらも俺は聞く。
「佐々木小次郎さんですか?」
俺の言葉に佐々木小次郎(仮)は目をパチクリとさせてから言った。
「名字があるということは、武家の者だろう?あいにくと、拙者はただの農民の子。名字などあらぬよ。
だが、なぜだろうな…。佐々木小次郎という名前、どこかしっくりくる自分がいる…。」
ハイキター!決定だよ!これ決定だよ!この人絶対に佐々木小次郎だよ!
しかも、この世界にFateのアニメはなかったから、佐々木小次郎を真似て物真似することもできない。
っつーことは、決定だよ!落第騎士の英雄譚の世界の中には佐々木小次郎はいないだろうけど、そこはおそらくあれだよ!ご都合主義ってやつだよ!俺を転生させてくれた神様アリガトー!
そんな事を怒涛の勢いで考えながら俺は返す。
「はい、わかりました。それで、あとひとつだけお願いなんですけど…。」
「なんだ?」
「佐々木さんって呼ばせてもらっても?」
「おうとも、別に構わんさ。」
いよっしゃァァァァ!
心の中で大咆哮をしながら、俺は最初に佐々木さんが俺に聞いた質問について答える。
「ありがとうございます。それで、最初の説明なんですけど、俺はとある伐刀者の家の息子だったんですが…。」
とある伐刀者の家、と言って軽くごまかす。黒鉄家だなんて言ったら、相手に余分なプレッシャーをかけてしまうかもしれないからな。
俺が小さい頃に道場を巡り歩いて身に着けた社交術の内の一つだ。
だが、佐々木さんは俺の想像を上回る答えを返してきた。
「伐刀者?それはなんだ?」
「へ?」
思わず呆けた声が出てしまう。
いやいや、山篭りをしているとは言え、伐刀者くらいは知ってて当然だろ…。
いや、ちょっと待て。あり得ないことかもしれないが、もしかしてここは現代ではないのかもしれない。
この考えは本当にあり得ないことだが、目の前に佐々木さんがいる時点でありえないんだ。
よし、少し聞いてみよう。
そう思い、俺は佐々木さんに質問をする。
「あの…、東京ってご存知ですか…?」
「東京?何なのだ、それは?」
ビンゴ。
やはり、ここは俺のいた現代ではないらしい。
ということは、佐々木さんがいるところからして、今は江戸時代なのだろうか。
聞いてみるか。
「それじゃあ、今って将軍っています?」
「おうとも。随分と前にこの山に篭り始めたから名前は知らんが、将軍なら当然いるぞ?それで、なぜそんなことを聞くんだ?」
佐々木さんは俺に怪しむような目線を向けてくる。
それじゃあ、いっそ思い切って言ってみるか。
「信じられないかもしれませんけど、俺、未来から来たかもしれないんです…。」
「は?」
佐々木さんの声が、小さな小屋の中に響いた。
というわけで、最初の師匠はNOUMIN。
主人公には、TUBAMEを斬れるくらいにはなってほしい。