それ逝けあんちんマン!   作:アビャア

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遅れてすまない....疲れと寒さに連続寝堕ちしてしまった。


エレシュキガルピックアップ召喚に驚き、アルテラ・ザ・サン[タ]に右手を掲げた作者です。

今回は外伝で武蔵ちゃんsideで語るもう一つの安珍旅です。

武蔵ちゃんの口調が違うかも知れないけど、此が作者の限界です。許して下さい。







外伝鐘 武蔵旅 破ァ!な安珍

私の名前は新免武蔵守藤原玄信、またの名を宮本武蔵!

 

二天一流の使い手にして創始者、そして片道切符だけど、色んな世界を回り旅をする女剣士!

 

えっ?宮本武蔵は男?まぁ気にしない気にしない♪平行世界から来た宮本武蔵何だから私。

 

様々な時代や世界を回ってきた私だけど、前の世界は凄かったなぁ。主にあるお坊さんだけど....

 

えっ?そのお坊さんの何が凄かったて?そりゃもう色々よ!

 

『破ァ!』で叫べば悪霊が消滅して、拳で魑魅魍魎、悪霊も消し飛ばしてたのよ!

もっとこう僧侶ってお経とか数珠とかの除霊用の道具で祓うもんでしょ!最初は突っ込んだわよ流石のアタシでも!

 

しかも槍術や剣術も中々のものだし優しい美坊主、しかも融通が効くから文句無しな程イイ人だけど...

 

けどアレがあの()()とはねぇ...『清姫・安珍物語』を読んでいた私にとっては衝撃的だったわよ。

彼、確かに恋愛とか女心ない代わりにとても優しいし"強い"。

 

私の読んだ安珍とは全くの別人よ。最初偽者かと疑ったけど、女の宮本武蔵である私が言えることではないから直ぐに納得しちゃったけど。

 

彼はとても良い人というか明るい聖人ね彼、腹が減っていたアタシにお握りくれたり、私の話を信じてくれた上に条件付きで、飯は安珍が奢る形で私を護衛人として雇ってくれたしホントに頭が上がらないわ。

 

その代わり少し天然なのよねぇ彼、アタシを雇う本当の理由、声で少し漏れてたし、まぁ理由が理由だったから少しは嬉しかったけど。

後、無表情なのに僅かな目と眉毛で喜怒哀楽を現す事が出来るってある意味凄い.....あれが俗に言う無表情のポーカーフェイスね。

 

 

そんな彼と旅をするのだが、まぁ妖怪や悪霊の戦闘が多い!一日で多くて5件って呪われ過ぎてない!?しかも速攻で終わるし!!

 

彼、基本相手が大層な事を言っていようが強者以外、容赦なく仕掛けてくるから流石の私ですら引いたわ。

それが畜生以下ならそれが生温くなるほどの地獄になるから恐ろしい...

 

しかも相手の隙が大きい瞬間に一瞬で近付いて殴るか『破ァ!』で仕留めるし、乱戦以外、拳とちょっとした魔術で戦うのだ彼は。

 

 

そんな彼の強みは、()()()()()()()()()()()()()()()()事ね。

あのヌボーっとした顔で相手が隙を見せた瞬間、拳で一気に急所に叩き込んで倒すのだ。相手なんて顔がポカンとしていたけど、私も初見でそれをやられたらそうなるわね。

 

そんな彼の基本は両腕に付けたグローブや拳に炎や『破ァ!』を纏って殴る。それだけのシンプルスタイルだけど、大抵の敵はこれで沈む。

 

拳が効きづらい相手なら武器を持つ。

刃が長方形で柄が短い薙刀で豪快に切り裂き、移動しながらや、素早い相手の時は鉄剣と魔術で連撃を繰り出す。

武器の扱いは苦手と言ってたけど、あなたの技量、熟練の武人の域よ安珍.....

 

そして戦術眼も鋭い。相手の癖を直ぐに見抜きそれに合わせて強烈な一撃を喰らわせたり、状況に応じた対応もする。アタシの動きを見て二日半で動きを合わせて来たし、どんだけなのよ....

 

 

まぁそんな濃い旅路をし仲も深まり、彼のやる大抵の事に驚かなくなった頃、ある人物から依頼の伝言を式神からある鬼の討伐依頼を受け、尾張に向かった。

 

依頼した人物の名は『庄司清治』.....って!?あの熊野国造の分家で清姫のお父様じゃん!歴史変わりすぎ!?

 

この後、滅茶苦茶揺さぶって問いただしたら、仕事の都合上で奥州白河にいた庄司さんの妻子が妖怪に拐われ、それを安珍が助けて以来依頼を受けたり、手紙(主に清姫)をする程の仲になったらしい.....

 

よく生きてたわね彼、ホントに色々な意味で。

 

その間に妖怪案件が何個かあったけど直ぐに解決し、拠点に着いたけど、まぁ視線が痛かったわ。主に私のせいだけど。

 

時代も時代だから武士から、やれ『女が刀を持つとは....』『女が出る幕ではない。』とか言われてカチンときて刀を抜いて実力行使しようとしたら彼の一声で収まるところか認めたわね。

 

『俺の護衛人に文句あるか?お前らより強いぞこの娘は。』

 

発せられた覇気が凄かった。私でさえ彼から一歩無意識に退く程に。

 

そこにいた兵士含む武士たちの顔が怒った顔から段々顔が青くなって首を物凄く振ってたし、一番私に文句を言ってた武士なんか泡吹いて何人か気絶してたわね。

私の為に怒ってくれるのは有り難いけど、流石にやり過ぎだと言ったら、覇気がなくなってポァっとした何時もの彼に戻っていた。

 

戦闘と非戦闘の切り替えの早さと、そのギャップが違うところが彼の恐ろしい所ね。

 

まぁその後、戦う準備をして鬼達がいる砂浜の洞窟に

突撃したけど、この短い間に強い妖怪達を打ち取ってきた私達には簡単な敵だった。敵の大将なんか安珍が囮兼足止め、私が止めの連携で直ぐに終わったわ。

 

安珍なんて魔術で私の援護をして歩きながら襲ってくる敵を片手にもった薙刀で切り捨ててたもの。それほど苦戦しなかったわ"アレ"が出てくるまで。

 

その鬼は私と同じ二刀流...否、四刀流の使い手だった。現れた時の殺気と一瞬にして手練れの武士達を葬った技量、恐ろしかったわ。

 

その鬼が安珍に顔を向けると舐めているのか素手で襲い掛かった。それでも直ぐに拳をいなし、反撃するの繰り返し、無表情でやるのだから流石ね。

 

砂浜まで移動してたけど相手の鬼、余りにも捌かれるから少し焦ってたわね。

 

私も遅れて洞窟を出たら、四刀流に拳で防いでいた彼が目に見えた。流石にヤバイと思って近くに刺さっていた彼の大切な薙刀を鬼に向かって投げつけたけど。

 

それを待っていたと言わんばかりに彼、目にも見えない

速度で胴体に五連撃放ってから風で追撃、その反動で私の所まで来たけど、引き際ですら深傷を負わすとは流石ね。

 

 

 

そんな彼に応じて、私も張り切って勝負を仕掛けたけど、確かに強かった。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

確かに鬼は強い。長年の戦闘と鍛練を積んだ剣術だった。けど、私も此処に来てかなりの修羅場を切り抜けたのだ。技量も刀捌きも以前より上がっている。

 

それに相手は()()()()()()()()()()()()()()

 

鬼の方は全く気付いてなかったのだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そう安珍はあの一撃一撃に『破ァ!』を練り込ませて打ち込んでたのだ。彼の『破ァ!』は魑魅魍魎にとっては毒そのもの。其を気付かない程度に蓄積させていったのだから恐ろしいもんよね。

 

隙が出来た瞬間私の奥義を放つときなんて、鬼は完全に身体が蝕んで腕しか動けなかったけど、最後に噛みついて来ようとした時なんか驚いたわ。

 

流石鬼、安珍ですら恐れる相手ね。

 

しかし、旅の中で鍛えられたのか奥義の技もかなり冴えてたし、疲れもまだ戦える位の気力があった。

 

アレ以前は使った後かなり疲れるのよねぇ。やっぱり旅の道中、魑魅魍魎とかなりの頻度で戦ったり、その合間に彼が剣術を磨きたい理由で模擬戦をしたお蔭かしら。

 

鬼を斬った後に空間の歪みが出て来て察したわ、もうお別れなんだって。

彼も察したのか私の所まで来たけど、かなり離れていた距離を5秒で来るのは可笑しいと思う。

 

 

しかし『また出会える。』かぁ、確証が無いのに目に見えない根拠がそこにあって笑っちゃた。

 

そこは『元気でな。』とか『達者で。』と言うと思ったらそれなんだから。でも、最後まで彼らしかったわ本当に。

 

貴方がくれた言葉や経験は忘れることはないでしょう。本当に有り難う。

 

彼なら私が知っている安珍の史実より予想外な歴史に変わりそうね色々と。

しかし、歩くような早さ.....か。確かに私少し生き急いでいたみたい。

確かにそうしてみたら反省点を見付けられたから、今度はたまに青空を見てゆっくりと歩いて見るか!!

 

 

 

じゃあ!また!不思議な優しいお坊さん♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ある町に雨が降る。

そんな一軒家の宿に一人のお坊様と女剣士がお互いの過去と、目標を話していた。

 

女剣士『宮本武蔵』は彼の今に至るまでの壮絶な人生に絶句していた。

故に彼『安珍』の目標に納得したのだ。

 

『あっ目標?それは誰かを護れる様になりたいことだ。』

 

『今まで、この世の嫌な部分を見てきて摩れていた俺を救って此処まで成長させたのは、色んな人達だった。もしかしたら、畜生以下の外道に堕ちていたかもしれない。』

 

『だから俺は強くなりたい。力を只欲するのでは無くて、手の平で多くの命を護れる程の人になりたい。鍛えているのもその理由の一つさ。』

 

『故に、色んな可能性を広げる為に修行の旅をしているんだ。』

 

 

その時、宮本武蔵は彼の顔を見て、あることに気付いた。

 

彼は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

だから、彼は誰かの手を差し伸ばす事が出来るのだろうと。

 

彼は既に人間の善悪が壊れているから他の人とは違う発言や行動が出来るのだろうと。

 

故に心の奥底で渇望しているのだろう。

 

()()()()()()()()()()()()()

 

その時の彼はくしゃっとした優しい笑みをした反面、何かに飢えた子供のような表情だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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