仕事が一段落かと思いきや、用事と仕事が台風の如く襲い掛かり軽いスランプ状態に陥っていました。その為、暫くの間更新が遅くなります。
それでは本編どうぞ。
α月ドゥーベ日『ジークフリート前編』
天気:曇り
聖女マルタが遺してくれた情報を元に、ファヴニールに唯一対抗出来るジークフリートを探して崩壊したリヨンに赴いた。
道中、街に寄った際に英霊ジルドレ(狂人)じゃない人間としてのジルドレェ(マトモ)がフランス中の兵士達を纏め指揮をとっている情報をマリーが入手した。
彼等と協力を仰ぐか否か話し合ったが、ジャンヌはこの世界では既に死人である事と、邪ンヌの件があるため会わない選択をした。まぁ、今会ったら確実に軍で亀裂が走るのは確かだしフランス軍の兵力だと骸兵やゾンビ兵相手で何とかなるレベル。そこにファヴニールが来たら全滅待ったなしだろう。
それと今朝、戦力増強も兼ねて新たに一人のサーヴァントが召喚された。物差し竿と呼ばれる1mの大太刀を背負い紫色の髪を後ろで束ね羽織を来た侍、アサシンこと『佐々木小次郎』だ。
燕返しという秘技を生み出し、二刀流の宮本武蔵と巌流島で戦った佐々木小次郎ではなく、農村で産まれた無名の剣士が、『燕返し』が使える事と、佐々木小次郎が実際に存在していたかあやふやな為、"佐々木小次郎"として座に刻み込まれているらしい。性格は武蔵ちゃんと同じく生粋の武人、戦闘好きで、からかい(特に女性)が得意な雅を好む男だ。
アストルフォが男だと知って絶望してorzの体勢をしていた時は軽く背中を擦った。
エミヤとクーフーリンは小次郎の事を知っているらしく信頼出来るとのことだ。特に小次郎が使う燕返しは凄いと言っていたがどんだけ凄いのだろうか?
移動中に小次郎が俺と手合わせ願わないかと誘われたりマリーのベーゼ癖でマスター二人がマリーにキスされたり、アマデウスからマリーの接吻されたか否かで派閥が出来かけたエピソードを聞いたり、情報収集していた街に兵士崩れの盗賊達が来てシバいたりした。
ジャンヌとマシュは盗賊相手に峰打ちと言いながら盾を思いっきり振ったり旗を鈍器の如く振るう様は圧巻で乙女の力って怖いなと思った。ジャンヌはマスター二人を妹と弟みたいな感じで接していたしマシュに至っては...ね?当の本人達は気付いておらずエミヤは嘗ての自分を見ているかのような遠い眼をしていた。
エミヤお前も女性運悪いのか........
盗賊を縄で縛って憲兵に渡し移動を再開、野生のワイバーンやはぐれゾンビ兵を倒しながら進むこと数時間歩き続けると崩壊した都市リヨンに辿り着いた。
人気は感じられず殆どの建物が瓦礫と化し、邪ンヌの軍勢があちらこちらを徘徊している。
都市として有名であるリヨンの成れの果てに藤丸姉弟やカルデアスタッフ、マリーやジャンヌ等のフランス組やアルトリアことアル(基本的にこう呼ばれている)はあまりにも凄惨な光景にショックを受け流石の俺でもやり過ぎだと思える程に悲惨だった。
それでも俺達はジークフリートを探さないといけない。その思いを胸にカルデアのセンサーから発せられる反応を頼りにマルタがジークフリートを隠したと思われる場所に向かって崩壊したリヨンの街へと足を踏み出し探索する事20分、敵を蹴散らしつつセンサーが反応する場所に向かうと半壊した小さな聖堂が中に入るとおびただしい血痕が奥まで続きその場所で一人の銀髪の男『ジークフリート』が大剣を片手に苦しそうに息をしていた。
見つけたは良いものの、彼の身体は複数の呪いに掛かり大怪我を負半分意識がない危険な状態で最初は俺達を敵だと勘違いして襲ってきたが、アストルフォは聖杯大戦で同じ陣営だったらしく彼を心配しながらも説得、ジークフリートはアストルフォとジャンヌを見ると敵ではないと確認し警戒を解いてくれた。
俺とジャンヌと回復系を持っているマリーとマスター達で呪いと傷を癒していた途中にカルデアが巨大な魔力反応と高速移動を感知、ファヴニールが近付いている事を知らせたのだ。
しかし此方にも切り札がある。ジークフリートの呪いは完全に祓えていないが宝具で迎撃出来るまでに傷は癒えている。マスター達の提案で奇襲するためにジークフリートは聖堂に待機、俺達は時間稼ぎするために外に出ることになったが相手は邪ンヌの切り札ともいえる伝説の邪龍ファヴニール、一筋縄ではいかないだろうがやるしかない。さてと頑張りますか!
同日『ジークフリート後編』
どうにかファヴニールを撃退、襲撃してきた敵サーヴァント三体を迎撃、その内一体を撃破したのだがまぁよく全員無事に生きていたなと思える位に生死の境がスレスレな状況だった。
俺達が聖堂から出ると上空から黒い龍ファヴニールが邪ンヌと三体のサーヴァントを乗せてゆっくりと降下してきたのだがとてもヤバい。たった一匹で今いるサーヴァント全員を仕留められると本能で察するレベルでヤバかった。
どんだけヤバいかと言うと佇むだけで常人なら失禁か我を忘れて佇むか逃げるレベルで発せられる覇気と、とてつもない魔力。俺が今まで戦った怪物とは違う純粋の強さに思わず武者震いをしてしまい握っている白銘を無意識で強く握っていた。
そんな怪物を何らかのスキルか力で操っている邪ンヌはファヴニールの頭に立った状態で勝ち誇ったかのような顔で此方を見下ろしていた。
相手は此方を完全に殺すためにファヴニールを連れてきたが、その竜の天敵であるまだジークフリートがまだ生きている事は知っておらず、最強の龍種を従えている事もあってか、副官的立ち位置であるジルドレェがいなかったりと少しだけ慢心していた。
ジークさんの宝具を撃たせる時間を稼ぐために、邪ンヌを引き付けて僅かな時間を作る事に成功。ジークフリートは宝具『
時間は稼いでいる最中に邪ンヌの指示でファヴニールが火を吹いたのだが、その威力は宝具に匹敵する灼熱の業火ともいえる代物だった。
マシュとジャンヌの宝具でその攻撃を防ぐ事は出来るが防ぐだけでかなりの魔力と体力がかなり削られ二人は息が荒くなるレベルで、その有り様を見て邪ンヌは俺達、特にジャンヌに対して嘲笑いながら第二射を放とうとした瞬間、邪ンヌの死角からジークフリートの『
邪ンヌはファヴニールが一瞬、動きを止めた事に気付き上空へと逃げるように指示して回避したが、その時には魔力の奔流が後ろ右脚を捉え巻き込む。
その奔流は頑丈な鱗ごと切り裂き深い傷を負わせる程の威力で、流石に不味いと感じたのか邪ンヌは上空に上がったまま撤退したが、その代わりにアサシン『シャルル=アンリ・サンソン』、バーサーカー『ランスロット』、アサシン『カーミラ』とワイバーンやゾンビ兵等の軍勢がジークフリート狙いで襲い掛かりそれらを迎撃した。
アサシンのサンソンはマリーに対して集中的にギロチンを用いて襲ってきたが、モーツァルトの軽口と曲に惑わされた隙にアストルフォの騎乗槍で両足を消された挙げ句、マリーが騎乗していた硝子の馬に蹴られ重傷。
カーミラは近くにいたフランス軍がジャンヌに対して恨みを持っているのを利用した陰湿な作戦で藤丸姉弟やマシュ、アルといった純粋組を追い詰めたがジャンヌの考え方と性格には敵わずグイグイ攻め込まれフランス軍の砲撃もあってかそのまま撤退した。
エミヤはまだ残っていた半壊の高台に昇り空飛ぶワイバーや地上にいるゾンビ兵達の掃討と援護射撃、俺とクーフーリン、小次郎でランスロットと戦ったのだがランスロットが俺の脅威を知っていたのか執拗に襲ってきたのだ。ランサーだがら対応出来たけどもう冷や汗ものだよ。
コイツの何が恐ろしいって狂化によって理性が飛んでいるのに武器を扱う技量と武術は手練れの騎士そのものだし、コイツは武器とカテゴリーされている物を触れただけでDランク相当の宝具にする宝具を持っているのだが、相手の宝具が武器系なら一定時間触るだけで能力までは使えないが奪う事が出来るという恐ろしい力を持つ。
触れたとしても侵食する前に振り払えばどうにかなるがランスロット自身その力を使わなくても己の技量で押してくるタイプで、ゾンビ兵から奪った剣で放たれる猛攻に対して俺は上手くかわして鋭いカウンターを放っても逆にいなされ相手にカウンターカウンターを許すという状況が十分程続いた。小次郎とクーフーリンも援護に向かおうとするが、ワイバーンとゾンビ兵の大群の対処に追われそれ所ではなかった。
俺も決定打が出せずにダメージが蓄積され流石にヤバいと思ったが、カーミラ戦を終えた立香が令呪一画を、斗真が着ている魔術礼装に組み込まれた強化魔術によって俺の肉体が一時的に強化され、横腹に思いっきりヤクザ蹴りを放って相手との距離を離した瞬間に宝具『龍ヶ我流奥義』を用いて『明鏡止水・極み』を発動させた。
気も混ざった青い魔力を纏うと、腕を下ろし無気力状態になり、相手が襲ってくるタイミングを見計らって一気に懐まで震脚で迫る。そして、魔力を帯びた白銘で横腹に突きを放ち鎧を貫通させ矛を一気に捻ってから横凪ぎに深く斬り裂いて後ろを向く。
ランスロットは剣で突き刺そうとしたが、俺は地面を強く蹴って空中でバク転をして回避、身体を横に捻って頭を斬ろうとするが、ランスロットはそのまま回転斬りを放ち阻止されそのまま弾かれる。しかし、その反動を利用して風の魔術で、身体を再び高速回転させて白銘に炎を纏わせ『焔唐竹割り風車ver』を放ち、ランスロットは剣で防ぐが炎によって剣が溶断され鎧ごと斬った。
その際に兜が割れると黒ロン毛の男の顔が現れ、斬られた額の傷口から流れる血を手で押さえ獣のような怒りの表情で血を吐きながら、此方に向かって自らの宝具であるアロンダイトを取り出して突貫してくる。
俺は突きを放とうとしたが相手の攻撃の方が早くもうダメかと思ったが、ワイバーンの大群を排除してきた小次郎が俺の前に立ちその攻撃を刀でいなしてからランスロットの横顔に思いっきり柄頭で殴り付けて距離を放すと、『お主、私の"燕返し"に興味を持っていたな?ここは私に任せてお主は其処で休んでおれ。』と話し物干し竿を構える。
邪魔されたランスロットは怒り狂ったかのような叫び声で小次郎にアロンダイトを振ろうとした瞬間、小次郎はそれぞれ違う角度から三つ斬撃が同時に放ち、その三つの斬撃によってランスロットは切り裂かれ絶命した。
......気の感じから察するに剣技だけで第二魔法に至るとか可笑しくない?
ワイバーンとかゾンビ兵の声が聞こえない事に気付き辺りを見渡すと敵はもう全滅していて、ランスロットが最後だったらしい。俺は小次郎の肩を借りてマスター達がいる場所へと移動した。涼しい顔をしながらも『狂った状態でありながらあの剣捌き、何時か剣士としてのランスロットと一戦交えたい。』みたいなことを話す小次郎を見て苦笑いしながらも藤丸達と合流し安全な場所へと移動した。
......武蔵といい、頼光とつなやん(渡辺綱)と沖田ちゃんといい俺が出会う剣士って剣の技術が可笑しい奴ばっかりだな。
ball⑨月[回転盤]日 『聖人を求めて三千里?』
天気:晴れ時々曇り
ジークフリートことジークさんを見つけ邪ンヌの刺客達を退けた後、安全な森の中に入り傷を癒しつつ一夜を過ごした。その休憩過程でジークさんに掛かった呪いを八割位だが祓う事に成功した。
生前なら完全に呪いを祓う事が出来るのだが、今の姿は戦闘に特化したクラス、『破ァッ!』を4割の出力しか出せず、これ以上出力を上げれば逆に『破ァッ!』によって霊基を破壊され自滅しかねないのだ。
ジャンヌもルーラーとしての性能が不完全な為、完全にジークさんの呪いを祓えない事に自分を責めていたが、彼は『こんな自分に対して迷惑をかけてすまない』と謙虚に謝っていた。
滅茶苦茶謙虚でいい人だけど、それが逆に心に突き刺さるんだよなぁ.....。
完全に呪いを解かなければファヴニールに抵抗出来ない事に悩んでいたが、Dr.ロマンが聖杯のシステムに組み込まれているとされているカウンター機能しているのなら、まだ聖人に関連するサーヴァントがいるじゃないかと言ってきたのだ。
確かにファヴニールに対してジークフリートが召喚され、敵側とはいえ聖女マルタが召喚されていた。
世界滅亡寸前によって起動した聖杯のカウンター機能がまだ生きているなら、龍や聖人の逸話を持つサーヴァントがはぐれサーヴァントとして現界しているという希望の可能性が生まれ、二手に分かれて聖人の逸話を持つサーヴァントを探す事になった。
チーム訳はマリーが『こういうのは運に任せた方が良い!』と力説してくじ引きをした結果、藤丸姉弟とマシュ、エミヤとクーフーリン、ジークフリート、アマデウスとAチーム。俺も含めた残りのメンバーで構成されたBチームに別れた。
戦力のバランスは悪くないのだが、男女の偏りが凄いな。アストルフォは性別アストルフォ(困惑)だし実質、小次郎含めて男が二人だぜ?くじ運の癖が凄いな。
チームに別れた際に『Aチームで良かった』とマスター達と俺以外の他の人は気付かなかったが、僅かにエミヤのホッとした表情を見てコイツ生前はマジで女運無いんだなって改めて感じた。
まぁマスター達とこの後エミヤを滅茶苦茶弄ったけどな!!
やはり、藤丸姉弟の観察力は鋭いな。彼等はフランスを含めて七つの特異点を旅しないといけないし、今後のことも考えてかるーくだが交渉術(安部家秘伝)をレクチャーしておくか。
O月DNBS(黒×4)日『狂騒劇』
天気:晴れ時々曇り
早朝、俺達は聖人サーヴァントを探すために二手に別れ行動をした。連絡方法はカルデアから借りた高性能通信機を用いて連絡を取り合うのだが、立体映像が流れるなんてSF感溢れてとても良い代物だ。電波は魔力を使っている所もオカルト感が出てとてもGoodだ。だけどあんまり大きくないからドラゲナイトが出来ないないのは、少しだけションボリだ。
お互いの武運を祈りつつAチームと別れ、カルデアの索敵レーダーで見つけたサーヴァント反応と噂などの情報を頼りに英霊のスペックを生かし探した結果、無事そのサーヴァントがいる街を見つけ出し出会う事に成功した。
そのサーヴァントは『聖ゲオルギウス』。ドラゴンを聖剣アスカロンで倒した逸話を持つキリスト教において有名なイギリスの守護聖人だ。
綺麗な茶色のロン毛に片肩に龍をあしらった鎧を着て白馬に跨がるその姿はまさしく聖人そのもので性格もとても良くクラスはライダーである。
此方の事情を聞いてくれて快く了承し仲間に加わったのだが、どうやらこの町の市長から町の人を避難させるまで守護するという任を受けているらしく、それを全うしてから動くことになり、俺達はその手伝いをしている最中だ。
因みに俺はこの町で一番高い塔の天辺で見張りをしながら日記を綴っている。本当、安珍日記は身体に収納した状態でも心に思った文章を綴れるから便利だよなぁ。
その途中にジャンヌがカルデアに連絡し簡単な報告と情報交換をしてそれを念話越しで聞いたのだが、どうやらAチームの方は今さっき残り2騎のサーヴァントに遭遇し接触したが、どうやらその2騎のサーヴァント達による喧嘩に巻き込まれ、鎮圧中とのことだ。
どうしてだろうか、何故かは分からないがそのサーヴァントの内一騎だけ少し気になるな。ジャンヌがその2騎の名前を知る為に聞こうとした瞬間、遠くから生じた強力な魔力の乱れが生じて通信が切れてしまった。
あぁ.....全く運が無いな畜生。
この嫌でも感じられる強力な魔力、遠目から見てわかるジャンヌとゲオルさん、マリーのやり取りを見る限りどうやら当たりをひいてしまったらしい。
あれが此方に来るまで時間の猶予はあるが、その前に敵の突兵が来そうだな。ちょっと日記を書くのを止めてジャンヌ達に合流して戦闘準備に取り掛かりますか。
同日『狂騒劇』
※本当なら続きを書く予定は無かったが、念のために日記を体内に収納した状態で起動して避難作業をした際に起きた出来事を記録する。
俺こと安珍とマリー、アストルフォを含む三人で町人の避難を行ってい無事任務を終了、この町に来るであろう邪ンヌonファヴニールから逃げる為にアストルフォのヒポグリフに乗ろうと向かっている最中だ。
因みに、ゲオルさんを含む残りのメンバーは既に撤退していて、何故この三人で避難の手助けをしているかというと、20分まで遡る事になる。
邪ンヌがファヴニールに乗って襲撃する事を悟ったジャンヌは、ゲオルさんにマスター達の方へ先に撤退するように言ったのだが、ゲオルさんは街の人達を護らないといけない使命がある為それを拒否、ゲオルさんは聖人であるが故に人を見捨てる事は出来ないのだ。
ジークフリートを蝕む残りの呪いを解呪出来て龍キラーであるゲオルさんを失ったら確実に詰みになる。どうしたものかと悩んで居た所で、マリーがゲオルさんの役目を果たすと言い出し彼女達を説得していた所でジャンヌ達の所まで跳躍し続け俺が着地して合流した。
それで事情を簡単に聞いた俺は、居酒屋で生を頼む感じで『しょうがない、俺も残るわ。』と発言したと同時にアストルフォも『じゃあ、僕も残るよ!!』と発言し、お互い顔を見合わせて思わず笑ってしまった。
ジャンヌとアルトリアは俺達三人が此処に留まる事を止めようとした。無理もない、此処に残るという意味は『死ぬ』と言っていると同等と言っても過言ではないからだ。
ちなみに小次郎は俺の目を見るとその覚悟を知ったのか何も言わなかった。
しかし、マリーはフランス王妃として時代は違えどフランス民を守るという義務、アストルフォは理性が蒸発したお調子者だが、シャルルマーニュ十二勇士として弱きを助け強きを挫く騎士としての矜持、姫を守るのは必然的だろう。
そして俺は聖人ではないが人々を悪意から護る使命を持っている。此処に残ると言った時点で既に覚悟は出来ているのだ。
それに此処で死ぬつもりはない、此方にはアストルフォの相棒、ヒポグリフもいるし戦闘が得意な俺がいるのだ。邪ンヌが来る前に離脱することが出来ると伝えると皆は俺達の覚悟を感じ取ってくれた。
ゲオルからその使命を譲るとら生きて皆と合流しようと言葉を交わし俺達三人を残しマスター達がいる方角へ移動した。
その後は、マリーが町人のを避難誘導、アストルフォはヒポグリフで空中にいるワイバーンの掃討、俺は逃げ遅れた人達の救出をしていた最中に狂化しているのに更に狂化されたのか前よりも狂人と化したサンソンが登場する。
重度の狂化の影響か、マリーにドン引きするレベルの執着心を見せつけながら彼はマリー探しつつ宝具である『
彼が処刑の合図である指パッチンをする前に俺は竜ヶ我流奥義『焔独楽斬り』で白銘を両手で横に持ち、炎を矛先に宿しながら空中で高速回転してワイバーンを巻き込みながらギロチンの刃ごと刑台の上半分を粉砕しながらサンソンに近付く。
ギロチン処刑を邪魔されたことで怒り狂って俺に剣を振るおうとしたが、俺は回転の勢いを殺さずに横薙ぎを放つ。サンソンは自分の剣が防ぐがその勢いに負けて剣が彼の手元から離れて無防備の状態になる。
そのまま、相手の胴体を目掛けて俺は勢いを殺さずに右足を鞭の用にしならせ相手の胴体に思いっきり横蹴りを放つと、サンソンは水切り石のようにバウンドしながら、建物を何件か壊して吹き飛んでいった。
その時、サンソンは動けないレベルの怪我を負っていたが、狂化スキルと"マリー・アントワネット"を処刑するという執念のお陰か彼は瀕死の状態で生き延びていた。
ワイバーンを斬り、ゾンビを拳で浄化しながら逃げ遅れた人達を安全な誘導させ、町人の避難が終わりに近付いた頃、300m離れた先でマリーとサンソンが出会い彼等は宝具の撃ち合いをした。
結果としてはマリーの『
サンソンはマリーに看取れられた状態で話し合った後、そのまま消滅した時には本来の姿かもしれない優しい笑みを浮かべて消滅した。
此処までが町人を避難させていた間に起きた出来事、後はヒポグリフに全力で飛んで貰って戦線離脱するだけだ。
嵐のような静けさがちと不気味此処とはおさらばってファヴニール来た!って、あっぶな!!いきなり火を吹くなよ!礼装(服)が燃えるだろ!!
そして、急接近してからの突風止めろ!!俺が最後尾で風もろに受けて落ちやすいから....落ち.....落ちたァ!?
クソッタレ!こうなったら足止めしてやらぁ!!(やけくそ)アストルフォ!ニゲルロォ!!俺も後で合流するから!!フランス王妃の守護を任せたぜ十二勇士の騎士様!
っよし!アストルフォ達は一気に逃げたな!邪ンヌに追い込まれた俺の怖さを見せつけてやらぁ!
ーーーーーーーーーー
「まさかファヴニールは竜種の中でも格別、其を分かっていて対峙するなんて相当馬鹿なのね。」
「...........。」
「あら?私の質問に答えられない程に怖じ気づいているの?それとも、仲間が貴方を助けようとせずにそのまま逃げた事がショックなのかしら?」
「もしもそうなら傑っ「あっゴメン。ヘルシェイク・トリスタンの事考えていたわ。」って!肝心な所で話に割り込むんじゃわよアンタ!というか、ヘルシェイク・トリスタンって誰よ!?」
「.......。」
「無視するんじゃないわよ!!」
ファヴニールに乗り、憎たらしい顔で安珍を見下すかのように嗤う邪ンヌに対し安珍は、この状況に恐れる事もなく、ましては絶望するかのような表情もせずに何時ものふにゃっとしたポーカーフェイスで邪ンヌを翻弄していた。
そんな呑気?な雰囲気が展開されているが、彼らの周りでは灼熱の炎で建物が燃え、さっきまで青空だった空も、黒煙が昇り赤暗い空へと変貌。常人なら息を吸っただけで肺が焼き爛れそうな熱が発しているという地獄に相応しい殺伐な状況なのだ。
しかし、安珍はこの状況に恐怖することも慌てる様子を見せずファヴニールを見据えながら次の一手を思案していた。
(さてと、どうしたものか。この程度の炎なら最後のガラスを打ち破る勢いで頑張れば突破出来るが相手は伝説クラスの龍ファヴニール。俺のスキルを用いても逃げれる確率は低い.....毎回思うのだが俺は本当に運がないな。)
「ハァ....ハァ。アンタと話すと腹が立つ上に調子が狂うわね。でも此も今日で最後、アンタは此処で死ぬのだから。それにしてもたった一騎の弱小サーヴァントの為に貴重な戦力であるアンタを失う事になるなんて『私』は愚かね。」
安珍は今までの経験から考えて逃げる事は出来ないと即座に察しとある覚悟を決めた頃、安珍のボケを突っ込み過ぎて息を切らしていた邪ンヌは息を整えると再び悪そうな笑みを浮かべ話し始める。
「ハッ?何いってるんだ?いとをかし過ぎて腹が捻れそうだわ。俺は生きて帰るし、自分を『復讐の魔女』とか、『ジャンヌ・ダルク』だと思っている奴に言われたくないわ。」
それに対して安珍は、無表情で笑いながら邪ンヌを煽った。
「ッ!!ファヴニール!!」
『GAOOOOOOOO!!!!』
表情に出ていないが言葉と声が震え方で安珍が彼女を煽ったことにより、堪忍袋の緒が切れた邪ンヌはファヴニールに指示して安珍に向けて火が吐き出される。
その炎は、津波の如く押し寄せものの数秒で安珍は灼熱の炎に飲み込まれていく。
「フフフ.....フハハハハハハァッ!!ざまぁみなさい!!アタシを散々馬鹿にした報いよ!私は竜の魔女として甦ったジャンヌ・ダルク本人!!誰であろうが決して覆られない事実よ!!」
「アンタは、この灼熱地獄でフランスが滅んだ後も悶え苦しんでなさい!さぁ追い掛けなさいファヴニール!!次は逃げた出来損ないの幻獣に跨がった二人を焼き殺すのです!!」
『GAOOOO!!..........ッ!?』
安珍が燃えているだろう炎を見て邪ンヌは豪炎の中で悶え苦しんでいるだろう安珍を想像し高笑いをする。彼女は笑いながらも逃げた二人を確実に殺す為にファヴニールに追い掛けるように指示をする。
ファヴニールは大きな雄叫び声を上げると、その大きな翼を広げ羽ばたき始め、空中に浮かび上がる。
アストルフォ達が逃げたであろう方角にファヴニールが身体を向けた瞬間、ファヴニールは何かの気配を感じ警戒したのか動きを止め首を動かし後ろの炎を見つめたまま停止して唸り声を上げる。
『GURRRRR.....。』
「何をしているのですファヴニール?逃げられたらどうするのです。とっとと早く......」
"
「ッ!?この増大な魔力、そんな!まさかっ!?」
それに疑問に思った邪ンヌは安珍が燃えている炎に向かって唸り声を上げて動かずにいるファヴニールを再び動かす為に指示をしようとした瞬間、魔術詠唱が聞こえたと同時に強大な魔力を感知し彼女が振り向くと、燃え盛る炎を見ると異変が起きていた。
"かしこみかしこみ申す、我厄災を払う者。我が聖なる躰、厄を祓う言霊をもって悪鬼羅刹、魑魅魍魎を滅する者。
"我が身壊れるようと、意思は途絶える事はなく心火を燃やしそれを纏い再び歩む、"
「ぐっ!ファヴニール!」
『GUOOOO!!』
詠唱が進むにつれ燃え盛っていた炎は赤色から青色に変わり炎の勢いが急激に増していく。
その炎の勢いと呼応して、魔力を帯びた強力な衝撃波が陽炎と共に心臓を動かす鼓動のように次々と放たれていく。
放たれた衝撃波から主を身を守る為にファヴニールは両翼を盾にし、一定の間隔で襲ってくる衝撃波を防ぎ耐えていた。
『GUUUUUU.......ッ!』
「ファヴニールが身動き出来ないなんて....ぐっ!うぅぅ.....!?」
"人の可能性を教えた者達の為に、そして心が壊れ傀儡と化した我が人生に『愛』を教え、『人』としての感情を教えてくれた愛すべき者達を、そして人が持つ『可能性』と『愛』を護る為この拳を振るう。"
(この異常なまでの魔力放出量!コイツ私の想像以上に規格外過ぎる!!)
羽根で守られて邪ンヌは無事なのだが、ファヴニールの動きを封じ、羽根越しに伝わる自分の肌を突き刺すかのような魔力放出に邪ンヌは舌打ちをする暇もない状態に陥る。
詠唱が進むにつれて炎で作られた大きな晩鐘が形成され、詠唱の方も佳境に入る。
"故にお見せよう、愛する者達を護る為に鍛え続け零に至った我が武術の結晶を。そして『愛』故に起きた我が業と奇跡を持って再び心火を纏い龍となろう。"
悪しき者を焼き祓え。
詠唱が終わり、宝具の真名を発動した瞬間、蒼い炎で出来た晩鐘を蒼い炎で出来た一匹の龍が打ち破り空へと飛び上がる。その龍は身体をくねらせながら上昇しそのまま静止すると雄叫びを上げてその姿を現した。
『■■■■■■■■■■■■ッ!!』
全ての身体が蒼炎で形成された龍の姿は、蛇に似ているが頭は二対の角と龍のように鋭い顔付き、鋭い爪がある三本指の短い両腕が生えた龍が彼女達を護るかのように空中に佇ずみ邪ンヌ達を見下ろす。
「フッ、派手な爆発をしたかと思ったら龍になるなんてアイツも馬鹿ね!私のスキルはどんな龍でも支配下に置けるのよ!!さぁ私の前に跪け!!」
『...........。』
「なっ何で!?私のスキルを耐える所か拒絶するなんて......っ!?」
『....■■■■■■■■■■■ッ!!』
邪ンヌは龍種を従える『竜の魔女EX』でその龍を支配下に置こうとするが失敗し驚きを隠せないでいた。
そんな彼女を喰らい殺すと言わんばかりに焔の龍は自らの炎の躰を一気に燃やし口から邪ンヌ目掛けて青白い炎をガスバーナーのようにして放つ。
「.......チッ!あの炎を迎撃しなさいっ!そして、あの龍擬きの蛇を引きちぎってバラバラにするのよ!ファヴニールッ!!」
『GAAAAAAAッ!!』
邪ンヌは自分のスキルが通用しないことに腹が立ち舌打ちをすると、焔の龍と化した安珍を殺す為に命令すると、ファブニールは口から火を吐き出して迎撃をする。
二匹の龍の口から放たれた攻撃がぶつかった瞬間、強烈な爆発と衝撃が発生し建物を崩壊させていく。
『GAAAAAAッ!!』
『■■■■■■■■■■ッ!!』
二匹の龍の戦いがぶつかり合う。この半壊した街で幻想種同士の激しい戦闘が繰り広げられた。
ランサー『安珍』、竜の魔女が操るファヴニールから二人を逃す為に殿を務め戦闘。その後行方不明に。
オマケ
対軍宝具『転身業火・焔ノ龍』
ランクA-
レンジ1~10
最大捕捉50人
安珍が龍となった清姫を救うために最後の力を振り絞り晩鐘の中で焔を纏った龍『焔の龍』となった逸話から昇華された宝具。
左腕に封印した『呪い』を解放し、それを自らの体に憑依させその呪いを『破ァッ!』の力で制御、龍の力を焔として纏い短時間の間、ステータスを筋力,敏捷を2ランク上げ彼がかつて愛する者を救うために化けた『焔の龍』になる宝具。
幻想種の中で最上位に位置する竜種の力を使え、彼が纏う炎は不浄を祓う力を持ち、悪霊、呪いや悪に関する逸話を持つサーヴァント相手だと無類の強さを誇る。
幻想種として現界するため、世界の修正力を影響も受ける為負担が激しく、龍でいられる時間は短い。
宝具の力が切れると幸運以外、全ステータスが10時間まで2ランク下がる。
また、変身した反動で自分の霊基にも深いダメージが入り、一歩間違えれば自分の霊基が壊れる可能性がある短期決戦宝具である。
本人曰く『魔力消費も尋常じゃなく、一般魔術師が令呪を一画使用しないと気絶するレベルなので実質ランク詐欺だぜこの宝具。』らしい。