失われた髪飾りやグリフィンドールの剣を探す目途が立たなくなり、その後のホグワーツでの生活は滞りなく進んでいった。ハグリッドが危険な卵を貰ってくることもなかったし、決闘の準備をする必要もなかったからだ。
ただ、エスト、チャーリー、トンクスの三人が順番でクィディッチの練習に行かなくてはならなかったので、みんなで集まることができるのはほとんどなかったのだ。
そうしている間に、ハロウィンは通り過ぎ、クリスマス休暇がやってきた。
エストが宣言したとおりに五人はドロホフ邸でクリスマス休暇を過ごすことになった。ウィーズリー家の皆もやってくることになっていた。ペンスにはしつこく魔法省関連のことで問題を起こさないように言いくるめたので大丈夫だろうとオスカーは思った。
「いったい何部屋あるのこの家?」
「三十何部屋ってペンスが言ってたけどな」
「三十!? オスカーいったいどれだけ子供作るつもりなのよ」
「なんで部屋の数だけ子供を持たないといけないんだよ」
ウィーズリー家に先んじて、五人はキングズリーと一緒にドロホフ邸にやってきていた。
「それはあれでしょ? スリザリンの生徒が良く言ってる、純血主義の実現ってやつよ」
「トンクス、それだと二、三世代後には魔法族はみんなオスカーの子孫になっちゃうの」
「ドラゴンとか、ペガサスならそういうこともあるらしいけど、人間だと難しいんじゃないかな?」
チャーリーはすぐに動物に例えたがるが、確かに自分は動物の様に沢山子供を作るのは難しいだろうとオスカーは思った。
「そうですね、三十の半分男だったとして、十五人が三回ですから、三千人以上の子孫が三代後にはいることになりますね」
「うええ、スリザリン寮はパンパンね」
「なんで全員スリザリンに入るの前提なんだ」
五人はウィーズリー家がやってくる前に応接間の模様替えをする予定だった。クリスマス休暇をドロホフ邸で過ごすとペンスに伝えたのが少し遅かったため、今、ペンスは客室の大掃除で大忙しなのだった。
なので、五人は先に応接間の飾り付けを行っていた。暖炉飛行でハグリッドが禁じられた森からツリー用の木を持ってきてくれていたので、応接間には巨大なモミの木がすでに鎮座している。
しかし、学校外では魔法を使うことができない為、五人はヤドリギやヒイラギの花飾りを手作業で飾りつけなければならなかったのだ。
「こんなおっきなツリーなんて、僕のうちには入らないからね、ロンは喜ぶだろうな」
「ロンは何歳なんだっけ?」
「僕と七年ずれてるから、五歳だよ」
「ちょうど私たちとホグワーツでは一緒にならない年齢なんですね」
フレッド・ジョージはギリギリ一緒にホグワーツに通うことになるが、ロンやジニーはオスカー達と一緒に行くことはできないだろう。オスカーはフレッド・ジョージが入学することで今以上に騒がしくなったホグワーツを想像した。
「クラーナにいびられないから最高の年齢ね、ウィーズリーならグリフィンドールだろうし」
「なんですかそれは、私はグリフィンドール生をいじめたことはありませんよ」
「ファッジ先輩を爆破してたの」
「それは色々理由があったでしょう!」
ツリーに上って飾りつけをしていたクラーナが憤慨していたが、みんなの雰囲気は良かった。なによりも、屋敷しもべのペンスがずっと上機嫌でせせこましく働いていることが大きいだろう。ペンスは五人がクリスマスに来ると聞いてからずっと上機嫌だった。パチっという音がしてペンスが現れた。
「オスカーお坊ちゃま、ご学友の皆様、何か足らないものがございましたらペンスにお申し付けください」
こうやってペンスは一時間に三回は五人のもとに来て仕事を欲しがった。客室の掃除をしながらこれなのだから、やっぱり相当に器用だとオスカーは改めて思った。
「じゃあ糖蜜パイを夕飯にお願いするわ」
「こいつ絶対デブになりますよ、ホグワーツを卒業するころにはハグリッドもびっくりの大きさになってるでしょうね」
「大丈夫よ、その時は変身術で戻すわ」
「全然根本的な解決になってませんね、魔法が解けたら戻るだけじゃないですか」
「承知いたしました。ではご夕飯に用意しておきます」
トンクスとクラーナが言い争っている間にペンスはお辞儀をして消えていった。
「ウィーズリー家の人たちはいつくるんだったっけ?」
「ああ、ミュリエルおばさんにジニーやロンの顔を見せてからくるらしいけど、夕食までにはくるんじゃないかな?」
「ミュリエルおばさんはエストにもくるように凄い数のふくろう便を送ってきたの」
「ミュリエルおばさんは僕たちの孫世代の中だとエストがイチ押しだからね、しかたないよ」
「でも、あの家に捕まったら絶対クリスマスが終わるまでは帰れないの」
五人で騒ぎ合い、魔法でしかどうしようもない場所はキングズリーやペンスに手伝って貰って、なんとか応接間の飾りつけを完了した。
応接間は巨大なツリーと足元には魔法の雪、壁やツリーにはたくさんの飾りつけがされていて、オスカーはこんなにちゃんとクリスマスを祝える状態の応接間を見たことは生まれてから一度もなかった。
少し埃っぽくなったオスカー達はいったんシャワーを浴びてから、応接間に戻ってきた。すると、応接間にはもうウィーズリー家が到着していた。
「やあどうも、トンクスさん。アーサー・ウィーズリーです。こっちは妻のモリー」
「ええ、ウィーズリーさん。奥さん。テッド・トンクスです。夏休みは娘がお世話になりました」
さらにトンクスの両親までいつの間にかやってきたようだ。これはペンスが少し忙しくなるだろうなとオスカーは思った。ただ、予定にない来客とは言え、ペンスのことだから料理は多めに作っていると思うのであんまり心配はしていなかった。
「ちょっとなんでママとパパがいるの?」
「いやあ、娘がお泊りするっていうから、いてもたってもいられなくなったんだよ、ドーラ」
オスカーはトンクスのお父さんの少し膨れたお腹をみて、さっきのクラーナの心配は割と的を得ているのではないかと思ってしまった。
「オスカー君ごめんなさいね、突然お邪魔しちゃって」
「トンクス先生、大丈夫です。うちの屋敷しもべは人が多いほど喜ぶと思いますので」
「あら、屋敷しもべがいるのね、実家を思い出すわ」
そう言ってトンクス先生はなにやら屋敷のタペストリーやら彫像やらを見に行ってしまった。続々と訪問者がオスカーに襲来した。
「オスカー、準備は大丈夫だったのかしら? こんな大人数で押しかけて本当にごめんなさいね」
「ウィーズリーおばさん。大丈夫です。ほとんど屋敷しもべがやってくれますから」
「ママ、おっきいツリーがあるよ」
「本当にありがとうね、屋敷しもべは羨ましいわね、じゃあロン、ジニーを連れてあのツリーを見に行こうかしら」
ウィーズリーおばさんはジニーを抱きながら、なにやらテディベアを抱いているロンを連れてツリーの方へいった。ツリーの下ではフレッド、ジョージとクラーナ、チャーリーが何やら魔法の雪を持って投げ合っている。トンクスがそこに乱入していく様子も見えた。
「君がオスカー君だよね? テッド・トンクスだ。いきなり押しかけて申し訳ないな」
「大丈夫です。トンクスさん。いつもは寂しい屋敷ですから、人が多い方がよっぽどいいです」
「ありがとう、それといつもドーラが送ってくる手紙の内容は本当なのかな?」
「手紙……? ですか?」
オスカーは嫌な予感がした。テッドの顔はいつもクラーナをからかうトンクスと同じ顔だったからだ。
「ああ、去年も今年も、君がスリザリンとグリフィンドールの綺麗どころを選り好みしているって内容だったね」
「いつものトンクスですね、トンクス…… 娘さんはそのことで特にクラーナをからかうのが大好きみたいなんです」
「なるほど、ドーラはドロメダによく似たようだ」
オスカーは大きなおなかを揺らして笑うテッド・トンクスにもトンクスは良く似ていると思った。特に笑った時の顔や笑いのタイミングなんかがそっくりなのだ。
テッドはそのままトンクス先生の方へと行ってしまった。テーブルの向こう側ではエストがパーシー、ビルとなにやら話し込んでいた。
「別に予習とかしなくても大丈夫だと思うな」
「それはエストの頭がいいからだって、ミュリエルおばさんが言ってたよ、あの子は絶対主席になる。私が見た中でもダンブルドアと同じくらい賢い子供だって」
「パース、ミュリエルおばさんがエストのことをおかしいくらい好きなことは知ってるだろう? あの調子だと、あの屋敷は全部エストに継がせる勢いだったろ?」
「そうなの、別に勉強しなくてもどうにかなるの、エストも夏休みにちょっとやっただけだもん」
「うう…… でも」
みんななにやら色々なことをしているようだったが、オスカーはそろそろお腹が空いていた。するとペンスが隣に現れた。この屋敷しもべはオスカーの腹時計を完全に熟知していたのだ。
「オスカーお坊ちゃま、そろそろ夕飯を始めさせていただいてよろしいでしょうか?」
「ああ、頼む」
そうオスカーがペンスに言うと、ペンスは夕飯を始める旨をみんなに伝えて、みんなが席についた。指を鳴らせば、クリスマス用の七面鳥から、巨大な糖蜜ケーキ、クリスマスプディング、ホグワーツで食べたクリスマスの夕食に勝るとも劣らないような内容だった。オスカーはみんなと談笑しながら腹いっぱいにそれらを詰め込んだ。
「ねえ、アーサーおじさんは叫びの屋敷って知ってる?」
「叫びの屋敷? ああ、ホグズミードにあるという幽霊屋敷のことかい?」
「そうなの、最近幽霊が戻ってきたらしいの、ね? クラーナ」
「ええ、グリフィンドールの三年生がホッグズ・ヘッドで地元の人がそう言ってたのを聞いたって噂してましたね」
「そうなのか…… 残念ながらあの屋敷ができたのも、噂が広まったのも、私やモリーが卒業したあとだからね、そうだ、トンクス夫妻ならなにかご存知なんじゃないかな?」
ウィーズリーおばさんは、クラーナのホッグズ・ヘッドという言葉に嫌そうな顔をしていたのをオスカーは見た。ウィーズリーおじさんがそう言うと、テーブルの皆の視線がトンクス夫妻に集まった。
「パパとママはなんか知ってるの?」
「叫びの屋敷のこと? うーん、確かにあの屋敷が噂になったのは僕らがホグワーツにいたころだったけどね」
「そうね、イギリス一恐ろしい幽霊がひと月に一回とんでもない悲鳴を上げるって話だったわね、あの暴れ柳が植えられたのと同じくらいだったかしら?」
「ホグズミードへの外出の時に、あの屋敷にどれだけ近づけるかって遊びが流行ってたね」
「ええ、テッドはあの屋敷を一周するって言って、一周する途中で腰を抜かしてたわね」
そうトンクス先生が言うとみんなが笑って、テッドは少し顔が赤くなった。
「ああ、確かファイア・ウィスキーをひっかけた後に行ったんだけれど、扉という扉から窓という窓に板が打ち付けられていて、ネズミ一匹入れない状態だったのにゾッとしたのを覚えてるよ」
「その後、この人を私が浮遊呪文で三本の箒まで運んで行ったら、もう大盛り上がりだったわ」
テッド・トンクスの顔はファイア・ウィスキーのように赤くなっていたが、楽しそうだった。
「え? じゃあ叫びの屋敷って入れないの?」
「そうよ、少なくとも、見える場所には入り口はなかったわね、まあ魔法がかかってるんだったらどこかから入れるのかもしれないけど」
「じゃあやっぱり、ゴーストなのかな?」
「まあ、来年になったらわかるんじゃないか? ホグズミードに行けるんだし」
「確かにそうだよね、三年生のホグズミードは楽しみだな」
みんなはお腹に入ったご馳走と楽しい会話で居心地の良い時間を過ごした。オスカーは自分の家でこんなにたくさんの人と夜を過ごしたのは本当に初めてのことだった。
やがて眠くなってきたのか、ぐずり始めたジニーとロンをウィーズリーおばさんが寝かしつけに行き、それにフレッド・ジョージが続き、酒が入り始めた大人たちを残して、子供は寝室へと向かった。去年に引き続いてこんなにぐっすり眠れるクリスマス休暇になったことがオスカーは嬉しかったし、誰かにお休みを自分の家で言うことや言われることがこんなに心休まるものだとは思わなかった。
クリスマスの朝、オスカーは誰かに揺すられて目を覚ました。オスカーはペンスが起こしに来たのだろうと思った。
「ペンス…… クリスマスなんだからもう少し寝かせてくれ……」
「起きてください、オスカー」
ペンスの声ではなかったのでオスカーが目を開けると、クラーナが暗い部屋の中で何かを持って、オスカーを揺り起こしていた。クラーナとオスカーの足元には恐らくオスカー宛てであろうプレゼントが少しだけ山になっていた。
「クラーナ? どうしたんだ? クリスマスの朝に?」
「セーターです、セーターを見せてください」
「セーター?」
オスカーには去年クラーナに渡したウィーズリーおばさんからのセーターが思い浮かんだ。今年もセーターをよこせと言うのだろうか?
「ほら、その包みでしょう、多分ウィーズリーおばさんからのプレゼントです。私のも同じ包みに入ってましたから分かります」
確かにクラーナはオスカーの足元にあるのと同じ包みに入ったセーターを持っていた。
オスカーが足元にある包みを開けると、去年と同じように緑色にスリザリンのシンボルである蛇が銀色で描かれているセーターが出てきた。
「セーターがどうしたんだ? またクラーナにあげればいいのか? 今年は別に送ったはずなんだけど……」
「違いますよ‼ ええ、実践的防衛術の本はありがとうございます。そうじゃなくてですね、イニシャルですよ、イニシャル」
「イニシャル?」
クラーナは赤に金色で獅子が描かれたセーターの胸部分に金の刺繍で描かれた英文字を指で指した。どう見てもO.Dと書かれている。クラーナのイニシャルはQ.Mのはずだ。
オスカーはハッとなって自分のセーターの同じ部分を見た。Q.Mと銀の刺繍で描かれている。
「やっぱり、絶対トンクスとフレッド・ジョージの仕業ですよこれ」
「まあそうだろうな、どうやってやったのか分かんないけど、交換してもサイズが違うしな」
セーターを交換してお互いの体に当ててみたが、体格の小さいクラーナ用のセーターはオスカーには着れそうになかった。しばらく二人で黄昏ていると、部屋のドアが開かれた。
「オスカー‼ メリークリスマスなの、箒磨きセットありがとうね、エストのプレゼントも開けてくれた?」
エストは凄い勢いで入ってきたが、ベットの上で黄昏ていた二人を見ると目を丸くした。
「ええっ!? 朝からクラーナとなにしてたの? もしかして、ほんとにトンクスが言ってるような感じなの!?」
「ちょっと! 違いますよ! 私たちのセーターがですね……」
「セーター? ああっ! また二人はセーターを交換してるの」
「交換はしていないですよ、ああっ‼‼ もう‼ トンクスの悪戯に決まってます‼‼」
オスカーのクリスマスは朝から大騒ぎだった。こんなにうるさいクリスマスを経験したのは生まれて初めてだった。
「ちょっと、朝から凄い元気ねって、何? どうしたの? 修羅場?」
トンクスがぼさぼさのピンク髪の毛のままあくびをして入ってきた。大騒ぎしている二人を見て目をギョッとさせた。
「ちょっと、トンクスどうせ貴方でしょう! セーターですよセーター‼‼」
「また、オスカーとクラーナがセーターを交換してるの」
「ええ、ちょっとなんなの、いくら三十部屋埋めないといけないって言っても十二歳から始めないでもよくない?」
「やかましいですよ‼ 今度という今度は怒りましたよ‼ 必要の部屋の決闘場でオスカーみたいに細切れにしてやりますよ‼‼」
「細切れにはしてないの…… 必要の部屋……?」
トンクスが加わってさらにオスカーの部屋はうるさくなった。このままだとドロホフ邸に泊まっていた人たちは全員起きてしまうのではないだろうか? オスカーは確実にそうなると思った。
「これですよ‼ これ‼」
そう言って、二枚のセーターのイニシャルをクラーナは指した。
「えっ、もうばれたの、二人が着てきた所を写真に収めようと思ってたのに」
「こいつ、やっぱり貴方がフレッド・ジョージに指示を出したんでしょう‼」
「必要の部屋‼ 必要の部屋なの‼‼」
大騒ぎする二人よりも大きな声でエストが叫んだ。
「へっ? なんですか?」
「えっ何? 必要の部屋?」
エストの顔はなにか、ずっと考えていた難問が解けたような顔だった。
「レディは秘密の通路やホグワーツの階段をお母さんが作ったって言ってたの‼」
「レディ? 灰色のレディか?」
「そう、エストずっと考えてたの、もし髪飾りを手に入れたらどこに戻すのか」
「戻す?」
起きたばかりということもあってオスカーの脳みそはエストほど高速で回っていなかった。
「そう、ロウェナ・レイブンクローがホグワーツの仕掛けを作ったんなら、絶対に必要の部屋もロウェナが作ったに決まってるの」
「まあ、あんな部屋を作れる魔法使いなんてレイブンクローくらいでしょうけど」
「だからもし、エストが髪飾りを見つけたら、レディに報告した後にあの部屋に置きに行くの」
「エストはまだ髪飾りを探してたの?」
そうトンクスがオスカーの方を見て聞いたが、そんなことをエストがしてるところをオスカーは見ていなかったので、首を振った。
「違うの、レディは髪飾りを求めてはいなかったの、もう失われたままでいいって言ってたよね?」
「そうですね、失われたということが重要だって言ってました」
「だから、必要の部屋なの、必要の部屋なら本当に髪飾りが必要な人だけに見つけさせることができるの」
「よくわからないんだが?」
珍しくエストは興奮していた。こんなエストを見るのはオスカーがコンパートメントであった以来かもしれない。
「その人がアルバニアで見つけたのかは分からないけど、もし見つけたなら、自分の次に必要な人の手に渡るように必要の部屋に置くんじゃないかって思うの」
「他の人の手に渡るように?」
「そう、だってあのレディが自分のことを喋りたいような人なんだよ? きっと、エスト達以上にホグワーツに憧れて、色んなことを知ってた人だと思うの、だからそんな人なら必要の部屋のことも知ってたと思うし、次の人に見つけさすように必要の部屋に髪飾りを置くと思うの」
エストの眼はキラキラと輝いていた。自分と同じような考えを持つ人を見つけたような、どこか、一緒に規則を破る共犯者を見つけたような、そんな顔だった。
オスカーにはなぜ、エストがスリザリンに配属されたのか少しだけ分かった気がした。
だけれども、レディが前に話した人物について語った時のあの表情が胸のどこかで引っかかった。