Fate/apocrypha La Divina Commedia 作:K-15
「ルーラーはどっちだと思う? 俺らは右に行く」
ダンテを置いて空中庭園を進む三人の前に広がるのは二手に分かれる通路。豪華絢爛に構築された庭園内、床は真っ赤な絨毯がどこまでも広がっており、壁や天井には金の彩色が施されている。
分岐路で立ち止まるジャンヌに対して、セイバーは迷う事なく言ってのけると獅子劫と共に右の通路へと歩いて行く。
「待って下さい。ここはアサシンの体内に等しい空間。無闇に進めば何があるか――」
「止まっててもしょうがないだろ? 後ろはダンテに任せちまったんだ。なら進むしかねぇ」
「ですが……」
「ルーラーは左から行け。その方が最深部まで到達する確率が高い。こっちのことは心配すんな。俺が負ける訳がないからな」
二人を何とかして止めようかと考えるジャンヌではあったが、時間の猶予もない状況ではセイバーの言葉に従うしかなかった。
「ご武運を」
頷く彼女は二人へ呼び掛けると言われたように左の通路に向かって走り出した。魔力の流れのお陰で感覚で理解できるセイバーは振り返る事もなく、この先で待つ敵に備え闘志を蓄える。
「マスター、残るサーヴァントも残り四人だ。気合い入れてけよ」
「わかってるよ。それよりもルートは本当にこっちで合ってるんだろうな?」
「心配すんなって。俺の勘は良く当たるんだ。この先にいけ好かない奴が居る」
「ここまで来て勘で動くか」
口元に笑みを浮かべる獅子劫、この先では敵対するサーヴァントが待ち構えているかもしれないと言うのに二人は平常心を保っている。横並びで歩を進める獅子劫とセイバー。静寂とした空間に足音だけが響く。
「それにしてもデカイな」
「しかも趣味も悪い。これだけで相手の品性が伺えるってもんだ。あの扉の向こうから嫌なニオイが伝わってくるよ」
セイバーが言うように真っ直ぐ進む先にあるのは一つの扉。その先で何が待ち構えているのか、サーヴァントである歴戦の英雄でもあるセイバーには見ずとも予想が付く。
「あの先に居るのはアサシンだ、絶対にな。味方だった時に一回だけ見たがよぉく覚えてるよ。自分で自分のことを女帝って名乗りやがった。いけ好かねぇ女だ」
「できる限りのサポートはするが勝算はあるのか?」
「愚問だぜマスター。俺は叛逆の騎士モードレッド。王を倒すのは叛逆者って決まってるんだ。だからこの戦いも俺が勝つ」
「いつにも増して根拠がないな」
「良いんだよ、重要なのは結果だろ? それよりも……着いたぜ」
歩き進んだ先で待つのは観音開きの黒い扉。息を呑み扉を見据える二人、さっきまで冗談を話していた唇も途端に動きを止めた。
この先で敵が待ち構えている。ここを抜けた更に先では大聖杯を奪った天草四郎、そして生き残ったサーヴァントとの戦い。聖杯を手にできるのは最後まで生き残った一人のサーヴァントのみ。
故にこんな所で負けられない。自らの願望を叶える為にこんな所で負ける訳にはいかないのだ。
「行くぜ、マスター」
「あぁ、頼むぞセイバー」
互いに片手で扉を押し開ける。力を入れずとも開いた扉の先で、巨大な階段が伸びる頂点に設置された玉座。そこに座るのはこの空中庭園を創り出したサーヴァントであり過去の女帝。
警戒しながらも進むセイバーは赤のアサシンに挑発する。
「久しぶりだな、アサシン。お前みたいな奴にその玉座は似合わねぇよ。どきな?」
「生前のお前はこの位置にまで到達して居らんだな? その割には些か頭が高い発言ぞ?」
「なるほど……どかねぇって言うなら奪い取るまでだ。命乞いをするなら、今なら許してやるよ」
「ふふ、中々笑わせてくれる。だがお前の相手は此奴を始末してからだ」
幻獣の声が響く。二人は見上げると夜空から何かが落下して来た。それは羽毛を撒き散らしながら力なく地面へ激突し、立ち上がる事すらできずにまぶたを閉じる。そして影が走り、巨大な蛇が空から泳いで来るとアサシンの傍にまで来た。人間の体など簡単に飲み込めてしまえる程に巨大な図体。毒を滴り落とす鋭い牙は小柄な体を咥えこんでいた。
突き破られる皮とへし折られた骨。流れ出る血と毒が彼の体力を確実に奪う。もはや以前の陽気な姿は想像できないまで表情は苦痛に歪む。
「我の庭を羽蟲が飛び回っていたのでな。ちょうど駆除した所だ」
「ライダー!? 殺られたのか?」
「息の根は止めておらんがそれも時間の問題よ。ではライダー、敵とは言えせめてもの情けだ。バシュムの毒で充分に苦しんだろ? 今殺してやる」
親指と中指を添えるアサシン。音を鳴らせばその瞬間、彼女が召喚した大毒蛇は主の命に従いアストルフォを食い殺すべく力を込める。
だが苦しみながらも馬上槍を手にするアストルフォの目はまだ死んでいない。
「くッ! まだ……」
切っ先を突き立てるアストルフォは渾身の力を込めて大毒蛇の左目を貫き脳天にまで達する。傷口からはドス黒い液体が吹き出し、口内で起き上がり腰の角笛を取り出すと思い切り吹き付けた。
音色を吹き付けた相手の固有共鳴周波数と同調する振動波を放射し、体を貫く牙と共に頭を半分吹き飛ばす。
どうにか拘束から逃れたアストルフォだが体に受けたダメージは深刻で、大毒蛇と同様に力なく床へ落ちて行く。
受け身すら取れず、倒れ込んだアストルフォは息をするのもやっとだ。
それを横目で見るアサシンはつまらなさそうな表情をするが、今は目の前に立ち塞がる相手の方が先。大剣を突き付け闘志をむき出しにする敵が目の前に居る。
「行くぜ女帝様? テメェをぶっ殺して聖杯は俺たちが奪う!」
「何を戯言を? 逃げ隠れしようと思えば我なら幾らでもできた。でもそうしなかったのは貴様らを確実に葬る為だ。セイバー、ここは我の庭園であることを忘れているな」
指を軽く振り下ろすアサシン、その動作を目にした瞬間に直感が働くセイバーは傍に立つ獅子劫を後方に向かって蹴り飛ばした。
「逃げろマスター!」
「ぐぅッ!?」
吹き飛ばされた獅子劫は扉の外にまで飛ばされると受け身を取り立ち上がる。急いでセイバーの元にまで駆け付けようとするが、アサシンの元へ繋がる扉は固く閉ざされてしまう。
「クソ! 押すも引くもできない。サーヴァントの結界の一種か。なら……」
右手の甲に刻まれた赤い紋章、サーヴァントに対して使用できる絶対命令権。膨大な魔力を秘めた魔術の結晶を使えば魔法のような事でさえ可能になる。
その令呪の一画を使うと決めた獅子劫は急いで唱えると手の甲が赤く発光した。
「我の元へ馳せ参じよセイバー!」
しかし令呪の一画は消える事なく次第に発光も収まり、彼の声だけがこの空間に響き渡るだけ。
「令呪が発動しない!?」
「無駄だ、セイバーのマスターよ。我のマスターは他と違い令呪に少々詳しくてな。そうでなくともここは我の庭園、もう貴様らの思うようにはさせんよ。此奴を始末すれば次は貴様だ」
「セイバー! 俺の声は届くのか!」
「無駄だと言った。そこで震えて待っておれ。すぐに終わらせる」
最後にアサシンが一人静かに笑う声が聞こえると獅子劫はセイバーとの接触を完全に遮断された。
扉の中では全身を銀色の甲冑で纏ったセイバーが大剣を片手に地面を蹴る。
「震えるのはテメェの方だ!」
第十三話 騎士と女帝と
今まで立っていた所を見れば灰色のガスが足元が見えなくなる程に充満していた。毒ガス、どれ程の威力があるのかはわからないがガスが消えるまでは迂闊に地面に着地もできない。
セイバーは空中で剣を構えアサシン目掛けて落ちて行く。
しかし彼女も玉座の上で余裕の笑みを崩さない。
「羽も持たぬ蟲が空をどう飛ぶ?」
指を鳴らせば高密度の魔力のレーザーが複数、セイバーに向かって一直線に飛ぶ。セイバーは迫る攻撃に大剣を振り下ろすも自由の効かぬ状態では力が充分に発揮できず、無数のレーザー攻撃に壁まで吹き飛ばされる。
崩れ落ちる外壁、だが甲冑を纏うセイバーにダメージは通っていない。
「舐めんじゃねぇ!」
「しぶといな。ここで死んでおけば楽なものを」
「死ぬのはテメェだ。それに何度も言わせるな。そこで震えて待ってろ!」
壁を蹴るセイバーは斜め向かいの壁に向かって飛ぶ。アサシンの言うように羽もなければ空を飛ぶ事もできないが、ロケットの如く有り余るパワーで一直線に突き進む。空気を突き破りながら壁に到達、また壁を蹴り斜めに飛ぶ。
「行くぜぇぇぇッ!」
「ふふふ、余興には充分だ」
くいっと人差し指を向け更に魔法陣を展開させレーザーを照射する。だがセイバーの動きは早く寸前の所で光線を振り切りまた次の壁に到達すると今度は中央のアサシン目掛けて飛んだ。
当然向かって来る複数のレーザー。セイバーは勢いを殺さず今度は剣で受け流す。そして全身の甲冑の防御力があれば無傷とはいかずとも強引に詰め寄る事ができる。
「飛んで来てやったぜ! 唸れ赤雷よ!」
「全方位に展開」
全身から放出する魔力から生み出される稲妻がアサシンを逃すまいと周囲から襲い掛かる。そして正面からは大剣を構え向かって来るセイバー。
だが眉一つ動かさないアサシン、自身を囲むよう球体に魔法陣を配置させると指を鳴らしレーザーを発射した。
向かって来る赤雷は相殺され、セイバーの大剣と集結するレーザーとがぶつかり合う。
「ぐぅぅぅ! あッ!?」
軍配はアサシンに上がった。吹き飛ばされるセイバーは背中から地面に叩き付けられる。だが幸いにも赤雷で周囲の毒ガスごと消し去っており致命的なダメージはない。
立ち上がり剣を構えるセイバー。そこへ大毒蛇が牙をむき出しにして襲い掛かる。
「チッ、食われるかよ!」
剣を振り払うと同時に雷が落ちる。大毒蛇の脳天に突き刺さり鱗は焼け焦げ生命活動が停止した。それでも大毒蛇は一匹ではない。セイバーを喰らわんと口を大きく開けもう一匹が来る。
「雑魚の相手をしてる暇はねぇんだ。一気に突き進む!」
「キシャアアアァァァ!」
大口を開け喰らい付かんとする大毒蛇をジャンプして避けるセイバーはその図体へ足を着ける。そして切っ先を肉に突き立て血が滲み出るとそのまま走り出す。
「うらぁぁぁァァァッ!」
刃が肉を斬り裂き血を撒き散らしながら螺旋状の図体を走り抜けるセイバー。視線に捕らえるのは玉座に座るアサシンのみ。彼女の斜め後方からジャンプして斬り掛かる。同時に大毒蛇の体が力なく崩れ落ちた。
「その首貰ったぞ!」
「蟲が、さえずるな!」
だがまたしても刃は届かない。瞬時に魔法陣が現れ今度は無数の鎖がセイバーの四脚に絡み付き体の自由を奪った。大の字に固定されたセイバーの体、アサシンは彼女を自身の前にまで呼び寄せ鎖に魔力を流し、肉と骨を引き裂かんばかりに外へ向かって力を込める。
「ぐぅッ!?」
「あの戦いぶりは流石の我も少し関心したぞ、叛逆の騎士よ。だがこれ以上蟲に飛び回られるのは我慢ならん。ここらで終いだ」
右手を伸ばすアサシンは甲冑にまとわれたセイバーの顔に触れる。見る者に威圧感を与える双角と鋭い視線。彼女は目の隙間に指を掛けると力任せにそれを剥ぎ取った。あらわになるセイバーの左目から口元にかけてを見るとアサシンはニヤリと笑う。が、セイバーはそんな彼女の顔に唾を飛ばした。
「ケッ! 臭ぇんだよ、カメムシ女」
「……ッ、そうか……ならば苦しむように殺してやる」
頬の唾を拭うアサシンは整えられた爪をセイバーの肌に添えた。爪の先端が少女の柔肌を薄っすらと傷付け、毛細血管から一滴の血が。
その血は流れ落ちる事もなく外気に数秒触れると彼女の体内へ戻っていく。するとセイバーの様態が急変した。
「がはぁっ!? ぐう゛う゛う゛ぁぁぁァァァッ!」
「もうこの毒から逃れることはできんぞセイバー。我が宝具、シクラ・ウシュムはあらゆる毒を精製することができる。貴様の血をヒュドラ毒に変換し体内に戻してやった」
「あ゛あ゛あ゛ぁぁぁァァァッ!?」
「元は貴様の血だ、良く馴染むだろ? それに自らの血と同化してはもはや助かる道はない。最初は神経が麻痺し触覚が感じなくなる。そして侵食が進めば味覚、嗅覚、視覚、聴覚と五感が全て失われる」
「だはぁッ! うあああァァァッ!? ギャアぁぁぁ!?」
「ハハハハハッ、良い悲鳴だ。地獄のような苦しみをじっくり味わいながら死んでいけ!」
泣けど叫べどセイバーの体に走る、激痛、苦しみが和らぐ事はない。鎖でがんじがらめにされた四脚は振り解かんと力を込めるがそれも叶わない。マスターである獅子劫のサポートも受けられないとなれば状況は絶望的。
彼女の悲鳴がいつまでも響き渡る中、微かに風が流れる音がした。翼を羽ばたかせ空を飛ぶ音が。
「アイツは!?」
目を見開くアサシンの視界に映るのは死んだと思っていたヒポグリフ。幻獣は最後の力を振り絞り翼を仰ぎ、セイバーを繋ぎ止める鎖へ体当たりし拘束を断ち切った。
しかしそれが最後、ヒポグリフは光の粒子となり現世から消える。それでも希望は繋いだ。自由の身となるセイバーが地上へ降り立つ。そしてそのすぐ目の前に居るアサシンへ最大出力の一撃を叩き込む。
「魔術回路は繋がってるんだ、搾り取るぜマスター! 宝具開放!」
「セイバーが来る!?」
「ぶっ飛べぇぇぇッ!」
魔力を全開放し放たれるセイバーの宝具、剣身から放たれる赤黒い膨大な魔力。振り下ろされる刃はアサシンの左腕を文字通り吹き飛ばした。が、そこで動きは止まってしまう。
セイバーの両腕が魔法陣から放たれた鎖により止められてしまった。
「はぁ……はぁ……ふふふッ! 惜しかったなセイバー、あと一息だった物を」
「ぐッ! クソ、動け……届かない……」
「慢心が敗北に繋がるか……やはり貴様は今すぐここで始末する!」
絡め取られた両腕のせいで逃げる事もできない。更には体内を蝕む毒は確実にセイバーを弱らせる。けれどもアサシンは忘れていた。ヒポグリフが動けた意味を。
玉座から遙か下では馬上槍を構えるアストルフォが最後の一投を構える。
立つのも限界ギリギリ、全身は震えが止まらず視界もぼやけ、肩で息をするのもやっとの状態。それでもアストルフォを突き動かすのは英雄としての信念とプライドか。
「これが……ボクにできる最後の……届けぇぇぇェェェッ!」
自らの宝具を投擲するアストルフォ。馬上槍は空気を突き破りながら一直線に目標へ突き進む。
「アイツもまだ死んでいなかったか。だが貴様の攻撃など!」
右腕を黒い神魚の鱗に変えて防御の構えを取るアサシン。アストルフォの信念が篭った最後の一撃は、しかし彼女にかすめる事もなかった。
あまりに的外れな投擲に思わず笑いがこみ上げる。
「ふふふふふッ! 儚い命を無駄にしたか、ライダー」
「あとは……」
アサシンの言葉が耳に届いていたのか、アストルフォも光となり現世から消えようとしていた。けれども最後の一撃は無駄ではない。その切っ先は確かに狙った目標へと届いている。それは――
「テメェも消える番だぜ、アサシンッ!」
「セイバー!? 我の拘束を解いただと!?」
「ライダーの宝具が俺にチャンスをくれた!」
セイバーの両腕が消えていた。否、アストルフォの宝具の効果により霊体化しておりアサシンの拘束から逃れる事ができた。
自らの大剣が地面に落ちる寸前で足で蹴り上げると自身も大きく飛び上がる。
「今度こそトドメを刺す! いっけぇぇぇッ!」
まるで剣をボールのように蹴りつけるセイバー。それでも負傷したアサシンには充分過ぎる威力がある。
切っ先は空気を斬り、アサシンの胴体に突き刺さった。
「がはッ!? 我が……我が負け――」
「これで終わりだぁぁぁッ!」
最後は上空から自らが武器となりアサシンに攻撃する。自由落下と魔力の放出で勢いを付け、アサシンの胴体へ突き刺さった剣の柄に狙いを定め最後の蹴りを叩き込んだ。
轟音が響く、空気が揺れ玉座ごと吹き飛び奥の外壁が打ち砕かれる。着地するセイバーが見るのは砂煙により薄汚れたアサシンの姿。その腹には大剣が突き刺さり埋め込まれるようにして壁に立て掛けられている。
「はぁ……はぁ……はぁ……勝ったぜ……」
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扉の外で獅子劫は時が過ぎるのを悶々と待つしかできないでいた。サポートも何もできないでいたが中から戦闘音が聞こえなくなったのはわかる。決着が着いたと言う事、もしもセイバーが負けるような事があればサーヴァントと戦わなくてはならない。
彼は気を引き締め扉に手をかけようとするが、それよりも前に足音が聞こえて来る。振り向いた先にいたのは突入時に別れたダンテの姿。
「お前……無事だったのか?」
「当たり前だろ。見ての通りピンピンしてる。それよりデンジャラスガールはどうした? この先か?」
「そうだ。でも閉め出されちまってな。中には敵のサーヴァントも居る」
「ってことはもうパーティーは終わっちまったか? だったら――」
ダンテは両手で銃を取り出し扉目掛けてトリガーを連続して引いた。吐き出される空薬莢が絨毯の上に散らばるも、扉は殆ど無傷。ため息を吐きダンテは銃をガンホルダーに戻す。
「こいつはダメだな」
「やっぱり内側から開けるしか方法はないのか? だとすればセイバーを信じるしか……」
「待ちな、こう言う時は……」
次にダンテが取った行動は背中のリベリオンを手に取り扉に向かって袈裟斬りした。鋭い斬撃は一撃で扉を切断し通路が開く。
「撃ってダメなら斬ってみなってな」
「セイバー! 無事なのか!?」
リベリオンを背中に戻すダンテと戦い終わったセイバーの元へ駆け寄る獅子劫。両腕が消えたセイバーは片膝を着いてマスターが来るのを待っていた。
「何ともねぇよ。ちょっと時間掛かっただけだ。それより令呪を使ってくれ。両腕と……毒で体がもう限界だ……目が霞んできた」
「あぁ、わかった。待ってろ」
令呪を唱える獅子劫。令呪に秘められた膨大な魔力があればセイバーが受けたダメージもたちまち回復させる事ができる。体内の毒も消え、霊体化された両腕も元の状態に戻った。そうしているとへらへら笑いながらダンテも彼女の傍にまでやって来る。
「随分とズタボロじゃねぇか。肩でも貸してやろうか?」
「誰が? テメェの助けなんて必要ねぇ!」
「相変わらず可愛げのない奴だな」
「だから俺を女扱いするな! ったく……それよりもマスター、令呪で回復はしたけどまだ完璧とまではいってない。コイツと……ダンテと先に行ってくれ。暫らくしらたすぐに追い付くからよ」
わかったと頷く獅子劫。セイバーをこの場に残し二人は奥へと進む。
残るサーヴァントは赤のランサーとキャスター、そして首謀犯である天草四郎の三人のみ。決戦の時は近い。
黒のライダーの次回予告~
何だけどゲスト呼ぶのも面倒になってきたなぁ、それにもうすぐ最終回だし
え? 予告のボクは生きてるのかって? それはそれ、これはこれ
じゃあ次回! シェイクスピアより普通にボクはボクが好き! 絶対見てねッ!