Fate/apocrypha La Divina Commedia 作:K-15
サーヴァントである少女の後に続きダンテはルーマニアのシギショアラの街を走っていた。街を覆う霧は吸い込んだ人間の体を蝕む。魔術師である獅子劫界離も例外ではなく、なるべく吸い込まないように袖で口と鼻を塞ぐが、それでも今や立つのも辛い状態だ。
そんな彼を見兼ねてセイバーは体を背負うと霧を突き抜けるべく思い切り走る。
「どこまで続いてるんだ? 急がねぇと不味いな。それよりもお前……」
「何だ? そんなに見つめるな」
「お前は何ともないのか? サーヴァントの攻撃、魔術師の簡単な術くらいじゃ防げない」
「ちょっと訳ありでね。まぁ気にすんな。それよりもちょっと聞きたいんだが、アサシンとかキャスターとかって一体何だ?」
セイバーと横並びで赤いロングコートをなびかせながら街の中を走るダンテは霧を物ともせず聞いて来る。不審な顔をしてみせるが、セイバーはその質問に答えてあげた。
「聖杯戦争に召喚されるサーヴァントは七体、その七体はそれぞれのクラスに分けられる。俺がセイバー、他がランサー、アーチャー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカー」
「なるほど。それでこの霧を出してるのがキャスターかアサシンのどちらかって訳か」
「キャスターとアサシンはこう言う陰湿なやり方が得意な奴が多い」
「そうか……それじゃもう一つ聞きたいんだが」
「まだ何かあるのか?」
「街の方にまで降りて来たってのに人を全く見ないのはどう言う事だ? この霧を吸って倒れてる奴も居ない」
「あぁん? 人払いの結界か? 誰が発動させてる……」
「不味いな……お嬢ちゃん……」
墓場を下り住宅街を抜けた先にあるシギショアラの中央、そこまで来るとようやく霧から抜け出せた。獅子劫はセイバーの背中から降ろされると肺に新鮮な空気を取り入れる。
それでも普通に呼吸ができるだけで蝕む毒のせいで体に力が入らない。
「はぁ、はぁ、はぁ、セイバー助かった。作戦通りとは言えこれは辛いな。敵のサーヴァントとマスターを見付けるぞ」
「おう、そのつもりだ。で、俺の直感だが……こう言う場合相手はすぐに来る!」
セイバーはクレラントを握ると獅子劫を足払いして横一閃。自分の体重を支えられず地面に倒れる彼が見たのは銀色の鎧を纏い大剣を振るうセイバーと、その斬撃を両手に握るナイフで受ける幼き少女。
短めの銀髪にアイスブルーの瞳、右の頬には縫いキズ。両手を包帯で巻き、露出の多い服装はまるで水着のよう。
獅子劫を背にして、現れたアサシンに切っ先を突き付けるセイバーは鋭い目付きで敵意を向ける。
「俺の勘は良く当たるんだ。その姿、やっぱりアサシンだな。生憎とソイツは俺のマスターだ。簡単にはやらせねぇよ」
「ふふふッ……じゃあこれならどう?」
言うと腰に装備している何本ものナイフや短刀を獅子劫目掛けて投げ付けた。打ち払わんと構えるセイバーだったが、無数の銃声が響くと全ての攻撃が失敗に終わる。投げられたナイフは勢いを失くしアサシンの傍に跳ね返って来た。
「その果物ナイフは次にリンゴを剥くまでポケットにしまっときな」
「アナタ……誰?」
「只の便利屋さ。でもベビーシッターと保育士の仕事だけはノーサンキューだ。わかったらさっさとママの所にでも帰りな」
「わかった。ならアナタから殺すね」
アサシンは落ちたナイフを拾いダンテ目掛けて駆ける。小柄な事も合わさり少女の身体能力は驚異的に高い。重力がないかのように軽やかでしなやかに体を動かし瞬く間に接近する。ダンテはエボニー・アンド・アイボリーを取り出しトリガーを引きまくるが、マシンガンのように発射される弾丸の一発とて彼女にかすめもしない。
そして接近戦の距離まで詰め寄られる。リベリオンに持ち替えるダンテは素早く袈裟斬り。
「空振りだね。わたしたちはここだよ?」
「わかってるよ!」
声が聞こえる方向へ剣を振り下ろす。だが切っ先が石畳を傷付けるだけで彼女の姿さえも視界に入らない。
この時、既にアサシンはダンテの背後に回り、その首にナイフを突き立てようとしていた。が、その動作に一瞬ではあるが迷いが入る。
「うん? このニオイ……」
「ダンテ、後ろだ!」
セイバーの斬撃がアサシンを襲う。不意を突いたかに見えた攻撃だが、アサシンはダンテを足場にしてジャンプするとスルリと避けてしまう。
「あはははは! マスターの方を殺そうと思ってたけどそっちの男の人を先に殺した方が良さそう。魔力も充分に回復できるしね。セイバー? は次に殺してあげる」
「抜かせ! チィッ! すばしっこいクソガキが!」
「そっちの男の人を殺したらすぐに殺すから」
言うと周囲にまたしても霧が発生し、アサシンの体は白い闇の中へと消えて行く。こうなるとマスターである獅子劫を気にせねばならず、サーヴァント戦に集中できない。
「またこの霧か! マスター、まだ動けるか?」
「何とかな……」
「こうなると防戦一方だ。どうする……」
「そうでもないさ」
視線を向けた先で口を動かしたのはダンテだ。彼はやはりこの霧の中でも何でもないかのように平然と立っている。
「俺がおチビちゃんの相手をする。その間にお前はそのマスターを安全な所まで連れて行け」
「正気か? サーヴァントでもないお前が勝てるとでも」
「お前には勝っただろ?」
「ふざけるな、あれで全力な訳がないだろ。お前の体が普通じゃないのはわかったが、宝具を使われでもしたらひとたまりもないぞ」
「なら、その宝具って奴を使われる前に終わらせるだけだ。何だ、心配してくれるのか?」
「ば、馬鹿言うな! 兎に角、お前は時間を稼げれば充分だ。すぐに戻る」
セイバーは獅子劫を背負うと少しでも早く移動を始める。二人を背にして、ダンテは最後に言付けを頼む。
「それと余裕があるならレティシアって名前のお嬢ちゃんを探してくれないか? 十年もすれば良い女になる娘だ」
「自分でやれ!」
「やれやれ……さぁ、躾の時間と行くか」
第四話 地獄の入り口
白い闇の中に佇むダンテ。右手にはリベリオンを握り、感覚を研ぎ澄ませ相手が動くのを待つ。
音も聞こえない。目を開いても一メートル先すら満足に視認できず、気配さえ遮断して、この空間は完全にアサシンに有利な状況。
五感の全てに感知されないアサシンはダンテの背後に迫る。
「アナタ、不思議なニオイがするね」
「後ろか!」
リベリオンで袈裟斬りするが反応した時にはもう遅い。アサシンの姿は見る事も叶わず霧の中へ消える。
「普通の人とは違うニオイ。でもサーヴァントとも違う。何のニオイ?」
「悪いが企業秘密だ」
「えぇ~、残念だなぁ」
気が付くとすぐ隣でケラケラと笑みを浮かべて居る。目を見開くダンテはリベリオンで振り払うが、その刃は空を斬るだけだ。姿を消すアサシン、彼女の声がまるで幻聴のように周囲に響く。
「あはははは! じゃぁ早速だけど殺すね? セイバーとマスターの方も追い駆けないと」
「こいつは……マジで早いな。時間稼ぎもできないとなるとデンジャラスガールに笑われちまう」
「フンッ!」
目には見えず音も聞こえない。空気の振動すらなく、ナイフを逆手に持つアサシンがダンテの首に迫る。絶対に避けれない一撃。
幾人の人間の血を吸ったのかわからないナイフの先端が突き立てられた。
しかし、アサシンの表情は冷めた物へと変わる。触れる刃は彼の首を掻っ捌く事はなく、漆黒の鎧に阻まれた。
「何これ? 魔術とは違う。アナタ……やっぱり人間じゃない?」
「企業秘密だって言ったろ?」
ダンテの全身を覆うのは魔力で形成された漆黒の鎧。鋭く光る眼光、禍々しき二本角。見る者を威圧し恐怖を与えるように肩や指先に至るまで尖ったデザイン。
戦闘力が低いアサシンの攻撃とは言え全くの無傷で防ぎ切るだけの強度。ダンテは空いた左手を伸ばすと彼女の腕を掴んた。
「それよりも……捕えたぜ」
「ッ!?」
ダンテは力任せにアサシンの体を地面に叩き付ける。本来なら相手の骨、地面ごと砕くだけの威力があるが、アサシンは背中を丸めると衝撃を受け流した。更に続けてレンガで作られた壁に目掛けて振り被るが、重力を操るかのように壁に両足を着地させてダメージを受けないようにする。
「コイツ、タコかよ。だったらコレならどうだ? 押してダメなら引いてみな!」
リベリオンを背負い銀色の銃を取り出すと、拘束されながらも逃げ回るアサシンに目掛けて弾丸を放つ。激しいマズルフラッシュ、甲高い銃声。
しかしこれもアサシンはしなやかに体を動かしては動き続け、それでも避けきれない弾は握るナイフで弾き飛ばす。その高すぎる運動能力に思わずダンテも舌を巻く。
「中々やるな、おチビちゃん」
「うふふ! 力比べだとわたしたちじゃ勝てないけど、当たらなかったら意味ないよね?」
「そうでもないさ」
赤い稲妻が轟く。強力な魔力で形成されたそれは幾本も天から降り注ぐと白い闇を消し去ってしまう。そしてダンテはアサシンを握る腕を高々と上げると、赤い稲妻を纏うセイバーが文字通り飛んで来た。
「取ったぞ、アサシン!」
空中を一直線に突き進むセイバーは両手に握る大剣で大きく袈裟斬りした。小さな胴体を切断するつもりで振られた一撃。しかしアサシンは身を捩りこの攻撃をも避けようとした。が、幾らアサシンの身体能力が高くともこの状況で空振りする程セイバーの戦闘能力も低くない。
狙いは外してしまうが、ダンテに握られた右腕を切断した。
「あ゛あ゛あ゛ァァァッ!?」
「仕留め損ねたか? でも一発食らわせてやったぜ!」
着地するセイバーに拘束から逃れるアサシン。ダンテは漆黒の鎧を解除し、セイバーの元に歩み寄る。
「思った以上に早かったな?」
「当たり前だ。それにお前に任せてアサシンに逃げられでもしたら最悪だからな」
「フフ、デンジャラスガールのイリュージョンで邪魔な霧も失くなった。さぁ、どうするおチビちゃん?」
「だから俺を女扱いするな!」
片膝を付きダンテ達を睨むアサシン。斬られた右腕からは止めどなく血が流れ続ける。二対一の状況、それも片腕を失ったとなれば勝つ見込みはない。
撤退すべくちらりと後方を確認し、霊体化も視野にいれて動き出そうとした。
瞬間、左足も吹き飛びアサシンは為す術もなく倒れ込んでしまう。
「い゛ッ!? 何? 何なの? 別のサーヴァントの攻撃?」
足を吹き飛ばしたのは一本の矢。アサシンが探知できない弓矢による長距離狙撃で狙い撃ったのだ。そんな事ができるのはアーチャーを置いて他にない。
そのアーチャーはダンテやアサシンの前に姿を表す。
「逃しはせんぞ、黒のアサシン。汝はここで仕留める」
獣のような耳と尻尾。腰まで伸びる長髪は本来なら鮮やかなエメラルドだっただろうに、その面影は前髪にわずかに残っているだけで、これも獣のように茶色い。
深緑のワンピースのような服、その右手には黒く弓と黄金の矢を握る。そんな彼女の獣のように鋭い視線は二人にも向けられた。
「私の名は赤のアーチャー、マスターの命によりセイバーの援護に駆け付けた」
「そりゃどうも。俺一人でも倒せたけどな」
「威勢を張る意味などない。セイバー、そっちの男は誰だ?」
「ちょっとした知り合いだよ。それよりも……」
セイバーは動けないアサシンの元に詰め寄るとクレラントの切っ先を首元に突き付けた。
「案外……あっけなかったな、黒のアサシン。これで終わりだ!」
「来なさい、アサシン!」
大剣の切っ先が地面に突き刺さる。現れたのはまた新たな人物。されどサーヴァントではない。
長髪に緑のドレス、その表情は蠱惑的ですらある。そんな彼女の足元までアサシンは引きずられるようにしてやって来た。
右腕と左足を失い血だらけになった姿に彼女はボロボロと涙を流す。
「あぁ……あァァァッ!? そんな……そんなぁ……」
「お母さん……ここはダメ、逃げて……」
「アナタを置いては行かない。さぁ、一緒に――」
残るアサシンの手を取ろうとする女だが、セイバーの大剣がそれに割り込む。彼女の目は相手をいつでも殺す覚悟がある。
「お母さん? お前がマスターだな。お前らの聖杯戦争はここまでだ。潔くサーヴァントの首を差し出せ」
「ごめん、ごめんね。あの時アナタに助けられたのに、今の私にはアナタを助ける事ができないなんて。さっき令呪を一画使った。残りの令呪でできる事は、少しでもアナタを遠くに逃がすくらい」
「いや……嫌だよ、お母さん。ひとりぼっちは嫌なの! お母さんと離れたくない!」
「でも私は魔術師じゃない。だからできる事はあと一つ。ジャック……二画の令呪を持って命ずる。アナタの――」
刃が肉を斬る。アサシンのマスターが最後まで言葉にする暇など与えず、セイバーはアサシンの首を跳ねた。
サーヴァントと言えど無敵ではない。普通の人間と同じように限界は存在し、アサシンの命はこれで潰える。
「言っただろ、これで終わりだと。おい、アサシンのマスター。サーヴァントが居なくなった今、これ以上の戦闘は無意味だ。おとなしくこちらに投降しろ」
「いいえ、まだ終わってない……」
「何を言っている?」
「終わってない、まだ終わってない。二画の令呪は発動した。あの娘の宝具も発動する!」
女の右手の甲に刻まれだ赤い紋様、これこそがマスターに選ばれた証。全てで三画ある令呪はサーヴァントに対する絶対命令権。従えるサーヴァントにどんな命令をも遂行させる事ができ、それは同時に膨大な魔力を発生し、魔術師でないマスターであろうと絶対的なアドバンテージを生み出す事ができる。
その令呪が二画、真っ赤に発光しアサシンに発動した。
瞬間、斬り落とされたアサシンの頭部と体が弾け飛び周囲に濃い霧を発生させる。
「寸前の所で間に合わなかった? クソ、また霧か!」
再び白い闇は周囲を覆いセイバー達の視界を効かなくさせる。けれどもこの霧はさっきまでのとは全く違う。幻覚か、幻か、幼い少年少女達が目の前に現れる。
それはセイバーの前だけではない。アーチャーの前にも、ダンテの前にも。
「子どもだと!? これがアサシンの宝具なのか?」
「全く……子どものお守りは勘弁して欲しいぜ」
「冗談を言ってる場合か! それに汝はサーヴァントではないのだろ? まず真っ先に狙われるぞ」
「ご心配ありがとよ。でも汝なんて呼ばれ方は好きじゃないな。ダンテって呼んでくれ」
「緊張感のない奴め。死んでも知らんぞ」
弓矢を構えるアーチャーとリベリオンを肩に担ぐダンテ。霧の中に現れた子ども達は何をするでもなく口々に囁いて来るだけだ。けれども可愛い物ではない。その言葉は一言一言が魂を蝕む怨念のよう。
「どうして……」
「ねぇ、どうして……」
「どうしてなの?」
「どうしてわたしたちは死ななくてはならないの?」
子ども達の声、伸ばされる手は聞く者の心を捕えて離さない。その魔の手は赤のアーチャーへも伸びる。
「これは……幼い頃の私? 女である事から父に捨てられ、それでも女神アルテミスに救われて生きていた頃の私……」
「寒いよ……」
「一人にしないで」
「苦しいよ……」
アーチャーの精神は確実に汚染されていく。もはや自らの力での脱出は不可能は程に、彼女の精神にはアサシンの思念が侵食している。
「そんな事はない! お前達にだって私と同じように幸せになる権利がある! その為に私は全ての子どもが救われる世界を願って聖杯を――」
「それなら……一緒に来て……」
「う゛あああァァァッ!?」
銃声が響いた。
彼女の精神を引きずり込もうとした子どもの思念体に銃弾が撃ち込まれると霧となって消える。
「気をしっかり持てよ、ネコミミガール」
「汝は……ダンテと言った……」
「仕事柄、こう言うのは慣れてる。そいつらの言葉に耳を傾けるな」
「しかしこの子ども達は!?」
「もう死んでる。こいつらは亡霊だ」
銃口を突き付けるダンテはトリガーに指を掛ける。瞳に写る亡霊を撃つ事に躊躇いはない。しかし銃声が鳴り響く事はなかった。
「どう言うつもりだ?」
「撃たせない……殺させない! 子どもなんだぞ!」
ちらりと横目で見る先には弓矢を構えるアーチャー。狙うのは銃を握るダンテだ。
「俺が言った意味がわからないのか? 亡霊をのさばらせてどうする?」
「それでもだ! 私はこんな子ども達が生まれぬ世界を作る為にこの聖杯対戦に参加した! この子は犠牲者だ! 欲望が渦巻く時代のせいで使い捨てにされた哀れな子だ!」
残留思念を通して二人に伝わって来るのは辛く悲しい時代の背景。一八八〇年代のイギリス、ホワイトチャペルでは貧困が蔓延していた。女達は今日を生きる為に自らの体を売り渡し、子どもの存在など邪魔でしかなかった。
男も女も、大人も子どもも関係なくスラム街では毎日誰かが死んでいく。
漂う腐敗臭、疫病、平然と転がる死体。
そんな時代の闇が生み出したのが連続殺人鬼ジャック・ザ・リッパー。
しかしアサシンはジャック・ザ・リッパーとして召喚されたサーヴァントではない。ホワイトチャペルで堕胎され生まれることすら拒まれた胎児達の怨念が集合して生まれた怨霊。
その亡霊がただ一つ思う願い。母の存在だ。彼女らは母と出会う事を望んでいる。ジャック・ザ・リッパーはその為の器にしか過ぎない。
アーチャーはその事を知ってしまった。生まれる事すらできずに死んでいった胎児の願い。それは自らが理想とする世界にあってはならない事。故に亡霊と切り捨てられず、声を遮断できない。
彼女は自らの意思でダンテに敵意を向ける。
「私はこの子達を助ける! 聖杯にこの願いを託せれば、もうこんな悲惨な光景は生まれない!」
「お前の気持ちはわかるぜ。誰だってこんなのを見せられたら胸糞悪くもなる。掃き溜めに転がるゴミ同然の扱い。でもな、こいつらはもう死んでる。死んだ人間は生き返らない」
「ならばこんな世界を許すと言うのか? 子どもが親に愛されない世界を?」
「そうだな。会ったばかりのお前の事を俺は何も知らない。お前がそこまで子どもに執着する理由も。けどな、誰に助けられなくても、頼まれなくても、生きていける強さが人間にはある」
「だから何もしないのか? 泣き叫ぶ子どもが目の前に居るのに!」
「俺は何回も言った筈だ。こいつらはお前が助けたがってる子どもでも何でもない。只の亡霊だ」
「よせ……やめ――」
アーチャーの忠告を無視してダンテはトリガーを引いた。
響き渡る銃声に導かれるように周囲を覆う霧は晴れていく。そして残るは沈黙のみ。
彼女達の残留思念は最後にアサシンの姿を表すとダンテの前に現れた。
「アナタは強い人だね」
「俺が強いんじゃない。人間はみんな、悪夢なんかに負けない強さを持ってる」
「そうなの?」
「そうさ」
「じゃあ……わたしたちが居なくなってもお母さんは大丈夫なの?」
「心配しなくても生きていくさ。良い女だしな」
「良かった……」
その言葉を最後にアサシンの姿は完全に消えた。街並みは完全に元へと戻り、この場にはダンテとセイバー、アーチャーが残るだけ。
時代はスマホゲーだよ!
ヤッホ~、黒のライダーだよ。名前はまだ言えないけどね。
それよりもみんな、Fate/grand orderはプレイしてるかな? 僕もようやくAAランクに上がれた所なんだ。
課金しなくても楽しめるのがこのゲームの良い所だよね。え? どうすれば勝てるかって? 原初ドラゴンで先行を取ろう!