ほのぼの八色   作:ポテカルゴ

1 / 3
Part1☆

「せーんーぱーいー、疲れましたぁ」

 

11月。外も寒くなり布団から出れなくなるこの季節。

 

休日には昼まで布団から出れなくてだらだらしているはずが...

 

なぜか、俺は休日出勤している。

 

理由は一色以外の生徒会メンバーがインフルエンザで倒れ、ちなみに奉仕部のメンバーも風邪で倒れ...

月曜日にある学校の大事な人会議用の資料が間にあってないからということである。

 

いつもながら一色が奉仕部に助けを求めるのだが俺以外の二人がダウンしてるため俺が一人で手伝っているという状態である。

 

 

「せんぱぁい、あなたの唯一の後輩はもうダメですぅ...」

 

「一色、頑張れ。ほら、マッ缶やるから。」

 

「また、そのコーヒーですか...それ、甘過ぎますぅ...」

 

「マッ缶を舐めるなよ...この糖分が頭に回って仕事の回転率があがってはかどるのだ。」

 

「それはせんぱいだけです...1回、休憩にしましょう!」

 

「休憩...するか。」

 

 

ふと、時計を見ると針は12時をまわっていた。9時から資料作成してもう3時間も経っていたのだ。

作成中、一色から話しかけられながらも頑張っていたが午前中では終わらなかった。

 

「ふっふっふっ...」

 

「突然、どうした?」

 

「じつは...せんぱいにお弁当を作ってあるのです!」

 

「はいはい、あざとい。」

 

「ほんとですよぉ!ほら!」

 

一色のカバンから出てきたのはピンクの可愛らしい弁当と黒の男っぽい弁当だった。

 

「え?なに?それどうしたの?」

 

「手伝ってくれてるのになにもしないのはダメだなーって思って弁当を作ってきたわけです!」

 

ちょっとドヤ顔で言われた。両手を腰につけてドヤ顔してるから腹立つ。可愛いが。

 

 

「まぁ...ありがとうな。昼飯どうなるか分かんなかったから。」

 

「仕事の量がどんなものか教えてなかったので...ごめんなさい。」

 

作成が午前中で終わるかなって思ってたら意外と多かったのだ。これを一色はギリギリまで一人でやってたから流石だ。

 

でも、ギリギリになる前に少しは頼れな。唯一の後輩よ。

 

「しょうがねぇよ。仕事の量の多さ、少なさなんて誰にも分かんねぇ。まぁ、量じゃねぇよ。質だ。質が悪かったらまた、1からのやり直しだからな。」

 

 

バイトでもそうだ。バイトの一人が1時間で終わったとしてもめちゃくちゃな場合が多々ある。そういう時に限って正社員は手を触れてない。

次の日に俺が一からやり直した時に時間が取られるのだ。

しかも、めちゃくちゃの仕事内容を正社員にみられたら俺に言うんだぜ?まじ、意味わかんねぇよ。俺がやってる時にしかみてないんだぜ?あいつら。

こういう理不尽を受けて大人になっていくんだなって思ったわ。

 

「まぁ、一色の仕事は丁寧だから助かってるよ。」

 

「あ、ありがとうございます...」

 

なに、照れてるの?あの一色が?まじ?めっちゃ破壊力あるじゃん。

 

「それはそうと、弁当食べましょう!」

 

「お、おう、そうだな!」

 

 

弁当を開けるとまず目に入ってきたのはハートマークだ。いやいや、あざとすぎでしょ...

 

「あざと...」

 

「あざとくないですー!日頃の感謝をこめてハートにしただけですー」

 

「なら、戸部とかにも作ってやれば?」

 

「戸部先輩は弁当作ってあげるほどの仲じゃないので...」

 

「あ、そう。なら、葉山は?」

 

「葉山先輩はー、ハートマークとか嫌いな気がするんですよねー。」

 

そんな感じはするはする。葉山は普通の弁当でも女子を喜ばす能力持ってるけどちょっとズレた弁当は褒めづらそう...

 

「まぁ、いいわ。食えりゃなんでも...」

 

他の弁当の中身は唐揚げとか卵焼きとか普通の弁当あるおかずだった。

 

「いただきます...」

 

「あ、もしよかったらでいいんですけど卵焼きから食べてもらえますか?」

 

 

一色に言われたとおり卵焼きを食べた。うまい。絶妙な甘さ。ふっくら。どれをとってもうまい。

 

もう一つ食べてみた。次は甘くない。甘くないがそこがうまい。

 

「せんぱい、どっちの卵焼きが好みかなーって分からなくて二種類つくっちゃいました。」

 

「どっちともうまいぞ。小町が作る時はだいたい甘いやつだけど弁当で甘くない卵焼きは久しぶりに食べたな。ときどき食べたくなる味だし、甘くない卵焼きでは一色が一番だな。」

 

まぁ、弁当作る人が母親、小町の他にいないからな...

 

「ありがとうございます...」

 

「え?なに?あの伝統の早口振り芸やらないの?」

 

「せんぱい...ドMなんですか?」

 

呆れたように一色が言った。

 

「ちげぇよ!今日は一度も聞いてないから不思議に思っただけだ!」

 

「たまにはあれも休む時もあるんですぅー」

 

「そうか...」

 

「そうですよー、あ、弁当続き食べましょう!」

 

他のおかずもうまかった。日頃から料理するのはホントのようだ。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

「すぅ、すぅ...」

 

一色はいつの間にか寝てしまったようだ。まぁ、食後だし変わり映えのしない仕事だししょうがないだろう。

 

まぁ、少しは休ませてあげるか。

 

けど、ストーブだけの生徒会室だと風邪ひくぞ。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「んあ?」

 

俺もいつの間にか寝てたようだ。あとは印刷するだけのところで集中力が切れたのだろう。

 

そういえば、一色がいない。あいつ、どこいったんだ...

 

起き上がるとひらりと何かが落ちた。

 

カーディガンだった。多分一色の。

 

それと女子ものの制服も一緒にあった。一色がかけてくれたのだろう。

その代わりに俺の制服が無かった。どこやったっけーなーって思っていたら一色が帰ってきた。

 

「あれ?せんぱい、起きたんですか?おはよーごさいます!」

 

「おはようさん、で、なんで俺の制服を着てるんだよ?」

 

「やっぱり、せんぱいのでしたかー。起きたら制服がかけられていたのでそのまま使っちゃってます。てへ。」

 

「てへじゃねぇよ。」

 

「でもー、せんぱい優しいですねー。わたしに寒くないように制服かけてくれたりとかー」

 

「ストーブだけとか寒いだろ。毛布を探したんたがな...あと、それは寝ている先輩に私の制服かけてあげたって暗に言ってる?」

 

「もぉー、なんなんですかー。純粋な気持ちでかけてあげたのにー」

 

ほっぺたを膨らませた一色。お前はフグかハリセンボンか?

 

「てか、一色の制服使う意味あったんですかね...」

 

「それはー、せんぱいの制服の方が暖かいからですよー。」

 

「生地的には暖かさ一緒だろ。」

 

「まぁ、なんとなくですよ!なんとなく」

 

「はいはい、そーですか。」

 

「あ、せんぱい、仕事すべて終わらせてくれたんですね。ありがとうございます。わたし、途中から寝ちゃってすみません。」

 

「別にいいわ。弁当も貰ったし。ここ最近、一人で頑張ってたんだろ?お前の方が量的には多いよ。」

 

「せんぱいのデレですか...誰得?」

 

「うるせぇよ。」

 

「これからも仕事手伝ってくださいね!」

 

「休日以外なら手伝ってやる。次は早めに頼れ。」

 

「いつもなら、嫌とか色々いうのに...やっぱりデレですか?」

 

「寝起きだからだよ。バカ。ちょっと顔洗ってくる。あ、制服ありがとな。あと、制服返せ。」

 

「もぉー、しょうがないですねー、どうぞ。」

 

一色が着ている俺の制服を取り返した。着直すと女子特有のいい香りがしてきたのは気のせいだ。多分。

 

 

顔洗って生徒会室に戻った。とりあえず、仕事は終ったから帰る準備をしよう。

その前に...

 

「一色、ほれ。」

 

一色に紅茶を投げ渡した。これであってたかな?

 

「せんぱい、ありがとうございます。」

 

「まぁ、仕事終わりの一服は美味いって聞くからな。」

 

タバコとコーヒーな。あれ、最高らしいな。未成年だからタバコ吸えないけど。

 

「せんぱい、出来るサラリーマンみたいな人ですね。」

 

「バカ言うなよ。俺の夢は専業主夫だ。働きたくない。」

 

「その割には手伝ってくれましたね。感謝してます。」

 

「んなら、帰るか。おつかれー」

 

「あ、せんぱい、待ってくださいよぉー」

 

 

一色があわてて生徒会室に鍵をかけた。その鍵を制服のポケットに入れた。普通に私物化してやがる...

 

 

「せんぱい、なんか食べいきましょうよー。」

 

「えぇー、もう帰りたい。」

 

「せんぱいともうちょっとだけ一緒にいたいのです!」

 

「あざとい。あざとい。で、どこいくんだよ。」

 

「わたし、せんぱいのせいでラーメンにハマってしまって...ラーメンにハマったはいいですけど一人だと入りづらくて...」

 

「あ、そう、なら、ラーメンだな。」

 

「せんぱいのおすすめのラーメン屋教えてくださいね!」

 

「まぁ、ちょっと遠いけどいいだろう。」

 

 

チャリを取りいこうとしたら一色も付いてきた。話しながらだけど。

 

「ほれ、乗れ。」

 

「二人乗りですかー、せんぱいの後ろで我慢しましょうー」

 

「いやなら乗らなくていいぞ。帰るから。」

 

「乗りますよー!待ってくださいよー!」

 

後ろに乗った時、あざとく俺に体を密着させてきた。

 

あの、お胸があたってるんですが。

 

二人乗りしてちょっと遠いがおすすめのラーメン屋に連れていった。

 

一色も満足していただけたようだ。

 

そのあとは一色に振り回されてウィンドウショッピングをしたりプリクラ撮ったり色々した。

本人はカラオケも行きたかったらしい。夜遅かったからまた、今度な。

 

 

ちなみに月曜日の会議は無事に終えることが出来た。

 

無事に終わったことだけでも後輩の為に頑張った意味があったのだろう。

 

一色は周りからもちやほやされている。でも、その内面はあまり知られていない。そんな内面を今は俺だけにしか見せないということはまぁ、信用されているのだろう。

一色も何故か俺を信用してくれている。今までの俺の人生の中で嬉しいことだ。

 

仕事もだいたいは一人でするようになっている。生徒会長としての心構えがだいぶできたのだろう。

 

個人的には頼ってくれなくて寂しいとか思ってないけどな。でも、少しは思ってたり...

 

 

 

 

余談だが後日、俺が風邪を引いて家に誰もいないときに看病しに来てくれた一色との話は別の機会にするとしよう。




一色いろはって可愛い。

八色もいい...

俺はもしかして夢男子...?


今回のSSは試行錯誤してた。これからのSSをもっといいものにしていきたい。

これから受験で忙しくなるからなんか書きたかった作者であった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。