それ逝けあんちんマン!   作:アビャア

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チョコレートを製造するために黄金に輝くリンゴを齧りながらシナリオクリアの為、周回する作者です。
今作の仮面ライダーは攻めるね。まさか朝9時にあのシーンを流すとは....555を思い出すなぁ。




それではどうぞ!


十八鐘 安珍修行 破

( OHO)月<float日『折れたぁッ!?(続き)』

天気 晴れ

 

取り敢えず落ち着いた。

 

 

今日、薬草や礼装等に使う素材を取りに一人で山に向かい調達した帰り、ある鬼二匹に出くわしたのが事の発端だ。

生臭い血や焼き焦げた匂いが新しかった事から向こうも村を滅ぼして拠点に戻る最中だったのだろう。

 

可愛らしい少女の見た目に反したおぞましい妖気に気を取られも金髪頭の鬼に接近を許してしまい骨の大太刀で斬られそうになったが、無銘で何とか防いで縮地を使い距離を離した。

 

金髪頭は舌打ちを打ちながらおかっぱ頭の所に戻ると俺の事を知っていたのか余裕の笑みを浮かべ何か色々と言っていたが俺はそれを悉く論破し涙目にした。

涙目状態の相棒を見ながらおかっぱ頭がやれやれと溜め息をつくと妖艶な京都弁で俺に自己紹介をしてきたのだ。

 

まぁ驚いたよ。涙目になっている金髪が『茨木童子』、京都弁のおかっぱ頭が『酒呑童子』なんて目が点になった。俺のイメージだと厳つい野郎かと思ったんだが女の子とはなぁ。

 

其処から鬼との戦いが始まったのだが相手が撤退するまで終始守りに入るしかなかった。只でさえ歴史に名を残した鬼が二人で連携が上手すぎる為遊ばれているかのような感覚だった。

怪我も手痛く茨木童子の骨で出来た大太刀で右肩や二の腕に裂傷、左脇腹は酒呑童子の手刀で少し抉られ、抉った部分を酒の肴として喰っていた。それで満足したのか酒呑童子は酒を飲みながら茨木童子と俺の戦いを何かを確かめるかのように遠くで見ていた。

 

茨木童子一人になっても劣勢を強いられ体力が限界になった頃悲劇が起きた。

茨木童子の大剣の打ち合いの末、破戒の刀身に罅が入り刀身が砕けてしまったのだ。

破戒を捨てて鞘から無銘を抜き斬り付けるがそれも防がれ胴体を殴りつけられ遠くまで吹き飛ばされた。

 

あばら骨が何本か折れ、肺から全ての空気が抜け息苦しく息をしようにも折れた痛みと口に溜まった血でまともに息が出来きず立つのがやっとな位だ。

肺に折れた骨が刺さらなかったのは不幸中の幸いだがほぼ死に体に近い状況だった。

 

しかし、死という恐怖は『無かった』。茨木童子が止めを刺す為に近付いているのにも関わらずにだ。

むしろ異常なまでに()()()()()()()()()()()()()()()

大太刀で首を斬る瞬間に闘気が発動したのだ。

 

身体から青い煙が立ち込め片手で無銘を逆手に持ち防ぐ。突然の事に驚いた表情をした茨木童子に青い煙を纏ったまま掌底を放つと特撮でよく見た光景のようなエフェクトが出て来て吹き飛んでいく。

追い付く為に身体の負荷を無視して血飛沫が霧になる速さで縮地を使い一気に近付き無銘を振るう。それを防いで攻撃をしていたがその顔は焦りと苦痛の表情をしていた。突然のパワーアップに酒呑童子が目を見開いて盃を捨て茨木童子を援護しようとした程だ。

 

溢れ出る闘気に耐えきれず無銘の根本と刃の間が折れても気にせず拳に焔のような青い闘気を纏い連続で殴り付ける。

最後には茨木童子が持っていた大太刀が弾かれ止めの穿ツ撃鉄(キル・パイク)を放った瞬間、身体に激痛が走り地面に放ってしまった。

結果、テニスコート位の陥没が起こり俺ら含めた三人を巻き込んだ。

 

其処から目が醒めるまで朦朧していて記憶が曖昧だか、少しボロボロになった酒呑童子が気絶した茨木童子をおんぶして俺に近付き笑顔で何か言った後何処かに消え、その後に小雪さんが焦った表情で俺を揺すっているのを安部さんの部下が止めている所で完全に意識を失い今に至る。

目が醒めた後、身体中に包帯が巻かれている理由が分からず記憶が混雑していた。

その為か闘気を発動出来るようになった事に立ち上がり喜んだのもつかの間、布団の隣に敷かれた布の上で無惨な姿になった無銘、破戒に記憶が一気に甦りで頭が混乱して発狂しかけたりと危ない状況だった。

 

途中濡れタオル用に置いていた氷水が温くなった為その水を交換しに台所に行っていた小雪さんが戻り、俺を抱き締めたお陰で正気を保てた。

その時顔は見れなかったがその手はとても震えていた。

 

俺はまた、幼少期に起きたはぐれ鬼の出来事を思い出した。

師匠が生きていたら、笑顔でアイアンクローをしながらあの治りが早い代わりに数倍の激痛が起きる魔術を掛けているレベルだろう。

俺は後悔の念に襲われ何もすることが出来なかった。

 

 

 

こうして俺の色んな意味で強烈過ぎた一日が終わった。

 

しかし、何故あの時逃げれなかったのだろうか。

逃げようとした瞬間、あの時戦った二人の鬼とは違う何かに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

あれは一体何だったのか今まで無かった現象に一種の恐怖を覚えた。

 

 

p.s.一人になった後、未だにショックが抜けきれず刃だけの状態になった無銘を手に持ち思い更けていた所、罅割れで剥がれ落ちた箇所から白の陶磁器ようなものが見えた事に気付き調べた結果、鉛色の鉄剣から白の両刃の剣が現れた。

 

........リアクションに困るな

 

 

音波 月有能 日 『叩きつけてやれ』

天気 晴れ

 

酒呑童子と茨木童子の戦いから二週間、動けるようになり武器を買いに小雪さんと一緒に町に出掛けた。

この二週間俺の無茶のせいとはいえ大変だった。

 

小雪さんから何故あの鬼二人に出くわしたのにも関わらず逃げなかったのかと壁ドンされながら問い詰められ半日説教されたり、天空寺から弧成と劉さん達がお見舞いに来て説教を喰らったり、この出来事について連絡が来ていたのか村からは手紙と一緒に良く治る薬()を服用して悶絶したりしていた。

安部さん達の方は挑んだ相手が相手だったので苦笑いしていた。

 

きよひーの手紙も届いた。何時もの貴族の言葉使いだったが、俺に重症を負わせた鬼二人に関しての内容が赤いサイバトロンのような感じだった。

下手したら敵討ちに行きそうな雰囲気が手紙からヒシヒシと伝わり何とかその怒りを静めようと何度も手紙を綴った。

最終的に怒りを静める事に成功したが鞠尾と瑠威児が疲れ果てて真っ白になっていた。.....マジですまん。

 

無銘と破戒の件は安部一族の伝で魔術サイド(裏の世界)の鍛治屋が、無銘の刃から現れた白色の剣と破戒の持ち手を使って改良強化し一つの武器に鍛え直すのだが、半年以上掛かるとの事だ。

闘気を使えるようになったとはいえ、拳一つで戦うのは無謀な為こうして武器探しに出掛けているのだ。

しかし、無銘と破戒を使い過ぎた影響かしっくりくる武器が中々見つからない。

様々な武器屋を回るがどれも味気ないのだ。

どうしたものかと悩みながらも探すこと三時間、とある薄汚い武器屋でしっくり来た武器を見つけた。

 

それはサバイバルナイフのような形状で長さは刀とほぼ同じだが刀身は厚みがあり無骨ながらも威圧感がある剣だった。

埃がかかり鞘に納められた状態で安い値段で売られていたそれに惹かれ買ってしまった銘は刀身に『雲・絶斬刀』と書かれていた。

 

よし!此からはこの剣の事を『雲・絶斬刀(クラウド・ブレイカー)』略して『雲斬(くもきり)』と呼ぼう。

しかし、刀身がガンプラのストライクガンダムPGに付いてくるボーナスパーツ『グランド・スラム』銘は『クラウド・ブレイカー』かぁ....懐かしい。

 

 

 

 

 

 

 

三( 興)月 三穴 日『あいむしんかー』

天気 曇り

 

雲斬を購入して一ヶ月、修行を再開し始めた。

今では普通に闘気を発動出来るようになりこの力について色々と調べた結果、半暴走状態だということが分かった事があった。どうやら段階的に途中のようだ。

まぁ、異常なまでの魔力消費で薄々気付いていたが。

 

どうやら発動すると身体のリミッターが解除され全部の攻撃が全力な為恐ろしい威力を発揮する代わりに身体に異常なまでの負荷が起きてしまう。

しかし、一種の興奮状態な為か痛みに鈍くなり気づけなくなってしまいあのような結果になったのだ。

 

闘気を完全に使いこなす道はまだ遠いようだ。

 

 

 

 

△月▽日『惜しいけどそれじゃない....』

天気 曇り

 

凄い僧侶的に勿体無い事をした。

今日も変わらず鍛練を終え明鏡止水に至るためチャクラを練りながら瞑想していたら悟りそうだった

 

違うそうじゃない。

 

 

僧侶的には悟りを開くのは魔術師に置き換えると根源に至る事と同じだが俺が目指しているのは明鏡止水と闘気の完全習得であって悟りを開くことではない。

多分悟りを開いたら確実に俺が俺でなくなる可能性大だ。坊主さんでも思考回路は破戒僧寄り俗世に未練タラタラだ。

 

光輝いて見えない『』に対して丁寧にお断りすると菩薩笑みで微笑んで容認してくれた。

マジでええ人や....そりゃ神様として崇められるわな。

 

 

 

 

 

 

 

◎月◯日『なんでさ』

天気 晴れ

 

明鏡止水は無の境地の一つなのは分かる。けど.....

 

 

 

何度も悟りに至りかけるのは可笑しいと思うんだ!あれだよね!?こういうのって何十日も飲まず食わずに座禅しても至るかどうかも分からない領域なのにこうも簡単に至れるのはアカンだろ!!

 

 

流石の『』も苦笑いだよ!悟りを開きかける度出会うからすげぇ気まずいよ!!『会うことはないだろう』と言って数分後に再開する位気まずいよ!

 

あれか!悟りを開けってか!?ふざけんじゃねぇよ!よし!分かった僧侶的に言うのもあれだが一生悟りは開かねぇ!

 

これ絶対俺を縛り付けて逃がさなかった奴の仕業だろ!あのときの感覚が似てるからぜってぇソイツの仕業だ!許さねぇぞユグドラシル!!(とばっちり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





オマケ
無銘・破戒
安珍が愛用していた武器。無銘は鉄剣、破戒は刃が長方形の薙刀擬き。
破戒は茨木童子の大太刀の打ち合いの果てに刀身が砕け散り、無銘は闘気の負荷に耐えきれず根本が折れてしまったが刃は無事。
無銘の刃から白い陶磁器のような両刃の剣が隠されていた為改修中だが依頼費や材料費等でお金はかなり吹き飛んだ模様。


雲・絶斬刀(クラウド・ブレイカー)
壊れたのを一つにするために改修中の無銘、破戒の代役として買った剣。
略して『雲斬(くもきり)』。
刺突が得意でサバイバルナイフのような刀身で刀とほぼ同じ長さだが厚みがある。とある武器屋で安売りされていた。
刀身のイメージとしてはガンダムSEEDに出てくる主人公機ストライクガンダムの本編には出ない幻の近接武装『グランドスラム』名前はフロム・ソフトウェアが発売したXboxのゲーム『叢雲』に出てくる機体の一つ。


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