極東三人目の翼   作:アイプチ

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皆さんお久しぶりです遅れましたが四枚目投稿しました。
この小説の数少ない主人公活躍会です。しかしやることは原作と変わらないという。悲しいけど仕方ないね


四枚目

 喜美に付き合って教導院の階段でトーリのバカな行動を見て笑い、喜美と後から酒瓶持って来たオリオトライの会話を聞いていた夜。

 

 ユーリはふと、ト-リが告白すると梅組全員の前で言ったホライゾンについて考えた。ユーリにとってもそうだし極東にある程度いる者なら全員思い出深い名前だ。 

 

 

  ホライゾン・アリアダスト

 

 それが俺が極東に来て初めて会った少女の名前だった。具体的に言えばその場には喜美とトーリが居たから本当の意味での初めてということではないのだが。

 当時は長い黒髪に青い瞳で、第一印象は「綺麗な子だなぁ」と思った。後々のトーリのボケに対するセメント過ぎるツッコミのせいで少女の第一印象から百八十度変わったけど。

 

 そんなホライゾンが俺は好きだった。皆に変な気を遣う所や、トーリには容赦なくでも一番優しかった所も。好きと言ってもLoveでなくLike、家族愛的な意味だけど。

 

 そしてその少女は、十年前に元信公が乗る馬車に轢かれ死んでいる。その事件にはトーリもそうだし俺も若干関わっていた。トーリは喜美がいなきゃ飯も満足に食べなかったらしいし、今も後悔通り、ホライゾンが死んだ通りを歩けない。そして俺もこの十年間背中に生えた……これが俺の人生の全てだった銀色の羽は動かない。

 

 そんな事を正純がトーリの頭部に蹴りをヒットさせるのを見ながら。

 

 

 

 

 三河消失

 

 

 自動人形となった少女、ホライゾン・アリアダストの自害

 

 昨日起きたことを簡単に言ってしまえばこの二つだ。ホライゾンの自害の件は誰かから聞いたような気がする。詳しく言えば、ホライゾン・アリアダストの自害は昨日でなく今日決まったから違うのだが、殆ど同じ事だからよしとする。

 

 そんなユーリは今三年梅組のクラスにいる。一応皆と同じく表示枠に書き込んではいるが、いつものように考えをまとめられない。だから今はハイディが武蔵の状況を説明してくれるから、大人しく聞き手に徹する。

 

長くなったがハイディ曰く、権限持ちの権限は正純以外ヨシナオ王が預かっていて、ホライゾンは今のところ元信公が持っていた三河の君主権限・聖連に対する極東代表権限・武蔵の所有者権限を持っていて、ホライゾンが自害すればそのすべての権限は聖連の預かり、つまり極東が聖連のものになるとのことだ。そしてハイディは言う。

 

「降りる?降りない?選択は自由」

 

 と。取り合えずハイディの会話をバカにも分かるように考えられる程度には思考力が戻ってきた。だから久しぶりに言う。

 

「ハイディ、欠席者の動向は?」

 

 ユーリの一言で教室の空気が変わる。と言っても分かりやすいのはユーリと同じく背中に翼を生やすマルゴットとナルゼの二人だ。だが今は無視しておく。ハイディは言われた通り頭に乗せた白狐のエリマキに通信文の着信履歴を表示させた。その中身を自分だけ見えるように確認しながら皆に説明する。

 

 長くなるから省略するが、要するにあれだ。ピンチだ。副長権限を持つ正純、騎士身分を持ったネイト、実力者のマサの三人が敵っぽい。

 

「そういう訳だ。さっさとなんとかする案を出せよ守銭奴」

 

 ユーリの問いかけに守銭奴ことシロジロが吐息した。

 

「なぜ私なのだユーリ?正直私は乗り気でないのだがな」

 

「はぁ。ハイディ」

 

「あのねシロ君?これね?------実はビックビジネスのチャンスだと思うの」

 

 その言葉で頭上に現れた『金策メーター』と書かれた表示枠が五ゲージ分くらい溜まり

 

「-------ビックビジネスか!うむ。いいなそれは!金か!金だな?---ぃよし、思考もスッキリだ!貴様らよく聞け!」

 

 シロジロが教卓の向こうに立って言った。

 

「---これから私の大好きな金の話をする!」

 

「最悪だよお前!!」

 

 皆のツッコミを聞きつつ自分の席へ戻る、と同時に腕を枕に眠る。自分の仕事は守銭奴バカをやる気にさせるだけでいいのだから後はあのバカが解決できるかも(・・)しれない案を出すだろう。ハイディ一人でもよかった気はするが気にしない。ってかツッコミがうるさくて寝れねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいユーリ、先生に説明してくれよ!俺だって手詰まりだってことは分かってるってよ!」

 

「先生としてはどう手詰まりか人に聞いてる時点で分からないって白状してるようなもんだと思うけどなあ」

 

 そんな声で目を覚ました。ってかよ、

 

「んなことで人の睡眠邪魔すんなよこの度畜生がァーーーー」

 

 

 

「で、どういう状況だ?」

 

 黒板横の壁穴をカーテンで塞いだ後、トーリに聞いた。それに対してのセリフが、

 

「ホライゾンを救いに行くんだけど大体手詰まりなんだよ」

 

 である。眠ってた人間に説明する内容じゃねぇな。まあ、眠る前の問題点を考えれば

 

「あれだ。取り合えずセージュンをこっちの陣営に入れればいいんだろ?」

 

 まるで簡単なことだというように。殆ど話を聞いていない奴のセリフじゃないが、ここにいる全員は知っている。ダルイダルイといつも言っているユーリだが、このクラスで一番思考の回転が速く、そしていつもトーリの無茶に形を作るのもユーリの役目だと。

   

 

「つまりだ、武蔵議員はおそらく、ホライゾン自害の決行まで俺たちとは会わせないだろう。学生側の権限を唯一持っているセージュンが心変わりしたら大変だからな。つまり議員側は、学生側の権限を手中にしたいだろうから権限を奪うことは出来ない」

 

 だったら、と言葉を続け、

 

「セージュンがここに来なければならない状況を作りこちらに引き込む訳だ」

 

「その方法は?」

 

「臨時生徒会を開けばいい」

 

 ユーリの言葉に皆が、は?と首を傾げた。

 中でもトーリが教卓の上に立ってくねくねしながら、

 

「ひっさしぶりに説明したら間違ってるとかバカじゃねぇの。さっきハイディが言ってたから俺知ってるぜ!?臨時生徒会は権限者がいたら開けねぇんだよ!だから権限者のセージュンが武蔵にいるせいで臨時生徒会は開けませぇん。残念だったなバーカバーカ!ウププ---」

 

「バカも残念なのもお前だよバーカ。俺がお前でも気が付くようなこと気が付かないと思ったかこのバカが!あるんだよ、こんな状況だからこそ臨時生徒会を開く議題が」

 

 は?とトーリがくねくねして勝ち誇るのをやめ、制服を上半身だけ脱いで土下座すると、

 

「くそおーーーー!今度こそユーリをバカにできると思ったのによ!分かりました!俺が間違ってました御免なさいユーリ様ーー!!」

 

「トーリにバカにされる日は一生ないから諦めろ」

 

「じゃあ聞くけどよ、セージュンがいて臨時生徒会なんて、どーやんだよ?」

 

 と聞いた。

 

「今言っただろう。一般生徒のみで行う臨時生徒会の議題は一つ………権限者(セージュン)の不信任決議だ政治家志望なら良い経験になるだろう」

 

 いい笑顔で言う言葉に、皆が顔を引きつるのを無視して説明を続ける。

 

「来なきゃセージュンを副会長から外して本格的に臨時生徒会を開けばいいし、来れば正式に生徒総会だ。俺的には来る方が金になって守銭奴がうぜぇしダリィから来ない方がいいんだけど」

 

 そうかと半裸のまま言うと、真剣な表情で挙手すると、

 

「……でもちょっとここらでギャグ入れね?硬すぎね?」

 

 皆が無視する。ユーリも皆と同じく無視して机に突っ伏すと、途中で邪魔された眠りを再開した。 

 

 リアル破砕音を無視して

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