馬鹿と??と「おるたな」なガーゴイル。   作:亜莉守

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第十一問

 

元Fクラス、現Gクラスの教室で作業が完了したぼくらは一斉に伸びをした。結構頑張ったよねー。

 

「はーすっきりした」

「おう、これだけやれば大丈夫だろ」

 

目の前に広がるのは健康そうな畳に新品同然のちゃぶ台、座布団は綿も入ってふかふかだ。黒板はちょっとばかしおじさんと相談して入れてもらった高性能黒板だ。

ようはモニターなんかと原理は一緒だがそこはトーグー、お兄ちゃんが提案した予習能力で事前に黒板を書いておけば指定したコードによって瞬時に書いておいたものを表示できるようになっている。お兄ちゃんとしてはノートの取り逃がしを防ぎたかったんだろうなー。

 

「それにしても凄いわね。あの黒板いいの?」

 

美波が聞いてきた。まあ、心配にもなるよね。(とりあえず)一般の学校にこんな高性能な黒板を入れるとか、普通はあり得ないし。それにこれトーグーの試作品だしね。

 

「いいって、いいって おじさんに頼んだらタダでいいって言われたし」

 

まさかタダでくれるとは思わなかったよ。そう? と言って美波はそれ以上何も言わなかった。それから美波がちょっと席を外す。すると須川君が近寄ってきた。

 

「つかさ、お前たちが東宮だってばらしているようなものじゃないか?」

 

須川君にツッコミを入れられる。須川君はぼくらの家庭内事情を知っている数少ない友人だ。ぼくらが東宮の人間だってことで事件に巻き込まれたのも知ってるから慎重になるのかもしれない。でも、明葉がすぐに返す。

 

「いーや、もしかしたらおじさんって言うのはトーグーの開発チームのメンバーかもしれないぜ?」

「屁理屈だろそれ」

「屁理屈上等」

 

明葉と須川君が言い合いしているのを見ていると、さっきちょっと席を外したみっちゃんがこちらへ来た。

 

「あの……なっちゃん」

「みっちゃん、どうしたのー?」

 

ちょっと深刻そうな顔してるけど一体どうしたんだろう?

 

「さっき、Eクラスの人が来たんですけど」

「ん? 何で?」

 

ウチの学校って、他のクラスと交流持つ方が珍しいんだよね。一体何の用だろう?

 

「それが試験召喚戦争を申し込みに来たと」

「はい?」

 

急に何?! あれか、設備がいいから奪いたいとかいうやつか。その話を聞いた(実は居た)雄二が呆れたように言う。

 

「しょうがねえな。戦争、受けるか」

 

あ、ちなみに代表は雄二なんだよね。他のみんなが遠慮した結果こうなったわけだけど、まあ適任かな? さくっと受けるとか言ってるけど……。

 

「ちょっと待って、ウチのクラスってEクラスより上位なの?」

 

そこが問題だよね。一応上位クラスは下位クラスの挑戦を受けないということができないけど逆は違う。一つか二つ上だったかそこらへんくらい前の学年が上位クラスの優位性を示すために下位クラスを狩ったことが原因で、下位クラスは上位クラスのの挑戦を受けないという選択肢が選べるはず。

 

「あ、その辺確認するか。明葉、宮坂先生呼んで来い」

「えーまあ、いいけど」

 

陽炎先生出て行っちゃったしなぁ。明葉、お疲れ様。明葉と入れ違いで美波が入ってきた。ちょっと難しそうな顔をしている。どうかしたのかな?

 

「明奈、さっきDクラスから使者が来たわよ。試召戦争申し込みに来たらしいわ」

「うげ、そっちまで?」

 

EだけじゃなくってDもか、どんだけクラス設備が酷いんだろう?

 

「明奈、そっちって?」

「実はねー」

 

とりあえず先ほどの話を話す。

 

「嘘でしょ?! Eクラスまで?!」

「でしょー。どうしろってんだぁ!!」

 

僕が叫ぶと同時に教室の扉が開いた。

 

「話は聞かせてもらった」

「「「先生!」」」

 

陽炎先生が入ってきた。手には何かパンフレットみたいなものを抱えている。何だろう、あれ。首を傾げていると先生が教卓をバンと叩いた。あ、崩れないんだ。

 

「俺たちのクラスは学年の中でも最下位ということになっている。まあ、人数の少なさから言えばこれが普通だな」

「じゃないとやってられないぞ」

 

雄二が言った。そうだよね。そうでもなくっちゃこのクラスはすぐに下の方のクラスの餌食になりそうだし。

 

「そして、このクラスに挑む場合には特別ルールが施行される」

「特別ルールですか?」

 

みっちゃんが陽炎先生に尋ねた。陽炎先生がよくぞ聞いてくれたという感じでにやっと笑って言った。

 

「ああ、代表者同士による一対一の一騎打ちだ」

「おお、こっちに無駄に有利だな」

 

明葉がボソっと呟いた。でもまあそうだよね。そうでもないと勝てるわけがない。

 

「ただし、デメリットもある。例えば五回戦やるとしたら二回しかこちらは教科を選択できないんだ」

「なるほど、ハンデってわけか」

 

向こうに勝ち目を与えるためのハンデなんだろうなぁこれ。でもどうにかできる要素は増えてきたね。

 

「それで、EクラスとDクラスどっち受けるの?」

「「「あ」」」

 

そうだった。二クラスから戦争の申し込みが来てるんだった。

 

「とりあえずどちらがいいか多数決でも取るか」

「ウチはDは遠慮したいのよね。なんか嫌な感じするから」

「俺も同じく、なんか呪われてる気がする」

 

美波と明葉にはなんか嫌な予感がするらしい、他のみんなは特に希望は無いとのことで、Eクラスと一対一の一騎打ちをすることになった。

 





読み返してみて何でこんなに雑だったんだろうとか絶望した。

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