ワンパンマンにトラウマ格ゲーボスの力はどこまで通用するのだろうか? 作:三角定規の角
なんでこいつフブキを担いでるのよ!
「なんだか色々失礼な事を考えてそうだが今は無視する。俺の名はブラスト、趣味でヒーローをやっている者だ」
ヒーロー?こいつ頭大丈夫?
「…外の少年からの頼みで君達を助けに来た…が、一つだけ忠告だ」
忠告なんて要らないわよ、さっさと出すなら出しなさい!
彼が来ている事の真偽確認と怪我の具合を見ないとっ!
「まぁ落ち着け、忠告は簡単だ…いつでも俺や彼みたいな人間が助けてくれると思わない事だ。その様な甘えた心が人を殺す」
「…わかってるわよ」
そう、現に私は彼の事を裏切り者だと思っていた。
彼も父親達と同じ側の人間だと思っていた…。
いや違うわね…そう思う事で、彼を悪者にする事で自分の殻に閉じ籠ろうとしていたんでしょう。
…酷い話ね。自分から話しかけておいて、いざという時には裏切り者扱い。
…彼に謝らなくちゃね。
「わかっているなら良いんだ。…急ごう、彼の身が危ない」
「…ええ」
そこに広がっていた光景は、まさに地獄絵図だった。
ズタズタに引き裂かれ、クズ肉となっているモノ。
辛うじて人だと分かる肉塊。
アスファルトのうえにまるでペンキの様に広がる血溜まり。
ボロボロの瓦礫の山となっている2つの建物。
暴れ回る怪物2匹に死んでいる大きい蠍が1匹。
そして私達が出てきた建物の外壁にもたれかかる様に彼は居た――
いつも着ていた服はボロボロになり、胸は鉤爪で切り裂かれた跡が3本。
脇腹は赤く染まり、片腕はありもしない方向へ曲がっている。
そして極めつけは呼吸する度に“コヒュー”と変な音が出ている点だ、恐らく肋骨が肺に刺さっているのだろう。
そして今まさに、
…気付けば私は咄嗟に叫んでいた
タイラントが動きを止め…こちらを見て、目が合う。
途轍もなく怖い、死の恐怖や見た目醜悪な化物だ。怖いのは当たり前だろう。
でも…それでも、彼は今の今まで私達の為に戦ってくれた。
それだけでもう満足…あれ?
「…こ、ら。私を、無視す、るとは…い、い度胸、で…すね」
彼が立ち上がり、タイラントの露出していた心臓に思いっきり廃材の鉄骨を突き刺していた。
化物の体がゆっくりと地に沈み、遂には血溜まりへと倒れ伏した。
因みに、青いクマはブラストがワンパンで片付けちゃったわ。
なんだか拍子抜けしちゃったけど、まぁあのクマが弱かったんでしょ。
それは取り敢えず置いといて…彼には真っ先に伝えないといけない事がある。
言うのはとても恥ずかしいけど…言わないとね。
「ゲーニッツ…ありがとう、そしてごめんなさい」
彼は嬉しさと困惑の入り混じった表情を浮かべた後、満足そうに微笑むと気絶してしまった。
そこからのブラストとかいう奴の処理は早かった。
一瞬で青いクマを殺した後に残りの施設を破壊、私達を最寄りの病院に連れて行ってくれた。
何だったの?アイツは…