職業=ボーダー隊員な社畜と功名餓鬼、時々JKのボーダー生活日誌   作:地雷一等兵

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原作に本格突入ですよ。

え?鷹原隊の夏と冬のランク戦はって?
それは後に書く予定です。はい。
書きますとも。

では本編をどうぞ↓


第4話 三雲修という隊員

特別任務を与えられた鷹原と猫葉は今日も今日とて市街地に繰り出していた。

それなりに背の高い鷹原と、ネコミミフード+お面のロリ体型な猫葉のコンビは遠巻きに視線を集めていた。

 

それに気付かないほど二人は鈍感ではなく、特別任務初日からこの視線に居心地の悪さを感じていた。

 

 

「……トリオン体になろっかな…。ボーダー隊員だって分かってくれればたぶんこの視線もなんとかなるよな?」

 

「戦闘じゃないんにゃから視線くらい我慢するにゃ。」

 

苦笑いを浮かべる鷹原に、隣でオレンジジュースを飲んでいた猫葉が返す。

視線の原因をほぼ一手に担っている猫葉の言葉に鷹原は“あぁそうかい”と取り出しかけていたトリガーをポケットに戻した。

 

その時だった。

二人の歩く道が急に曇ったように薄暗くなる。

二人が異変を感じて見上げるとそこにはネイバー達の出てくるゲートが発生していた。

 

「来たな。ネコ!」

 

「分かってるにゃ!」

 

「「トリガー、オンッ!!」」

 

二人は直ぐ様トリガーを取り出し、戦闘体へと換装する。

そして猫葉は即座にゲートの開いた場所へと駆ける。

 

「ネイバーは我々ボーダーが対処します!市民の皆さんは急いで避難してください!」

 

よく通る大きな鷹原の声によってその場にいた人達ははっと我に返って一目散に逃げ出した。

 

「綾辻ちゃん、こっちにトリオン兵出現、そっちはどうだ?」

 

『いえ、こちらの区画はまだ何も反応ありません。今隊員をそちらに向かわせます。』

 

「了解した。」

 

『鷹原さん!!』

 

目の前のトリオン兵に眼を向けて通信を切ろうとした鷹原の耳に通信が入る。

 

『大変です、三門市立中学校でゲート発生!トリオン兵が出現しました!』

 

「近くに隊員は!?」

 

『一番近いのは鷹原隊、次いで嵐山隊です!』

 

「分かったオレが向かう。ネコ!聞いてたな!!」

 

通信しながら鷹原はトリオン兵相手に無双している猫葉に問う。

 

「聞いてたにゃ。さっさと行くにゃ!」

 

「任せた!」

 

猫葉の言葉に鷹原は急いでその場を後にして三門市立中学校へと駆ける。

近隣に誰もボーダー隊員がいない場所でのトリオン兵襲撃、それが意味するのは民間人への被害である。

鷹原は頭の中に思い浮かぶ最悪のビジョンを振り払って走った。

 

 

 

「見えた!」

 

鷹原が現場に到着するとまず最初に校舎の外壁をよじ登るモールモッドの姿が見えた。

そして彼が駆けつけると同時に2つあったはずのトリオン兵の反応が消える。一瞬それに意識を持っていかれそうになった鷹原であったが今はそれどころではない。

すかさずそのモールモッドに向けて走り出す。

 

「エスクード!」

 

鷹原が左足を打ち付けると校舎の壁からボーダーのエンブレムが描かれた壁が突き出し、モールモッドの体を吹き飛ばす。

 

「スラスターオン!!」

 

そして鷹原は吹き飛ばされて仰向けに倒れたモールモッドに向けてレイガストを振り下ろして両断した。

モールモッドは切られた場所から大量のトリオンを吹き出して事切れる。

 

「綾辻、トリオン兵の撃退は終わった。追加もたぶんない。」

 

『了解しました。さすが鷹原さんです。猫葉さんの方も片付いたみたいですし、今嵐山さん達もそちらに向かっています。』

 

「ああ、それでよ。この付近にボーダー隊員は非番の隊員を含めてもいなかったんだよな?」

 

『は、はい。本部の話ですと正隊員は誰も…。』

 

鷹原の質問に対して首を傾げる綾辻であったが、鷹原は返ってきた答えに困惑した。

そしてそれを解消しようと大穴の空いた場所から校舎に入る。

 

するとそこにいたのは二人の中学生と既に事切れたモールモッドだった。

そのうちの一人、眼鏡を掛けた方の少年はその背中に背の小さい白髪頭の少年を庇うように立ちながら、ひどく緊張した様子で鷹原を見る。

 

「…これは誰がやったんだ?」

 

鷹原の問いを受けて眼鏡の少年は緊張した面持ちのまま前に進み出る。

 

「…自分がやりました、C級隊員の三雲修です…。隊務規定違反だとは分かっていました。しかし緊急時、正隊員を待っていては間に合わないと判断したので…。」

 

眼鏡の少年が放った“C級隊員”の言葉に鷹原は驚いた。

C級隊員とは即ち訓練兵、正隊員のように戦闘用のトリガーを与えられておらず、性能の低い訓練用トリガーが与えられ、また訓練室以外でのトリガー使用が禁止されている。

 

こんな少年が性能の低い訓練用トリガーで戦闘用トリオン兵のモールモッドをこうも鮮やかに処理できるものなのかと、鷹原は素直に驚いていた。

背に小柄な少年を庇っているのは恐らく同級生を助けようとしていたのだろうと納得する。

 

「そうか、取り合えず現場調査と負傷者の確認をする。着いてきてくれ、三雲くん。」

 

「は、はい!」

 

倒れているモールモッドのブレードに血液が付いていないことに安堵した鷹原は現場を直接見ていた当事者の三雲修に現場調査の手伝いを頼んだところ、彼は動揺しながらも頷き、鷹原の後ろを着いていった。

 

 

死傷者ゼロ、不審なトリガー反応なし。調査の結果それが分かった。

先日、ボーダー本部近くの警戒区域内で、大型トリオン兵が粉々に粉砕され、所有者不明、未知のトリガーが使われた形跡のみが残るという事件があった。

そのため、現在の防衛任務では撃退したトリオン兵や現場の厳重な調査が求められるようになったのだ。

 

 

 

「センパイ凄いッス!」

 

「かっこよかった!」

 

調査を終え、生徒達の輪に戻っていった三雲は同級生や後輩たちに囲まれていた。

その様子を鷹原は校舎の壁に寄りかかりながら眺めている。

 

「鷹原さん!」

 

「ん? 嵐山か。」

 

そんな時、赤いジャージスタイルの隊服を来たA級5位、嵐山隊の3人が現場に到着した。

 

「お疲れ、一応死傷者はなし。現場からはボーダー以外のトリオン反応はなかったよ。」

 

「そうですか、よかった…。」

 

鷹原の死傷者なしの報告にほっと一息ついた嵐山は爽やかな笑顔になる。

いつ見ても爽やかボーイだと鷹原は感心する。

誰よりも熱いハートで平和を守りたいと思ってるから広報任務も任されているんだろうなぁと心の中で呟いた。

 

「流石ですね鷹原さん。自分達が着く前に終わらせて、しかも死傷者ゼロ…。」

 

「いや、オレは間に合ってなかったよ、たぶん…。」

 

木虎の言葉に鷹原は首を振る。その返答に疑問を抱いた3人が聞き返すと鷹原は生徒たちに囲まれている三雲を指差して説明した。

自分は間に合っていなかったであろうこと、そして三雲修というC級隊員が生徒たちを助け、2体いたモールモッドのうちの1体を処理してくれたことを。

 

「C級隊員…ですか。」

 

「……。」

 

鷹原の説明を受けた彼らは驚愕の表情で三雲に視線を向ける。

三雲もその視線に気付いたのか、神妙な面持ちで彼らに近づく。

 

「C級隊員の三雲修です。他の隊員の到着を待っていたら手遅れになると判断して、トリガーを使用しました。」

 

先ほど鷹原に言った規定違反だと理解しているという言葉の通り、三雲の顔色は優れなかった。

しかし、そんな三雲と違い報告を受けた嵐山は三雲の肩に手を置くと三雲に笑い掛ける。

 

「よくやってくれた。」

 

「…え…?」

 

三雲も予想外な答えが返ってきたことで困惑した表情で顔をあげる。

 

「鷹原さんの言っている通りなら君のお陰で死傷者はゼロだ。オレの弟と妹もこの学校に通っていてね。」

 

そう言った嵐山は視界の端に件の兄弟達を見つけると名前を呼びながら飛び付いた。

それを見た鷹原はあの重度なシスコンブラコンさえなけりゃパーフェクトな隊長さんなんだけどなぁと思ったとか思ってないとか。

 

「訓練用トリガーでモールモッドを倒すなんて、正隊員にもできる人は少ないぞ。」

 

「嵐山隊長、違反者を褒めるのはやめてください。」

 

妹弟に頬擦りしながらそう言う嵐山に木虎が苦言を呈する。

この場はこの二人に任せておけば良いかと思った鷹原はその横で暇そうにしている時枝と一緒に校舎内の調査を提案する。

 

「頼めるか?」

 

「勿論です。イレギュラーゲートの調査も任務の内ですから。」

 

「助かるよ。今度焼肉奢るわ。」

 

「ありがとうございます。最近オフがなかったので気分転換したかったんですよ。」

 

軽い雑談を挟みながら鷹原は時枝を連れて校舎内の調査に向かう。

トリガー反応の調査は出来ても、イレギュラーゲート発生の件に関しては複数人で調べた方が良いだろうという判断である。

 

 

「……鋭い一撃だな。訓練用トリガーでこれをやったってのは驚きだ。」

 

「確かに…、急所を一太刀ですか…。」

 

モールモッドが暴れた場所や現れた場所、モールモッド内部を調べても変わった所など発見できなかった彼らは改めて見るその傷跡に首を捻っていた。

 

「…なんで、こんな芸当出来る奴が今まで無名だったんだ? 彼には悪いけど、三雲修という隊員がC級にいることも、ましてやこんな芸当が出来るC級がいるとも聞いてない。」

 

「…言われてみれば。これだけのことが出来るなら入隊時に話題に上るはず…。少なくとも仮入隊の時からは…。」

 

「意図的に実力を隠していた…?」

 

「まさか! そんなことするメリットがありませんよ。話を聞く限り、正義感が強いみたいですし、わざわざC級に留まるなんて、よっぽどの理由がないと…。」

 

「そうなんだよなぁ…。」

 

尽きない疑問に二人はふーむと唸る。がこれ以上は推測でしかないと判断すると、回収班の到着を待つために嵐山達のいる場所へともどる。

 

が、しかし、そこでは木虎が何やら先ほどの白髪の少年と言い争っているようで場の空気は険悪な感じになっていた。

 

「木虎、何してんのさ。一般人相手に噛みつかない。」

 

「しかしですね、時枝先輩…。鷹原さんからも何か言ってください!」

 

「おう、せめて会話の流れくらい説明してから意見を求めてくれや。」

 

時枝に諌められても止まらずに納得していない様子の木虎は鷹原に話題を振る。この場は隊長の嵐山が納めるべき案件じゃないのかと鷹原は嵐山の方を見やるが、嵐山はここは年長が納めるべきでしょと言いたげな笑顔を向けている。

 

「まず何があったのか説明してくれよ。話はそっからだ。」

 

「それは──」

 

鷹原の言葉に木虎は言葉を紡ぐ。

木虎が三雲に対して隊務規定違反を犯したのだからとキツい言葉を掛けていたところ、空閑と名乗る例の白髪頭が間に乱入。

そこから口論がヒートアップして、そこに鷹原と時枝が戻ってきたのだ。

 

「なるほどね…。」

 

そこまで鷹原は顎に手を当てて考える。そして考えが纏まったのか、顎から手を離して頷くと真っ直ぐ三雲の方を向いた。

 

「三雲くん、今日はありがとう。助かったよ。」

 

鷹原は素直に例を述べた。その対応に木虎は驚いた顔を浮かべるが嵐山と時枝は“まぁそうだろうな”という顔になる。

 

「た、鷹原さん!?」

 

木虎は慌てたように鷹原へと詰め寄るが、そんな木虎を鷹原は“まぁまぁ”と宥める。

 

「落ち着けって。…確かに彼は隊務規定違反をした、けれども大勢の人を救ったんだ。違反した部分だけを見てバッドと切り捨てるのは勿体ないとオレは判断するよ。それに──」

 

バツが悪そうに頭を掻いて鷹原は言葉を続ける。

 

「もし三雲くんがいなかったら被害は校舎の破損だけじゃすまなかっただろうし、彼が隊務規定違反を犯したのも元を辿れば不甲斐ないオレたちの責任だ。三雲くんを責めるのは違うとオレは思うよ。」

 

「で、ですが…。」

 

「それに彼の処分を決めるのはオレたちじゃない。上だ。ここでいくら議論をしても何もならんよ。」

 

そう言って鷹原は背を向けてボーダー本部のある方へと足を向ける。

 

「嵐山、今から報告しに行かなきゃない。着いてきてくれ。三雲くんのことも口添えしなきゃならんしな。」

 

「はい!」

 

嵐山は嬉々として鷹原の後を着いていこうとする。

そんな二人の前に白髪の空閑という少年が立つ。

 

「あんた凄いね。本心からそう言うことが言えるんだ。」

 

「…オレは社畜だからな。上から任された仕事の尻拭いを下にやらせるのは社畜としてのオレの流儀に悖るのさ。」

 

「ほうほう、シャチク…。なるほどなるほど。」

 

白髪の少年はふむふむと納得した様子で頷くと「呼び止めて悪かったね」と一言謝って道を開ける。

不思議な少年だと思いながらも今は上にどう説明しようかということを考えていた鷹原は少年のことを頭の片隅に追いやって本部に向かったのだった。

 

 

 





簡単に納得する鷹原隊長、マジチョロですわ。


人物紹介

蓮川蓮
…上から読んでも下から読んでも蓮川蓮。
スナイパーとして入隊。入隊式のスナイパーの訓練説明中に彼女の腕前を見た鷹原が勧誘。師匠として後に想い人となる木崎レイジを紹介される。
そしてB級に昇格を果たした彼女はスナイパーという枠に囚われることなくグラスホッパーとテレポーターを迷うことなくセットした。
スコーピオンの師は鷹原の紹介で風間の下を訪れたが、風間が“それなら…。”と歌川を紹介し、今に至る。
アクロバットしても揺れることのない体型。
実際その胸は平坦であった。


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