「や、ヤバいッ!」
二人の戦士の視線が私の方に向く。
私は全速力で学校を離れようとする。
しかし・・
「どこに逃げるつもりだ?」
目の前には、双剣使いが立っていた。
「君に恨みがあるワケじゃないが、見られたからには死んでもらう・・。」
「・・・ッ!」
ドクン、ドクン
心臓の音が速くなる。
「・・イタッ・・!」
急に他の甲が痛みだす。見てみると、
「何? コレ・・」
手の甲が赤く光り出していた。
・・一体コレは・・?
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「マスター、一般人が紛れ込んでいたみたいだが、どうする?私達も追って、殺すか?」
すると、凛は少し迷っているように見えたが、
「いいえ、アーチャーを止めるわよ。」
「いいのか?」
「一般人まで巻き込むつもりはないわ」
セイバーはハァとため息をつき、
「口封じには殺すのが手っ取り早いと思うんだがな・・」
すると、凛は
「いいのよ!」
と、怒鳴りこむ。
「それにしても、気になりはしないか?マスター。」
「ええ。アーチャーのマスターが現れていないこと。」
「遠くから、アーチャーをサポートしているのか?それとも、今回の戦いは・・」
「我々の実力を知るための小手調べ・・ということか?」
「・・考えられるわ。」
二人は「う~ん」と考え込む
瞬間・・
ゴォオオッ!
一般人が逃げた方向から天に届くような光が放出していた。
「マスター、アレは・・」
「間違いないわ、『七人目』だわ。」
そう言い、二人は急いで光の出る方向へと駆けていく行く。
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急に手の甲に表れた赤い不思議な模様・・。
そして、自分の足元からでる大きな光・・。
揚羽は何が起きているのか全く理解できなかった。
「まさか、コレは・・。」
目の前の双剣使いは、今のこの状況を何か知ってそうだった。
すると、光が一瞬強くなり、揚羽はその光の眩しさに目をつむる。
そして、光が弱まると、目の前に人が立っていた。
「・・・・っ!」
驚いた。
目の前に立っていたのは、夢に良く出てきていた、あの「少年」とそっくりだった。
長い真っ直ぐな漆黒の髪、そして可憐な瞳を持つ、中性的少年。服は平安時代の貴族が来ていたような恰好だった。
すると、少年は口を開き
「サーヴァント、キャスター。お前はオレのマスターに相違ないな?」
「・・え・・?」
マスター?
何のことだろう? 揚羽は首をかしげる。
そして暫く黙り込んでいた双剣使いが
「フン。何が出てくるかと思えば、英霊最弱のサーヴァントと言われるキャスターか。恐れるまでもない。」
すると、「キャスター」と呼ばれる少年は、
「あまり見くびらないでもらおう。アーチャー」
すると、双剣使いは再び双剣を繰り出し、そしてキャスターも自身の刀を装備する。
「妙な光景だ。キャスターたる君が刀を使うなんて」
「お前もアーチャーなんて言う割には剣を使ってるじゃないか。」
二人はそう言ってにらみ合う。
そして動き出す。
恐ろしいほどの剣戟。さっき見た光景と似ていて尋常じゃないと思えるほどの戦いだった。
「バカな・・ッ! こんなことが・・。」
「オレは刀を扱う術士だ。舐めてもらっては困る。」
そして、二人とも距離をとる。
すると、「キャスター」の少年は服から何か紙を出す。
「・・? 何だソレは・・?」
「喰らえば分かる」
そして少年はアーチャーにその紙を貼る。
「・・何を・・」
「・・・滅(めつ)・・!」
すると、バチバチッと札を貼られた双剣使いの体から、閃光のようなものが照り出す。
「グ・・オオっ・・コレ・・はッ!」
しかし、双剣使いは自力でその札の呪縛から逃れる。
「ハァ・・ハア・・。」
「一枚じゃ足りなかったか・・。」
「何だ・・?今の・・は。ただの魔術・・じゃない・・な」
すると、少年は
「・・フン・・」
と得意げに笑む。
「何者かは知らんが、此処は引かせてもらおう。」
そう言い、双剣使いは去る。
「・・ハア・・」
揚羽はぺタっと座り込む。
「大丈夫か?」
「う、うん。それよりアナタ一体・・?」
「・・オレは・・」
正体が分かる・・と思った瞬間・・。
「アレ?いない。アーチャーは!?」
「逃げたようだぞ、マスター。それよりもアレ、どうするんだ?」
全身鎧をかぶる剣士が揚羽達を指す。
「一般人かと思ってきたらアナタ魔術師だったの!?」
「・・え・・あの」
揚羽は一応魔術の心得があった。
戦闘には不向きだが昔から傷がついても一瞬で回復する力があった。
また、その力は他人の傷も癒すことが出来た。
「んで、そっちがサーヴァント・・って・・」
魔術師の少女は目を丸くする。
「え・・その恰好・・。明らかに東洋のサーヴァントよね?」
「ああ、そうだが」
キャスターの少年は答える。
「一応この神威町の聖杯は冬木から来たものでアインツベルン杯のモノだから絶対に西洋のサーヴァントしか召喚されないハズなんだけど・・。」
「確かに疑問に思うことではあるが、そこまで重要視することなのか?マスター?」
「重要よ! これはイレギュラーとしか言えないわ!」
揚羽はそもそも聖杯のシステムそのものを全く知らないので何の話をしているのかさえ分からなかった。
「・・確かに、オレはこの聖杯で呼ばれるべきサーヴァントじゃない。だが、もし呼び出される理由があるとするなら、この町の力、もしくはオレのマスターが原因かもな。」
「え、私!?」
「この娘が!?」
「可能性の話だ。」
「どういうことか詳しく聞きたいんだけど・・。」
魔術師の少女は揚羽に迫る。
「え、えーと・・?」
すると、全身鎧をかぶった騎士が
「マスター、それを問う前に聖杯戦争そのものについて教えてやった方がいいのではないか?」
「何で?」
「先ほどからその小娘の表情を見ていたが、話に全くついて行けてない感じだったぞ?」
すると魔術師の少女は黙り込んで、一瞬何かを考えているようだったが・・
「アナタ、もしかして聖杯戦争って・・わからない?」
「あの、分からないじゃなくて知らないんですけど・・。」
「う、嘘・・?」
魔術師の少女はがっくりする。
「まさか、ほぼ一般人同類の者が聖杯に関わってるってこと?」
すると、鎧の騎士は、
「マスター、一応敵だ。殺すか?」
「イヤ、とりあえず教会に行くわ。ルールも知らない者を殺すのは・・ね。」
そう言い、魔術師の少女は溜め息をつく。