それ逝けあんちんマン!   作:アビャア

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安珍と武蔵のぶらり旅始まります。

戦闘描写難しいなぁ.....




拾鐘 安珍旅 剣豪!武蔵

Θ!月!日『剣豪ってすごい』

天気:晴れ

 

平行世界の女侍、宮本武蔵(♀)と共に旅をし早一週間、何時もの妖怪,悪霊関連の事件に巻き込まれながらも順調に進み、岐阜の美濃の中程まで来た。

 

明朗快活、凛としながら瑞々しい彼女とはお互い気が合うのか、今では戦闘で掛け声なしに目線で分かり会う程である。

というか武蔵ちゃん、剣豪なだけあって剣術が凄い。

刀というのは切れ味が鋭い代わりに斬るコツが必要だったり、耐久面が弱くデリケートな剣なのだ。

 

しかし武蔵ちゃんはそれを片手ずつ持ち、豪快に振るい ながらも剣捌きは繊細、刀の本来のスペック以上の結果を常に叩き出しているのだ。

 

そんな技量で繰り出す二刀流の一撃は鋭く、そして恐ろしいほどに的確だ。それを連続で放ってくるので、今の俺ですら一撃は凌げてもその後は、防げるかどうか怪しい程だ。

昨日の悪霊退治の際、武蔵ちゃん基本物理無効の悪霊相手に()()()()()()()()()()()時は流石の俺も苦笑いしたものだ。

 

ケンカ好き、美少女美少年スキーな所があるけど......

ある妖怪退治の際助けた"美"少年少女に、にへらぁって顔がほころんで笑ってたし.....こんな剣豪で大丈夫か?

 

 

[睦月]月マークザイン日『一休み』

天気:雨

 

今日は町の少し大きい宿に泊まり羽を休めていた。

俺の奢りでタダで泊まれると聞いたときめっちゃ喜んでいた。うわぁお.....

 

やることもなくお互い武器の手入れ、俺は簡易工房キットで魔術礼装を作ったり調整していた。

途中武蔵ちゃんが興味深々で此方に近付いたが、なんというか胸が当たっていた。

その事言ったら顔を真っ赤にして慌てて後ろに下がった。

 

あっコイツうぶだな(確信)。

 

 

 

その後無言が続いたが、武蔵ちゃんの『うどん食べたい』から話が再開し、食事トーク、旅の思い出、そして自分の今までの出来事や旅をする目的をお互い話をした。

 

俺の今に至るまでの過去話と目標をを聞くと何やら納得したのような顔をしていたけど何故?

 

しかし、武蔵ちゃんの目標は剣術を極めた先にある"無空の境地"ねぇ。彼処までの領域に至っても未だにそれに近付いているかどうか分からないらしい。

 

基本明るい彼女が、その時かなり思い悩んでいたので僭越ながらアドバイスした。

 

『たまには歩くような速さでいってみたらどうだ?そしたら意外と答えのヒントがあるかも知れないぞ。』

 

その答にキョトンとした顔をした後、嬉しそうな顔で背中を叩かれた。

 

あれ?不味かった?っと思ったら『流石安珍様、その発想はなかった』と少し解決したのか笑顔で答えてくれた。

 

この後、夕食で武蔵ちゃんお酒を飲んだけど、酔いどれになり、テンション高めの猫のようにじゃれついて来たので、手刀で気絶させて布団に寝かせた。

....酒弱いんだな、後で二日酔い用の薬飲ませよう。

 

 

ps.背負い木箱って背負子と言うんだね。武蔵ちゃんが言うまで気付かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

@月@日『宮本武蔵という剣豪』

天気 曇り然れど晴天なり

 

宿を出て二日、顔を布で隠した白装束の式神から貰った手紙に書いてあるある依頼を解決しに名古屋の尾張まで来た。

 

その依頼主はきよひー父で内容は『尾張のある港町の浜辺の洞窟にいる鬼の討伐。』だ。どうやら他の鬼とは違うタイプで苦戦を強いられているらしい。

 

その問題を解決するため彼の専属の陰陽師の式神の案内の元、その目的地手間に着くとそこには拠点地があり、既に武士8名とと兵士の方々がいた。

 

女である武蔵ちゃんが刀を持っていることに武士含む男達は怪訝そうな顔をしていたが、俺の一声で直ぐ首を振って納得した。

 

けど、何で注意しただけでそんなにビビる?

えっ武蔵ちゃんやり過ぎ?むぅ殺気が少し漏れただけなのになぁ。やはりまだ俺は未熟かぁ。

 

その後、背負子を拠点地に置き、武器などの準備を終え、例の洞窟に入る。

そこには鬼が棍棒や刀を持ってお出迎えしていたので武蔵ちゃんと一緒に突貫、盛大なパーティーを始めた。

 

まぁ、俺と武蔵ちゃんの強さのあまり手下の鬼も瞬殺、敵大将すら華麗な連携で全滅したがその後に現れた奴がヤバかった。

敵大将が殺られた後、ソイツは洞窟の奥から現れながら襲い掛かった武士四人と彼等の家来である兵士数十人を15秒掛からずに屠る。

刀に付いた血糊を刀を振ってて飛ばし、鞘に納めていた。

 

その鬼は上半身裸の灰色で人間より少し大きいぐらいだが、腕は四本、各腕に刃こぼれした刀が一本ずつという四刀流の鬼であり、今回の討伐対象だった。

しかもその腕はかなりの手練れ、苦戦を強いられた。

 

ソイツは俺の方を向くとニヤリと笑い急接近し、連続で殴り付ける。俺も拳で応戦するが、防ぐので精一杯でそのまま移動し、洞窟を抜け浜辺の砂まで攻防が続いた。

 

俺は拳で鬼の顔面を殴り付け、よろけている瞬間に距離をとる。

 

鼻から血を流し、口から僅かな血を流れている事に気付くと笑いだしながら血を吐き出し、刀を抜き連撃を繰り出す。

その様はまるで、MGSに出てくるサイボーグ忍者が闘争で笑い狂うかの様だった。

 

最初は無銘と魔術で戦うが手数に押され、次に破戒で挑む。

数撃の斬り合いの後、突きを放った瞬間軽々と刀でいなされ俺の武器を弾き返される。

大きな隙が出来ると鬼は殺意を満ちた攻撃を放つ。

この間、僅か40秒だ。

 

破戒でいなすが三撃目で破戒が手から離れ洞窟手間の砂に突き刺さり、武器を弾かれ無防備状態の俺に四撃目が襲い掛かる。ギリギリで避けたけど服ごと左肩が切れて血が流れた。

 

僅か一分でで劣勢に入り、一番使いこなしている『破ァ!』と血闘で応戦するが攻撃を喰らっても怯む処か攻撃の頻度が速くなり、徐々に切り傷などが出来、こっちのダメージが蓄積される。

 

『変換/放出』で魔力を視神経と筋肉の補助に回し、その上に強化魔術を施しているのに目で追い付くのがやっとだ。

途中、遅れてきた武蔵ちゃんが吹き飛ばされて、彼女の近くに刺さっていた破戒を引き抜き、相手に思いっきり投げ付けた。

相手が突然の事に驚いてそれを避けた瞬間、俺は拳の五連撃を放ち、怯んだ隙に風の魔術を使って武蔵ちゃんの所まで離脱出来たけど、援護が来なかったら殺られてたかもしれない。

 

武蔵ちゃんが此方に近付くと『後は私がやる』と本気の顔になり刀を抜き四刀流の鬼と対峙する。

 

鬼も察したのか武蔵ちゃんに向けて刀を向け、お互い動かない状態が続き、波の音だけが聞こえる。

 

カモメの鳴き声が聞こえた瞬間、斬り合いが始まった。

 

目にも止まらぬスピードでお互いの刀がぶつかり合い火花が散る。その速さに剣圧で足元の砂が飛び散り、減っているのだ。

しかし両名の戦いは荒々しくも見惚れるほどの戦いぶりだった。

 

鬼の剣捌きがどんな物でも吹き飛ばす荒々しい『嵐』なら、武蔵ちゃんの剣捌きは、そんな嵐の中で平気な顔でで舞うかの様に踊る可憐な『華』だ。

 

 

そんな、刀のぶつかり合いが始まって数刻、お互い決め手が決まらない均衡状況の中、一変に急変した。

 

武蔵ちゃんの二刀流から繰り出される連撃は、的確に相手の急所を当てようとする。とは言え、相手は手練れの鬼。上に付いてある両腕の手に持っている二本の刀で防ぎ鍔迫り合いにし、残りの両腕で二本で挟み込むかの様に武蔵ちゃんに攻撃する。

 

しかし彼女は其を予見したかのように刀を滑らすように

して相手の刀を弾き、一気にしゃがみ攻撃をかわす。

 

相手の刀を持った腕が交差した瞬間、相手の胴体に右の刀で左肩を、左の刀で右肩を袈裟斬りにし、胴体に深い傷を負わせるとそこに蹴りを放ち無理やり距離を離し、後ろに下がる。

 

ある程度、後ろに下がるとそこで止まり、彼女は刀をしまい目を瞑り始めた。

 

傷に手に触れながらも、彼女の行動と殺気に何かを察した鬼は吠えながら刀を構え彼女に向けて全力で走り出した。

 

 

 

「南無。天満大......」

 

 

 

すると、彼女の後ろに巨大な四本腕の不動明王像を顕現し四振りの剣を構える。

 

 

 

 

「自在天神、仁王倶利伽羅。」

 

 

 

鬼が全力で上右腕の刀を振るった瞬間、不動明王は片腕で刀ごと腕を裁ち斬る。

 

 

 

 

「衝天象!」

 

 

 

鬼は退かずにもう片方の上左腕の刀を振るうが、不動明王もそれに答えかのようにさっきと同じように裁ち斬る。

それを繰り返し、不動明王の四つの剣が振るった後には、鬼の全部の腕が刀ごと切り捨てられていた。

 

 

 

 

「行くぞ、剣轟抜刀……!」

 

 

最期の足掻きで牙を剥き出しにし噛みつこうとするが既に遅く、彼女は両腕で刀を持ち、光を収縮させていた。

 

 

 

その時目が見開き、叫ぶようにその一振りを振るう。

 

 

 

 

「……伊舎那大天象!」

 

武蔵ちゃんが放たれた一閃は鬼を真っ二つに両断し、その後に光の渦で消え去る。

ゆっくりと息を吐くと、彼女は刀をしまい何事もなかったかのように何時もの表情になった。

 

光が消えた後には鬼の姿はなく、砂浜は抉れ、海が一時的に斬れたかのように割れていたけど。

 

 

それを見ていた武士達は顎を外れたかのように驚き、俺も表情は出なかったが見開いた。

あの巨大な四本腕の不動明王像、魔術とは似ているようで全く違う何かだったのだ。

 

その時俺は思った。

 

"武蔵ちゃん....それオーバーソウルやん。"

 

 

すると彼女の後ろに空間の歪みが起きた。どうやらお別れの時間らしい。

俺はお別れの挨拶をしに彼女に近付く。笑顔でいたが、彼女もまた名残惜しそうしていた。

俺は『まぁまた会うだろうさ』と答える。

 

根拠はない。だが彼女とは別の場所で会うかもしれない確信があるのだ。

 

 

彼女はその言葉にキョトンとした後に吹き出すと、『そうかもしれない』と笑顔になると拳を突き出す。

俺も軽く拳を突き出し拳を合わせる。

 

 

 

彼女はその後、空間の歪みに入り消えていった。

 

 

 

鷲が飛ぶ晴天の中、空を見上げ、その場を去った。

 

 

 

――――鮮やかなり天元の花  その剣、無空の高みに届く。

 




次回は間章で武蔵ちゃんが旅の中で見た安珍を書きます。

なお安珍、武蔵ちゃんが出した不動明王見て何か閃いた模様。


剣豪鬼
今回の討伐対象。腕が四つのあり四刀流を使う。
かなりの強敵。

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