Fate/apocrypha La Divina Commedia   作:K-15

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第十一話 嘲笑

 霧となり逃げるランサーは振り向く事もせず一目散に進む。目的の物はすぐ目の前だ。実体化すると木製の扉をぶち破り、前のめりになりながらも前に進む。

 

「聖杯は……大聖杯だけは誰にも……」

 

 吸血鬼となり戦闘能力が強化されたランサーが今や形無しだ。それでも形振り構っては居られない。背後からは悪魔が迫っているのだから。

 震える体で腕を伸ばし扉に手を付くと力任せに吹き飛ばす。ようやく辿り着いた大聖杯の保管場所。が、目の前には見慣れない男の姿。その手に握るは黄金に光り輝く大聖杯。

 

「貴様、何者だ!」

 

「おや? 私の事をお忘れですか?」

 

「何なのだ……この震えはランサーの物ではない。私が怯えている?」

 

「初対面でもないのに自己紹介をすると言うのもやぶさかではありません。ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア……」

 

「貴様は!? そんな馬鹿な!」

 

 目を見開くランサーが見つめる先、大聖杯を手に取る神父の姿。それは赤のアサシンのマスターでもあるシロウ・コトミネ。

 彼の体が震える原因はコレだ。

 ゆっくり歩を進めるシロウは吸血鬼を前にしても笑みを崩さない。

 

「何を驚く事があるのです? 貴方が生きているのです。私が生きていても不思議ではないでしょう」

 

「くッ!? 忘れる筈もない。六〇年前、冬木の聖杯戦争で貴様と戦った。その時のサーヴァント、ルーラー!」

 

「えぇ、そうですよ。貴方は魔術を行使して延命しているようですね。私とは少し違いますが」

 

「亡霊が! 大聖杯を渡しはしない!」

 

 爪を突き立て牙をむき出しにしてシロウに向かって駆けるランサー。それでもシロウは落ち着いて行動を起こす。十字架を催したサーベルを一本取り出し、目前に迫る吸血鬼を捉える。大きく振り下ろされる爪を半身を反らして避け、その一瞬の隙に切っ先を心臓部に突き立てた。

 本来ならこの程度の攻撃はダメージにすらならない。が、突き立てられた剣からは蒼炎が上がり吸血鬼は反撃すらできず悶え苦しむ。

 

「ぐがぁぁぁァァァッ!?」

 

「私はルーラーであったと共に今では聖職者です。吸血鬼の事は良く知っていますよ。その能力は確かに強力ですが同時に弱点も生まれる。浄化の力を持つ武器に弱くなる。こんな細い剣一本でも――」

 

 引き抜くシロウは握る剣で更にX字に斬り付ける。吸血鬼の斬られた部位からはより大きな蒼炎が上がり、より大きな悲鳴が響き渡った。

 

「グギャアアアァァァ!?」

 

「簡単に倒す事ができる。もはや立っているのもやっとでしょう。では祈りの時間です」

 

 剣を構えるシロウ、最後の時を迎える吸血鬼に静かに詠唱を歌う。その唇から発せられる詠唱は吸血鬼が最後に耳にする言葉だが、悲鳴と絶叫、燃え盛る蒼炎の音のせいで彼の耳に届く事はない。

 

 私が殺す。私が生かす。私が傷つけ私が癒す。我が手を逃れうる者は一人もいない。我が目の届かぬ者は一人もいない。打ち砕かれよ。

 敗れた者、老いた者を私が招く。私に委ね、私に学び、私に従え。

 休息を。唄を忘れず、祈りを忘れず、私を忘れず、私は軽く、あらゆる重みを忘れさせる。装うなかれ。

 許しには報復を、信頼には裏切りを、希望には絶望を、光あるものには闇を、生あるものには暗い死を。

 休息は私の手に。貴方の罪に油を注ぎ印を記そう。

 永遠の命は、死の中でこそ与えられる。

――許しはここに。受肉した私が誓うこの魂に憐れみを。キリエ・エレイソン――

 

 喉元に突き立てられる最後の一撃。鋭い切っ先は空気を斬り裂き、吸血鬼の皮膚を貫かんとする。だが、吸血鬼を狙う存在はもう一人。

 銃声が鳴り響き、シロウが握る剣が弾き飛ばされた。

 

「ほぅ……もう来ましたか」

 

「そいつは俺の得物だぜ。勝手に横取りするなよな?」

 

 赤いロングコートを身に纏い右手には銀色の銃、背中には鍔に髑髏が彫刻された大剣を背負う男。歩み寄る彼の姿が影から現れる。

 

「ダンテ……彼女のボディーガード」

 

「あぁ、でもソイツをぶっ倒さないとクビになるかもな。だから譲ってくれないか?」

 

「そうですか。ですが、もう遅い……」

 

 体に付いた蒼炎はもう消える事はない。力なく崩れ落ちる吸血鬼は全身が炎に包まれ肉が灰へと変わっていく。

 もはや立ち上がる事も声を上げる事もできない。燃える蒼炎に冷たい視線を向けるシロウ。

 

「これでランサーも消えた。そして大聖杯は我が手に……」

 

「大聖杯ねぇ……俺ならそんな胡散臭ぇのにわざわざ頼まねぇよ。あぁ、でも借金は返して欲しいな。そんでもって札束のバスタブに浸かりたいぜ。デザートにストロベリーサンデーを用意して、ベッドでぐっすり寝た朝にはデリバリーでLサイズのピザでも頼むか。勿論、オリーブは抜きだ」

 

「私はそのように刹那的な欲求の為にこれを使ったりはしません」

 

「そうかい? でもな、金だけじゃ欲求は満たせない。どれだけ金があってもできない事がある」

 

「そうですね。その意見には同感です。私の願いはどれだけの金塊や札束を積み上げた所で叶う事はない。この万能の願望機がなければ……ダンテ、貴方ならわかってくれる筈です。デビルハンターとして日夜、悪魔と戦う貴方なら……」

 

「俺の裏の仕事を知ってるのか。で、お前の願いは何なんだ?」

 

「ふふっ……私の願い。それは全人類の救済です」

 

 シロウの口から発せられる大聖杯に託す願い。けれどもそれを聞いた瞬間、ダンテは口から大きくため息を吐いた。

 

「やれやれ……何だってお前ら魔術師やサーヴァントは頼んでもねぇのにそんな大層な願いを考え付くんだ?」

 

「おや? 私の願いを理解して頂けないですか?」

 

「聞きたくもなかったぜ」

 

「では何故、貴方は悪魔を退治するのですか? 理由もなく戦っているのですか?」

 

「ガキの頃に殺されかけたし、恨みもある……でも一番の理由は決まってる」

 

「ほぅ……」

 

 リベリオンを構えるダンテは一気に詰め寄ると右腕を突き出した。ミサイルのように鋭い一撃が繰り出される。

 しかしシロウも無防備にここまで来た訳ではない。召喚した赤のアサシンが影の中から現れると華奢な腕で切っ先を受け止めた。

 その腕は黒い鱗で覆われており、リベリオンの刃を受けても傷すら付いていない。

 

「お前がそこの神父のサーヴァントか?」

 

「如何にも……相手なら我がなってやろうか?」

 

「良いね、刺激的な女は好みだ」

 

「刺激程度で済むと思うなよ?」

 

 二人の鋭い視線が交わる。殺気が入り乱れ、火蓋を切るのはどちらが先か。

 しかしリベリオンが振るわれるよりも早く、アサシンの技が発動するよりも早く、更にもう一人の乱入者が現れた。彼女は地面を蹴り飛び上がると、握る旗の矛先を両者の間に振り下ろした。

 瞬時に反応する二人は後方に飛び退き、ダンテはリベリオンを肩に担ぎ、アサシンはマスターであるシロウを守る体勢に入る。

 

「無事ですね、ダンテ?」

 

「あぁ、この通り。今からダンスパーティーをやるつもりだったんだ」

 

「そうですか、良かった……我が名はルーラー、ジャンヌ・ダルク。赤のアサシンのマスター、シロウ・コトミネ」

 

 ちらりと視線を向けるジャンヌは胸をなで下ろし、旗の矛先をシロウに向ける。同時にその凛々しい瞳も彼に向けたまま彼女は口を開く。

 

「いいえ、天草四郎時貞……貴方は以前の聖杯戦争で召喚されたルーラーですね?」

 

「ふふっ……今と言う時にはそのクラスは何の役にも立たない。そう、冬木での聖杯戦争が終わり六〇年。受肉した私はこの時が来るのをずっと待っていた」

 

「かつての英霊が望まれもしない人類の救済などと……」

 

「私はもう引き返すつもりはありません。立ち塞がると言うのなら……」

 

 握る剣の切っ先を向けるシロウ。ジャンヌは怯む事なく言葉を続けるが、既に話し合う段階は等に過ぎている。

 

「今を生きる人々を尊いとは思わないのですか? ルーラーに選ばれた貴方なら――」

 

「その為の人類救済です。もう誰も、悲しい思いをしなくても良い」

 

 アサシンの口元が笑う。高濃度の魔力の光弾が複数、天井を突き破りジャンヌに襲い掛かる。視線を移すジャンヌは構えを取るが、それよりも早くに背後から抱きかかえられた。

 彼女の意思とは無関係に体が後方へ動く。

 

「ダンテ!?」

 

「トークショーは終わりだ、お嬢ちゃん!」

 

 ジャンヌを抱えながら右手に銃を抜くダンテは迷わずトリガーを引く。シロウに迫る弾丸だが、アサシンの鱗は容易に受け止める。

 そして破られた天井からは更に多くの光弾が降り注ぐ。

 舌打ちをするダンテはジャンヌを脇に抱えながら、光弾に狙いを定める。だが一発や二発で相殺できる威力ではない。

 背中のリベリオンに手を伸ばすが、赤い残像が視界に映ると光弾を一振りの元に全て薙ぎ払う。

 

「逃げるぞ!」

 

「デンジャラスガール! 良いぜ、付いて来いよ!」

 

「うるせぇッ! さっさと走るぞ!」

 

 敵対する二人に背を向けると一目散に走り出すダンテとセイバー。

 アサシンは右手を伸ばすと、降り注ぐ光弾がより一層激しくなる。突き破る光弾に残骸とガレキが飛び散りながら、二人は長い通路を駆け抜けた。

 

「ここであの女を倒そうとしたら城ごとぶっ壊れる。ムカつくけどな」

 

「でも聖杯は取られちまったな」

 

「奪い返せば良いだけだ!」

 

 振り返ると同時に大剣を振り下ろし、迫る光弾を撃ち返す。壁や天井を破壊しながら、セイバーは再び走り出しダンテに横並ぶ。

 

「取り敢えずマスターと合流だ。あのまま突っ込むのは幾らなんでも無謀だ」

 

「そう言う事もちゃんと考えられるんだな。戦うしか脳がない訳じゃないってか」

 

「俺の事を何だと思ってるんだ!」

 

 逃げながらも言い争う二人の横で彼女の声はか細い。ダンテは脇をつつかれるとようやく視線を向けた。

 

「あ……あの!」

 

「あん? どうしたお嬢ちゃん? じゃなかったか、今は英雄のジャンヌ・ダルク様か」

 

「抱えて貰わなくとも一人で走れます!」

 

「そうかい?」

 

 言うとダンテはジャンヌを手放し、着地する彼女も走り出すと彼の横に並んだ。

 

「こんな時じゃなけりゃ両手に花なんだがな」

 

「全く貴方は……」

 

「俺を女扱いするなッ!」

 

 そんな三人を他所に、シロウとそのサーヴァントはユグドミレニア城を後にしようとしていた。右腕を下げるアサシンは踵を返すシロウに付いて行く。

 

「良いのか? この場で仕留めずとも?」

 

「構いません。それより今は時間が惜しい。空中庭園に戻りましょう」

 

「わかった。マスターが言うのなら従おう。あのような雑兵、いつでも潰せる」

 

 

 

 第十一話 嘲笑

 

 

 

 城外へと逃げ延びる三人は空を見上げていた。同時に周囲の人間は何をするでもなくうつむいている。

 否、人間と呼ぶには語弊があった。白い制服を纏う彼ら、彼女らはホムンクルス。ユグドミレニアが戦力として扱う為だけに作られた人造生命体。

 その中で彼の存在はすぐ目に付く。ずんぐりとした体型、たるんだ二重あごと油ぎった顔。

 かつて黒のセイバーのマスターだったゴルド・ムジーク・ユグドミレニアが短い足を懸命に動かしダンテに詰め寄る。

 

「一体これはどうなっている!? 城がボロボロに……いや、それよりもダーニックはどうなった? ユグドミレニアはどうなるのだ!?」

 

「知るかよ。それよりもオッサン」

 

「私はまだそんな歳ではない!」

 

 唾と一緒に怒号を飛ばすゴルドだがダンテは気にも留めない。上空に向かって指を指すと話を続けた。

 

「あのでっかいのが赤の拠点ならアイツラもあそこに行った筈だ。ほら、ここから離れてく。この城には飛行機とかないのか?

 

「そんな物を用意してある訳がないだろ!」

 

「う~ん、どうするかな……」

 

 顎に手を添えるダンテは見上げる空中庭園をまじまじと見つめた。大聖杯が奪われた今、飛行機を手配して潜入するのでは時間が掛かり過ぎてしまう。かと言って状況を打開する名案がすぐに浮かぶ訳でもない。

 数秒の間考えていたダンテだが、ちらりと視線を横に向けると二人の姿が現れた。セイバーのマスターである獅子劫と黒のライダーのアストルフォ。

 

「セイバーもみんな無事だな?」

 

「マスター!? どうしてそいつが隣に!」

 

「まぁ慌てるな。どうやら敵対するつもりはないらしい。それにライダーが居ればあの要塞にも乗り込める」

 

「本当だろうな?」

 

 鋭い眼つきで疑いの眼差しを向けるセイバーにアストルフォはケラケラと笑顔を振り撒く。

 

「もう黒のサーヴァントもボク一人みたいだし、聖杯も持っていっちゃったんでしょ? だったら行くしかないじゃん! おいで、ヒポグリフ!」

 

 アストルフォの声に応じて空から一匹の幻獣が降りてくる。巨大な翼を羽ばたかせ減速するヒポグリフはアストルフォのすぐ傍に着地し顔をすり寄せた。

 

「よしよし! じゃあ行こう、早い方が良いでしょ?」

 

「まぁ、確かにな。今だけは信じてやる。マスター、乗ってくれ」

 

 ヒポグリフの背中に乗るアストルフォ、セイバーも獅子劫の腕を引くとそれに続けて乗り込ませる。この時アストルフォはある事に気が付いた。

 

「え゛ッ!? もしかして全員乗るの? セイバーとダンテも?」

 

「それしか行く方法がないって言ったのはお前だろ。俺も!」

 

 言うとセイバーは地面を蹴り背中に乗るとヒポグリフの膝が少し曲がる。首元を優しく撫でるアストルフォ。

 

「大丈夫ぅ? 無理しちゃダメだぞ?」

 

「じゃあ行こうぜ! 飛ばせライダー!」

 

「わかったよ。ダンテはどうするの?」

 

「足にでも掴まっていくさ。アンタも来るんだろ? 英雄様?」

 

 頷くジャンヌは視線を向けた。

 ヒポグリフが両翼を広げ、重たい体を動かしゆっくり四脚が地面から離れる。翼が羽ばたく時に生まれる風にジャンヌの前髪が揺れ、体が完全に浮き上がるとヒポグリフは空を飛ぶ。

 ダンテは最後に振り返るとゴルドに呼び掛けた。

 

「オッサン、借りてきた車は頼んだ」

 

「だから何度言えばわかる! 私はオッサンではない!」

 

「ヘヘッ、行くとするか英雄様?」

 

「わかりました」

 

 同時に地面を蹴る二人は右手で前足を掴む。

 

「フォ~ッ! 飛べるじゃねぇか。で、何か言いたい事でもあるんだろ?」

 

 どう見ても重量オーバーに見えるがヒポグリフは自在に空を飛び、移動を始めている空中庭園に向かっている。

 ジャンヌは風の音の声がかき消されないように口を大きく動かす。

 

「ダンテ、今までレティシアを守って頂きありがとうございます」

 

「仕事を頼まれたからな。だが、こんな事になっちまった。アンタが召喚されなかったらやばかった」

 

「少々強引ではありましたが、彼女を守る為です。本来なら私を召喚するには時間が足りていませんでした」

 

「でも居るじゃねぇか」

 

「ですからルーラーとしての能力を完全には行使できません。ここから先の戦いでお役に立てるか……」

 

「心配するな。ケツなら俺が拭いてやる。それに今はアイツも居るしな」

 

 言うとダンテはヒポグリフの背中に乗るセイバーに視線をチラリと移す。

 

「兎に角、今は時間がありません。彼の願い、人類救済……そのような願いを聖杯に託す訳にはいきません。彼は私が止めます」

 

「頼もしいこった」

 

 ヒポグリフは翼を羽ばたかせ懸命に空を仰ぎ進む。幸いなのは大聖杯を自らの手で奪取する為にシロウは空中庭園をユグドミレニア城に近づけていた事。それでも目指す場所は雲よりも高い。

 吹き付ける風が凍てつく。

 

///

 

 ダンテ達よりもひと足早く空中庭園に戻るシロウとアサシン。その玉座へ腰を下ろすアサシンは足を組み肘置きに腕を置く。

 

「雑兵共が追い掛けて来ているな。アーチャーとランサーを向かわせる。構わぬであろう?」

 

「えぇ、任せます。私は仕事がありますので。この大聖杯を……ヘブンスフィールを発動させます」

 

「マスターの願い……人類の救済か……叶えてみせろ」

 

「ご期待に添えてみせます」

 

 玉座を後にするシロウと魔術で外の様子を観察するアサシン。そうしている間にもダンテ達一行を乗せたヒポグリフが空中庭園に近づきつつある。

 

「我が庭園にケダモノなど……散れ……」

 

 アサシンが意識を向ければ庭園を囲むように配置された全長二〇メートルを超える巨大な漆黒のプレートから強力な光弾が無数に発射された。

 だがヒポグリフは幻獣、普通の動物とは違う。空中を縦横無尽に動き回り、それでも避けられない物は背に乗るセイバーが放つ赤雷が相殺していく。

 

「チィッ、忌々しい。アーチャー、ランサー、聞こえるな? 侵入者を排除しろ。それがマスターの指示だ」

 

 アサシンの声を聞き、影から二人の姿が現れる。赤のアーチャーとランサー。シロウの謀略によりマスターを殺された二人だが、利害の一致により今は彼の元に着いている。

 アーチャーの願いはシロウの思う願いと沿う物だ。

 

「アサシン……侵入者にあの男は居るか?」

 

「あの男? セイバーのマスターが一人、もう一人は我に刃を向けた愚かな男だ」

 

「アイツの相手は私がする。ランサー、異論はないな?」

 

「構わん。俺はセイバーとライダーを相手にする。ルーラーもとなれば少し骨が折れるがな」

 

「すぐに終わらせる……奴だけは私の手で仕留める」

 

 歩を進めるアーチャーは再び影の中へと消えて行った。異様な雰囲気をかもし出すアーチャーに、ランサーもアサシンも何も言わず視線を向けるだけ。

 けれども誰一人として気が付いていない。ダンテ達以外にも、この空中庭園に潜入する存在が居る事に。

 闇の住人が声を潜め、人々をあざ笑っている事を。




 黒のライダーの次回予告~
 今回からゲストを呼びたいと思いま~す! いよいよ登場しましたルーラーのジャンヌ・ダルクさんです! はい、拍手~!
 はぁ……よろしくお願いします
 それにしても良い走りでした。学生時代は陸上部に所属していたそうで
 陸上部? ですが昔から走るのは得意でした
 赤い服もとてもお似合いです! 朝は穴を下り夜はホストのお仕事なんて大変じゃないですか?
 あの……一体何のお話をしているのですか?
 次回! コラボは終わったけどアニメ化十五周年に備えよう! ド~ントミスイット!
 ねぇ! 何の話をしているのです!

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