ダフネside
私にとって『ミラージュ・ホーエンハイム』という少女は、まさに私の理想とするような少女だった。周りの意見に流されず、誰よりも自信に満ち溢れていて、でもやっぱり同い年なんだなっと感じる時もあったりする。そんな少女とお近づきになれたのは、私にとってはまさに幸運だったと思う。
って事は置いておいて。今日はミラージュのはじめてのクディッチの試合が行われる日だ。対戦相手はグリフィンドール。スリザリンとしては絶対に負けられない戦いらしい。らしいというのも、上級生たちがなぜかみんなグリフィンドールを目の敵にしていて、他の2つの寮ならまだしも、あそこにだけは絶対に負けるな、みたいな感じになっている。まぁ私としてもスリザリンチーム、もといミラージュには負けて欲しく無いんだけど。
そのせいか、大広間では朝からとてつもない熱気に満ち溢れていた。スリザリンとグリフィンドールの上級生たちが、互いに睨み合って相手を牽制していて、互いに大きな声でやれここがダメだの、やれウチは最強だなどと言い合いをする始末。そんな中でも、私とミラージュは特に誰にも相手にされず、静かに朝食を食べていた。
なぜみんなが『ホーエンハイム家』を毛嫌いするのか。正直私はよく知らない。ただ、噂で『ホーエンハイム家』は過去に魔法界に対して物凄い『裏切り行為』をした。としか知らない。ミラージュ本人も先祖がやった事など、自分には関係ないみたいなこと言ってるけど、少し気になってるみたい。そのうち誰かに聞いてみようかな?
朝食を食べ終わり、みんながクディッチ競技場の方へ向かう中、私はミラージュと一緒に選手の控え室にいた。その理由はミラージュから『この杖を預かっていて欲しい』と朱色の杖を預かるためだ。
「ごめんねダフネ。こんなところまで連れてきちゃって」
「ううん。全然いいよ。それにミラージュの頼みだし断るわけ無いじゃん」
「ありがと。それじゃ、この杖お願いね。大切な物だから無くさないでね」
スリザリンのユニフォームに着替えたミラージュから、朱色の杖を預かる。この杖はミラージュの両親の形見らしいので、絶対無くさないようにしないと。
杖を大事に両手で持って気づいたのだけど、ミラージュの首元に見慣れないものがぶら下がっていた。
「ミラージュ、その首のやつってなに?」
「あぁコレ?お守りよお守り」
「お守り?」
「そ。キレイでしょ?」
そう言ってミラージュは首元にぶら下がっている少し歪な形の赤い半透明の石を見せてくれた。たしかにとてもキレイだけど、こんなのどこに売ってるんだろう?
「あ、これ私の手作りなんだ」
「そうなの?こんなのまで作れるんだ。凄いねミラージュ」
「まぁね。今度ダフネにも作ってあげようか?」
「本当に?いいの?」
「もちろん。作るのは簡単だからね」
「ありがとうミラー…」
私がミラージュに感謝の言葉を送る前に、グランドからホイッスルの音が鳴り響いた。どうやら、選手入場の合図らしく、私はミラージュに手を振って応援席に向かった。
さて、応援席に向かったのはいいけど、スリザリンの席は1つも空いてなかった…。私はスリザリンの応援席を離れ、競技場の側で立ち往生していると、後ろからデッカい影が近づいてきた。
「お前さん、こんなところでなにしちょるんだ?」
「あ、えっと、その」
「ミス・グリーングラス?どうしたの?」
デッカい影、ハグリッドの後ろからグレンジャーがひょっこりと出てきた。ミラージュがよく図書館で調べ物をする時に、グレンジャーもたまに一緒にいたことから今では顔を見れば挨拶をする程度の仲になった。そのグレンジャーの後ろからまたひょっこりとウィーズリーが出てきた。
「えっと、スリザリンの応援席がいっぱいでどうしようかなって…」
「そうだったの…」
「うん。ミラージュも出てるし、観ないわけにはいかないし…」
「あの、もしよかったらわたし達と一緒に観ない?」
「え?でも私、スリザリンだよ?」
「いいんじゃない?ねハグリッド?」
「おぅ。こういうのはみんなでワイワイ観るもんだ」
「で、でも…」
「大丈夫よ。ほら行きましょう」
グレンジャーは私の手を掴むなり、ズンズンとグリフィンドールの応援席へと進んでいく(ウィーズリーはものすごい嫌そうな顔してたけど)。私はただただ戸惑うしかできなく、気が付けば完全アウェーなグリフィンドールの応援席の端っこの方にデッカい人、ハグリッドの影に隠れて試合を見ることになった。ウィーズリーがひたすら不機嫌な顔をしていたのを無視して。
お久しぶりです。仕事を辞めて、転職活動をしていたのでなかなか更新できませんでした。
次はミラージュの初試合です。