世界樹の迷宮 ―――英雄達の軌跡―――   作:春山乃都

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思い付いたので書いてみることにした世界樹の迷宮シリーズとダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか のクロスオーバーです。


それではどうぞ。


琥珀色の世界樹とエルフの少女
第一話


其れは古い記憶。

 

何時だったか、そうまだ少女が故郷で暮らしていた時の事だろう。変わる事の無い日々の中で、唯一つだけ変わった事。それは小さな動物との出会い。栗色でふわふわの気持ち良さそうな尻尾が特徴的な……リスが一匹、少女の前に姿を現した。それを見て、どの様な反応をしたのだったか少女自身、もう憶えて等いないけれど。けれど、その後の事は憶えていた。

 

声がしたのだ。

 

それは少女の父母が言ったのか、友達が言ったのか。それとも、目の前のリスが言ったのか。それは分かりはしなかったが、その言葉自体は、憶えていた。それは、その言葉はそう

 

 

―――――――――イト モッタ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚める。

 

差しこむ光に目を細めながら随分懐かしい夢を見たものだと思い、起き上がり伸びをして、そして気が付く。

 

「……え?」

 

少女から声が零れた。しかし、それは仕方の無い事だ。自室で寝ていた筈なのに起きてみれば見知らぬ場所だったのだから。

 

「これ、は……一体?」

 

困惑しながらも少女は立ち上がり、確認する様に辺りを見渡す。やはり、少女の知らぬ場所。いや、いいや。少女は今居る場所に似ている場所は知っている。知ってる・・・・だが、しかしもし仮に今居る場所が知る場所ならば見知らぬ事がおかしいだろう。そう、少女が知る場所で、見知らぬ場所と言う事は、まだ少女が行った事が無いと言う事を示しているのだから。 

 

そしてそれがどれだけ危険な事で在るのかを……少女は良く知っていた。

 

「――――――――――――ッ?!」

 

再び、辺りを見渡す。しかし今度は何処なのかを知る為では無い。それは安全確認、詰まりは脅威になるそれが居るかどうかを知るための行為だ。一応の確認が済んだ所で、今度は己の身を確認する。何を持っていて、何を持っていないのかをだ。しかし、その結果は最良とはいえず、寧ろのその逆で最悪と言う他無いものだった。 

 

何も持っていないのだから。

 

いや、考えてみれば当然と言えよう。何せ少女は寝て起きたら其処に居たのだから。自室で寝る前に完全武装して寝る等、はっきり言って年頃の少女がする事では無い。 

 

尤も、もしも今度が在るならば年頃の少女として如何かと思う行動を、少女はとるやもしれないが。

 

「如何しよう……?」

 

さて、くだらない事を考えた処で状況は好転する訳で無く。少女は如何するべきかを思考する。頭の片隅で無駄であると思いながら。 

 

そう、無駄なのだ。もし仮に、今の場所が先程述べた通りの場所で在るならば。少女は何も出来ずに死を迎える他無いのだから。

 

そんな場所こそが少女の知る―――――――――ダンジョンと言う場所なのだから。

 

 

 

『――――――――――ギッ…!』

 

 

 

少女の耳に届く声、いいや音。弾かれる様に、少女は音の聞こえた方を見る。其処に居たのは一匹の蝶だった。

 

「は?」

 

気の抜けた声。しかし、少女の事を攻めてはいけない。何せ、少女の目の前にいる蝶は、如何見ても蝶だったのだ。そう、虫の蝶だ。大きさという点では普通とは言い難いだろうが、少女から見て、それが如何しても強いとは思えなかった。だって蝶だし。

 

「え……いや、いやいやいや。如何いう事なんですか?」

 

またも困惑した様に言葉を零す。如何足掻いた処で生存は絶望的だろうと思っていたら。まさかの蝶々である。気が抜けるのも仕方が無いと言えなくも無いだろう。 

 

目の前に居る巨大な蝶が、自分の知っているものでは無いという点から目を逸らせばだが。

 

『――――――ギギッ!!』

 

気の抜けてしまった少女に、蝶は挑発されていると受け取ったのか。羽を激しくばたつかせながら少女に迫る。蝶の渾身の突進。それを見て少女は、痛いの嫌だと当然の様に躱す様に体を動かして。

 

 

直撃し吹き飛ばされた。

 

 

「―――――――――――――――――え?」

 

何が起きたのか、少女には理解できなかった。只管に、おかしいおかしいと混乱し。

 

「いッ!?」

 

体を駆け巡る痛みを認識して、我に返る。何が、如何して?!

 

そう思いながら、少女は逃げる様に体を動かそうとして、痛みでうまく動く事が出来ずにいた。

 

「―――――――――――――ギッ!!」

 

其れを見て好機と取ったか、其れとも其れすら挑発と取ったのか。蝶は再び、少女に迫る。

 

迫る、嗚呼そうだ。今、蝶は今少女に向かって突進している。もはや少女の見る其れは蝶でなく、その姿を借りた化物だった!!

 

死ぬ、死んでしまう。 このままでは殺されてしまう。なのに、体は動かなく。言葉もでなくて。

 

嗚呼、此処で……終わってしまうのかと、諦めて。

 

 

 

 

 

 

―――――――――タンッ。

 

 

と、短く響く破裂音。同時に少女の目に映ったのは弾け飛ぶ化物。何が起きたのか。一体、何が起こったのか!?

 

それを確認する間も無く、意識を暗い闇に落としながら。最後に見たのは藍色のコートで。聞いた音は。

 

 

 

「……なにこの状況?」

 

男性の、困惑したような言葉だった。

 

 

 

 

 

此れが、一つの始まりの出来事だろう。

 

少女の始まり。

 

 

 

 

 

レフィーヤと言う少女が……世界樹へと挑む冒険の始まり。

 




読んでくださり感謝の極み!。

尚、続きは言わぬが花で御座います。



それではこの辺で。
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