ドラえもん のび太の博麗大結界くんと聖杯くん 作:Remindre
紅魔館の大図書館で、紅茶を注ぐ咲夜がパチュリーを労う。
「・・・パチュリー様。今回は本当にお疲れ様でした」
「私、人前であんまりしゃべるタイプじゃないし」
「何よりも、野外にあんなにいて・・・・」
「正直、いますっごく体調悪いんだけど・・・・」
「あらあら・・」
紅茶を注ぎ終えた咲夜は微笑み、そっとパチュリーへ差し出す。
ありがと、と呟いて、そっと紅茶を一口運んだ。
熱っ・・・とつぶやき、カップをそこへ置いた。
すると、咲夜が真剣な表情でパチュリーへと声をかけ始めた。
「・・・パチュリー様」
「レミリアお嬢様は・・・変われたのでしょうか」
「変われた・・・って?」
「レミリアお嬢様は・・・・ひどくフランお嬢様を憎んでおられました」
「495年間も幽閉を・・・」
「・・・・それは違うと思うわ」
「え?」
「レミィも辛かったと私は思うわ」
「咲夜のいうとおり、フランに対しての憎しみはあったでしょうね。」
「レミィにとって、フランが殺してしまった少女は本当に大切だったようだし」
「ただ・・・その辛さを知っているからこそ・・・フランを幽閉したんじゃないかしら」
「・・・」
咲夜がパチュリーの言葉に黙って耳を傾けるが、表情は困惑しており、どういう意味を持ってそう言っているのかは分かっていなかった。
そう悟ったパチュリーが続ける。
「たぶん、あのままフランを野放しにしていたら、また、同じようなことが起こると思っていたのよ」
「大切な人を、自分の力で壊してしまう。そんな辛いこと・・・もう二度とフランに味わせたくなかった」
「だから、幽閉した」
「それに、フランが暴走した時、レミィも止めることができる自信がなかったんでしょうね」
「・・・本当にバカなんだから・・・・」
「・・・なるほど」
「なに、つまらない話をしているのかしら?」
「あら?いつからいたの?」
「そうね、パチェが紅茶の熱さに怯んでいるところからかしらね。」
「・・・パチェ、あなたには本当に今回迷惑をかけたわね」
「・・・ありがと」
「・・・きもちわる」
「なっ!なによぅ!」
大図書館の入り口の方から騒がしい足音がし、猛スピードでパチュリー達の方へと駆け寄ってくるのが分かった。
そして、それが誰かは一同全員が分かっていた。
「ねぇねぇ!!おねーさま!!!!のび太が神社に今来てるって!!!」
「行きたい行きたい行きたいーー!!!」
「はいはい・・・・じゃ、そういうことでちょっと出てくるわね」
「はやくはやくーーーー!!!」
「はいはい・・・」
「・・・レミリアお嬢様もフランお嬢様のわがままに手を焼いてますね」
「ふふ・・・・でも・・・・」
「まんざらでも、なさそうじゃない?」