それ逝けあんちんマン!   作:アビャア

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仕事の忙しさと疲れで投稿が遅れました。

今回は幕間である女性キャラ達の出来事を纏めたのですが書いている途中、文字数がかなり長くなったので前編後編と分けました。

主に清姫の回だけで丸々一話分になってしまった。
しかもまだその部分は執筆途中...清姫回を待ち焦がれた皆様、本当にすまないと思う。
そのため後編は実質清姫回です。

連続投稿の予定なのでご了承下さいそれではどうぞ。






幕間の章 『とある女性達の裏話 前編』

ケース壱『とある鬼達の会話』

 

京の都にある大江山の小さな屋敷、そこにある鬼二人が酒を酌み交わし会話をしていた。

 

「なんであのとき逃げたんやろか茨木?あの珍妙な陰陽師、安部保名やっけ?

そこに仕えとる戦闘狂の妖弧もおったけどあの僧侶と仲良くボロボロやったさかい一気に襲えば勝てたかもしれんのに?」

 

「うぅ....仕方なかろう!酒呑も感じただろう!?あの我等に気付いて振り向いたときの顔と恐ろしい瞳、僅かに感じた恐ろしいナニかを!?

あれは本当に人間か!?うぅぅ....」

 

「フフッ少し弄りすぎたわ。ごめんなぁ茨木。

あんたは他の鬼より強いとはいえまだ鬼の力を使いこなせておらんからなぁ。

流石のうちも少しだけ身震いしたけどこんな感覚初めてで興奮するわぁ。ほれええこ、ええこ。此処は安全やさかい泣かんでええよ?」

 

「うぅぅ....すまぬ。」

 

少し頬を膨らしながら京都弁で紫髪の少女は相方を弄る。弄られる金髪の少女はある人物が恐かったのか少しだけ涙目になっていた。

涙目になっている金髪少女の頭を撫でながら京都弁の少女も思い出していたが逆に武者震いをして興奮している。

 

姿は二人とも可愛らしい少女だが頭部には立派な角があり夥しい妖気を放っている。

この二人がかの有名な『茨木童子』と『酒呑童子』である。

 

この二人が安珍が視線を感じていた正体である。彼があの廃屋敷に住む大鬼を退治する事を耳にした酒呑が、茨木を無理やり連れて観戦しにいったのである。

 

 

「あぁ....仕方無かったとはいえ、もったいないことをしたわぁ。」

 

「...グスッ酒呑そんなにあの男が気に入ったのか?」

 

「まぁせやね。あの安珍ってゆう男に流れる"破ァ()"がなかったら直ぐにしゃぶりつきたかったんやけどなぁ。

あれに惚れた訳ではないんやけど、ええ体つきと磨きかれた武術も武骨ながら洗練されとるし、手足のようにつかっとたあの武具、破魔の力が宿っとたけどあれも貴重なものやろうなぁ。

大怪我も承知の上であの美坊主を拐ってから無理やり四肢をもいで、うちの側に置いて愛でるのも乙やったやろうなぁ。」

 

「むぅ.....」ポリポリ

 

青い硝子状の大きい瓢箪に頬をついて勿体ないことをしたと溜め息を吐く着物を着崩した鬼『酒呑童子』に対し、涙を拭き何時もの調子に戻った雅な着物を着た鬼『茨木童子』の問い掛けに対し、酒呑は恐ろしいワードを妖艶な声をだしまた溜め息を吐く。

 

それを見た茨木は話の話題になっている僧侶『安珍』に対し嫉妬をし、街から奪い取った金平糖を貪っていた。

 

(確かにあの人間、安珍の強さは我も惹かれる程に見事だった。あの極限までに鍛え抜かれた肉体と何処までもぶれない精神と集中力、全く恐ろしい。)

 

(奴の噂は我の耳に届いていたが、まさか彼処まで出鱈目な強さだったとは。我等の毒ともいえる聖なる力、鋭く抉り取るかのように放たれる拳、武器でさえ手足のように使い分けるとはな。)

 

 

(しかし、奴の恐ろしさは強さだけでは無かった。あろうことか()()()()()()()()()()()()同胞の首を討ち取った!)

 

茨木達は安珍の恐ろしさを垣間見ていた。そう彼はあの戦いで成長し勝利をもぎ取ったのだ。

なんという執念、人間と思えないぐらいに貪欲で強さを純粋に求めている結果あのような底無しの成長をしているのだろう。

恐ろしい反面、その姿は鬼ですら惚れ惚れするほどの飢えでもあったのだ。

 

 

(酒呑なら何とか勝てるかもしれないが、このままの我では無理だ。勢力を上げると同時に我自身、鬼の力を今以上に使いこなさなければ!)

 

「茨木ー、茨木ぃ。」

 

「それにはまず同志を増やさなければな。今我と酒呑、僅かな鬼しかいない状況...違う地方に行って増やすか?

いや待て先ずは大きな屋敷を建てる場所を決めなければ。こんな豪華ではない小さな屋敷に酒呑をずっと住ませるわけにはいかん..場所は防衛しやすい配置をしなければ..それから例の大剣もそろそろ.....」ブツブツ....

 

「....フフッ。い~ばぁ~らぁ~きぃ。」フゥ。

 

「にゃぁっ////にゃんとぉぉ!?」

 

 

 

 

 

 

この鬼二人と安珍、ちょっとだけ長い因縁になることになるとはこの時誰も知るよしはない。

 

 

 

 

 

 

ケース弐『妖狐、加賀小雪の強敵()事情』

 

 

「......ふぅ。」

 

安珍含む天空寺一行が日向寺に向かう最中、一人の女性が境内を竹箒で掃いていた。

 

名は『加賀小雪』。遥か昔の加賀の国で、猛者を求めて戦いに明け暮れた五尾の狐であり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()女性だ。

 

何故位の高い貴族の部下を辞めて安珍が暫く修行場として住むであろうこの寺に居るのかその答えは単純、ようやく理想の強者に出逢ったのだ。

 

 

「ふむ、まだ奴は来ないか。...しかし、何であの男が私が求める強者なんだろうな。それに.....」

 

 

 

 

 

~難題終了後~

 

 

 

『ほう。君が求める強者が安珍だったとは!やはり、葛の葉の目に狂いは無かったな!!

自慢ではないが帝でさえ色々と恐れられている私の交渉術でさえ恐れず大一番で大胆にいくあの胆力、かなり気に入ったよ!!』

 

『伊達に長生きした訳じゃ無いからね貴方♪

昔、散々聞かされてたから見たときビビっときちゃったのよ!試しに私の妖気当てても平気な顔だったし、やっと狐の嫁入りね小雪ちゃん♪』

 

『あっそうだ!!私が見立てた衣装があるから着てみたら?むしろ強制的に着替えさせるわ!皆手伝って!』

 

 

パチンッ!

 

『『『はい葛の葉様!小雪姉様の為に!!』』』

 

 

 

 

『いやっ待て!落ち着くぁwせdrftgyふじこlp....』

 

 

 

 

 

 

「いや....今思い返せば何故そうなる。私は強者に仕える只それだけだ。それなのにこの着物では戦い辛いではないか。それに.....」

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()この服を着替えさせられてもな。あの色ボケ夫婦と私の部下達に『契約するならこうでないと』っと説得されたもののどうしたものか.....」

 

溜め息をしながら自分の服を見渡す。

その衣装は白装束で袖に至っては手が隠れる程長く、頭には紅で隈取りした狐を模したローブに似たものを被っている。

俗にいう白無垢に似ているのだ。

 

今夜、彼と式神契約(強制)を交わすとはいえ少しやり過ぎなのではと今更ながら恥ずかしくなってきてるのだ。

 

しかも葛の葉の呪い付きで彼ではないと解呪出来ないおまけ付き。

 

 

彼女は冷静沈着でそれなりの常識は弁えているが生粋の戦闘狂。たとえどんな強敵だろうが『退かない,媚びない,省みない』の帝王三原則で行動している。

 

安部家に仕えたのも自分が求める強者が現れるまで仕えるという条件付きで葛の葉の部下として働いていたのだ。

 

そんな陰陽界の精鋭である安部直属の式神や武道派の部下達からの洗礼(殺気)を浴びても安珍は物怖じせず佇んでいた。

しかも、基本ラブラブ夫婦だが、仕事モードに入ると自分でさえもたまに身震いする安部夫婦でさえも動じなかったのだ。

 

しかもその胆力を気に入り、安部保名のお気に入りの一つである日向寺を修行場として渡すのだから相当気に入っているのだろう。

 

そして三つの難題を巡っていきながら常識の枠を越えすぎた行動や割りと容赦ない攻撃に心なしに高揚したのだがそのなかで彼女が安珍の式神として仕える決定的なものがあったのだ。

それは法螺村解決後のスパーリングでの出来事だ。

 

『ふぅぃ素手で戦って十試合中三勝五負二分かぁ。やっぱり強いなぁ小雪さんは。』

 

『....ふん。貴様こそ病み上がりとはいえこの二日で其処まで動けるとはな。流石は『陸奥国の怪異殺し』と呼ばれただけはあるな。』

 

『いやいや、俺は『破ァ!』が取り柄だけのただの不良僧だよ?そんな大層なふたつ名は持ち合わせてないさ。』

 

『何故そこまで謙遜するのだ安珍?貴様は数多くの怪異、魑魅魍魎を拳と言霊で滅した猛者、私から見ても貴様は人間の中では中々の強者だぞ?』

 

『あーうん、そうなんだけど.....他の人達は一つの技をひたすら極めているじゃん?それなのに俺は色んなものに手を出しているだけで意外と器用貧乏なんよ。』

 

『.....ほぅ。』

 

『俺って『破ァ!』と起源、と虚数属性でゴリ押しているからそれ対策されたらかーなーり弱くなる。

 

武術や色んな技も中途半端に強い位だし、俺はまだその『陸奥国の怪異殺し(二つ名を語れるよう)』な人物になっていないんだ。

だからまだ強くならないと....

 

『......』

 

『えっどうした?何か変なこと言った?そしたらなんかゴメン。』

 

『....ブッくくく。そうか、まだ強者に至る(強くなる)のか貴様は。

そうか、そうか.....ならふたつ名を名乗れるように強くなる為にもう一戦やろうではないか。』

 

『おっありがたい。けど、なんか顔が美人がしてはいけない顔してるよ?主にデビルな男原作版に出てくる怪鳥女みたいな....』

 

『何をぐずぐず訳も分からん事を言っている?いくぞ!!』

 

『ぬぉぉい!?』

 

 

 

 

 

 

「...くく、今でも思い出す度笑いそうになる。彼処まで強いのにも関わらず、奴の目指す目標には至っておらず()()()()()()()()()()()()()とは。

既に()()()()()()()()()()()というのに、さらなる高みを求めているのか、気付かない只の馬鹿か。…恐らく両方だろうな。」

 

「だがようやく出逢えた。人でありながら力を貪欲に求める強さ、どんな強敵だろうが屈するどころか自らの力の糧にして勝利する成長性!!

あぁ、見てみたい。あの男が切り開く強者としての道を!!」

 

片手で抑えながら顔を歪ませ沸々と笑い出す。

 

彼は貪欲に力を求める。自分が求めた領域に至ろうがそれを気付かない処かひたすら力を求めるだろう。

 

あぁ!なんて素晴らしいことか!強者を求め探して長い時を過ごしたが彼ほどの力を求める者は大抵戦いの中で死んだか、人の殻を捨てて化物になるの二択だった。

 

だがあの男はどうだ!

力を貪欲に求めようがその領域に至る為に化物にならず、人間(ひと)として力を求めその領域に踏み込んだのだ!実に素晴らしい!!

 

彼が言ったその一言に小雪は獣の本能で仕えると決めた。

 

何故なら()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

~その数分後~

 

「ふぅ....我ながら興奮してしまった。少し屋根に登って涼むか。」

 

スッシュタ。

 

「....しかし、今更だかあの顔で私が求める強者だとは世の中何があるか分からんな。」

 

「.....少し目を瞑るか。」

 

 

 

 

 

ホンワカ,ホンワカ,ミコミコーン。

 

 

『....ふぅ、やっと第二の難題が終わったな。

貴様、中々の蹂躙だったな。見ている私も興奮して尻尾が逆立ってた....んっどうした?』

 

『.....すやぁ。』クラッ

 

ボフッ

 

『なっ////!?きっ貴様!女の胸を枕にして寝るなど!!八つ裂きにして.....』

 

『.....。』

 

『....はぁ、この難題一人で解決したものだ、余程疲れが溜まっているものだから赦すとしよう。次やったらシばくが。しかしこの男、思った以上に...』クスッ

 

『小雪姉様!後は我々が後処理しますのでゆっくり体を休んで......』

 

『.....クス。意外と愛い男だ.....な。』

 

『ジーッ。』

 

『.....なっなんだ?』

 

『この世の春が来たー!!』

 

『!?//////』

 

 

~~~~~~~

 

 

『何?傷の手当てをするからじっとしてろ?ふんっ貴様より頑丈.....』

 

『ホアタァ。』ドスッ

 

『デ///デェェス////!!』

 

『傷の手当てするから上着脱がすぜ。やっぱり重症じゃねーか。』

 

『こっ腰が////...抜けて。』

 

『アンタの方がよっぽど重症じゃねーか。じっとしてろ。俺は鎮痛剤飲んでるから平気だ。

薬屋でよく老若男女関係なく傷の手当てとかしてたから女性の上半身限定なら普通に見飽きているから欲情しねぇから安心しろ。』テキパキ

 

『おっお前!?人の話を最後まで聞け!!////』

 

 

 

 

 

 

ホンワカホンワカみこみここーん

 

 

 

「...やはり少し異常だな奴は/////。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オマケ

酒呑童子
鬼界のヤベー奴、幼い容姿で妖艶な京都弁を話すがかなりの残忍な性格。
まだ名前を世に轟かせていない時期だが、産まれた経緯が経緯なので現地点でかなり強い。
得意技は精神的にも物理的にも人間の骨を抜くことと蕩けさせること

茨木童子
酒呑の右腕(自称)にして盗賊団の頭領。最近大江山を占拠し何処に豪華な屋敷を建てるか検討中。
鬼の中では珍しい規律や統率力がある鬼だが、根が真面目でヘタレなメタル豆腐。
まだ全盛期とは違う平安初期な為、鬼の力も完全に使いこなせておらず鬼の骨で出来た大剣を持っていないが頭が切れる為、他の鬼とは別格の強さを持つ。

甘い物と酒呑loveなおっちょこちょい娘。

加賀小雪
つい最近、安珍の式神になりました。
安珍の強者力に惹かれ彼の進む道を見てみたいという理由で彼の式神になる決心をした。
昔は『加賀の小雪』としてかなりブイブイ言わせていたクール戦闘凶。
安珍に対してはloveではない友達以上恋人未満な関係
白無垢なのは作者が気分転換に見たとあるロボットアニメのせい

葛の葉直属の部下
小雪がリーダーを勤めていた部隊。実質『非公式小雪ファンクラブ』
全員が妖狐で編成されており小雪の事を様付けで呼ぶ。
割りとノリが良い。
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