歴史は変わった。黒瀬正継はかつて日本国を治めた陛下を思い出せず、故に天鏡島に赴いた後、南方諸島に散る事も、後の世に軍神として祀られる事も無かった。
彼は当時の綾之峰家当主の計らいにより、天鏡島に滞在した唯一の男として、当時の巫女姫と正式に祝言を挙げた。
各国の帝国主義的政策の終焉と時を同じく、綾之峰家は星読みの巫女らの縮小と、本島への日本国民への立ち入りを許可。
観光名所として多くの旅行客を饗したのは、黒瀬と当代星読みの巫女たる凛との間に儲けられた一人娘、歌凜子であり、彼女は祭事を勤める傍ら、良き男性と出会い子を儲けた。
そして、時は流れ二〇一四年。
天鏡島の本島で曾孫達に囲まれながら、歌凜子は終生仲睦まじく、死後も同じ墓に入った両親の墓地を清めている───
◇
───同年、春。
じゅうじゅうと音を立てるフライパンから、香ばしい匂いが漂う。
こんな日くらい自分が料理をすると峰子は申し出たのだが、どうにも息子は聞き分けが悪い。
「昨日まで海外だったんだから、ゆっくり休んどけって」
これである。粗野な物言いだが親子の、それも思春期の息子である事を考えれば、充分過ぎるぐらい良い子だろう。
敬語など使われては背中がむず痒いし、何より似合わないと笑ってやるところだ。
「そう言えば、万里華が褒めてたわよー。登郎は筋が良いし、本格的に
「へぇ。暫く来なくていいって言われてたけど。そっか、母さんと一緒のとこに出てたのか」
偶然にしては同じような
トーストを齧りつつ、テレビをつける。画面を観れば、穏やかな笑みを讃えた老婆が、多くの子供たちに囲まれていた。
『昨日、めでたくも百十歳を迎えられた綾之峰先々代当主、百合華様の誕生日を祝うべく、全国の小学校から代表として集まった生徒たちが花束を贈呈されました。
百合華様は入学式を明日に控えるこの日に、自らの為に新たな門出を控える生徒たちを集めるのは心苦しいとの事でしたが、生徒らと保護者から是非にとの希望により、快く受けられたとの事です』
「長生きなお婆ちゃんよねー」
「優しそうな顔だよなー。苦労も多かったろうに」
「若者がなに知ったような口利いてんだか。それより、ちゃんとしときなさいよ。入学式、その百合華様も来席されるんだから」
判ってるよ、と手早く平らげて空になった食器を洗い終え、身嗜みを確認する。
カラーの付いた昔ながらの学ランは少々古めかしい気もするが、伝統的な気風漂う高校には、この手の制服はらしいと言えばらしいだろう。
「しっかし、よくあの倍率で受かったもんだわ。何? そんなにお嬢様の花園に突撃したかったの?」
「何度も言ったけど、近場だし学費も安いから狙っただけだっての」
勿論、峰子の言う通り、年頃の男として高嶺の花に憧れていたというのも無い訳では無かったろうが。
「ただ……そうだな。何でか分かんないけど、何となく受けなくちゃ駄目な気がしたんだよ」
「何々。運命とかそういう奴? 女の子じゃあるまいし、正直気持ち悪いわよ? 第一、お嬢様って言っても現実はそんなに憧れるようなもんじゃないし」
「そりゃあ、母さんはあそこのOGだもんな」
元はお嬢様だったという話だが、たまの電話は酔っぱらいながらの物が多いし、いざ帰っても夜にはビールと安い肴に舌鼓を打つ様を見れば、その手の幻想など容易く砕け散るものだ。
「今日は早いんでしょ? 夕ご飯は私が作るから、さっさと帰りなよ」
「判ってるって。じゃあ、行ってきます」
行ってらっしゃーい、という明るい声に送られて、玄関を出る。
うららかな陽光の下、小春日和の優しいそよ風と、爛漫の桜が出迎えてくれた。
◇
「だーかーらー! もう着いて来ないでって言ってるじゃんか!」
「冷たいこと言わないでくれよぉ。パパは征綺
「…………」
目の前の光景に、思わず本能的に携帯を開いて一一〇番をプッシュしかける。
どこからどう見ても胡散臭げな中年が、美少女にベタベタとしているのだから当然だが、それを目聡く見つけたのか、中年が全力でダッシュしてきた。
「ちょっと待ちたまえ少年! 俺とこの子は紛れもない親子だ! だから本日三回目になる通報は勘弁してくれないかね!?」
だったら懲りろよ、と見るからに駄目さ加減が際立つ父親に、辟易しながらも携帯を仕舞う。
「あれ? もしかして君、入学生?」
「そうだけど……ひょっとして同い年か?」
うん! と力強く頷かれる。学園案内のパンフレットで見た女子の制服と同一であった事から同じ学園の生徒だろうとは思っていたが、一歳差程度であれば顔立ちからでは判別しづらい為、先輩なのではと勘ぐってしまった。
「じゃあ、パパ。エスコートは彼にして貰うから、ちゃんと仕事に行ってよね」
「うぅ……気を付けて行くんだぞ。それから君!
「はいはーい、露骨に脅したりしないの。じゃあ行こっか。僕、征綺香。君は?」
「
「俺か……うん、君らしくて良いと思う」
「俺らしいって……」
まさか、名前でなくそちらを褒められるとは思わなかった。このごつい
「ああ、安田君……だったか。ちょっと良いかな?」
「まだ居たの?」
さっさと仕事行けと征綺香は半目で睨むも、先程とは違い、真剣な面持ちの父親に安田は背筋を正して振り返った。
「えっと、何か?」
「いや……何故だろうな。君とは、何処かで会った気がする」
「パパ、そういうのは僕の台詞だと思うんだけど?」
「話の腰を折らないでくれ……それで、な。正直に言うと、お礼を言わなくてはならない気がするんだ。やっと───、本当の意味で生きて行けると」
どうしてか。胸を打つその言葉に込み上がる物を抑えながら、ゆっくりと安田は返す。
「……気のせいでしょう。俺は娘さんとも、お父さんとも初対面です」
「え!? 今のプロポーズ!? お義父さんって言ったよね今!」
「パパは認めんぞ! 会って間もない男に……あー、すまんね。娘はいつもこうなんだ」
そうですか、と何となく安田はこの親子とどう接するべきか分かった気がした。
「それで……ああ、確かにそうだな。忘れてくれ」
「はい。でも───」
安田も、何故か言いたい事があった。
「───娘さんと、ずっと仲良くして下さい」
「勿論だ。ああ、言われるまでも無いさ」
家族は宝物だからねと頷く父に、安田も笑う。もし、自分が父親になったら、彼にように在りたいと思ったから。
そして、そう返してくれた彼の笑顔が、本当に嬉しかったから。
◇
「それでね。ママは浮気性だし元々家同士の縁談だったから、パパは離婚した後で強引に小さかった僕を連れて渡米しちゃったんだ。その後は必死にやりくりして、今じゃ社長さんになっちゃったんだよ」
だから、所謂帰国子女って奴だね、と聞いてもいないのに征綺香はペラペラと身の上を語ってくれたが、どうしてか安田自身も聞いておかなくてはいけない気がした。
「登郎の家族は、どんな感じ?」
「親父が空手バカなのと、母さんが綾之峰のOGだった以外は普通かな? あと、この町に慣れてないのは俺もなんだよ。親父も母さんも転勤族で、この町にも親の仕事と姉さんの志望大学が重なったから引っ越したんだ」
だから、道案内とかは期待してくれるなと苦笑交じりに頬を掻く。
同い年の、それも可愛らしい女の子と肩を並べて歩くというのは気恥ずかしい筈なのだが、何故か彼女とはそうした壁を感じなかった。
「そこは別に大丈夫かな? 道やお店はスマホとかで調べられるし、新しい発見があって楽しいじゃん」
そうだな、と並木道を歩きながら笑い合う。傍目にはまるで恋仲のようだが、お互いに、そういう感情は湧いてこない。ただ、一緒に楽しめる日常を噛み締めている事が、嬉しいという気持ちが大きかった。
「着いたみたいだよ?」
言われ、白亜の城のような校舎と、門の大きさに息を呑んだ。
綾之峰学園。歴史あるこの学び舎に、一歩足を踏み入れようとして───
─── 一陣の風が、桜吹雪と共に少女らを運んだ。
容姿端麗。正にそう呼ぶに相応しい
「なぁに? 僕よりあっちの子達が言いの?」
可愛らしく口元を尖らせながら、顔を抓ってくる征綺香に、奪われかけた視線を戻す。
「いや……ちょっと、気になってさ。ほら、綾之峰の」
「ああ、そっか。英里華はともかく、銀香は普段テレビとかに出て来ないもんね。綾之峰の次期当主の英里華と、隣の銀髪が双子の妹の銀香。それにあっちの眼鏡の子が、侍従の芹沢ね。
ここだけの話、英里華は公務でテレビにもよく出るけど、結構銀香と入れ替わって羽を伸ばしてるんだ」
「随分詳しいんだな。ていうか、お姫様を呼び捨てかよ」
「そりゃそうさ。だって僕も、元は綾之峰の人間だったからね」
今は遠戚の名字を使ってるけど、と何食わぬ顔で征綺香は言ってのけた。
「マジか。じゃあサインとか貰えちゃう訳?」
「はっはっは! こやつめ! 傍に居る可愛い女の子を出汁にしようとは!」
多少なりとも加減していたが、もう容赦は要らぬとばかりに思い切り爪を立てた。
「いだだ! 悪かったって!」
フン、と鼻を鳴らす。そんな様を見てか、三人の少女はこちらを見やり───
「───え? あれ?」
瞳が、熱いもので潤んだ。
「ど、どうしたの登郎? そんなに痛かった?」
ごめんね、と思わず抓った手を離されるが、大丈夫だと安田は宥めた。
「いや、大丈夫。多分、花粉かなんかだと思うからさ」
もう、涙は出ない。きっと、春の陽気にでも当てられたのだろう。
◇
「では最後に。本校に入学し、新たな門出を迎えた入学生と在校生一同に、綾之峰百合華様よりお言葉を賜りたいと思います」
一同、起立。という英里華の良く通る声に立ち上がる。
ゆっくりと歩を進めた百合華は、その齢にも拘らず、杖すら突かずに壇上にて生徒を見渡した。
「皆様。ご入学、おめでとうございます」
ゆっくりとした、しかし、滑舌の良い声だと安田は思った。同時に、テレビで観たのと同様、優しい御方なのだとも。
「今日という日を迎えられた事。
ふと、微笑みの形が変わった気がした次の瞬間に、思わず視線が合って安田は萎縮してしまう。そんな若者らしい姿を見取ってか、百合華は笑みをより深く、そして穏やかなものにしながら話を続ける。
「その方が何者かは、私は生涯申せません。ですが、私は今生の限り、その御恩に報いたいと思っています。託された国を護り、そして、その方が私にして下さったように、明るく、優しい思いに満ちた人々で溢れる国であって欲しいと思っております。
皆様。皆様には、大事な方が居られますか? 在校生の子女の皆さんは、人生を親や、生まれついたしがらみに定められたものと考えてはいませんか?」
それは違いますよ、と。百合華は静かに窘める。
「本校が共学制となったのは、新しい風を吹き込む為です。閉ざされた場所でなく、他者と、異性と触れ合い、互いに練磨し、新しい世界を知って頂く為なのです。
どうか、心を閉ざさないように。人生を悲嘆しないように。希望を抱いて、一歩を踏み出して御覧なさい。そうすればきっと、思っていたものとは違う未来も有る筈ですよ」
一同、礼。と英里華が締めた後に、着席する。満足げに席に戻る百合華を目で追っていると、横に座っていた征綺香が肘で小突いて来た。
「ある方って誰かな? 浮気相手だったりとか?」
「邪推してやるなよ。多分、そういうのとは違うと思うしさ」
あれはきっと、恋心からの物ではない。ただ、本当に恩を返したかったのだろう。
それが何なのかは、今を生きる安田には判らない。ただ、綾之峰百合華を大きく変えた切っ掛けなのだろうという事を除いて。
◇
何気ない一日の時間は、流れるように過ぎて行く。
教室や授業の説明も、校内での規則も、その全てがどうにも聞き覚えがあるしてならない。
“既視感ならぬ、既知感って奴かな?”
荒唐無稽な事で、誰かに話せば笑われてしまいそうなものだが、それでもそう感じずにいられないのだから仕方ない。
「ねぇねぇ、登郎! 折角だしさ、帰りに寄り道して行こうよ!」
「入学初日から補導とか洒落にならないっての」
むぅ、とリスの様に愛らしく頬を膨らませたが、駄目なものは駄目だと突っぱねる。
唯でさえ両親に武道漬けにされたせいで、居並ぶ男子生徒の中では成績が宜しくない身だ。ここで下手に問題行動を起こして、入学一年目に退学などという破目になるのは不味すぎる。
「ほれ、携帯番号とメアド。休みとか時間のある日なら何時でも付き合ってやるから」
「わぁ! 積極的!」
ほっとけと言いたくなる。第一、安田以外の男子にも片端から友誼を結んでいた女が、何を今更という話だ。
「じゃあな。また明日」
「え~? 一緒に帰ろうよ~?」
「いや、そうしたいとこなんだけどな」
悪い、と両の手を合わせてから視線を誘導する。征綺香が釣られて見た教室の入り口には、一人の少女が立っていた。
「あれ? 何であの子が居るの?」
「分かんねぇけど、顔貸せってさ。校門で見てたのがバレたらしい」
「うわ。ご愁傷様」
骨は拾っといたげるからね~、と。本気なのか冗談なのか判らない声で手を振って別れる征綺香を見送った後に、振り返る。
「待たせたな」
既に衆目を集めてはいたが、構わない。
着いてこいという言葉に従って、教室を後にした。
◇
訪れたのは、一応は学園の敷地内になっているという、それなりの大きさの泉だった。
特に曰く付きという感じでも、また、何かがあるという訳でも無い。
なのに───
「───懐かしいか?」
嗚呼、そうだ。確かに懐かしいと、安田は思わずに居られなかった。
だろうな、と。少女は淡く微笑む。何故だろう? 一体どうして、初めて逢う筈の少女は、こんな儚げな顔をするのだろう?
「やっぱり、忘れたんだな」
寂しいけれど、判っていた事だと。微笑みの中の諦観に、どうしてか安田の胸が締め付けられた。
「良いさ。だから、今度は私が覚えておく事にしたんだ……今生に限って、な」
何を、とは問えない。けれど、それが危ういものだと。どうしようもなく、取り返しのつかない事をさせてしまったような気がしてならなかった。
「待てよ……何を、一体何を払ったんだ!?」
自分が何を言っているのか、口にした安田すら判らない。だが、それがどうしても怖かった。この少女が、どんなものを犠牲にしてしまったのかが怖くて耐えられなかった。
「違う。これから払うんだ」
そうだろう? と振り向いた先。彼女の背後には、この世のものでない存在の姿があった。
仙女と。泉より現れた美女を例えるならば、それ以上の表現はないだろう。
或いは、織姫を思い浮かべるのが早いかも知れない。唐代の衣装に身を包み、羽衣を揺らす様などは、天の川にて彦星を待つ見目麗しき美女そのもので……その存在を、安田は理解するより先に口を開いていた。
「……奪うなら、俺から奪え」
掠れる声で、女神にそう呟く。その様を見てか、感じ入ったように女神は手招くも、少女は間に割って入った。
「駄目だ、安田。これは私が───」
「なれば、両人とも泉に入るが良い」
拒否権はないと。そう言外に告げた女神の元へ、横並びに進み出る。ふと、温かな感触が伝わった手は、少女が繋いできたものだった。
「睦まじいものだな」
湛えられた微笑み。揺れる羽衣が泉に入った二人を包み、そのまま泉の底へと引き摺り込まれた。
「「…………!?」」
───深く、深く。
息すら忘れるほど唐突に沈む中で、女神は見届ける様に両人と共に落ちて行く。
“これは……何だ?”
潜る度、底に向かい沈むごとに、自分の中の何かが拾われ集まって行く。水底に沈めたまま忘れてしまった何かを、ある日突然拾い上げて思い出す様に。
それが、安田自身の、本来経験しなかった過去と未来なのだと知った時、脳裏に様々なものが蘇って行く。
たとえばそれは───初めての出会い。
たとえばそれは───学園での再会。
たとえばそれは───告白をされた日。
たとえばそれは───想いを伝えた時。
たとえばそれは───別れの間際に伝えた言葉。
ステンドグラスの様に、鮮やかに色づく全て。
失う事を選んだ筈の安田自身が、二度と取り戻せないと知りながら、泉に投げ入れた宝石の時間。
「どうして……」
抱え上げられた
これは、安田自身の意思で差し出したものの筈なのに。
「一度くらい───女神らしい事をしても良かろう?」
童話に見る慈愛の女神の様に、淡く微笑むその姿を美しいと思いながらも、同時に安田は納得できない思いもあった。
女神の法は、女神自身すら破れない。対価となるものは、それに見合うものを差し出さなくてはならない筈だ。
「そうじゃな。だから、妾が払ったのよ。美しい
時間を、運命を、あらゆるものを乗り越えても繋がる想いを見たいと願った。
青く拙く、けれど穢せない想いをその瞳で見届けたかった。
「願いは叶った───対価は主ら二人分の命数じゃが、何。合わせた所で二百にも届かんよ」
「ですが……」
命数を差し出すという事は、永遠ではなくなるという事だ。幾千の時を経ようと、定めぬ限り終わりの見えない筈の存在に、何時かは打たねばならないピリオドを定めてしまう事だ。だが、それさえ構わないと女神は笑った。
「人はいずれ死ぬ。国も世界も星も、いずれ死に絶える。ならば、神とていずれ消えゆく定めにあるのは当然じゃ」
悠久ではあれど
限りあるからこそ、何かに誓いを立てて懸命に生きて行ける。
輝くものがいつか消えるのだとしても、そこに放たれた光を見た誰かは、それを美しいと感じるだろう。
泉の女神が、己の生涯と比べれば、余りに儚く短い二人の恋に胸を打たれたように。
この二人の、長くも短い人生が、幸福なものであって欲しいと願ったように。
───これこそが、人を見守る神の在り方だと女神は定めたのだ。
「末永く笑い、最期まで添い遂げるのじゃぞ」
そうして女神は、光の泡となって消えて行く。
二人はそれを見届けて、やがて示し合わせたように互いを見つめた。
春の風に誘われてか。浮かぶ薄紅が二人を囲む。
「もう一度、君に告白しても良いだろうか?」
叶えてくれた女神の願い。
最後の言葉を形にする一歩として、安田は少女に問いかけて───
「勿論」
───私も、そう言おうと思っていたと少女も笑う。
これから先。穏やかな世界の中には、きっと過去のような目まぐるしい事件は無いのかもしれない。
平凡で、平穏で、在り来たりで愛しい時間。誰もが送り過ごす日々を、二人も生きて行くのだろう。
互いに手を取り、肩を貸し、時には喧嘩をする事もあるだろう。
けれど、その日々を二人は輝く
謹呈の世 銀嶺の今 完
ご愛読、ありがとうございました!