IFもしも、ラインハルトに双子の妹がいたら。   作:アラセイトウ

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ある日の夏の午後

 

 

俺が、彼女と出会ったのは、父親が商売を広げるために相手の父親と提携を結んだからだった。

士官学校を卒業し、色々とあり、降格された。女性関係のトラブルが原因だった。

降格されたことに父親が気づかなければ彼女とは婚約していなかっただろう。

会うことは有っただろう。だが、こんな風に彼女と出かける事は、無かったと思う。

彼女は、時々14歳とは思えない考察力を発揮する。彼女の双子の兄も友達もだ。

彼女は異質だ。彼女は例えるなら、何百年に一度かの流星。散々、引っ掻き回し消えて行く。傷だけを残して。

時に、恒星ですら霞ませる輝きを残して。

彼女の双子の兄は例えるなら、恒星だ。目の離せないそんな存在。

今や、閣下は俺の上司であり仕えるべき主君だ。いずれ、皇帝となりうる、な。

彼女も閣下も眩しい程の輝きを放つ。

 

俺は、彼女にとって良い婚約者では無かった。

それに、彼女みたいな女性は見た事が無い。

真正面から、堂々と、火遊びをして良い。内心ではあまりの事に驚愕していた、がな。

あまり、動揺をせずに済んで良かったと取るべきか悪かったと取るべきか。

貴族の女性らしくなく、カタリナ公爵領で辣腕をふるっていると聞いた時、本当に14歳の少女か?と言いたくなったりしたが。

彼女曰く今更、猫被ったってしょうがないし男性の意見も聞いた方が良いから、と言っていた。

寵妃の妹っていう事でただでさえちょっかいだしてくる人がいるから、最初から傍若無人に振る舞った方が合理的だとも、言っていた。

アンネローゼ姉上ももっと威張っていても良いのにとも。

彼女とはたくさん話しあったが一番多いのは彼女の家族の話だった。

友達の話しもたくさんあった。

その次に多いのが政治経済などの少女が好まなそうな話し。

俺にとっては有意義な時間でもあった。

ある日の夏の午後の事だった。

 

彼女に俺の事情を知っているかと聞いた事がある。

彼女は、

 

「ええ。」

 

と頷き目を三角にし怒り始めた。

幸いにそこは俺の自室であったため、父親に聞かれずに済んだ。

俺は、怒った時の彼女が忘れられない。彼女は

 

「最低な親ですよ。オスカー様には悪いですがあの人たちは親になってはいけない人達だったんですよ。

それに、子供に罪なんて無いのにわざわざ、言うなんて馬鹿みたいですよ。ほっとけば良いのに。

一応、貴族の子女なら貞淑にするのは当たり前ではないですか?

勝手に浮気して、子供が出来たら殺すなんて、馬鹿のする事ですよ。

にこにこ微笑んで、嬉しそうにして隙を狙って夫を殺して子供に継承させて、

あっ、引き取って一緒にどっかの星の別荘に引きこもって浮気相手を婿に迎えて暮らせば良かったのに。

もちろん、遺言書には、妻にすべてを譲るって書かせてから殺した方が良いでしょうね。

商売も、フェザーン人や信頼できる人に任せて座っていれば、お金が入る状態にしてですが。

それからでも、子供を殺すのは遅くないような気がしますよ。

7つまでの子供は神の子でしたっけ?いつ死んでもおかしく無いですしね。

そうしたら、オスカー様も傷つかずに済んだのに。

もったいない。でも、オスカー様が生きていてくださって本当に良かったですよ。

おかげで色々な事が出来ます。

だから、生きていて下さってありがとうございます。」

 

と言い微笑む。

その顔はとても綺麗で美しかった。

言葉は、とても怖かったが。

まあ、あの言葉を聞けただけでも有意義であったと思うべきだろう。

 

彼女が俺の前から姿を消して6年が過ぎた。閣下はローエングラム伯となった。

その事を彼女が知ったらどう思うだろう。その反応を俺は見てみたいと思う。

夏の日の午後に必ず思い出す出来事。 

 

 

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