ミラージュside
とりあえず、マルフォイに暗示をかけて部屋から出ないようにして、ダフネがぐっすり眠った深夜に私は寮から抜け出した。黒いパーカーとズボンを履いて、フードを深く被って、一応匂いと気配を消す魔術をかけて、朱色の杖は目立つから色を黒に見せかける魔法をかけて、私特性のホグワーツの全体図が描いてあるノートを片手に暗い廊下を進んでいく。
目的地は図書室にある『閲覧禁止の棚』。そこで『みぞの鏡』について書いてある本を探す。ついでに『賢者の石』の作り手『ニコラス・フラメル』著作の本があれば良し。的な感じで。
自分に『身体強化』の魔術をかけて、動き回る階段を無視して飛んでいき、廊下を走り抜ける。途中、ミセス・ノリスが角から飛び出してきたけど、咄嗟に廊下の石を錬金術を使ってドーム状に変形させてミセス・ノリスをその中に閉じ込めて難を逃れる。ごめんねミセス・ノリス。
暗いホグワーツを突き進んでようやく図書室についた私は、とりあえず『探知』をかけて周りに人がいないかを確認する。周りに人がいないのを確認して、ようやく『閲覧禁止の棚』に侵入する。
「うわー。こんなの学校に置いといていいのかな?」
『閲覧禁止の棚』に侵入した最初の感想はそれだ。棚から溢れる魔力が尋常じゃない。もう『魔道書』といってもいいくらい。本に触れるだけで下手すれば死ぬような代物がズラッと並んでいた。
えーっと。『みぞの鏡』についての記述がありそうな本は…あった。『世界の危険な魔法具全集』ってネーミングセンスなさすぎでしょ。とりあえずその本を手に取りパラパラとページをめくっていく。そして目的の『みぞの鏡』が記述してあるページにたどり着いた。
『みぞの鏡とは、鏡を覗いた者の心にある願望を映し出す鏡である。しかし、鏡はとても強力な魔法具であり、願望を映し出すかわりに覗いた者の魔力を大量に奪うモノである』
ってそれしか書いてない。危険度は中の上となかなか危険な代物らしい。恐らくこれが『賢者の石』を守るための罠の1つだろう。問題はどうやって石をこの鏡を使って隠すのか。『願望を映し出す』ということは、鏡の中に石を隠して、それを心から欲しいと思わなければ取り出せない仕組みにするのか…それか別の方法があるのか…
とりあえず鏡がどういったモノなのかわかったから良しとしておこう。本を元の場所に戻して、その場を後にしようとして、ふとある場所が気になった。私のすぐ隣にある一冊の本。この本だけ、何故か魔力を帯びていない、ただの本がそこにあった。
私は手を伸ばして、その本を手にとって表紙を見ると、そこには『ニコラス・フラメルの簡単夕食メニュー』と書いてあった。いやもう意味がわかんない。なんなの『簡単夕食メニュー』って。いやでももし本当に『ニコラス・フラメル』が書いていたなら何かあるかもしれない。そう思って適当にページを開いて見る。
『今日も夕食を作る時間がない?そんなアナタにはこちらーー』
パタン。
頭痛い…本当に夕食メニューじゃん…何かあるって期待した私がバカだった…
本を元の場所に戻そうとして、私は思いとどまった。いや待て、たしかとう様が『錬金術師は自身の研究書は擬装するんだ。例えば料理本とかね。父さんの場合は日記だね』って言ってたような…だとしたらコレも実は立派な研究書?なのかな…いいや持って帰ろ。あとで解読してみようかな。
『簡単夕食メニュー』の本を脇に抱えて、図書室を後にする。その後は『探知』をかけながら、ゆっくりと寮へと戻る予定だった。だったけど、『探知』に何かが引っかかった。反応は人間で数は3人。しかも『賢者の石』が隠されているであろう部屋の前からだ。なんか嫌なら予感がするんだけど…
私は再び『身体強化』をかけて、石の隠されているであろう部屋へと向かう。
部屋の近くについた私はとりあえず柱の影に隠れて、もう一度『探知』をかけてみる。すると案の定、部屋の中に反応が3つあった。私は部屋に突入するかどうか少し悩んでいると、部屋の扉が勢いよく開かれ、中からハリー、ウィーズリー、グレンジャーの3人が真っ青な顔をして飛び出してきた。
あの3首の犬にビビって飛び出したな。ってかなんであの3人がここにいるのよ…?まぁいいや。とりあえず帰ろ。
誰にも見つからず、無事に寮の自室に戻ってこれた私は、さっそく書斎に向かって本の解読を始めた。始めたけど…
「…どう見てもただの料理本なんだけどなー」
逆さに向けて読んだり、逆から読んだり、灯に透かして読んだりしたけど、どう読んでもただの料理本でしかなかった。やっぱりただの本だったのかな…?
本を閉じて懐から杖を取り出して、今日習った魔法を試しに使ってみる。確か灯を灯す魔法だったよね確か。
「『ルーモスー光よ』」
杖を振って呪文を唱えると、杖の先がぼんやりと光り始める。暗いところを探索する時とか使えそうだな…もう少し光を強くしたら目眩しとか出来そう。でもここで試すとダフネを起こしそうだし、それはまたこんど試そうっと。
そこでふと思った。魔力を流し込んだら変化するかなこの本。いやでもまさかね。『ニコラス・フラメス』はただの錬金術師だし、そんなことで偽装なんか出来ないだろうし…仮にそれで偽装してたら誰でも簡単に解読できるじゃん。でも可能性もゼロじゃないし…試してみようっと。
本の表紙に手を乗せて、ほんの少し魔力を本に流し込んでみる。すると、本の表紙に描かれている文字が動き出して、別の単語に切り替わっていく。動き終わった文字を読むと、そこには『研究書』の単語があった。
なんか拍子抜けしたな。うん。あれだ、魔法界はバカしかいないんだ。なんでこんな簡単な仕組みの罠しか仕掛けないんだろう…
落胆しながら、本を開いた私はさっきの考えを撤回した。本を開いた最初のページ、そこにはびっしりと数式と錬成陣、さらに無数の単語が1つのページに所狭しと書かれていた。
これ解読するのかなり時間かかりそう…てか、無理じゃないのコレ…
とりあえず本を閉じて、カバンの中にしまい込んで、次に帰ったら徹夜で解読かぁ…と考えながら布団にくるまって、眠ることにした。
戦闘描写を書きたい…