IFもしも、ラインハルトに双子の妹がいたら。 作:アラセイトウ
誰かの声が聞こえる。誰だろう?
まるで、小鳥のような可愛い声。
もう少し寝かせて欲しい。
アンネローゼ姉上の声でも、お姉ちゃんの声でも、ラインハルト兄上の声でも無い。
「ク…………ディア!………ラウ………!
クラウデ………!クラウディア!
良い加減起きてください!!」
そうだ。ティアナの声だ。
でも、何で、家にティアナが?
あれ?此処って家だっけ?
でも、暖かくて気持ちが良いから、もう少し寝かせて欲しい。
「クラウディア!着きましたわ!良い加減起きてください!」
………。着いた?どこに?
あっ、……………。
やばい。すぐ起きなければ。
勢いよく、眼を開け体を起こすと目の前にはティアナ。
案の定、頭と頭が、ぶつかった。
いっ痛い。
でも、ティアナは、涙目。
「ごっごめん!ティアナ!大丈夫?
寝過ごした!ティアナ、頭大丈夫?
冷やした方が良いよね?
お付きの人に頼んで、氷貰ってくるね!」
私は、慌てて、お付きの人を呼ぼうとすると、
ティアナが、クスクスと笑い、
「大丈夫ですわ。クラウディアこそ大丈夫ですか?
ごめんなさい。気持ち良く眠っているところを起こしてしまって。
私(わたくし)の惑星(ほし)
に着いたので、つい、嬉しくなってしまって…………………。
クラウディアにも、早く見せてあげたくて……………。
あの……………嫌いにならないでくれますわよね?」
私の事心配して、喜ばせるために起こしてくれて、泣きそうになっている
ティアナを見て嫌いに何てなれるわけ無いじゃありませんか。
本当に可愛い。
「もちろん!ティアナ♪ありがとう!!!!!!!!!!!!」
ティアナの手を握ってにっこり笑って言う。
ティアナは、ひまわりの花が咲いたようにぱあっと顔を輝かせて
「気にって頂けて何よりですわ!ですが、まだまだですわ!
たくさん、良いところがあるのです!
そういえば、クラウディア。
私(わたくし)の領地にようこそ!ですわ♪
ゆっくりしていってくださいね?」
「うん!楽しみにしているね?」
コンコン
ノックの音が聞こえる。
下船の合図かな?ティアナと顔を見合わせ
ニコッと笑い
「どうぞ、開いておりますわ。」
「失礼します。ティアナお嬢様。クラウディア様。下船の用意が出来ましたが、どうなさいますか?」
燕尾服を着て登場したティアナの執事さん。
四十代くらいの渋カッコ良いおじさんだ。
バスの低音の声がかなーり好み。
これぞ、執事という感じで。
今日から、ティアナの領地で働くことになっている。
私は、ティアナと顔を見合わせ、ティアナの手をぎゅーっと握りあの日のように前を向き、出口に向かって歩き始めた。
クラウディア。大丈夫。前を向いて。一人じゃ無い。
人が人として生きれる世界を作ろう。アンネローゼ姉上のような人がでない世界を。
悪い事をした人がちゃんと裁かれる世界を。
ラインハルト兄上は、武力を使って。
父上は、財力で。
アンネローゼ姉上は、美貌で。
(伝えていないけどね。)
私は、知力で。
もう、ティアナみたいに、 人が、物として見られない世界を。
正義の反対は、別の正義。
お姉ちゃんが、言っていた言葉。
私の夢は、、、、。
必ず、叶える。
私は、クラウディア・フォン・ミューゼルなんだから。
ラインハルト兄上の双子の妹なんだから。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「此処が、役所ですか、、、。」
大きい。何というか、無駄に大きい。
こんな大きさいるの?というぐらい。
今日から、前世で言うなら、市役所のような場所でティアナと皇帝陛下に許可を貰って働く事になりました。
本を読んで、父上に話を聞いて、いろいろな人に秘訣を教えて貰って。
此処まで、来ました。
初めは、自棄でした。
もう、どうにでもなーれという感じで。
寵妃の妹だし、ラインハルト兄上が、偉くなるまで、お見合いとかが来たら、面倒だし。
目立ってなんぼだろ〜と思い、此処まで、来ました。
どうせ、後悔するなら、やる事やって後悔した方がマシですし。
ティアナが、出来ないと言って泣いていたのを慰めたいわけでは無いのですよ?
あ、く、ま、で。
私自身の意思なのですから!
まあ、それは、置いておいて。
此処は、役所の中。
しかも、壇上の上。
ものすご〜く目立ちます。
視線が突き刺さっていたいですが、
皆さんに挨拶をしなければいけませんよね?
こんな小娘が、来てしまったわけですし。
年長の方にとっては、面白く無いでしょうし。
この顔を精一杯利用してしまいましょう。
このぐらいにしか役に立つ気がしませんしね。
「初めまして。私は、クラウディア・フォン・ミューゼルと申します。
とりあえず、此処の長官になりました。
至らない点の方が多いと思いますが、支えてくださると嬉しいです。
どうぞ、よろしくお願いします。」
と言い頭を下げる。
まあ、ね、こうなる事は、分かっていたけどね。
ものすご〜く視線が痛いよ。
小娘が!という無言の声なき声が。
とりあえず、ルンヒェン・ベネディクトに話しかける。
彼は、私付きの従者でもある。
だいたい年は40歳ぐらい。
「申し訳ございません、ヘル・ベネディクト。
資料室から、此処、数年分の財務の資料をとってきてもらえますか?」
「分かりました。(ヤー)プロライン。」
ちなみにいうとかなり無口だ。
それまでに、机の上に積まれている資料を読み込んでおいた方がいいよね?
いくら、古い時代に帰ろうと言っても、コンピュータさえ、使っていない何てありえない。
ティアナが、誕生日ごとに惑星のさみだれを貰っていたらしい。
そのうちの一つの星の長官となったは、いいけれど、今、私が見ている資料の中に、書きかけや、計算間違え、は、まだ良い。
堂々と汚職している後や、期限が切れているもの、今日までのもの。
一体、この役所は、どうなっている?というぐらいにひどい。
しかも、さっきから叫び声や、人を拷問する声。
堂々と私を殺そうと相談している声まで。
何というか、一周回っておかしくなってきた。
とりあえず、今日までの書類、完璧なものにだけサインをして、昨日までのものは、部署ごとに分けて突っ返し不備のものは付箋にアドバイスを貼り、同じように分ける。
………。事務の仕事、お姉ちゃんの仕事手伝っていて良かった。
ホント真面目に。まさか、10歳でやるなんて考えもしなかったけれど。
これじゃ、改革よりも、先に洗い流した方が早いや………。
後で、ティアナに手回しを頼んで、ヘル・ベネディクトにいろいろと資料を集めてもらわなきゃ。
私、まだ10歳なのに………。