それ逝けあんちんマン!   作:アビャア

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今回はタイトルから分かる通り性的描写が少し強めです。
そういうのが苦手な人は気を付けて閲覧してください。





弐拾五話 二日前:一夜の過ち

珈琲 月 血蛇 日 『お泊まりランナウェイ』

天気 曇り

 

奥義の反動で破ァ!や闘気を上手く使えないため上手く体内に循環出来ず未だ体内に残った厄を祓うべく昨日はこの地域周辺の寺院に徒歩(爆走)で廻り続けた。

 

予め安部さんの交渉で許可を貰った様々な寺院に赴き厄祓いをして貰ったり滝に打たれながら瞑想、明鏡止水をしながら演武をして循環を促したり等をしながら厄を落とし、夕方になって手近な宿に泊まっても食事と睡眠以外座禅を組み瞑想を続けたお陰で7割厄が落ち、今日の昼頃には完全に厄が取れ破ァ!や闘気もある程度戦闘が行えるレベルまで回復したお陰か気分がとても軽い。

 

式神達も取り敢えず動けるようになった所でどうすべきかお握りを食いながら考えていると後ろから烏が飛びながらつついて後ろを振り向くとその烏の足が三本、そう八咫烏がそこにいたのだ。

その八咫烏が肩に乗っかると着いてこいと言わんばかり嘴を山の方に向けたから仕方なく嘴の向く方角に向けて山の奥深くまで移動すると日差しを浴びる巨木があり、

八咫烏がその日差しの方角に飛んで消えていくと一層目が開けないほどに眩しくなり荘厳な男の声がしたのだ。

 

取り敢えず自分の名前を言ってから誰かと聞くと『熊野権現』と答えたから少し驚きながら『神様業界では光る事がマイブームなのか?』とどうでも良い事を考えていた。

有り難いが結構難しい話を簡単に纏めると何でも不思議な力を持っている俺が闇に葬った数々の被害甚大待ったなしの怪異事件をバンバン解決、魑魅魍魎ボッコボッコにする様に段々興味を持っていたらしく、今回のコトリバコ事件で被害を最小限にした俺のその腕前に一層興味を持ち急遽此処に呼んだとの事だった。

 

何かすげぇ誉められたけど後光が凄くて見えない。シルエットは分かるが、後光のせいでどんな姿かは終始全然

分からなかった。

その原因は色んな神様がいる気配は感じる中一柱だけ女性だと思うが、その神様の後光が太陽みたいにギンギンだったから凄く見えない。有り難いのに目が少し痛くてそれどころじゃないもしかして日焼けするんじゃない?ぐらい暑かった。

 

そんな状況が一時間続き、何かあったら一度だけ手助けしてくれるというある意味破格な条件を貰った後段々と後光が薄まり消えていった。

暫くすっっごい目がチカチカして巨木を背に休憩し目が正常に見えるようになってから下山すると、きよひーの父庄司さんから『今晩うちに泊まらないか?』という手紙を持った鳥の式神が来て今そこに向かって走っている最中だ。

 

そういえばきよひーと会ってから五年経つのか、長いようで早いような。彼女も今年で13歳、俺は25歳か。最近彼女は13歳にしてはその年の女性のソレよりもその、胸が大きくなってソレが当たるから少し困っている。

精神年齢合わせて55歳でも微量の煩悩があるからそれを撲滅しやんわり断るのも一苦労する。

流石に年端のいかない少女に欲情するのは僧侶的にも前世が1090年先の未来(現代社会の常識)が残っている自分にとってもアウトだからどうしたものか。

 

 

 

 

 

 

 

( ○)月(☆ )日『 』

天気 曇り

 

きよひーの家に一泊し、今日はとある神社からの依頼で妖怪退治のためその場所に向かっているが、昨日のある出来事によってとてつもない後悔に襲われ精神的疲労を起こしてしまっている。

 

まさかあの夜、未遂だったとはいえきよひーに夜這いされるとは思わなかった。

しかも女性が男性を襲う逆夜這いだよ?

 

いや、夜這い自体悪いことではない。この時代割りと良くあると耳にしていたけど、きよひーとの年の差12歳差の13歳、13歳の女性と性行為、どう考えてもアウトです有り難うございました。

昨日の起こった事を整理すると、庄司さん屋敷に泊まり

夕食を済ませ湯船に浸かり上がった後、庄司さんと般若湯(酒)を飲んでその後用意された部屋で寝ていた。式神達はまだ本調子ではない為、俺が休むように指示をし、遠くにある庭園の大きい木の上で休んでいた。

俺自身ある程度回復していたとはいえ1日中動き回っていたしコトリバコ戦の疲れが少し残っていたから布団に入って数秒で寝たんだよ。

 

その時まで気付かなかったが、きよひーの様子が変だった。

 

今日は何故か遠くにいたんだけど俺が『今日は疲れているから本調子ではない』と庄司さん達に話したら音を一切出さずに両親が気付かない早さでバッと首を高速で動かして俺を凝視し、俺が視線に気付いて振り向いた瞬間同じ速度で首を元に戻して何事もなかったかのように俺に気付いた振りをして近付いてきて挨拶をしてきたのだが当の俺は首を傾げていたよ、馬鹿だよねぇ(自傷)。

 

庄司さんと飲み合った夜も自ら俺の晩酌役をやると言い出して何か申し訳ないからお礼に琵琶で詩を詠いながらグイグイ飲んだ。

そんな酔い+身体の疲れの状態で何故夜這いされていると気付けたのかは丑の刻(深夜2時)辺り、ある異変に気づいて意識が朦朧だが少し起きたのが切っ掛けだ。

 

布団で寝ているのに布団の暖かさがなく何故か所々肌寒くそして妙に生暖かい。手足を動かそうにも頑丈な縄で縛られて動けず、顔の近くで荒い息が聞こえ、小声で自分の名前をひたすら連呼し指先で胸を中心に人体にとって敏感な場所を焦らすように動かし、逃がさいように足を上手く絡めさせられていた。

 

一気に眠気と酔いが覚め思考がその時停止した。現実を受け入れられずに目を無理矢理閉じていた。しかし、ある種の快楽といえるソレが記憶の奥底に閉まった筈の幼少期(名無しの頃)、洞窟で貴族と雇われた男達に捕らわれ殴られながら無理矢理服を脱がされ性的暴力を受ける寸前の記憶がフラッシュバックし受け入れたくない現実と複雑に絡み合い叫ぶ事を忘れる程の恐怖に支配されていた。

 

このままではいけないと意を決して目を開けた瞬間、顔を赤らめ惚けたきよひーの顔を見てしまい思考が真っ白になり記憶が途絶え、気付いた時にはほぼ裸と断言出来る程にきよひーが放心状態で俺の顔を見ながら一筋を涙を流し、俺は彼女と距離が離れた何も置かれていない角で丸太と刀が自生する島に住む住民特有の息の仕方でハァハァ言いながら完全にはだけた姿の褌一丁で逆蝉ドンをしていた。

 

かなりシリアスの筈なのにその場面を文字に起こすと凄いシュール、けどそんなの考える暇も無いほどに追い詰められた。

俺はハッとなり静かに着地し着崩れした服を直し、彼女に近付くときよひーは俺の顔を見て『何故拒絶するのですか安珍様?』と大粒の涙を流しながら今まで自分を心のそこから愛していたという思いを告げた。

彼女は今まで猛アプローチしたのに全く気付かない俺に焦りを覚えこのような強行策を実行してしまったのだ。

 

 

 

 

泣いている彼女に対し俺はこの時、はだけている彼女の服を直し

 

『思いは分かった、だがそのように迫られても困る、明日任務があるから其を終えたら立ち寄るからそれまでの間、少し考えさせてくれ』

 

と何とも言えない言い訳をして彼女を宥め自室に戻した。本当なら彼女と一緒に居る方が彼女の対しての答えれた筈なのに、この時俺は彼女に対して恐怖を覚え拒絶するかのような行動をとってしまった。

それでも、心が壊れた自分を心の底から愛し伴侶として一緒にいてくれる人が存在を知り嬉しかった。

 

 

 

 

......この任務を終えたらまず彼女に拒絶に等しい行為をしてしまったことに対して謝罪してから彼女の恋を受け入れて結婚しよう。

 

それが俺が今出来る不器用で精一杯のプロポーズだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







次回からヤンデレと化した清姫とキャッキャッウフフな為、暫く間三人称視点で話が進んでいきます。

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