スカーレット家最強伝説   作:神弥の巫女

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ある晴れた日の夜、吸血鬼スカーレット家当主、レミリア・スカーレットは、妹のフランドール・スカーレットと部屋で紅茶を飲んでいた。
二人の住んでいる紅魔館のメイド、咲夜がクッキーを取りに部屋を出て行ったとき、フランドールはレミリアをじっと見た

「どうしたの、フラン?」

レミリアはそれに気づき、たずねる。

「あのね。お父様とお母様の左にいるこの子は、メイドさんなのかなぁ・・・って思ったの。」

フランドールが見せた写真には、父と母の左隣に、銀髪の少女がいる。目は赤く、頭から角のように、小さな黒い翼がはえている大人っぽい少女だ。

「あら?見たことがないわ。この子は誰なのかしら。ねぇ、咲夜?」

ちょうど咲夜がクッキーを持ってきたので、たずねてみる。
咲夜は、二人の見ている写真をのぞくと、少し悲しそうな顔をした。

「さくや、どうしたの?」

フランドールが心配そうな顔で咲夜をみる。

「いえ、なんでもありません。彼女は前当主のメイド、ルイ・スカーレット様でございます。」

「「スカーレット!?」」

咲夜の言葉に二人は反応する。

「どーゆーこと?そのルイって子は、お父様の妹なの?」

フランドールが咲夜のスカートを引っ張る。

「ちょっひ・・・ひっぱらないでくださいっ。彼女は前当主の妻のなるはずの方でした。」

咲夜は、前当主の娘の彼女たちには話すべきだと感じたのだ。あの伝説を。

「咲夜、なぜ、はず、なのかしら?お母様は、浮気相手だったの?」

レミリアは、咲夜を少しにらむ。

「どこから浮気なんていう言葉を覚えたのですか?違いますよ。」

「そう。じゃあ、その話、私たちに話してくれないかしら?」

レミリアは、紅茶をすこし飲み、咲夜のほうにいすを向ける。

「わかりました。ただ、私もあくまで聞いた話なので、本当かは、わかりませんよ?」

咲夜は、フランドールによって、いすに座らされる。

「だいじょうぶ。紅魔館の使用人は嘘をつかないから。」

レミリアは、ふっとわらう。

「わかりました。では・・・」


二人は永遠に共に存在する

今から800年ほど前、当主になったばかりの彼は、退屈していたため外に出た。

そんな彼の上から銀髪の少女が落ちてきた。

敵かと思った彼は、普通だったら死んでしまうような力で蹴り飛ばした。

 

「雑魚すぎて、退屈しのぎにすらならぬではないか」

 

彼はため息をつくを、少女が吹っ飛んだ方向へ血を得るため飛んでいく。

すると、黒い刃が飛んできた。

 

「ほう。生きていたか。運がよいみたいだな。」

 

彼は刃をかわしながら言う。少女をみると、驚いたことに無傷だ。

 

「い・・・いたいですぅ! 急に何です!? けるとかひどいです!」

 

銀髪の少女は、目を赤く光らして言う。

 

「そなたは、我を殺しに来たのではないのか?」

 

彼は言う。事実、吸血鬼大家の当主である彼は、他の大家などの配下に命をよく狙われるのだ。

 

「何故あなたを殺さないといけないです?」

 

少女は影を翼の形にし、背につける。

 

「ほう、影を操る程度の能力か。我は吸血鬼スカーレット家の当主だ。そなたはなんと言うだ?」

 

彼は少女が敵ではないと認識し、戦うきはもうない。

それを感じた少女は、にやっっと笑みを浮かべた。

 

「ボクは、ルイ・ヴァリツリー。よろしくですっ。ところで、暇そうだね。暇なら、戦いの相手してあげるですよー?」

 

ルイと名乗った少女は影を剣の形にする。

彼は、この少女を気に入った。

 

「いいだろう。せいぜいひと時くらいは死なないでもってくれよ?」

 

その言葉と同時に二人は動き出した。

 

音速を超えた速さで動く彼にルイは全く遅れをとらない。

 

「何故我の速さについていけるのだ!?」

 

「感覚でうごいてるからですっ」

 

ルイはそういい、左手を上にむける。

 

「ダーク・フローズ!」

 

「ほう、二つも能力を持っているのか。」

 

闇の中に、見えない空間に存在する水が凍り、刃となる。

 

しかし、彼にとってそれはただの邪魔にしかならない。

 

走り始めたルイを追うには不便だが、破壊していけば良いだけなのだ。

 

「む?」

 

おかしい。と彼は思う。何故かルイに追いつけているのだ。

そこで彼は気づく。今の能力は体力をそうとう使うのだと。

なら話は早い。凍った刃を壊せばかてる。

 

「はぁ!」

 

彼は、刃を全て壊し、ルイの首下に剣を置いた。

 

「ありゃりゃ。こうさんです」

 

ルイは笑っている。楽しかったようだ。

赤い目はもう光っていない。

彼はルイから剣を離す。

 

「あれれ?殺してくれないのです?当主さん?」

 

ルイは驚いた顔をする。

 

「気に入った。ルイと申したな?そなたは、我の下で働け」

 

彼は笑顔をルイに向ける。笑ったのは何百年ぶりなのだろうか。

 

「わかったです。敗者が勝者に従うのは当然のことですから。」

 

ルイは、彼の手をかり、立ち上がる。

そして、かたひざをちき、言った。

 

「改めて、ルイ・ヴァリツリーです。よろしくです、ましゅたー。」

 

そんな彼女をみて彼は困った顔をする。

 

「我はましゅたーという名では・・・まぁいい。よろしく、ルイ。」

 

これがスカーレット家最強伝説が作られる原因である二人の出会いだった。

 

 

 

 

 

ルイが紅魔館で働き始めて何日かたった。

紅魔館で働く使用人たちに仕事はなくなってしまった。

何故か。それは、ルイが影を使って仕事を全てやってしまうからだ。

自分たちの影を使われているので、使用人たちは、手柄を取られた感覚だ。

しかし、誰も彼女のことを恨まないし、嫌わなかった。

それは、見た目に反した幼く個性的な性格のせいだった。

 

ルイは影を使っているとき、ふと外を見た。

すると、外は暗かった。地面が影でまっている。

 

「もう朝になるはずなのに、何故こんなに暗いのかな?」

 

角のようにはえた翼が良くないことが起きるというように反応している。

ルナは主である彼の部屋に行く。すると、彼はワイングラスのなかに入っていた血を飲むのを止め、ルイを見る。

 

「どうしたのだ?」

 

「ましゅたー、お外が、影だらけ、です・・・」

 

そういわれ、彼は外を見る。

 

「ふむ。そうか。ルイ。敵が来るぞ。人数からして大家だな。使用人たちに後戦の準備をするようにいってついてこい。」

 

彼は立ち上がる。そして、愛用している剣を取り出した。

ルイは影を使って使用人たちに伝える。

 

「そなたは飛べるのか?翼は頭からはえているようだが・・・。」

 

「ましゅたー、ボクの力は影の存在を変える程度の能力です。外は影だらけなので、翼を作ることくらいかんたんですっ」

 

そんなことをいって、無邪気に笑うルイをみて、少し安心したような顔をしたが、すぐに真剣な顔になって言った。

 

「ルイ。絶対にもう一つの力はつかうな。」

 

「何故です?」

 

「その能力、寿命をひきかえに使っているのだろう?」

 

ルイは、黙る。そう。水を凍らせ、形、大きさを変える程度の能力は、変えるほど寿命を使うのだ。彼と戦ったときには、200年分は使っている。

 

「・・・わかったです。」

 

納得したルイをみて、彼は満足そうな顔をした。

 

「敵が来たようだ。行くぞ。影で結界を紅魔館に張っておいてくれ」

 

二人は窓から飛び、敵の前へ。

そして、ルイが結界を張っているあいだ、彼は言った。

 

「我は、誇り高き吸血鬼スカーレット家の当主だ。」

 

「俺は、吸血鬼ライト家の当主。お前らスカーレット家を滅ぼしに来た。」

 

敵はそういった瞬間攻撃を始めた。

 

「ルイっ!」

 

「わかってるですー。滅されるがいいですっ♪」

 

ルイは、剣を彼に渡し、影をドラゴン4体と、剣4本に変えた。

 

「我は当主を殺る。ルイはほかを頼む。」

 

「らじゃーです。ましゅたー。」

 

ルイはドラゴンを操りながら敵の中へ入り込んだ。

 

「ライト家。逃げるのか?」

 

彼は遠くへ飛ぼうとする当主を止めた。

 

「まさか、そんなことがあるわけがないでしょう。スカーレット家を倒したがるのは俺たちだけではないのだよ」

 

すると、上空から大きな勢力が二つ来た。

 

「レインとブラッキーか。」

 

彼はうなる。吸血鬼大家が全て集まってしまった。それも、3対1。勝率は低すぎる。

 

「すまぬ、ルイ。負担が多くなってしまう。半分でいいから倒してくれ。大丈夫だ。後援がのこりは倒してくれる。」

 

そういった彼の元に、影でできた黒い剣がくる。

 

「大丈夫です、ましゅたー。剣どうぞです」

 

一度に100以上を相手にしているルイは少し血がでている。が、まだ大丈夫そうだ。

目は赤く光っている。

 

「すまぬな。いや、ありがとう。」

 

ルイは、増えた勢力あいてに、ドラゴン30体と、剣20本をつくる。

 

「あはははは・・・」

 

まるで狂ったように剣を振る。

 

「なぁ、当主。あの子はなんだ?この処理能力は、最もいい種である悪魔を超えている。」

 

ある当主が言う。

 

「最近我の下で働き始めたメイドだ!」

 

彼はその言葉と共に三人に剣を振る。

彼らは当主であるため、桁違いの能力と力を持っている。

だが、彼には勝てない。

力が、圧倒的に強いのだ。

音速をも超えた速さで動かれ、何も出来ない彼らは、一人、二人と地に落ちてゆく。

そして、ついに三人目も死んだ

 

「はぁ・・・はぁ・・・ルイ、大丈夫か?」

 

彼はルイのことを見る。ルイは血だらけだった。それでも飛んでいられるのは翼が影だからだ。

 

「ルイ!」

 

彼はきっとほかの使用人だったら助けに行かず、別の者を連れてきていただろう。

その使用人が死ぬことをわかった上で。

しかし、ルイはちがった。

彼はルイに惹かれていたのだ。

もちろん、彼自身も、それには気づいていた。

彼はルイの元へ飛んでいき、ルイを抱え、地に下りる。

 

「ましゅたー?」

 

ルイは自分の頬に触れる彼の手を触る。

 

「ルイ。我の血をそなたに与える。」

 

主が血を与えていいのは、妻と子のみだ。

それは、どちらも分かっている。

 

「ましゅたー、だめです。ましゅたーには、婚約者がいるです」

 

「いいから。これでは、そなたは死んでしまう。」

 

彼は人生で初めて泣いた。

 

もちろんルイもおどろく。今まで孤独だったルイは、自分をここまで大切に思ってくれる人がいなかったからだ。

 

「ましゅたー、だいじょうぶです。ボクは・・・生きてますか・・・っ!?」

 

彼は自分の血を彼女に、口移しで送ったのだ。

スカーレット家の血は、強い治癒の力がある。

ルイの傷は、彼の血により、全治していた。

 

「ありがとです。ましゅたー」

 

すこし恥ずかしそうに言うルイは、赤く火照った顔を隠すため、上へ飛んでいった。

すると、後ろから白い軍隊がやってきた

スケルトンだ。それも、全ての。 つまり、数は万を超えている。

 

「ましゅたー、ボクは、あいつらを倒すです。あとは、よろしくです。」

 

「ルイ!」

 

彼は呼ぶが、もう振り返らない。

 

「・・・くそっ あの力は使うなよ。」

 

彼はそうつぶやき、残った吸血鬼をみる。

ルイは一人も逃すことなくほとんどを倒した。残っているのは50人ほどだ。

 

「邪魔だ! みな、死ぬがいい!」

 

彼は、一瞬で敵を消した。

これが彼の本気だ。

彼はルイの元へいこうとした

 

「滅されよ、です! ダーク・フローズ!」

 

・・・遅かった。

ルイはありえない数の氷の刃を作る。

そして、豪雨のように刃を降らしていった。

スケルトンは命がないため、砕け散らないと動きを止めない。

だが、刃からは逃れることは出来ず、全て砕け散っていった。

ルイの小さな翼は目と同じように赤く光っている。

しかし、その光は、スケルトンが滅んだ瞬間、失った。

 

不老不死といわれる吸血鬼といっても、消耗が激しすぎる。

ルイは、血にまみれながら地へ落ちていった。

 

「しぬなー!」

 

彼はルイを抱え上げ、血を与えようとするが、ルイがそれを止めた。

 

「・・・ましゅたー、無理です。もう治すことはできないです」

 

「何故だ。死んではならぬ。そなたは我と血を共にするのだ。」

 

彼の目からは涙があふれ落ちていた。

 

「ましゅたー、だめですよ。プロポーズなんて。婚約者さんがかわいそうです。それに、ボクは、悪魔と吸血鬼の子です。もともと寿命は存在していたのです。」

 

ルイは、彼の涙を拭いてあげている。

 

「我は当主だ。当主は、妻が何人いようとかまわないのだ。寿命があるのなら、まだ、少しはのばせるはずだ。」

 

血を飲ませようとする彼をルイはまた止める。

 

「そうですね・・・ボクがもし生きてたら、ボクの穢れし血をあげますです。・・・そしてもうひとつ。ボクの影をあげるです。一回だけ、ボクの姿を現すです。なにかあったら使ってです。・・・短い間・・・でしたけど、ありがとでした。・・・大好きです・・・ましゅたー・・・。」

 

彼女は微笑み、赤い光となって空へ昇っていく。

 

「・・・ルイ・・・。」

 

彼の後ろには、影が立っている。

そして、その後ろでは、使用人たちが泣いていた。

そんな彼らに彼はいった。

 

「ルイは、短い間だったが、よき妻だった。ルイの氏は、ヴァリツリーではない。スカーレットだ。」

 

「はい。当主様。」

 

使用人たちは泣きながら、笑顔で言った。

 

 

 

 

 

あの日から100年ほど経った。

 

彼は婚約者と結婚した。

 

そして一枚の写真をのこした。

 

彼は、そのとき、あの影をつかった。

 

彼は、その影に触れることはできなかったが、後ろにただ立っているだけで嬉しかった。

 

次の日、彼が夕方に起きると、隣で立っていた影、ルイはいなくなっていた。

 

彼は気づかないうちに、涙を一粒流していた。 ルイの影がいた場所に。

 

そのとき彼の影の頭の部分に、角のような翼がはえた。

 

だれもそれには気づかなかったが・・・。

 

そして、彼が死んだとき、彼の死体に影はもう存在していなかった・・・

 

 

 




話を聞き終えたフランドールはたずねる。

空は明かるくなってきた。

「本当に、影、なくなってたの?」

「わかるわけがないでしょ、フラン。咲夜は、私たちより後に紅魔館に来たのだから。」

レミリアは、そういい、フランドールと外を眺める。

「雪だ!」

フランドールは、そういい、手を外に出す。

「いたっ 氷?」

レミリアも、触ってみる

「あら、本当だわ」

「じゃぁ、ルイちゃんが、降らしているのかもね。」

フランドールは、笑顔になる。

「そうですね。」

咲夜も、笑う。こんな奇跡があるのだろうか・・・と。

「おねえちゃん! れいむたちのところにいきましょ?」

「ええ、いいわよ。咲夜、行って来るわね」

「はい。いってらっしゃいませ」

二人が外に出るころにはもう氷は降り止んでいた。

朝日によって解けなかった一粒の氷が

赤い光の粒となって天へ昇っていくのだった。


END
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