★月☆日『朝日を拝みたい』
天気 晴れ
拠点に辿り着いて式神達を安全な場所で休ませて安部さん達の陰陽師界の重鎮と会い作戦会議を開いた後、侵入する為の準備をしており俺は複数の陰陽師や使用人に対呪い用の施しを受けその後は仮眠してから深夜三時に起きそのまま座禅をし精神を統一している。
いやぁ黒色の全身タイツみたいなのを履かされたとはいえ身体全身余すところなく特殊な赤い顔料で読経を書き込まれるとは、書く人たちの顔は真剣だったから我慢したがすげぇきつかった。凄いゆっくりと筆で描くから途中何度も掻きそうになった。
その後は僧兵が使う頭巾や袈裟、破を込めた一つ分の珠を連ねた数珠を首に掛け鉄下駄を履き、破を込めた金剛杵を布に巻き隠している。
あまりにも重装備だが相手はあのコトリバコ。素の能力でさえ俺を苦戦させるだろう性能だが今回のはまだ残る神秘と悪霊を吸い強くなったであろう呪具だ。何重もの結界を貼られているのにも関わらず邪気が漏れだしているから警戒に越した事はないのだ。
決行は今日の朝方、夜明けと共に突撃し潜入し般若神経をひたすら読みながら敵の妨害を防ぎ早急に見つけ次第金剛杵を用いて破壊するシンプルな内容、問題があるとすればこの礼装と俺自身何処までその呪いに耐えられるか、日に日に強くなっているコトリバコの力に結界が何処まで持つかだ。
裏で数多くの怪異事件を解決した俺自身だが今回の怪異は実力のある僧侶やエクソシストですら裸足で逃げ出す厄災そのもの微かにだが体の震えが止まらない。
....それでもやってやる。これ以上被害を拡散される前に俺の全力をもってコトリバコを消滅させてやる。
ーーー任務開始から数時間後ーーー
同日『あ か ん』
何とかコトリバコの破壊消滅に完了した。
けど身体はとてもボドボドでヤベーイ!!どれくらいヤバいかというと今、陰陽師の人達が必死に傷の手当てや身体に残る厄を払っているぐらいヤバい。後、奥の手を使った反動で身体が動けない上に闘気や破が身体中に上手く循環出来ず地味にキツいしダルい。そして息がしずらい。
仕方なかったとはいえ、コトリバコとの戦いの最中、呪いの力によって心臓が止まりそうになり思いきっり胸を叩いたからあばら骨何本か折れたけどそこは魔術でどうにかなるから問題ない。
般若神経と『破ァ!』をひたすら読み上げたから喉は少し痛いし、視界がボヤけ体の節々は鈍痛を起こし立ち上がれないし、幻覚や幻聴、呪い等を憑いたら祓うの繰り返しを続けたせいで頭が上手く回らないが俺は生きている。
自分でもびっくりするぐらいには生きている。
だから、瞼も重いしすこしかみんをとろう。あぁ、とてもきつかった。とても...とても.......つらたん....
◎月◎日『コトリバコれぽぉと』
天気:晴れ
眠ったお陰で7割程回復したがマジできつかった。今までの怪異案件で一番ヤバい事件だろう。というか出来れば一生関わりたくない事件だと断言出来る。
今は事後処理に追われており今回の事件はコトリバコ自体広めてはならない代物の為、公には出さず闇に葬るとのことだ。その方が良い。これは絶対公の場に出たら確実に第二、第三のコトリバコがぽんぽん出来上がって各地でコトリバコハザードになるから。
従者さんが俺の傷の手当てをしている途中で安部さんに報告されたときには本当にそう思った。因みに報酬金はそれ相応なもので軽く吐血した。こんなに大金貰ってもどうしようもないからこの報酬金は村周辺と寺の補強費に費やしておこう。
しかし、今後何かあるか分からないからこの日誌にこの事件を詳細に纏めたレポートと記憶を整理するために夜頃に昨日の異界化した場所で何か起き事を軽く書いておくか。
よし!身体に少し残っている厄を払いに走りながら寺院回りしとくか。そうした方が何故か『破ァ!』とか闘気の循環が良くなるし、多少の動かしている方が気分が楽になるしな。
ーーーーレポートーーー
朝日と共に般若神経を詠み始め異界に入った途端薄暗くなった上にコトリバコの力か空間が思っていた以上に広く複雑に入り組み、息を吐くだけで白くなる程に凄い寒い。そして、移動中だろうが戦闘中だろうが当たり前のように来る怪奇現象と精神攻撃、意識が半分残っている屍人や悪霊うようよいるし大変だった。
しかも精神攻撃や怪奇現象が中枢に進むにつれヤバい。デッドスペースに出てくる
敵が襲いかかるなら合間に『破ァ!』を入れた般若神経を詠みながら殴り、白銘で切り捨て容赦なく中枢まで進むと元凶であろう開いたコトリバコの上に浮かぶ巨大な胎児がソコにいた。
足を踏み入れた瞬間、相手は空間が揺らぐ程に泣き叫んだと思ったら強烈な衝撃波と邪気が飛んできて闘気が強制解除されて武器以外の俺が着ていた対呪い礼装を全壊させた時はすげぇ焦った。
その瞬間悪霊や呪いが大量に取り憑いてきて身動きが出来ず過呼吸になり心臓が一瞬止まりそうになったというか止まった。
心臓が止まり段々意識が無くなりそうになった瞬間、咄嗟の判断で『破ァ!』を込めた拳で胸を強く叩いて悪霊や呪いを追い払った。あばら何本か折れて逆に息がしずらかったけどな!!
相手の呪いによる身体の不調や幻覚痛、骨折等の痛みを無視して目を瞑り詠唱を紡ぎ奥の手である『明鏡止水・
この奥義、明鏡止水を用いて肉体や魔力の枷を完全に取り外しリミッターを解除する奥の手なのだが肉体の負担が大きく解除すると暫く闘気や『破ァ!』が上手く練れない程に魔術回路が疲弊してしまう諸刃の刃だ。
発動した際に何度も生じる炎の衝撃波に身動きがとれずにいるうちに懐から金剛杵を取り出し巻いてある布を外し『破ァ!』とありったけの魔力、闘気を流し込むと紫電と共に帯電し始め、それを確認し足を力強く踏み込み槍投げの要領で思いっきり相手の額目掛けて金剛杵を投げつけると次第に紫電を纏った雷鳴の槍になって相手に直撃、コトリバコごと雷で消し去った。
消滅した後胎児がいた場所からブラックホールのような捻れが生じると共に激しい震動を始めたから脱出するために奥義を発動したまま全力で走ったのだが、最後のあがきかそのブラックホールからコトリバコが取り込んだであろう悪霊達の無数の白い手が後ろからかなりのスピードで迫ってきた時は割りと焦った。
落ちてくる瓦礫や足場が崩れて宙に浮かんでいる状況で白い手に触れた瞬間確実にアウトな状況で邪魔な壁とかを殴り捨てがむしゃらに走りまくったお陰で脱出出来た。
脱出した後は盗賊のアジトの周辺ごと木片を巻き込みながらも必死に無数の手を伸ばすも空を切り最期は悲鳴をあげ捻り切れていきながら段々黒い穴が小さくなり最後は大きく削りとられたかのように陥没した跡を残し何もなかったかのように消滅した。
まさか最小限とはいえ空間を削り取るとは恐ろしいものだが、多分コイツ最高位の『ハッカイ』じゃないのは確かだ。コイツは悪霊等を吸収して強化されているが多分3,4段階の『サンポウ』『シホウ』クラスなのは間違いない。
.....この段階でこの被害とはたまげたなぁ(白目)。
今回の事件の後ふと気になる点が一つあった、それは『破ァ!』の異常なまでの急成長だ。
あの金剛杵、後で聞いたのだが唐から輸入されたかなりの年代物らしいのだが奥の手である『焔紡ぎ』を発動した上で『破ァ!』とはいえあんなに雷、しかも紫電を迸る巨大な雷槍に変貌するものだろうか?
一年前のとある任務で今回使ったのと同じ年代の金剛杵を用いて投げた時、『焔紡ぎ』を使用した時は投げ槍クラスだったのに今回のはそれを遥かに凌ぐ大きさだった。
可笑しいな?たった一年でこんなに急激に変化するものか?俺の身体に何か変化が起きているのだろうか?
村に戻ってから詳しく調べてみるか。