「おはようございます!」
事務所にやってきたのは丸山彩である。
ピンク色の髪の可愛らしい少女である。
彼女は今日事務所でミーティングがあるということで呼び出されていた。
「おはようございます。すみません、前の仕事が押しちゃって…」
(あれは同じ事務所の白鷺千聖ちゃん?事務所で見るの初めてかも…)
それもそのはずである。
白鷺千聖と言えば今や引っ張りだこの女優である。
故に事務所に顔を出すのは珍しい。
「おはようございます!今日は寄り合いがあると聞いてきました!」
「よ、寄り合い!?」
丸山彩は少女の登場に驚く。
入ってきて寄り合いがどうのこうの言われたら驚くのも無理はないだろう。
この少女の名前は若宮イヴ。
モデルで活躍するハーフの帰国子女だ。
「あれ〜〜?事務所のミーティング今日じゃなかったっけ?」
「氷川さん、遅刻ですよ。次から気をつけてください。では、社長を呼んでくるので少々お待ちください。」
遅れて登場した少女の名前は氷川日菜。
最近この事務所のオーディションを受けた少女だ。
「諸君、おはよう。」
「「「「おはようございます。」」」」
そう言って伶花が登場した。
「私は時間には厳しいんだ。次からは遅れないようにしろよ。まあ、あのバカよりはマシか…」
そう言って伶花はバカ息子の顔を思い浮かべる。
そもそも十花が時間を守ったことあるのだろうか。
「社長、今日はミーティングで呼ばれましたがどういった内容なのでしょうか?」
千聖は声をかける。
「そうだったな。突然だが君たちには新人アイドル Pastel*Palettesととしてデビューしてもらう。」
「アイドルデビュー!?それって本当ですか!?」
「ああ、そうだ丸山彩。研究生としてやってきたことがようやく活かされる時だ。精一杯やれよ。」
「はい!!ありがとうございます!!!」
事務所設立時の最初のオーディションからいる彩は今年で研究生は3年目。
今年で結果が出なければ卒業という崖っぷちの状態からようやく巡ってきたチャンスだ。
「顔合わせは初めてだろう。自己紹介しておけ。まず、丸山彩から」
「は、はいっ!丸山彩です!今までは事務所の研究生としてやってて…それで、その…夢!昔からアイドルになることが夢だったのですごく嬉しいです!よろしくお願いします!!」
「私の名前は若宮イヴです。以前はモデルをやっててアイドルの仕事は初めてですけどブシドーの気持ちを忘れずに頑張ります!」
「ブ、ブシドー…!?」
「次は私ね。白鷺千聖です。子役時代からドラマや映画に出ていました。だから、みんなよりこの業界での芸歴は長いのだけれどアイドルとしては、新人だから、みんなよろしくね。」
「最後はあたしかな? 名前は氷川日菜!日菜でいーよー! なんかバンドのオーディション受けたら受かったんだよねー。まあ私より上手な子はいなかったし当然かなー。」
「バンドオーディション?」
彩が疑問を浮かべる。
「ああ、そのことなんだが、お前たちはアイドルバンドとしてデビューしてもらう。」
「アイドルバンド…」
「お披露目は2週間後だ。当日は当てフリでやってもらう。」
「弾いてるフリ…ちゃんと練習して本当の演奏を聞いてもらった方がいいんじゃ…」
「でもアイドルとしての魅力はちゃんと演奏することよりも、もっと自分自身を魅力的に見せるために磨いた方がいい…私はその意見に賛成です。」
「その通りだ、白鷺千聖。それに今回の楽曲プロデュースはFlowerだ。お前たちの成功は約束されたようなものだ。」
「え…あ、あのFlowerさんですか!?」
一同は驚きの表情を作る。
「社長…一体このプロジェクトにどれくらい注ぎ込んでるんですか?」
千聖の疑問も最もである。
超人気売れっ子の楽曲プロデューサーがこんな無名のアイドルバンドに曲を提供するなど。
とてつもない額を払ったとしか考えられない。
「私の交渉の賜物だな!」
伶花はできる社長アピールをしているが実際には彩にゾッコンな息子を彩を人質にしただけなのだ。
もはや畜生である。
「それでパートなんだが、丸山彩がボーカル、氷川日菜がギター、白鷺千聖がベース、若宮イヴがキーボードだ。ドラムは………直前で事務所を辞めてしまってな。今検討中だ。」
「私がボーカル…」
「丸山彩がボーカルじゃないと書かないとヤツがしつこくてな。」
そう伶花はため息をつく。
「えぇぇ!でもどうして…」
「前にヤツが事務所に来たことがあってなその時に見かけたらしい。」
「私はベースですか。楽器はよくわかりませんが縁の下の力持ちって感じのポジションですよね。頑張ります。」
「そういうことだ。では詳しい日程の話を始める。」
彩の不安を他所にミーティングが進んでいった。
一方その頃、十花は怒り狂っていた。
「伶花の野郎当てフリ、口パクでライブさせるってなんだよ。」
演奏を同期に重ねてライブするのではなく完全に演奏しないのだ。
ましてや伶花は楽器の練習をさせる気はない。
本格的アイドルガールズバンドとしてデビューさせるのに関わらずだ。
エメラルドブルーの元ボーカルの事務所からガールズバンドがデビューましてや楽曲プロデューサーがFlowerこれは大きな注目を得ることができるだろう。
しかしだ、万が一演奏してないことがバレれば大変なことになるだろう。
それに十花は悪い予感がした。
こういうときの十花の勘は九割九分当たるのだ。
「どうしたものか…」
十花は頭を抱える。
このプロジェクトを止めることは簡単であろう。
しかし自分の悪い勘を信じて彩の夢を壊していいのか。
2週間で楽曲初心者を人前でそれ相応に演奏できるようにするのも無理な話である。
そんな時十花のスマホに着信が入る。
「珍しい名前だな。」
そう言って十花は電話に出る。
複数人で会話だと誰が話してるかの表現が難しいですね。
主人公と彩ちゃんの関係を書くのはだいぶ先になりそうです。
アドバイス等あったらよろしくお願いします。