それ逝けあんちんマン!   作:アビャア

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弐拾一鐘 安珍は静かに守護りたい

( ^U^)=⊇月ヴッ>([|i|i|]; ) 日『守護らねば....』

天気 晴れ

 

きよひーとの感動的再会をした。

いやぁまさか人間魚雷をかましてくるとは、あの後嬉し涙を流していたから再会出来た事に嬉しかったに違いない。その後、牛車に乗りながら兵士を複数連れてきた庄司夫妻と合流し宿屋で一晩過ごし護衛任務が始まった。

 

ルートとしては京を迂回する形で海沿いに目的地に向かうルートだ。比較的安全だが魑魅魍魎や飢餓、山賊(元武士)が蠢く乱世乱世な平安時代。

お金目当てに移動中の貴族が狙われる事も当たり前なのだ。その証拠に何度も出くわしたのか手練れである直近の武士や兵士の顔も疲れている。

……此は俺が頑張らないといけないな。

 

しかし、きよひーが一方的に小雪さんを敵視している。それを気にせず小雪さんはすまし顔をしているが自分としては仲良くして欲しい。

 

 

戒め月メロン☆日『敵をヘルシェイクしたい』

天気 晴れ

護衛任務を開始して1週間、伊勢の端に辿り着いた。

今は宿屋で魔術礼装や武器の調整しながら休んでいるが

大変だった。

 

1日最低で三回盗賊、二回妖怪という遭遇率だったのだ。贄の刻印刻まれた剣士じゃないのに可笑しくない?

死者は出ていないがあまりにも敵と遭遇するため士気も下がっていたのか兵士達や庄司夫妻も疲れていた。

 

これ以上、士気が下がると色々とヤバいから士気を上げるため琵琶でヘルシェイク(簡易ver)したり奇襲しようとする敵に対して松明片手で突入し隠密行動(殲滅行動)したりしてどうにかしながら伊勢に突入してその三日後、今晩泊まる宿屋に辿り着く事に成功した。すっげぇ疲れた。護衛任務はあんまりやらないから精神的に疲れる。

 

取り敢えず今は英気を養うため暖かいフートンの中で休むとしよう。

 

 

 

 

青羽 月ヒヤシンス 日『辿るくえすと』

天気 曇り時々晴れ

 

やっと辿り着いた

 

襲い掛かる盗賊を殴り捨て、魑魅魍魎を蹂躙しながら歩き続けて数日ようやく目的地である庄司さんの屋敷に辿り着いた。マジで疲れた……

寝る暇もなく襲い掛かるから毎日3時間位しか寝てねぇ。目に軽く隈も出来て頭も少し痛い。

 

あんまり寝れずにストレスが溜まっていたが琵琶と式神達(小動物系)の戯れときよひーと小雪さんの会話で発散出来たがそれでも残った場合、戦いで発散した。

妖怪や悪霊相手には容赦ない拳と『破ァ!』を、盗賊等の人間(刺客)相手にはボクシングや蹴り、投げ技等の練習相手に見立てて発散した。

 

それと、小雪さんときよひーの仲は少しだけ良くなった。多少口喧嘩するが険悪な雰囲気じゃなくなっていた。理由を聞いたのだが、各地の宿屋に泊まって一緒にいるうちに仲良くなったらしいのだが詳しい理由は聞けなかった。

その時きよひーが顔を赤くし小声で小さく『俺についてナントカ』まで聞こえたが、もしかしたら俺に関する話で意気投合して仲良くなったのだろうか?……いやそれは自意識過剰過ぎで気持ち悪いからないな。

 

辿り着いた後、庄司さんから報酬のお金を貰うと同時に彼の屋敷に二泊三日位泊まる事になったのでお言葉に甘えることにした。この後宴をやる予定だったのだが皆疲れていた為明日にする事になった。

まぁ、あんだけ遭遇すれば疲れるよな。

 

……あぁこの瞼の重さはマジでヤベェェイ!日記は此ぐらいにして寝るとしよう。

 

 

 

コーラ月サワー日『きよひーつよひ』

天気 晴れ

 

屋敷でゆっくり休んでいたところ、きよひーから薙刀の教えと練習相手をして欲しいと頼まれた。どうやら自分がどれ程成長しているか確かめて欲しいとの事だった。

その時俺も軽く身体を動かしていたし、彼女がどれ程成長したか知りたかったから普通に了承した。

 

庄司さんの許可を得てから練習用の木刀仕様の薙刀で模擬戦をした。

結果は俺の勝ちだったのだがまぁ強かった。下手な僧兵より強いんじゃないかと思えるぐらいの槍捌きで驚いた。フェイントをしてきたり一定の距離を維持したり動きがプロのそれだったからだ。一瞬の隙をついてきよひーの武器を弾いて勝ったのだが、彼女にまだスタミナがあったなら確実に苦戦していただろう。

 

彼女の薙刀は基本の型に舞うような動きを取り入れたもので、相手の力を利用して回避やいなし、カウンターを喰らわせる柔の動きで攻める戦法で皆を驚かせていた。あの戦闘に関しては厳しい小雪さんですら彼女の薙刀捌きを褒めちぎるレベルだ。

俺の手紙に記した薙刀の基本を読みながら武術の本を読んで自分流にアレンジしたとドヤ顔(可愛い)し、頭を撫でて欲しいと頼まれたので頭を撫でたらとても愛らしかった。

 

柴犬のようなじゃれつきをしてきたから本当に尊死しそう……

 

和やかな時間から夜になり宴会を開くと俺が琵琶を弾き、小雪さんが横笛を吹きながら二人で舞をして賑やかしたりきよひーと話したりととても賑やかな1日だった。

明日には故郷に戻らないといけないのは世知辛いが此ばかりは仕方ない。この日の事を別のページでしっかりと書き留めて置くことにしよう。

 

 

 

 

 

@月@日『星がふる』

天気 晴れ

 

昨夜ちょっとした出来事が起きた。きよひーが俺の布団に潜り込んだのだ……何故?

まだ残っていた任務の疲れと宴の際にお酒を飲んでいたから寝ている時は全く気付かなかったのだが、なーんか、ハァハァと耳元で聞こえ変な声がするな~怖いな~と思ってバッと目を開けて見たら清姫が顔を赤くして俺を見ていたのよ。

反対側にはだけた着方をした小雪さんが無言で布団の中に入ろうとしていた。小雪ィータス、お前もか。

 

その時はあれだったね10秒が長く感じられたね。目と目が合う瞬間に~が頭の中で木霊ったよ。きよひーの方は恥ずかしかったのか滅茶苦茶赤くして口をパクパクしていた。因みに小雪さんは獣の目をしていた。マジで怖かったから思いっきりデコピンして気絶させた。

 

小雪さんを気絶させはだけた服を整えた後、きよひーに理由を聞くと三人で寝たかったのことだったので一緒に寝ることにした。何故かって?頭も眠たくてそんなに働かなかったし彼女もとても涙目でオロオロしてたのを慰める為だ。

そんな彼女を、俺の膝を枕にして布団を被せ頭を優しく撫でながら『癒シィ』を用いて『やがて星がふる』を口ずさみながら鼻唄で歌っていくうちにきよひーは瞼をゆっくりと閉じて眠るのを確認した後、自分も膝枕をしながら眠りにつき朝を迎えた。

 

起きた際にきよひーが顔を赤くして何か慌てていたが軽くデコピンをして落ち着かせたが、涙目で唸る彼女を見て可愛いと思ったが少し罪悪感を覚えた。

小雪さん?起きるまで放置だったけど。心臓に悪い事をしたのがいけないんや……『だから俺は悪くない』。

 

 

その後は何事もなく朝食をした後、きよひー庄司夫妻と別れを告げ小雪さんの大鷹の式神に乗り故郷へ旅立った。

彼女と別れるのは少し寂しいが仕方ない。それに離れていても彼女との手紙は続くし、任務で此方に来る次いでにまた会えるのだ寂しくなんかない。

彼女もその事を知っているのか笑顔でお互いまた会えるまで死なない約束をした。その時彼女の笑顔に何か変な違和感があったのだが気のせいだろうか?

 

そんな直ぐに忘れそうな妙な感覚を感じながら故郷に帰った。

 

 

 

 

p.s.帰る道中、小雪さんが昨夜デコピンして気絶させた事についてやたら聞いてきた。

その事で小声で『この~ほにゃららが』頭を抱えていたが何だったのだろうか?

そして、仕返しのアイアンクローを喰らう羽目になった……解せぬ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

数日前、とある宿屋にて……

 

少し豪華な宿屋のとある一室、蝋燭の火が灯っているが薄暗い一室である妖弧と貴族の少女が話をしていた。

怪しく見つめる少女の何時もの問いに妖弧は気だるそうにしながら枕を右肘を乗せた妖艶な姿で答えていた。

 

 

()()()()()私が先に安珍様と添い遂げても良いのですね?」

 

 

「何度言ったら気が済む、それでいいさ。むしろお前の恋が成就するのを応援するつもりだ。」

 

 

「……一番近くにいて尚且つ安珍様の事が好きで添い遂げる事が出来る機会があるのにそれを譲る所か私を応援するのですか……?

怪しすぎます!私書物で見ました!そう言いながら、裏でこそこそ行動し、二人きりになったとっ所で、い///……淫乱な術で安珍様を籠絡し奪い取るつもりですね///!」

 

「……ハァ、するつもりはないさ。私は奴の事が好きだが彼の強さに惚れて獣の本能に従って一緒にいたいのであって別に側室でも彼と一緒にいられるのなら問題もない。

しかし、人避けや防音の結界を張っているとはいえ生娘が大声でそんな事を言うのはどうかと思うが?」

 

「……うぅ///」

 

 

五尾の狐、小雪は面白い玩具を見つけたような笑みではしたない言動に湯気が出てきそうな位顔を赤くしている少女清姫を見て尻尾を毛繕いしながら妖しい笑みを浮かべていた。

 

「今更さっきの発言で顔を赤くするのか。益々面白い生娘だ。」

 

「私の名前は清姫です!そんな……はっ//はしたにゃい言葉で呼ばないて下さい!////」

 

今、話に出て来る男『安珍』に二人は恋をしているのだ。最初は清姫が一方的に敵対していたのだが清姫の母『泊銘』と安珍の提案で小雪が彼女の護衛人に任命されたのだ。最初はお互い嫌がっていたが日が経つにつれて険悪な雰囲気がなくなっていき、現在は口喧嘩はするもののほのぼのとした姉妹喧嘩レベルまで下がったのだ。

 

因みに安珍は彼女達が彼を愛しているという事に全く気付いておらず、護衛対象である庄司夫妻の部下達がいる部屋で鼻唄を歌いながら礼装を整えている。

そんな二人だけの秘密の恋愛トークをしている二人だが、小雪は今顔を赤くしている清姫を見てあることを考えていた。

 

(本当は私が奴の純潔を先に奪いたかったがこの娘が私と初めて会った際に向けた殺気、あれは妖としての(こちら側の)ソレがあった。今は妖気は全く感じられない只の人間だが、奴の母親の正体から察するに彼女は()()()()()()が流れているだろう。)

 

(もし彼女が先に奪われた際に憎しみで『力に目覚めて』襲い掛かってきても普通に殺せるが……)

 

 

「安珍様と添い遂げるなら、こっ////このようなはしたない言葉に慣れなくては……」

 

 

(いやそれはよそう。彼女なら本当の意味で愛に飢えながらもそれを満たす術を忘れてしまった彼の心を満たす事が出来るだろう。彼女は私より純粋な意味で愛しているからな。)

 

 

「あっあの!小雪さん!」

 

 

「ん?どうした?」

 

「おっお互い安珍様と添い遂げられる様に頑張りましょうね!」

 

「あぁそうだな清姫。あの難攻不落の彼奴に恋した同士お互い頑張って落城させるとしよう。」

 

「……!はっはい!私全身全霊で安珍様と添い遂げます!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃

 

 

「……すたぁっぁく!!」

 

 

「どうかなさりましたか安珍様!もしかして風邪を引いたのでは!?」

 

 

「……いや、全然気だるくないから平気平気。それより今は英気養っておけよ。後少しとはいえ何があるか分からないからな。それにあんた復帰したとはいえまだ傷が癒えてないだろ。俺は平気だから少し安静にしときな。」

ズビ……

 

「了解しました。安珍様もお身体に気を付けて。」

 

 

「おう。(誰か噂でもしたのかなぁ。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 





キャラ崩壊覚悟でお茶目で乙女な小雪さんを書きたかった。後悔もしていなし反省もしていない。


はい、私の文章力のなさでここまで長くなりましたが此でようやく安珍修行編終わりです。
次からは史実編に突入するので割りとシリアスになる予定です...シリアスになるのかなぁ(一抹の不安)。
エタらないように頑張るので此れからもどうかお願いします。

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