IFもしも、ラインハルトに双子の妹がいたら。   作:アラセイトウ

24 / 29
この話は胃薬が欲しい。/と決め台詞(セリフ)を合わせた話になっています。


胃薬が欲しい。/決め台詞(セリフ)

 

 

ジークが双頭鷲武勲章(ツァイトウィング・イーグル)を授与されてしばらく経った日の事。

 

ある男がラインハルトを訪ねて来た。

ラインハルト曰く、あまり好ましい人物ではない。

あのジークも生理的に合わないと不快感をあらわしていた。

 

うん。まあ、その気持ちはわかる。

別に俺的にはどちらかというと好ましい人物なのだが。

油断したら足元すくわれるが。

さて、この男には俺がどのような者に見えているのか。

聞くのが楽しみだ。

俺は無表情で彼を迎えた。

内心ではニヤリと笑いながら。

 

 

 

閑話休題

 

 

ラインハルトは不快感をあらわさないようにしながら彼に

 

「オーベルシュタイン大佐だったな。私にどんな用件があるのだ?」

 

「まず、人払いをお願いします。」

 

と尊大に言った。

やはり、何というか、釣りで獲物がそれも大物が掛かった気分だ!

 

ラインハルトは、眉をひそめながら

 

「ここには四人しかいない。」

 

「そう、ここにはキルヒアイス中将とツァーベル准将がおられる。

ですからお人払いをと願っており

ます。」

 

 

 

ジークは黙然とラインハルトは鋭い眼光で、俺はクラウディア曰く獲物を見つけた時の獣いや、肉食獣のような瞳をしているのだろう。

 

「キルヒアイス中将とツァーベル准将は私自身も同様だ。

それを卿(けい)は知らないのか」

 

「存じております。」

 

「あえて彼らに聞かせたくない話があるというのだな。だが、後で私が彼らに話せば、結局は同じことだぞ」

 

「それはむろん、閣下のご自由に。ですが閣下、覇業を成就されるには、さまざまな異なるタイプの人材が必要でしょう。A(アー)にはAに向いた話、B(ベー)にはBにふさわしい任務、というものがあると思いますが………」

 

ジークは俺を見て頼みます。というふうに眼を伏せる。俺は了解!といった風に眼を伏せるとジークはホッとしたようにラインハルトを見やって遠慮がちに言った。

 

「元師閣下、わたくしは隣室に控えていた方がよろしいかと……」

 

「そうか。」

 

とラインハルトは何かを考える表情で頷き、頼んだ。という風におれと目線を合わた。

 

ジークが去ると彼は俺に

 

「なぜ、ツァーベル准将は隣室に向かわないのですか?

閣下、ツァーベル准将はよろしいのですか?

ツァーベル准将も早く、隣室に向かったほうが宜しいのでは?」

 

と聞いてきた。

その瞬間、ラインハルトは怒りに身を任せて彼に暴力を振るいそうだったので慌てて

 

「その話はわたくしに向いていると思ったので。」

 

と慇懃無礼に返してやった。

彼の意図丸無視して。

このぐらいの仕返し構わないよな?

というか、このぐらい言わなければ後が怖い。

さすが、双子怒る時の理由も似ているなー。

というか、そのぐらいで怒らないでくれ。

まだ、マシだぞ。

軽すぎるくらいだぞ。

現実逃避している場合では無いよな。

ははっ。

胃が痛い。胃薬が欲しい。

なあ、だからさ、ラインハルト、後、少しで良いから抑えてくれー‼︎‼︎‼︎

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

とにかく、話を進めなければもう、泣きたい。

内心で溜息を押し殺しながらほんの少し笑みを浮かべ

 

「オーベルシュタイン大佐、何か話があるのでは?

お話し頂けないでしょうか?」

 

 

まあ、だいたい見当はつくけど、一応、うん。一応聞いておかないとな。

彼は俺を義眼でチラリと見るとようやく本題に入った。

 

「じつは閣下、私は………。」

 

何というか、後は予想どおり。

やはり、彼は使える。

俺たちと同じだ。

細かな部分は違うが。

嗚呼、なんて面白い。

さて、どうやってラインハルトを説得しよう?

俺が策を講じている間にも話は進みついに

 

 

「銀河帝国、いや、ゴールデンバウム王朝は滅びるべきです。可能であれば私自身の手で滅ぼしてやりたい。ですが、私にはその力量がありません。私にできることは新たな覇者の登場に協力すること、ただそれだけです。つまりあなたです、帝国元師、ローエングラム伯ラインハルト閣下」

 

………決め台詞(セリフ)みたいだな。さて、ラインハルトはどう出る?

 

「レオン!キルヒアイス!」

 

ラインハルトは椅子から立ち上がりながら俺たちを呼んだ。

 

「キルヒアイス、レオン、オーベルシュタイン大佐を逮捕しろ。帝国に対し不逞な反逆の言辞があった。帝国軍人として看過できぬ」

 

ジークは神速の技で右手にブラスターを抜き取って狙いを定めていた。

俺は故意に反応せず、ラインハルトの後ろに立っている。

 

「しょせん、あなたもこの程度の人が………」

 

と、失望と自嘲を滲ませて呟いた。

 

「けっこう、キルヒアイス中将とツァーベル准将をたったふたりの腹心と頼んであなたの狭い道をお征きなさい」

 

 

………。はあ、ここは、俺がまとめるしかないんだよな?

というか、狭い道ってふたりって

他にもいるからな!

オスカー殿とか、ティアナとか、ヒルダとか!後、クラウディアも!勝手に決めつけてんじゃねーよ!

 

 

「キルヒアイス中将………」

 

ああ、もう、話進めんな!

 

「光には影が従う………」

 

その、ポジションは俺のものだ!

勝手にないものにするな!

面倒くさすぎる。

残業代?が欲しい!

ああ、もうとにかく

 

「キルヒアイス中将。とりあえず、それ(ブラスター)しまって頂けますよね。ローエングラム閣下、貴方とキルヒアイス中将は座ってください。そして、落ち着いて頂けますか。

今、お茶を淹れなおしましょう。

オーベルシュタイン大佐も座ってください。」

 

「だが、レオン。」

 

ラインハルトが反論したそうにしているが知ったことでは無い。

お茶を淹れなおし、三人分用意し

クラウディア仕込みのニッコリ笑顔で笑う。

 

 

「少し、静かにして頂けますか。

そして、キルヒアイス中将と座ってお茶を飲んでいてくださいますよね。

ローエングラム閣下?

キルヒアイス中将もそれで宜しいですよね。」

 

 

『ハイ!』

 

 

うん。良い返事だ。

さあ、始めよう!

 

「オーベルシュタイン大佐。

あなたは、ローエングラム閣下を使って帝国を滅ぼしたい。

それで良いのですね?

それ以外の望みはありますか?」

 

彼は少し面喰らっていたがすぐに立ち直し

 

「ああ、それで構わない。」

 

「でしたら、その後の事はこちらに従って頂けますか?」

 

「無論。」

 

 

予想どおり。ここまで上手くいくとはな。

逆に不安になりそうだ。

少し、外野が煩いな。注意しておくか。

 

「ローエングラム閣下キルヒアイス中将。お茶を飲んでいてください。」

 

さて、手駒を手に入れるか。

 

「ありがとうございます。ローエングラム閣下。オーベルシュタイン大佐を貴族どもから買うべきです。」

 

うん。三人揃って眼を瞠った。

そんなに驚かなくても。

少し調べればわかることじゃ無いか。

オーベルシュタイン大佐とゼークト提督の不仲。彼の義眼。

そして性格。

後は、言質も取れた。

買う。決定だろ!

さっさと頷けラインハルト。

 

「わかった。卿を貴族どもから買おう!

レオンの判断なら間違っていないだろうしな。」

 

………少し、釘を刺しておくか。

 

「小官の判断を丸呑みにしないで

きちんと彼の性格、経歴、望みを確認しておいてくださいね。

くれぐれも振り回されないように。」

 

「わかっている。」

 

本当か?

まあ、その時は俺が止めるから良いか。

 

 

 

_______________

 

 

 

「なあ、キルヒアイス。」

 

 

「何でしょうか、ラインハルト様。」

 

「俺、一応、レオンの上司なんだか。」

 

「あの笑顔の時のクラウディアは怖いですから。」

 

俺もキルヒアイスもレオンも、

トラウマになっていたりする。

なのに、何故!レオンは使いこなしているんだ!

 

 

「答えになっていないぞ。キルヒアイス」

 

レオンのこと止めてくれないかな?

 

「オーベルシュタイン大佐の用件はレオンの管轄下なので関わる気はありません。」

 

「………。そうか。」

 

やっぱり、無理か……。

 

「ローエングラム閣下キルヒアイス中将。お茶を飲んでいてください。」

 

『ハイ。』

 

 

………。何であんなにクラウディア並みに怖いんだ?

 




あと、何話か投稿したら不定期更新になります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。