ハリー・ポッターと隻眼の少女   作:シャロン

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組み分け

 

ミラージュside

 

 

騒がしくなってきて、一言注意してやろうと瞼を開けた私は、目の前の状況に戸惑いを隠せないでいた。

 

私が眠る前のコンパートメントは私、ハリー、ウィーズリーとトランクが3つだけだったのに、『ハーマイオニー・グレンジャー』というマグル出身の女の子がプラスされていて、辺り一面には魔法界のお菓子と思われるモノが大量に転がっていて、さらに入り口には金髪のいかにも金持ちのボンボンが偉そうに踏ん反りかえっていた。

 

どういうこと?ってか何が起きてるのコレ?ってか五月蝿い。マジで。

 

金持ちのボンボンとウィーズリーがなにやら言い争っているようなので、私はゆっくりと立ち上がって傍に置いてある朱色の杖を取って、杖の柄の部分を指先で3回叩いていつでも抜ける状態にしておく。そして、ドスを効かせた声で一言。

 

 

「五月蝿い。寝てるんだから静かにしてよ」

 

 

私の一言にウィーズリーは一瞬で小さくなったけど、ボンボンはまだ偉そうに踏ん反りかえっていた。コイツムカつく。

 

 

「誰なんだ君は?」

 

「自分から名乗るのが礼儀でしょ?」

 

「ボクはもう名乗ったんだけどな」

 

「あぁ御免なさい。寝てたからなんにも聞いてないの」

 

「まぁいいさ。ボクは『ドラコ・マルフォイ』純血魔法族の一人さ」

 

「あっそ。それじゃ私寝るからとっとと出て行って」

 

「ボクに名乗らせて、君は名乗らないのかい?」

 

「ミラージュ」

 

「ミラージュか。わかった。君はマグル出身なのかい?」

 

「お生憎様。少なくともマルフォイ家よりは格式あると思ってるよ」

 

「君の家がかい?」

 

「そ。『ホーエンハイム』それが私の家よ」

 

 

ホーエンハイム。その言葉を聞いたマルフォイと後ろの二人(デフが二匹)は少し顔を歪ませる。

 

 

「まさか『裏切り者』の家系だったのかい。君は」

 

「だから?それに私自身、魔法界とは関わり無かったから家がどうとか言われても知らないし」

 

「だとしてもだ。君たち『ホーエンハイム』はイギリス魔法界の恥なんだよ。この『穢れた一族』め!」

 

 

マルフォイのその言葉を聞いた瞬間、私は杖の柄を握って抜くと、怪しい光を放つ刃の切っ先をマルフォイの喉仏に突きつける。ブタ二匹はいまにも逃げ出したい顔をして、マルフォイは顔を真っ青にしてガタガタ震えだした。

 

 

「こ、こんなことして、父上が黙って」

 

「連れて来なよその父上を。細切れにしてあげるからさ」

 

「そ、そんなこと、出来るわけが」

 

「それが出来るのよ金持ち坊や。『ホーエンハイム』はアンタたちに馬鹿にされる程、落ちぶれてない!」

 

 

私が怒鳴った後、3人は蜘蛛の子散らすように逃げて行った。それを確認してから、刃を杖に戻して柄を二回叩く。それから振り返ると、ウィーズリーは涙目になっていて、ハリーは目を丸くして、グレンジャーは何が起きてるのか分かってない顔をしていた。

 

やっちゃったZE★

 

ついカッとなってやってしまった。でも後悔はしてない。私の家族が馬鹿にされたんだ、これくらいは許してくれるだろう。きっと、多分、恐らく。

 

それから制服に着替える為にハリーとウィーズリーに出て行ってもらう。着替えてるときにグレンジャーの質問攻めにあったのは言うまでもない。

 

 

 

 

ローブを着て制服に着替えた私たちが汽車から降りると、巨体が一人大きな声でなにか叫んでいた。五月蝿いなぁ。防音魔術をも少し強めにしとけばよかった。

 

あ、ハリーが話しかけてる、知り合いなのかな?そういえば一昨日にあったような……そうだ『賢者の石』だ!マルフォイの一件で危うく忘れるところだった。おのれマルフォイ。この恨み、忘れはせんぞ。

 

 

とか思ってるウチに小さなボートに乗せられて、川を下る。途中の石橋で頭を打ったのは内緒で。石橋をくぐり抜けると、眼前には巨大な城がその姿を現した。

 

あれがホグワーツかぁ、でっかいなぁ、私の家の何倍なんだろう。ってか、あの城のどこかに石を隠してるんだろうけど、探すの大変そう…とりあえず、落ち着ける場所に着いたら探知でもかけてみよう。うまくいけばそれで場所がわかるし、ダメだったらそん時はそん時で別の方法で探すし。

 

ボートを降りて、石階段の途中で入学式について初老のババ…マグゴナガル先生から説明を受けるけど、寒いし眠いしで全然話が入ってこない。かろうじて『組み分け帽子』なる単語が聞き取れたけど、意味不明。どうでもいいか。そんでもってまたハリーがマルフォイに絡まれてるし。

 

 

「なにしてんのハリー?そのそんな弱っちいのほっときなよ」

 

「お前、ミラージュ!」

 

「五月蝿い。私はいま機嫌が悪いんだ。どっか行ってろ」

 

 

少し睨んでやると、マルフォイはすぐさま踵を返してどこかに消えた。するとハリーが恐る恐る私に小さな声で耳打ちしてきた。

 

 

「ミラージュはさ、どの寮に入りたい?」

 

「別に私機嫌悪くないから大丈夫だよ。ってか寮ってなに?」

 

「聞いてなかったの?」

 

 

ハリーの説明を掻い摘んで聞くと、ホグワーツには4つの寮、グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンが存在していて、ホグワーツで過ごす7年はそのどれかに属さなれけばならないらしい。4つの寮はそれぞれ特徴があるらしく、グリフィンドールは勇気、スリザリンは狡猾、ハッフルパフは勤勉、レイブンクローは知識とかなんとか。この話を聞いて私が思ったのは、心底どうでもいい。4つの寮なんて興味が無いし、どの寮にいても魔法については学べるし、なにより私の目的、『賢者の石』の入手と中二病(ヴォルデモート)への復讐には何一つ関係ないし。どの寮に属そうが私は私だ。むしろ、新しく寮を設立してやるのも悪くない。出来ないだろうけど。

 

ハリーの話を半分程度流して聞いているウチに、私たち新入生たちが大広間に入るよう促される。中に入った新入生たちは、歓喜の声を上げたり、絶句したりと様々な反応をする。私は特になし。

 

大広間には4つの長テーブルにホグワーツ生がずらりと並んで座っている。恐らく寮ごとに分かれて座っているんだろうけど、どこがどの寮なのか全く解らない。さらにその奥にも長テーブルがあって、恐らく教職員の席だろう。その真ん中、白い髭を蓄え、透き通る青い瞳、そしてなにより圧倒的な存在感を放つ老人。あれが『アルバス・ダンブルドア』か。なるほど、確かに『今世紀最大の魔法使い』と言われるだけはある。ま、負ける気はしないけど。

 

そのダンブルドアの前に椅子が1つ、その上に古ぼけた帽子が置いてある。大広間の扉が閉まると同時に帽子が震えて、上下に裂け口のような形になるやなんと、歌を歌い始めた。歌の内容は各寮を要約したような内容だったけど、特に収穫のある歌じゃなかった。拍手が鳴り響く中、私はダンブルドアを見つめていた。あの老人を出し抜いて石を手に入れるにはどうすればいいのか…

 

 

拍手が鳴り止むと、いよいよ組み分けが始まった。どうやらABCの順で呼ばれるらしい。あ、ウィーズリーが呼ばれた。やっぱりグリフィンドールだろうな。

 

 

『グリフィンドール!!』

 

 

ほらやっぱり。それからグレンジャーか。グレンジャーはレイブンクローかハッフルパフかな?

 

 

『……グリフィンドール!!』

 

 

あれ?違った。まぁいいか。別にどうでもいいことだし。あ、ハリーだ。私の予想はスリザリンかグリフィンドールかな。個人的にはグリフィンドールに行って欲しいな。ハリーがスリザリンは似合わない。

 

 

『…………グリフィンドール!!』

 

 

グリフィンドールのテーブルから拍手が鳴り響く。五月蝿い、耳が痛い。でも仕方ないか。なんせあの『生き残った男の子』がきたんだから。

 

 

「ミラージュ・ホーエンハイム!」

 

 

私の番か。ってかなんなのよアンタたち。私の名前が呼ばれた瞬間だんまりとか、ちょっと泣けるわよ流石に。

 

さっきまで騒ついていた大広間が、私の名前が呼ばれると同時に一瞬で静まり返り、全ホグワーツ生の視線が私に集まる。しかもホグワーツ生だけじゃなく、教師たちからの視線も合わさるもんだからなんだか物凄く緊張する。まるで圧迫面接だコレ。あぁ、物凄く帰りたい。

 

ゆっくりと椅子に座り、ババ…マグゴナガル先生が私に帽子を被してくれる。すると頭の中に直接声が響いてきた。

 

 

『ほぅ、ホーエンハイムの子供は久しぶりだな』

 

コイツ、直接脳内に…!

 

『そうだとも。君の頭に直接話しかけている。うむ、君はどこの寮に入りたいかな?』

 

別にどこでも。私にはやるべき事があるし、それが出来るならどこの寮でも構わないし。

 

『ふむ。その目的を達成するための勇気と手段を選ばぬ狡猾さ、学ぶことへの勤勉さ。難しいのぅ』

 

じゃあ帽子さんの直感に任せてみなよ。たまにはそれもアリなんじゃないかな?

 

『直感で選ぶとするなら、君はグリフィンドールになるが?』

 

グリフィンドールか。うーん、騎士道とか正義とか正直クソ喰らえだし、なにより性に合わなそう。

 

『ではハッフルパフは?』

 

んー勤勉なのはいいけど、なんか顔触れがイヤだ。気難しそうなのが多そう。

 

『ではスリザリンは?』

 

他の3つから嫌われてる?んー、ありよりのあり?結束力は他の3つより強そうだし、ある程度は自由にできそうだけど。

 

『偉大な魔法使いを輩出している寮だ。君なら上手くやれると思うが?』

 

でもグリフィンドールも捨てがたい…騎士道は要らないけど、あの正義感溢れる感じは好きかなー。

 

『ではグリフィンドールにするかな?』

 

帽子さんが決めて。スリザリンでもグリフィンドールでも。

 

『わかった。では君が行く寮は…』

 

「スリザリン!!」

 

 

拍手喝采は起こらなかった。それどころか、スリザリン生はなんかイヤそうな顔してるし。よし決めた。とりあえずアイツら全然捻り潰してやろう。

 

新入生の組み分けが終わった後、ダンブルドア校長からの注意事項を聞いて、豪華な料理を食べて、寮へと案内された。

 

 

寮へ向かう道すがら、私は校長の言っていたある場所への立ち入り禁止について考えていた。恐らく石はそこに隠されている。だが当然、侵入者に対する罠も設置してあるだろう。その罠を潜り抜け、石を手に入れる。まずは下見だ。どのような場所で、どのような罠が敷かれているか。それを踏まえて計画を練り、タイミングを計って石を奪取する。

 

石さえ手に入れば、この学校には用済みだ。魔法が学べなくなるのは残念だけど、それよりも優先すべき事があるからしょうがない。とう様とかあ様の仇、そしてホーエンハイムの悲願、私が達成してみせる。

 





スリザリンになりました。ミラージュですが、魔術と錬金術、加えて剣術もある程度使えます。それにも一つ能力も持ってますけどそれはまた後ほどで。
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