職業=ボーダー隊員な社畜と功名餓鬼、時々JKのボーダー生活日誌   作:地雷一等兵

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前回の続きです。

では本編をどうぞ↓


第9話 続 鷹原隊のランク戦

 

 

『さぁ場が混沌と化して参りました。マップ中央付近では合流した生駒隊を、鷹原隊の鷹原隊長、蓮川隊員が迎え撃つ形。一方で猫葉隊員はバックワームを起動したまま自由に動く!』

 

『これは、絵馬隊員を狙ってますね。』

 

狙撃手(スナイパー)がいなくなればその分自由に動けるもんな。』

 

『しかし、絵馬隊員はバックワームでレーダーには映りません。どうやって探すのでしょうか…?』

 

『猫葉隊員は見た目と言葉遣いはアレですが、ああ見えて洞察力や思考力に優れています。恐らくですが、北添の逃走経路や行こうとしていた先から絵馬隊員の居場所を予想しているのかもしれません。』

 

『な、なるほど…。』

 

東の解説に桜子はごくりと息を呑む。

 

 

 

「海! あんま突出するな!」

 

「はい!」

 

生駒隊は3人ともお互いがフォロー出来る距離を保ちながら鷹原・蓮川の二人と対峙している。

グラスホッパーを使って動き回る南沢に水上が注意する。

 

「蓮! あんまり飛び過ぎるなよ。射線が通らない場所を選んだとは言え、飛び過ぎたら意味がない。」

 

「了解です!」

 

鷹原はワイヤー地帯を押し広げながら生駒隊の3人に砲撃する。

そして蓮川は鷹原の張ったワイヤーを巧みに使い、機動力を一切損なわずに狭い住宅街を低空で飛び回る。

 

「さて、そろそろ行くぜ!」

 

鷹原は右手に持ったアイビスをしまい、左手にレイガストを取り出した。

完全にヤル気満々な鷹原は右手に巨大なトリオンキューブを取り出すと27分割してぶっぱなした。

 

追尾弾(ハウンド)!」

 

グラスホッパーで宙を飛ぶ南沢に対して放たれたトリオン弾はそれぞれの軌道を描いて迫る。

その弾丸からフォローするように生駒と水上がそれぞれシールドを飛ばして南沢を守る。

 

「そこだ!」

 

「ん、うぉわっ!?」

 

南沢のフォローに回る水上の足元からエスクードが高速で生え、水上を上にかち上げる。

エスクードでかち上げられ、バランスを崩した水上に蓮川がグラスホッパーで迫り、スコーピオンで足を切り落とす。

しかしそれを見逃す生駒ではなく、蓮川が水上の右足を切り落とした瞬間に旋空を起動して切りつけた。が蓮川もそこら辺は心得ているらしく、水上の足を切り落とした直後には離脱の体勢となっており、生駒旋空の被害は受けなかった。

 

 

 

『水上隊員、足を負傷! これは痛い!』

 

『首じゃなくて足狙いか、蓮川の奴なかなか分かってんじゃん。』

 

『連携の中核を担う水上の機動力が無くなったのは生駒隊としてはキツいでしょう。』

 

 

 

「見つけたぞ、猫ヤロー!!」

 

「ニャニャッ!?」

 

猫葉が絵馬を捕捉しこれから仕留めようかという時に影浦は横合いから殴り付けるように乱入した。

好戦的な視線を猫葉に投げ掛ける影浦を見て彼女は体を絵馬から影浦へと向けて交戦の構えを取る。

両者ともに得物はスコーピオンの二刀流、近距離でバチバチと斬り合う展開になるだろう。

影浦が猫葉に仕掛けたことで出来た時間は絵馬がその場から逃げるには充分であり、次の瞬間には絵馬がそのエリアからは離脱していた。

 

「ニャハハ、カゲにゃんだにゃ!」

 

「さぁ、遊ぼうぜ!」

 

 

 

『マップ東部では影浦隊長と猫葉隊員の一騎討ち! 影浦隊長のインターセプトで時間を貰った絵馬隊員は中央へと向かう模様!』

 

『まぁカゲさんがああなったらユズルが点を取るしかねぇもんな。』

 

『中央の乱戦で少しでも点を取れれば…と言ったところでしょうか。』

 

 

 

「あんま壁に寄らんときや、エスクードで吹っ飛ばされんで。」

 

「せやったわ。」

 

生駒隊オペレーターの細井の注意に片足を持っていかれた水上が頭を掻く。

先ほどのエスクードによる崩しからの一撃を警戒し、生駒隊の3人は壁や家屋から離れて鷹原、蓮川と向かい合っている。

 

「掛かってこいよ。このワイヤーが怖いか? 建物ごと斬っても良いんだぜ?」

 

「いや、お断りしますわ。絶対なんか仕込んでるもん、それ。」

 

レイガストを構えながら不敵に笑う鷹原の誘いに生駒は首を横に振る。

その返答に鷹原は“そうだよな。”とだけ言った。

そんな鷹原の隣にはワイヤーの上に器用に立つ蓮川の姿がある。

 

(隠岐、タカさん狙えるか?)

 

(…いや、無理ッすね。上手い具合に射線が切られてますわ。他のポイントやと高さが足りひんし…。)

 

離れた場所からスコープを覗いている隠岐はその射線の通らなさに辟易していた。

どうにかして通る場所を見つけても、そこからは鷹原の出したエスクードの壁が邪魔になり視界が通らず、壁のない場所に行けば高度が足りずに狙いきれない。

上手い場所に陣取られたと隠岐は内心舌打ちしていた。

 

(建物斬って射線を通すか?)

 

(それやったら間違いなくメテオラが起爆しますよ?)

 

内部通信で次の1手を模索している生駒と水上だがその刺す1手が見つからなかった。

1度退いて戦場を変えるという手段もあるが、既に1点を獲得している鷹原隊からすればわざわざ地形の有利を捨ててまでがめつく行くほどでもない。生駒も水上もそれを理解しているが故に次の1手が思い浮かばないのだ。

 

「…やるしかない。」

 

生駒は弧月を握ると上段に構えて一気に振り下ろした。

旋空によって伸びた弧月は鋭く空を斬り、鷹原と蓮川のいるばしょまで伸びてそこに張ってあったワイヤーを全て両断する。

もちろん目の前で振り下ろされるそれを黙ってみている訳もなく鷹原も蓮川も横に跳んで避けている。

そして生駒旋空によってワイヤーが両断された直後のこと、通路の両脇に建てられている家屋の壁や屋根が吹き飛び、瓦礫の嵐で視界が塞がると同時に爆風が生駒隊を襲う。

 

「やっぱ仕掛けてたわ。」

 

「知ってた。」

 

「うはーっ!?」

 

北添のメテオラ爆撃とは違い明確に吹き飛ばし、爆発に巻き込む気満々なその爆発に生駒隊の3人は宙を舞う。

 

「そこ…。」

 

爆発で吹き飛んだ南沢に向かって蓮川はグラスホッパーで飛ぶ。そして右手で南沢の頭を掴むと彼の頭の上で逆立ちするようにしてグラスホッパーで跳ねる。

 

「今っ!」

 

「っ!?」

 

南沢の頭上で逆立ちしたことで粉塵の中から出た蓮川の足を隠岐は逃さずにイーグレットで狙い撃ち、撥ね飛ばす。

しかしそれでも蓮川は動きを止めない。

彼女は南沢の背後に降りながら首を捻ると同時に切り落とした。

供給器官を破壊された南沢のトリオン体は限界を迎えベイルアウトする。

そして足を狙撃され落ちていく蓮川の前には弧月を構えた生駒が待ち構えていた。

 

「もろた!」

 

「くっ!」

 

弧月を構えた生駒を見た瞬間に蓮川は反射的にグラスホッパーの準備をした。しかしそれを使わせる隙すら与えずに生駒は弧月を振り抜き、蓮川のトリオン体を両断した。

だが生駒が蓮川を両断したと同時にアイビスの弾丸が背後から生駒の頭部を撃ち抜く。

生駒、蓮川のトリオン体はそれぞれ活動限界を迎え、ベイルアウトしていった。

 

「そこやっ!」

 

「無駄ァ!」

 

生駒を背後からアイビスでヘッドショットした鷹原に対して水上はトリオンの弾丸を複数放つものの、それを予測していた鷹原のエスクードによって阻まれ、成果は挙げられなかった。

逆に鷹原はエスクードの陰でトリオンキューブを27分割して水上に向けて撃つ。

もちろん水上はフルガードでそれを堪えるが鷹原はそれも計算に入れていたのか、次の瞬間にはエスクードの上に登ってアイビスを構えた。左右から迫る追尾弾を防ぐ為にシールドを左右に広く展開していた水上は正面から放たれるアイビスの弾丸を受け止めることが出来ないだろうと踏んでの事であるが、鷹原がアイビスの引き金を引くよりも先に、別のトリオン弾が水上に直撃し、ベイルアウトさせる。

そしてそれと同時にマップ東部でも二つの光が飛んでいき、ベイルアウトを知らせた。

 

「よっし! ユズルよくやった!」

 

「別に、この程度…。」

 

水上に止めを刺した絵馬はそのままアイビスからイーグレットに持ち替えて鷹原を狙うが、既に鷹原は家屋の陰に避難していた。

 

 

 

 

 

『お、おお!? 一気に場が動いたぁ!! 鷹原隊、蓮川隊員と猫葉隊員がベイルアウトしたものの一気に3得点!! 一方の影浦隊、生駒隊は狙撃手以外の隊員がベイルアウト!』

 

『鷹原の陣地で迂闊に攻めればこうなります。そしてあの混戦を上手く利用して点を取った絵馬を誉めるべきですね。』

 

『てか、猫ッチとカゲさんは相討ちか。こりゃタカさん所の勝ちだな。』

 

『確かに、この状態なら鷹原も落ちないし、隠岐も絵馬も落ちることはないな。』

 

米屋と東の言葉通り、残り3人の状態で場は硬直しタイムアップとなった。

 

 

『タイムアップ! 4対2対1で鷹原隊の勝利となります!』

 

『ま、今回は運も味方したって感じだな。』

 

『確かに、転送位置も鷹原隊にとって都合の良いように動いた。』

 

その後東と米屋によるこの試合の感想が述べられ、締められた。

 

 

 

 





少し分かり難いですよね。

では次回でお会いしましょうノシ


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